第三話「保坂良二のご主人様の一日 」その10

 

鈴奈:
先ほどご主人様は好きな男性ができた時の為に処女は取っとくべきだとおっしゃいましたが、鈴奈が好きなのはご主人様です。


鈴奈:
もちろん、恋人にしてくれとか思ってません。 久美メイド長や麗奈さんみたいなステキな女性がいらしゃるし、あくまでただのエンパイアクラブのメイドとして、エンパイアクラブのご主人さまとそのメイドとして…その片隅に置いていただければいいんです。

身分不相応な恋だと解ってます。 


鈴奈:
でも気落ちは押さえられないから。 日本に来てから、このクラブに配属になってからすぐに好きになって、ずっと…ずっと好きでした。 人を好きになったの初めてなんです。 だからどうしていかずっとわからなくて…ご主人様をみるとドキドキしてうまく話せなかったりしちゃって。


鈴奈:
恵や奈々などメイドの友達に相談したりしたら、やっぱりエンパイアクラブのオーナーは女として独占できないから、みんなのモノだから好きになるのは辛いことだって…言われたけどでもそれでも好きだっていったら…最後は応援してくれて…


鈴奈:
だから、鈴奈の事、ご主人様のちゃんとしたメイドとして…片隅にでもいいので置いてくれませんか?

良二:
メイド達が言うようにボクはエンパイアクラブのオーナーだから一人の女のモノにはなれないよ? 本当にそれでいいの?

鈴奈:
それは当然です。 ご主人さまはこのクラブのご主人様ですから。誰かが独占したらメイドみんなが困ってしまいますから。

良二:
もう一つ聞くね。 鈴奈はボクの専属メイドだよね?

鈴奈:
はいそうです

良二:
その専属メイドを指名したのはボクだよね? まあ久美ちゃんと麗奈には相談したけど。

鈴奈:
う~ん? そうですね

良二:
だからね、ボクはご主人様として、メイドのキミが好きだから…専属メイドになってもらったんだ。 でもボクが好きなだけで、キミの気持ちは別じゃない?

鈴奈:
はい? そう…ですね? でも…

良二:
だから! ボクはもともとメイドのキミが好きだったの! 久美ちゃんと麗奈に無理いってキミを専属メイドにさせてもらったの! ずっと一緒にいたいから! キミが久美ちゃんと麗奈をみとめてそれでも良いっていうなら‥‥

鈴奈:
????はい? えっとそれって…? どういうことですか?


良二:
だから! キミが好きなの! ボクは鈴奈が好きなの! だけどエンパイアクラブのオーナーのボクじゃ久美ちゃんや麗奈みたいな普通の女の考えじゃない子じゃないとつきあえないでしょ? だから悩んでたのに!

だけど麗奈は毎日、ボクが男らしくないとか、なんで鈴奈の事を口説かないだとか! 
久美ちゃんには冷たい目で「ダメご主人様」とか! 「甲斐性なし」とか言われるし! しまいには律子姉さんにまで言いつけて‥‥

鈴奈:
ちょっと! ご主人様落ち着いてください! 冷静に! ねえっ? 冷静にいったんなりましょう?