えんぱいあな日々 みにまむ! 第五話「ノーザンクロス」
里穂:
滑走路って…やっぱり大きいな…
ロッテ:
はぁ…はぁ…やっと‥ついた…里穂そろそろハンガーに…行く時間だよ…
里穂:
走ってきたの?
ロッテ:
うん…里穂が見えたから…近くだと思って…でも全然近づかなくて…対象物が無いから…職尺が…狂って…
里穂:
はぁ~(溜息)。ロッテさ~飛ぶ前にバテてどうするのよ。
ロッテ:
ブリーフィング終わったらそっと出て行ってランウェイ(滑走路)で独りになるなんてどうしたの? やっぱり私と二人で飛ぶのは緊張する?
里穂:
緊張するというか…もし私がミスしたら今日はシュミレーターじゃないから。 私はともかくロッテまで…そう思ったら、手が震えて…
ロッテ:
あのさ~絵里奈さんにどれだけ二人ともしごかれたとおもってるのさ。 それにミスをしない事は大事だけど、それよりミスをいかに即時にリバカバリーするかどうか。そういう不測の事態に二人で協力して落ち着いて対応する方が何倍も大事だとあんだけ教わったでしょ。
パシンッ!
ロッテ:
Ma compagne!(わたしの相棒)
里穂:
うん! 頼りにしてるわ相棒!
SE:
ぶろろろろん♪
愛理:
訓練生、飛ぶ覚悟は済んだみたいだね。 ロッテにとってはもうちょっと後の方がよかったかな? でもみんなもうハンガーにそろってるから悪いけどそろそろ行こう
ロッテ:
いえ! そんなことはありません愛理さん
里穂:
はい! もう大丈夫です! よろしくお願いします!
愛理:
こら! 二人とも飛び降りないの! と言っても仕方ないか(笑)
ロッテ:
これが私達の機体…
里穂:
F-4J-X11E ブリティッシュファントム‥‥私達の翼…
ロッテ:
私達に乗りこなせるかな? 今まで愛理さんに乗せてもらってたX10より出力上がってるんだよね?
里穂:
F4J-X10Eをベースにご主人様のX7並みのエンジン出力と新型のニューロ戦術ネットワークシステムを実装した改良機!
注:
F4J-X7 本編第142話~登場 ご主人様とフランソアの専用機体
F4J-X10E 本編第179話~登場 ClubForestに配備されている複座訓練&長距離音速移動用機体 英国へ行く時に悠里が乘っていたX10の電子戦闘対応戦術ネットワークサーバー機体
英奈:
おいお前ら!早く来ないか私はそんなに暇じゃないんだぞ(笑)
里緒奈:
二人とも早く!
英奈:
トラブルは無いね?
ロッテ:
チェックリストオールOK
愛理:
ハンガーを出たらタワー(管制塔)のアネキに管制を渡すから、二人とも訓練通りにやれば大丈夫、自信を持って
里緒奈:
里穂、ロッテ、気を付けて。 がんばって
里穂:
はい、お姉様。 愛理さん、英奈さんエンジンスタートするので。
愛理:
解った
里緒奈:
お姉さま心配なのはわかりますけど…二人を信じましょう、ねっ?
詩織:
でも雲の上には私は助けに行けないから。
英奈:
私はタワーに行くから後はまかせるぞ愛理
愛理:
英奈さん了解しました。 里穂、タラップ並びに人員、退避完了、エンジンスタートしていいよ。 ただしタクシーウェイに出るまでは電動モーターで走行をするのを忘れないでね。
里穂:
(ラジャー)
里穂:
キャノピークローズ。APU(補助動力装置)OK エ・・エンジンスタート…
SE:
ひゅーーん♪
愛理:
(エンジンスタート確認。 外部電源ケーブルパージ)
ロッテ:
エンジンアイドルオールOK Switch from APU to main power unit(補助動力装置から主動力装置へ切り替え) OK
里穂:
ラジャー…ホイールブレーキ‥‥ふぅ‥リリース
ゴンゴン♪ ひゅ~♪
里穂:
た・・・タクシーウェイ…インサート
ロッテ:
里穂、落ち着て
里穂:
うん…
ロッテ:
アウトオブハンガーオール。
里穂:
いくよ…ロッテ
ロッテ:
うんどうぞ。
里穂:
スロットルファイブパーセント、ホイールブレーキリリース、タキシングスタート!
紅葉:
もうお二人とも間に合いませんかと思いましたわよ!
瑠莉:
スマン
フランソア:
てへっ
絵里奈:
紅葉お嬢まあ間に合ったんだからっねっ?
里穂:
ロッテ! 40!(注) 地上見て
注:
機首方位に対して40度の事。
ロッテ:
前? あっ! ご主人様! お姉さま達! 絵里奈さん!
紅葉:
里穂~! ロッテ~! 気をつけていって来るのですわよぉ~!
フランソア:
Good Luck!
SE:
ひゅーーーー!
絵里奈:
機体の調子はよさそうね
瑠莉:
英奈がしっかり時間をかけて調整してたからね。 大丈夫だろう。
ガチャ、ウィーン
ロッテ:
フラップ、スタビライザー、目視で問題なし。 離陸前チェックオールオッケー
里穂:
Forestコントロール、こちらFores11(イレブン)。 離陸許可願います。
愛花:
こちらForestコントロール。 現在滑走路周辺はほぼ無風。 訓練区域までの6000f(フィート=1828m)以下の軍用空域には他機は存在しないよ。 どーんと飛んじゃって!
あかり:
愛花! おいちゃんとやれ。 こちらForestコントロール、Forest11 離陸を許可する! Good Luck!
里穂:
了解、Foest11離陸します!
里穂:
ロッテいくわよ!
ロッテ:
機体はニューロリンクで私の管理化にある問題ないよ。 離陸速度は180ノット(180海里=約320km/h)からで、増槽つけているけど、爆装してないから十分だと思う。
里穂:
了解! いくよ!
ごぉおおおお!
里穂
フラップ1、出力、アフターバーナー全開!
ロッテ:
速度150ノット! タワー(管制塔)通過! Vぃ~1(臨界点速度))、VR(引き起こし速度)、180ノット! V2(安全離陸速度)突破!
里穂:
離陸!
里穂:
ギア格納
ロッテ:
引き起こし角度正常! そのまま!
ごぉおおおおおおおおおお! ひゅぅうううう!! きぃ~~ん!
紅葉:
まあ飛びましたわ!
絵里奈:
詩織とちがって紅葉お嬢は自分で戦闘機乘らないのに飛行機みるの好きなのよね
紅葉:
カッコイイですから好きですわ
瑠莉:
ちゃんと無事に地上に戻ってくるのよ
フランソア:
ご主人様、やっぱり心配?
瑠莉:
自分が飛ぶのでは無いからね。 自分のメイドが飛ぶのはあかりや愛花だとしてもいつも心配だよ。
フランソア:
ふ~ん。
SE:
うぃ~ん♪
ロッテ:
フラップ格納目視確認
里穂:
スタビライザー3度でこのまま予定高度まで
SE:
パチパチ♪(モードを切り替えている)
ロッテ:
離陸したらオートパイロットモードと私のニューロリンクでの飛行でいいのに!
全部をマニュアルで飛ばすって…
あかり:(無線)
今回は里穂の飛行操縦技能訓練が中心だ。それに機体の電子系がトラブルを起こしたときの昔ながらの機械操縦ができる点もそのF4ベース機体の特徴だ。それをまず・・・
ロッテ:
はいはいあかりさんわかりましから! もうすぐGP(グランドポイント)なので!通信切りますね!
あかり:
おいロッテ!(ツー通信が切れる)
ロッテ:
GP2通過。185ヘッドオン。 はいそのまま。
しかし最初の飛行からオールマニュアルで訓練空域まで飛行するとか里穂に負担かかりすぎだよ。 もしかしてこないだシュミレーターで撃墜した報復?
里穂:
あかりさんはすごく喜んで褒めてくれたじゃない? だからそんなことは無いと思うよ?それに…
里穂:
全部マニュアルで飛ばしている方がこの子を実際に自分で操っているって気になるし! ちょっと癖があるけどとても良い子だねキミは。
ロッテ:
ふぅ~ん私はやる事が少なくて暇なんだよね~。 というか里緒奈さんや詩織さんは仕方ないとして・・・この機体まで里穂のお気に入りに…
里穂:
ちょっとロッテあなたまさかこの子に嫉妬してるの? 戦闘機よ? それにこの機体は私とロッテ二人の機体じゃない!
ロッテ:
二人の機体って言ったって今はフルマニュアルだから里穂だけが飛ばしてるわけだし。私は何もできないし、里穂ばっかりズルイよ。わたしだってこの子を扱いたいし
里穂:
えぇ~嫉妬してるってそっちなの?
里穂:
雲の下の海面がキラキラして綺麗! 本当にわたし自分とロッテだけで飛んでいるんだ!
ロッテ:
そろそろ訓練区域なんだけど…訓練内容が「コントロールをマニュアルから通常モードへ切り替えて、二人で遭遇する事態に対処し打開し目的地へ向かえ」って・・・どういうこと?
里穂:
あれ?なんか水面の光とは違うものが光ったような? 船かな?
SE:
ぴぃぃいい!(警告音)
ロッテ:
何これ!突如。海面すれすれから急上昇して急接近する物体? Forestの識別機体・・・でもIFF(敵味方識別)がエネミー? どういうこと?!
SE:
ひゅぅいぃぃぃん!! ダダダダダ(機関砲の音)
SE:
ぴぃぃいい!(警告音)
ガガガガガっ! ドンドンドン(訓練弾が当たっている音)
里穂:
うそっ! 撃たれている! いやぁああああ! 私達のX11Eちゃんが傷ものになっちゃう!
ロッテ:
里穂! 緊急回避マニューバ(機動)! 増槽パージ!