第一話「Trust You're Truth」その6
SE:
タタタタタタッン!
心:
的の六個の丸に一発づつ…全部外さずに…一斉射でスゴ・・・
ルフィナ:
いつもながら鈴奈はスゴイね…
カチ(セーフティーをかけている)
ヴェル:
どう? 使えそう?
鈴奈:
ドイツにいるの時に使っていた36と感触は変わりません。 バレルを交換したらわかりませんが、今のところは使えると思います。 不満はありません。
ヴェル:
この子は彩香が言ってたけど追加オプションが豊富だからね、それで変わっちゃうか
鈴奈:
そうですね汎用性の高さが特徴ですから
心:
カッコイイだけど、でもさ、ねえ、鈴奈って何者なの?
ルフィナ:
うーん、心にも話しといたほうがいいよね。親友だし。 えっと鈴奈は去年までドイツのGSG-9のカウンターオーバーメイドテロユニットにいたの
解説:
GSG-9(第9国境警備群 Grenzschutzgruppe 9)
連邦警察 (BPOL)内の対テロ特殊部隊。 えんぱいあな日々の世界ではフランスの国家憲兵隊治安介入部隊(フランソアや悠里、優香が所属している部隊)と共に欧州合衆国で主導的な立場にある部隊
心:
えっ! 海外のアクションドラマで見たことあるから私でも知ってる! そんなすごい部隊にいたの? でもなんで‥‥日本にきて普通のメイドさんに?
ルフィナ:
それは…うぅ…
SE:
ガチャン!(ライフルを組み立てている)
鈴奈:
任務中にね、鈴奈…壊れちゃったの‥
心:
鈴奈、壊れたって! どういうこと? ニューロチップがとか? カラダとか?怪我したとか?
鈴奈:
うーん、全部かな? ほら私達ハイパーメイドってアポリロイドの中での特殊じゃない? こう試作品? っていうの? マスターになれるご主人様も基本的にはいないから仮マスター登録だしね。
カチカチ(標準器を合わせている)
鈴奈:
そのまま、ニューロンチップが暴走したらしくて、生命活動に支障がでたらしい。でもハイパーメイドなんて直せるマイストロ(高度な技術者や職人のこと)なんかドイツにいなかったらしく、日本に搬送されて‥‥このForest の瑠莉オーナーやヴェルさん、Club GreenWood の西園寺オーナーが手を尽くしてくれて‥鈴奈は命は助かったんだけど
それで…元の部隊に戻れない鈴奈は泣いちゃって…一応仕事に「自負心」とか…「使命」とか…そういうのを感じてたの。 それを全部失ったような感じがしてさ…。
そのときにご主人様から言われたの。 鈴奈はどうしたいって? もしどうしてもドイツに戻りたいっていうなら、ボクはドイツでクラブをするからって。
笑っちゃうよね…そんなたった今、メイドにしたメイドの為に…自分のクラブを移動しようとするご主人さまなんて…それも海外(苦笑)
鈴奈:
そんな風に言われたらマスターでわたしはメイドで…好きになっちゃうの当然だよ。 だから‥わたし咄嗟に…ご主人様のところで普通のメイドとして雇って下さいって…言っちゃった。 一般メイドで片隅でいいですから置いて下さいって‥。 今までお屋敷のメイドなんかしたことないのにね
鈴奈:
いまでも、なんて無茶なこと言ったんだろうって思うけど。 そしたらご主人様と瑠莉オーナーとフランソア奥様と色々お話して…かなり強引な事したんだろうけどエンパイアクラブミリタリアのForest駐屯地へのGSG-9からの派遣隊員になってご主人様の護衛メイドとして日本にいられることになった。 まあその後、エンパイアクラブのメイド学校で、里緒奈先生に世話になりっぱなしのダメメイド候補生だったんだけど♪ でも正規なメイドになって、ご主人様の専属メイドを拝命して…そして恋人にもなった! 新しい鈴奈の人生!
鈴奈:
だから鈴奈はご主人様を心の底から護りたい。 みんなのエンパアクラブ・ホワイティーガーデンを護りたい。
それとお世話になった瑠莉オーナーやヴェルさんや西園寺オーナーのお手伝いをして鈴奈の命を救ってくれたことと新しい人生をくれた事の恩返しをしたい。
それが「鈴奈のしたい事」だから!