CLUB FORESTのえんぱいな日々(本編) 第五百五十九話 ラグナロク序章 その3

 

Drフィッツジェラルド(以後ドクター):
それはわたくしが直接お話をした方がよろしいですわね

エステル:
そうですわねマドマゼル・フィッツジェラルドお願いできますか?

悠里:
ひぃぃぃ! ドクターフィッツジェラルド! ええぇえ! なんで!

萌香:
えっ! どういうこと? ドクターフィッツジェラルドって電子の幽霊じゃなかったの?

ヴェル:
あ~ドクター待ちきれなくて出てきちゃったんだ・・・。

ドクター:
栗田閣下、ミストレス瑠莉、そして剛史、悠里、久しいですわね

ヴェル:
気持ちはわかるけど、まだカラダが慣れてないだから師匠! 挨拶は座ってから! 

ドクター:
メルシーヴェル

エステル:
マドマーゼル、余り無理はなさらないでくださいませ

萌香:
ねえ、わたしネットダイブとかできないし! もしかしてアレってCGで拡張現実とかじゃないよね? いつのまにかわたしのチップがハックされたとか?

悠里:
いえ、ハックなどされておりませんわ。 あれは物理空間に存在しおりまりますわ…

萌香:
どうなってるのよ! だってDrは死んで今は電子の幽霊って話じゃないの? 悠里説明して! 

悠里:
わたくしにも何がなんだか…


理沙:
マドマーゼル、ハワイコナのオレでございます。少し熱いのでお気をつけてお飲みください。

ドクター:
嬉しいわ理沙。これを楽しみにしていたのよ。

ヴェル:
師匠よかったね。


ドクター:
美味しいですわ。 皆様のおかげでこうやって理沙のコーヒーが飲めますわ。

エステル:
わたくしも苦労したかいがあったというものですわね

ヴェル:
(ぐすっ・・・(涙))

ドクター:
あらいけませんわ、理沙のコーヒーに気を取られてしまって初めての方へご挨拶が…

エステル:
ソーサーにちゃんとカップを…やけどしますわよ

ドクター
萌香さんでしたっけ? いつも弟子のヴェル、そしてわたくしの娘であるフランソア・デルポールがお世話になっていると聞き及んでおります。現在は電脳空間に隠居して電子の幽霊をしております、フィッツジェラルド家元当主のフランソア・フィッツジェラルドでございます。 よろしくお願いいたしますわ。

エステル:
はぁ…間違ってはいませんが…

ヴェル:
師匠! 萌香お姉ちゃんはヴェルの今の上司さんなんだよ!

ドクター:
まあまあ! ヴェルの上司さんですかぁ~大変でしょ?

萌香:
いえ! その…あの…ヴェルさんはとても優秀でして! 

ドクター:
ヴェルはまだまだ至らなぬことが多いと思います厳しく指導してくださいね

萌香:
いえいえ! いつも助けていただいてるのはわたし達でして!

悠里:
そうじゃありませんでしょ!
萌香もドクターも、ちょっとまってくださいませ。 まあたしかにこのマイペースぷりは本物のドクターだわ…

エステル:
はぁ~。

悠里:
ドクターフィッツジェラルド! あのどうなっているのか説明をお願いしますわ!
 
ドクター:
先ほどのエステルへ誤解について説明はこれからいたしますが

悠里:
そうじゃなくて! あの! なんでここに! その前になんで物理空間に! その体は!

 ドクター:
見てのとおりですが? 何を説明?

悠里:
ですから!!

萌香:
(Drフィッツジェラルドって思っていた印象と全然ちがうんだけど‥‥)


Drフィッツジェラルド(以後Dr):
説明をするにしても会議もありますし時間が持ったないですわね、電脳ロビーで…あっつ萌香さんはダイブ能力が無いでしたわよね? 


Dr:
そうですわ!萌香さんはツインプロセッサ型のニューロチップを搭載しておりますよね、そこにバイパスを通して…こないだ開発したスプロールの仮想電脳を使用した新機能を追加しますので!

ヴェル:
えっ! 師匠ちょっと!

エステル:
始まりましわ…

悠里:
マドマーゼル! それってちゃんと事前にチェックいたしましたの?

Dr:
理論的には問題ないですわよ!

悠里:
やっぱりチェックしておりませんのね!

萌香:
あのぉ…それってもしかして…私を改造?


Dr:
でわインストールしますわよ? ちょっとだけチクっとするかもですが♪

ヴェル:
師匠!! まって!

Dr:
いきます♪

SE:
ぱちん♪(指をならす)


萌香:
あぁああぁぁ!!!(ビクンッ♪ビクンッ♪ビクンッ♪ 痙攣している)

悠里:
萌香!

萌香:
あぁああああ!

悠里:
大丈夫ですの?

萌香:
頭の中を指で直接ぐりぐりされたような感じがした…脳を直接犯された感じ…。うぅ…気持ち悪い…


悠里:
ヴェルどうですの?

ヴェル:
良かった、全機能正常、新しくスプロール上にある仮想電脳プロセッサにブリッチバイパスを通して接続正常。これで萌香お姉ちゃんもそれをつかって簡易ネットダイバー機能を使用する事ができる。 これは萌香お姉ちゃんがすっごい特殊なニューロチップを使っているからできる事だけど…あと同時に鈴佳お姉ちゃんも同じように使えるようになった…たぶん鈴佳お姉ちゃんも今びっくりしてるとおもう…今、フランソアと里緒奈お姉ちゃんとクレアに言って様子見に行ってもらうようにした

悠里:
鈴佳もですの? クレアで大丈夫ですの?

ヴェル:
いまチェックフォーマットはクレアに転送したからそれをチェックするだけだからクレアでも大丈夫


エステル:
マドマーゼル…あのですね…

Dr:
でわ皆様、いきますわよ!

パチンッ!(指をならす)


アウロラで頭中に直接響いている

アウロラ:
マスター強制ダイブきます。 ダイブします。

萌香:
ちょっとアウロラ!

SE:
しゅぅぅぅん

萌香:
うぅ~ん…

萌香:
あれ? さっきまで椅子に座ってたよね?…!! これが電脳空間(サイバースペース)ってモノなの?

萌香:
うわっ! なんで裸! 

???:
それはマスターがバリアジャケットを設定してなかったからです

萌香:
あれ? ドックタグが話してる?

???:
わたしはAdubustar User Reacity Organize Revolution Agent AURORA No 00AF101 マスターがいつもアウロラと呼んでいるストラクチャー(構造体)です。 この度Drフィッツジェラルドにより大幅に機能強化が行われ、Moeka Assist Reacity Agent = MARIA(マリア)として強化されました。 電脳空間、物質空間問わずマスターをサポートいたしますのでよろしくお願いします。

萌香:
マリア? そのよろしく? 

萌香:
その話だと私のアウロラがDrフィッツジェラルドによって機能強化されたということよね? でも基本は元のアウロラと同じ私のアウロラ?

マリア:
そうです。 いまの名前はマリアですマスター。

萌香:
わかったマリア、とりあえず服を着たいんだけど‥全裸っていうのは落ち着かなくて

マリア:
でしたらマスター、CFOMAL(シーフォーマル=Cyberspace Fourdimension  Object MArkup Language)で記述して…

萌香:
そんな事できないわよ! だいたい何そのしーふぉ…えっと?

マリア:
CFOMALですマスター。 わかりました。わたしのデバイスイメージの固定作業もございますのでついでにマスターの分のバリアジャケットも基本はこちらで用意いたします‥‥頭に今、思い浮かんだ「ワード」を発して「起動」してください

萌香:
えと…これ?

萌香:
天空に届く音 深海に潜む音 人の心に響く音

萌香:
マリア! セッ~トアップ!

SE:
シャキ~ん♪

SE:
ピンっ!♪

SE:
シュバッ! シャキ~ん♪

SE:
シュウィ~ン!

萌香:
うわぁあああああ! 何これええぇ!! 恥ずかしいぃぃぃ!
(恥ずかしさで左腕をバタバタさせている)

マリア:
マスター、結構ノリノリでやってましたけど
(銃が話している)

萌香:
言わないでぇええええ!

 ヴェル:
萌香お姉ちゃんいた!

萌香:
ヴェルが飛んできた!

ヴェル:
まずは、Well come to cyber space! ヴェル達、ネットウィーザードの世界へようこそ萌香お姉ちゃん。

萌香:
うん、ありがとう。 ねえここってどこなの?

ヴェル:
どこ?

ヴェル:
クロノス、ここはどこ?

クロノス:
現在の座標は aa020fb.01bbaaa.fffee01.b80000.7lacd32.77dc91 です。

ヴェル:
だって!

萌香:
杖がしゃべった。 あの座標かな?そういうことではなくて、ここってサーバーの中? とか?

 ヴェル:
あ~そういう意味か、ここは「何処でも無い場所」電脳空間のコモンラインの上に一時的に発生する領域でダイブインなどに使われる…うーん…説明が難しい。

萌香:
まあいいや、とにかく来てくれて良かった。会議するとか言ってたから、そこにどうやったら行けるとか、それ以前に動くにはどうしたらいいかとか…途方に暮れてたから

ヴェル:
だよね~今度ちゃんと時間つくって色々教えるから! 今は師匠のロビーに行こう?

萌香:
それでわたしはどうしたらいいの?

ヴェル:
萌香お姉ちゃんヴェルの手を握ってちょっとの間、離さないでね!

萌香:
うんっ! おおっ! 浮いた!


ヴェル:
クロノス! シフト、師匠の講義室!

クロノス:
ラインエンゲージ、シフト準備完了

ヴェル:
いくよ萌香お姉ちゃん!

萌香:
はいっ!

ヴェル:
転移(シフト)!

萌香:
眩しい…白い部屋? 机と‥ホワイトボード?

Dr:
萌香さんも来たわね。

悠里:
裸では無いのですわね。

萌香:
あっうんマリアが準備してくれた

悠里:
かなり優秀なエージェントAIを用意してもらえたらしいですわね。 何をやっているのです? 座ったらいかがですか?

 萌香:
さっきまではふあふあしてて、現実感がなかったけど…これ、机の肌触りとか、椅子の質感とか…どう考えても現実としか思えない。

悠里:
ここはDrのスプロール…無数の人工衛星群で作られたサーバー群の中に用意されたルーム領域だから、データ量が先ほどまでいたコモン領域とは違いますからね。 ここまで情報量がそろえば、脳にとっては現実ですわよ 

萌香:
だってこれデータなんでしょ?

悠里:
はぁ~物理空間だって萌香のカラダの皮膚感覚から脳が受け取っているデータという点では変わりありませんでしょ?  受け取っているのは萌香の脳なんですから同じですわ。ですあからここだって現実。

Dr:
萌香さん、初めての電脳空間で戸惑っていると思いますが今回はお話をするだけで済むのでそのまま参加して下さいませ。 改めて後からヴェル、悠里、そして紅葉さんに講習を受けると良いですわ。

ヴェル:
師匠!萌香お姉ちゃんの事は任して下さい。

萌香:
Drフィッツジェラルド、解りました。 あっ紅葉さん!

紅葉:
Drから連絡を受けましてわたしくしも参加させていただきます。 その後で萌香さんと悠里さんにお頼みする事があるのです。