くみ泡 第七話「ずっとそばで」

 


鈴奈:
これでForestから派遣されている警備員さんの警備課への正式な派遣と部隊わけ勤務シフト、宿舎の手配は全て済みました。

ルフィナ:
警備員の警備装備についてはノンリサール(非殺傷)のみをこちらの警備課の指揮では使用し、非常事態が発生した場合はForest下に指揮系統を移譲することで武器使用の判断を行う形でエンパイアクラブミリタリア極東本部及び、クラブ管理本部双方に許可を貰いました。

絵美香:
この二つについてはお姉さん何もしてなくて、鈴奈ちゃんとルフィナちゃん二人が書類から双方のクラブ、本部への交渉なども全部したのよ。

麗奈:
すごいわね! これであと少しで本格稼働だよね?

良二:
そうだね。ルフィナちゃん、本当に協力ありがとうね。 鈴奈、良くやってくれた。 絵美香お姉さん、最後の詰めについては警備課は副メイド秘書直轄なので鈴奈警備課長ともによろしく頼むよ。

鈴奈:
警備課長…うぅ…

ルフィナ:
あともう一息だから頑張りましょう警備課長!

鈴奈:
あうぅ‥‥!

絵美香:
あはっ♪ 鈴奈ちゃん、ルフィナちゃん奈々が報告終わったら、ケーキを用意してくれてるから、コーヒーを淹れてもらってそこで最後の詰めをしましょう。 さあBARコーナー行きましょう♪

ルフィナ:
ケーキと奈々のコーヒー嬉しいです! 鈴奈ほら、行こう!

でわ、失礼いたします!

鈴奈:
…うぅ…失礼します。

SE:
カチャ♪(ドアがしまる)

クリス:
ご主人様。 ご主人様と麗奈にお話しがあるのですが、少しお時間をいただけますか? その間、執務室は久美メイド長に頼む事になりますが。

 良二:
ボクと麗奈に? 久美ちゃんちょっとだけ執務室の事頼めるかな? たしか‥

久美:
はいエスコ部のお部屋増設の件、夢愛さんが時間が取れしだい相談したいと言ってましたので、もし来たら‥‥先に始めときます…。

良二:
悪いがお願い。

良二:
それでクリスメイド秘書。 話って?

クリス:
率直に聞きます。 久美さんの事です。

麗奈:
やっぱり…

クリス:
ここ数日、久美さんはとても何か落ち込んでられて、正直仕事の効率も悪くなってます。 絵美香は今、鈴奈の仕事的にも精神的にも補助に全力を注いでいるのでたぶんあの子は一つの事に集中すると周りが見えなくなるので、今は鈴奈の事しか見えてないと思います。 それで、あまりプライベートな事に口をはさみたくないのですが、お二人に直接聞くのが良いと思いまして。 

 麗奈:
仕事に支障でちゃってますよね~。 良二どうする? 

良二:
う~ん…まあ話しするしかないね。 メイド秘書からみて仕事に支障が出ているという判断なんだから。

良二:
その絵美香お姉さんが鈴奈をとても面倒みてくれてて、ほら今回の警備課の立ち上げの書類など勤務時間外にまで持って帰ってやってるのさ。

麗奈:
遅くまでやるからと言って、私達の寝る時間を気にして、別の部屋で仕事をしているのです。 本当は持ち帰りの仕事は良く無いだけど…

良二:
本当に楽しそうやってるから。 そういう時あるじゃない? だからあえて止めないでやらせるって判断をした。

クリス:
健康面で無理がなく、積極的に彼女がやっているなら…やりがいに今後つながるなら…まあ側で絵美香が見ていますし無理はさせ無いでしょうし。 逆に止めて意気消沈となったらもともこうもないですしね。 鈴奈さん真面目ですし

良二:
そうなんだよ。その辺は絵美香お姉さんもそう判断をしていた。

 麗奈:
そういうことで鈴奈が…夜とかも一緒にいないのさ。 それで久美が…鈴奈禁断症状が出てまして…

クリス:
えっ? 鈴奈禁断症状? って何?

鈴奈:
久美さんに褒めて貰えなかった…まだがんばりが足りないな

絵美香:
鈴奈ちゃんはがんばってる!お姉さんが保証するって

ルフィナ:
でも良二さんも、麗奈さんも褒めてたじゃない?

鈴奈:
それは嬉しいけど…鈴奈が褒めてほしい、認めてもらいたいのは久美さんだし。その為にがんばってるんだし。

奈々:
うわ…鈴奈のメンドクさいところが出た。

鈴奈:
ふぅ…はぁ…

ルフィナ:
あなたさ、仕事は褒められる為にやってるわけじゃないだから。

鈴奈:
それは解ってるよ。…普段なら…でも今回は久美さんに鈴奈の良い所を見せたいんだもん…

奈々:
鈴奈、ご主人様も好きだけど、久美さん好きだからね~、カッコイイ所を見せて好きになってもらいたいのね。

鈴奈:
そうだけど…

絵美香:
あの~その鈴奈ちゃんの久美ちゃんが好きっていのは、メイド長として尊敬しているって意味で、認めてもらいたいって意味だよね?

ルフィナ:
違います。 この場合の好きは恋愛的な意味です。 この贅沢女は良二さんと同時に久美さんも惚れているんです。 それで良二さんと付き合うってことは恋人の久美さんもお姉さんとして敬愛している麗奈さんとも近くにいられるという超贅沢な状態なわけです。

絵美香:
はぁ…そうなんだ。

鈴奈:
贅沢すぎるって解ってます。 でも受け入れてもらえたので甘えてます。

奈々:
でも久美さんも麗奈さんも鈴奈の事、すごく可愛がってるの伝わるよ?

鈴奈:
鈴奈なんてご主人様が付き合ってくれたから…あくまで鈴奈はただの付属品として相手にしてもらってるだけだし

ルフィナ:
あなたね~そんなこと言ってたらずっと久美さんのこと「お姉さま」なんて言えないわよ? シスターの関係になりたいでしょ? このままだと関係性が固まっちゃうわよ?

鈴奈:
…うぅ…それはそうだけど。

絵美香:
ねえ鈴奈ちゃんはヴァイセクシャルで久美さんのことも好きなのはわかったけど‥、ここ数日お姉さんと一緒に寝てるよね? 胸で寝るだけで何もしてこないけど。 あの二人とは良二くんがいない夜はエッチするわけ?

鈴奈:
えっ…それは…その…

ルフィナ:
スルことはしっかりシテいるらしいですよ?
最初にそれだけは勇気だして久美さんに言ったらしいですから。

鈴奈:
ちょっとルフィナ! 何を絵美香お姉さんにバラしているの!

絵美香:
それでわかったわ。鈴奈ちゃんが寝ぼけて久美お姉さまとか言ってわたしのネグリジェはだけさせて胸に直接しゃぶりついたり…下に手を…。 

まあお姉さんもいいのよ? 年下の可愛い女の子も好きだから♪

鈴奈:
ひぎぃぃぃぃ! そんなことしてたんですかぁああ! あれって夢じゃないですか?!

ルフィナ:
鈴奈…あなた何やってるの…

奈々:
あら~やっちゃてますね~

ルフィナ:
鈴奈、普段久美さんと麗奈さん、なにより良二さんと一緒に寝ているだからその様子だとあっちにもバレてるわよ? 

一緒寝てれば伝わるだし。 

だからこそ良二さんと久美さん、そして麗奈さんにちゃんと伝えて関係性をちゃんと構築した方が良いって。

絵美香:
先ほどの打ち合わせで警備課の方はひと段落だし、来週からは良二くんと久美さん達は研修だしね。 丁度、色々整理するにはいい頃だと思うわよ? それに久美さんの為にもその方が良いと思うでしょ? 奈々ちゃん

奈々:
そうですね、メイドとしてはメイド長の為には鈴奈にがんばってもらいたいですね!

鈴奈:
えっ? 鈴奈が久美さんの為にがんばる?

夢愛:
久美さん、ここは攻めないと後悔するって絶対!

久美:
夢愛さん仕事しましょうよ…うぅ~

夢愛:
私は仕事してます! エスコ部のみんなから久美メイド長に鈴奈ちゃんとの仲をちゃんとするように説得してくれとエスコート部、部長として頼まれてます! 

久美:
鈴奈ちゃんとの仲って言ったって…鈴奈ちゃんは今、絵美香お姉さんと寝てるし。 わたしなんて…みんなと違って綺麗でも魅力的でもないし。 鈴奈ちゃんだって絵美香お姉さんと一緒に寝る方が嬉しいとおもうよ? わたしなんてその辺に生えてる雑草と同じだし…。

夢愛:
メイド長! またそんなこと言って! メイド長っていうのは私達メイドの代表ですもしメイド長がその辺に生える雑草なら私達はそれ未満になりますけど! もっとその辺を考えて下さい

久美:
うっ…わたしメイド長やめようかな…

夢愛:
久美さんがメイド長しなかったらこのクラブ一日も回らないのは知ってるでしょ? 研修に出るのだってその準備で一週間もかかってるですから! 大変なんですよ?

久美:
それは…申し訳ないと思ってる…よ?

夢愛:
私もエスコ部のメイド達に顔向けできませんので、久美さんが鈴奈ちゃんとの件に決着を着けるまでエスコ部として新しいお部屋の整備や新エスコの補充、サービスの拡充についてなどの会議、エスコ部への指示などは一切受け付けないようにいたします。 かってにエスコ部は運営しますのであしからず!

久美:
ちょっと夢愛さん? 冗談だよね?

夢愛:
冗談ではありません! でわ失礼します!

SE:
バンっ!(ドアが閉まる)

久美:
どうしよう…良くん、麗奈‥‥

鈴奈:
あのなんでご主人様と麗奈さんが…

ルフィナ:
悠美さんはForestの警備課の課長だけどメイド秘書でもあるわけだからかな?

絵美香:
鈴奈緊張しないの♪

鈴奈:
はい…

麗奈:
本当に来るのかな…相談する相手が「アレ」しかいなったとはいえ…気がすすまない

良二:
麗奈、気もちはわかるけど…がんばろう。

SE:
ぶわぁ~! ばしゅううううう! (爆音)

永遠:
大佐! もう着きますから! スピード! ブレーキを!!

悠美:
大丈夫だって! ちゃんと止まるから! 永遠は心配性だわ

 鈴奈:
えっ永遠お姉さん? 

ルフィナ:
ちょっと用事があってお姉さまに来てもらったの

良二:
ようこそいらっしゃいました。 悠美メイド秘書、永遠さん

悠美:
良二くんお邪魔しまーす♪

絵美香:
永遠久しぶり!

永遠:
うぅ~ヒドイ目にあったわ…

 永遠:
良二さん、いつも麗奈が世話になってるわね。

良二:
永遠お姉さん、世話になってるのはボクの方で。 ほら麗奈、挨拶は?

麗奈:
…来てくれて‥ありがとう


永遠:
ふぅ~ん♪ ありがとう? お礼いってくれるんだ。

麗奈:
だって…今回の件、お姉ちゃんしか‥相談するの思いつかなくて…

永遠:
まあ最近、鈴佳さんからも良二さんからも麗奈が真面目にやってるって聞いてるからね。お姉ちゃん嬉しいわ。 だからチカラになってあげる それで~♪

 永遠:
鈴奈ちゃん、少し~時間貰えるかしら? あと絵美香とルフィナは悠美さんと打ち合わせね。

絵美香:
はい♪

ルフィナ:
わかりましたお姉さま。

悠美:
鈴奈さんと久美さんの件は永遠、頼むわね。

永遠:
了解しました。

鈴奈:
えっ? 警備課の打ち合わせじゃ?

永遠:
それよりずっと優先順位が高いものよ?