くみ泡 第五話「奈々とご主人様と癒しの夜 その1」
良二:
久美ちゃんゴメンねなんか最後まで付き合ってもらちゃって
久美:
いいよ書類仕事なら私も手伝えるし。 最近は鈴奈ちゃんがいるから麗奈の夕食も心配ないからそれに…良くんとお仕事の合間に夕飯二人で食べれるのも嬉しい♪ 二人には申し訳ないけどね♪
良二:
あはっ…ボクも久美ちゃんと二人の食事は嬉しいよ。 う~ん麗奈は、一人だとお菓子で食事すませるからね。その点は鈴奈が居てくれるのは安心だね
奈々:
うぅ…ぐしゅ…うぅぅ…ひぐっ…(泣いている)
良二:
奈々?
久美:
泣いているの?
良二:
奈々!
久美:
どうしたの? 奈々ちゃん、何があったの?
奈々:
ご主人様…メイド長…
奈々:
ぐす‥‥うぇ…ふぇぇえええええん!
良二:
ちょっと! 奈々!
久美:
良くん、何やってるの、男の子でしょ! まず、落ち着くまで奈々ちゃんのこと胸に抱きしめて髪なでててあげて! それでたぶん落ち着くと思うから はやく!
良二:
うん…わかった! 奈々ちょっとゴメンね
良二:
よしよし…もう大丈夫だよ、ボクがいるからね。 もう心配いらないから。
奈々:
ご主人様!えぐっえぇええんぐしゅ…
久美:
良くん、落ち着くまでお願い。
久美:
私のハンドタオルで悪いけど水に濡らしてきたからまぶたが腫れて可愛い顔が台無しよ? ほら目に当てて
奈々:
メイド長、ご主人様、ゴメンナサイ…
良二:
気にしないで、それよりゆっくりでいいから、ボク達に何があったか話せるかな?
奈々:
わたしって殆ど過去の記憶が無いじゃないですか? それはわたしとしても納得してるんです…あったとしても辛い記憶だろうし。 今はとても毎日が幸せでこれから良い思い出をつくればいいだけですし。
良二:
うんそうだね。 奈々は強い子で立派だとボクは思うよ?
奈々:
わたしは強くなんかないです! そうやって自分をごまかしてるだけです。 たとえそれしかないとしても…。 そうでもしないと弱いわたしは生きていけないから。 でもそのごまかしも効果が切れるときがあって。 じつは鏡をのぞくときに時々なんですが、この両目が茶色いわたしがぱっと浮かぶときがあって…それが過去のわたしのときの顔じゃないかと…フラッシュバックっていうのかな? それが…
奈々:
それで…それが浮かぶと…わたしって本当は何者なんだろうと…考えが蘇ちゃって…怖くなっちゃって…
良二:
ああ…(網膜や視神経がもっている残留記憶というやつかな? 瑠莉お姉さんやヴェルさんが説明してくれた)
久美:
今回もその鏡みてフラッシュバック? が起きちゃったの?
奈々:
はい、そうです。お仕事終わって更衣室で着替えてそのときに鏡をみたら…茶色い目のわたしが…ぱっと浮かんで…それで心の底から怖さが‥‥
良二:
それでここで泣いてたんだ。
奈々:
はい…。
久美:
怖くて泣いていたんだね?
奈々:
はい…ごめんなさい、こんな事でメイド長とご主人様に心配かけちゃって…スイマセン
久美:
謝らないの。 そうねー解決はできないけど…その怖さを一時的に取り除くことができる人がいるわよ? ごまかすことにはかわらないけど、少したてば怖くまたなくなるなら…それもありだし対処療法? アルコールやましてや薬などは依存的にも健康的にも良くないから別の方法で
奈々:
そんなこと出来るというか‥‥そんな人いるですか? ヴェルさんとか? それともForestの瑠莉オーナーとか…?
久美:
違うわよ、メイドが怖くて震えているのを消して日常にもどせる魔法を使えるのはそこのご主人様よ?
奈々:
ご主人様! そんなことできるんですか!
良二:
えっ? ボク?
(久美ちゃんまさか・・・)