えんぱいあな日々 EPISODE ZERO ニヴルヘイム 後編



・ヴェンヌ フィッツジェラルド研究所

フランソア:
熱源は全て敵だけ…誰一人も職員が生きてないとか…本当に皆殺し酷い…くっ…

悠里:
あとはこのロックドアの先に微妙ですが反応がありますわ。


フランソア:
このドア開けるのにどれくらいかかる?

悠里:
今やっておりますが、 研究所のシステムコードが書き換えられておりますので…でも後20%で解析はオワリますわ。 

フランソア、この部隊ただの傭兵で何も知らされてみたいです。 しかし部隊を統率している指揮官はいるはずです。 その指揮官なら目的もわかるはずですわ、最悪でも上部の指令を出している組織だけでも

フランソア:
解ってる。 指揮官と思われるものは生かして捕獲。 さっきは頭に血が上っていた。 冷静さを欠いていたゴメン

悠里:
捜査の方は後でわたくしがやりますので。 まあその前にこの軍用ジャミングを切らないと連絡もできないのですが。

悠里:
この小型端末だけだったので手間取りましたが、たったいまこの研究所のシステムはわたくしの管理下にはいりました。

フランソア:
さすが電子の妖精、中はどう?

悠里:
この部屋の手前に4人。 そして、さらに通路を奥になんでしょうこのホールは? 格納庫? その先の奥の部屋に6人? いえ‥もっと?

悠里:
奥の一人はIDカードの反応がありますわ!

フランソア:
職員が生きてる?

悠里:
これは…!

鈴音:
そうだ襲撃を受けていて、今セキュリティーまで奪取しかえされた。ネットウィーザードがいる部隊だ。 とりあえず作戦変更だオスプレイを一機残してすでに回収した生体ユニットの輸送を優先し出発しろ。 ああ加倉博士は私が連れて行く。

鈴音:
桃子、まだこのユニットは動かせんのか? まさか時間稼ぎをしてるわけではなかろうな?

桃子:
鈴音! アリエルちゃんは昨日ハイパーオーバーアクスレータードライブチップを移植したばかりなのは貴女だって知っているはずよ? 脳との融合処理の最中だったのに割り込みをかけていったん閉鎖安定処理のシステムを書いていている途中。 それが実行しチップを生命維持のみの可動にするまで少しでも動かせば脳が完全に破壊されるわ。

桃恵:
それに時間稼ぎ? あの娘(こ)達は貴女達が確保している。あの娘達は私がいなければまだ生きていけないのよ? 私は貴女達と行くしかないの。 わたし以外の誰があなたたちのところであの娘達の面倒をみるのよ? 私には選択肢などないわ。 解ったなら話しかけて私の邪魔をしないでちょうだい!

・同時刻 ヴァンヌ海岸コンテナ埠頭

SE:
バフッン! グシャ!

七号:
…ウッ…

悠美:
クリア!

七号:
クリアデス…アノ悠美サン、バイオネット(銃剣)サシテソノママ強化スラッグ弾打チ込ムノハムゴイ…ミンチ…証拠隠滅部隊トカタイヘン。

悠美:
仕方ないじゃない強化外骨格なんだから! こうでもしないと装甲抜けないのよ!

悠美:
先に行くわよ!
装填しようとする

SE:
ヒュン! いきなり頭上から敵が落ちてくる

七号:
悠美ヨケテ!

SE:
タタン!

悠美:
!!

SE:
カシャン!(見えない速度で現れた瑠莉がコンバットブレードで悠美に当たる軌道の弾丸を両断する)

悠美:
大佐!

瑠莉:
少佐! 甲板上の敵はコイツだけだよ、周り込んで囲いこむんで接敵で仕留める!

悠美:
了解です!

・ヴェンヌ フィッツジェラルド研究所

悠里:
あれは保護していたメイド達!

フランソア:
それとグリーンサーヴァント! 悠里援護!

悠里:
了解しましたわっ!

フランソア:
トリプルアクセル!

ゴンっ!

SE:
パパパパパッ

シュタタタ!

解説:
猛烈に撃ってくる弾丸を超高速でジグザグ避けながら、距離をつめて相手の射角視覚の範囲外上にいきなりジャンプするフランソア。 この時撃って来ている両敵兵士からはいきなり標的が居なくなるように見える

ヒュン!

ザクッ!

解説:
苦衷でコンバットブレードと手を回し反動で回転しそのまま兵士Aの頸動脈と神経を切断する

パンッ!

フランソア:
!?

次の兵士をさらに回転してP90で射撃しようとするが、相手もオーバーメイドであり、兵士Aがやられている間に小銃での攻撃を断念しナイフと拳銃での接敵攻撃に切り替えフランソアに攻撃をしかける

拳銃から放たれる銃弾を身体をひねる事でさけ、首筋に向かってくるナイフをコンバットブレードで弾くフランソア

SE:
パパンッ!

フランソアはコンバットブレードで受けたナイフを軸にして運動量の方向を調整し敵兵士の下方へ滑り込みながらP90を向け敵兵士の顎の下から銃撃を放つ

フランソア:
ふぅ…

解説:
この間、わずか2秒弱。 アサルトオーバーメイド同士の戦いは超高速で行われる為にこのよに通常は一瞬で勝負がつく

悠里:
フランソア!

フランソア:
機内にもう一人っ!

SE:
タンッ!

兵士C:
ウワッ!

悠里:
まだ反応がございます! 

シュタっ!(いきなりフランソアの目の前に鈴音が高速移動してくる)

ゲシンッ!

フランソア:
うぐっ?!!

鈴音:
このナイフを受けるとはな…殺すには惜しいわっ!

ドゲシッ!!(フランソアの腹を蹴り上げるが右手のP90で辛うじてガードする、しかしそのまま物凄い蹴りのチカラで吹き飛ばされる



フランソア:
!? ごぼっ!

ゲシンッ! 空中を吹き飛んだあと壁に叩きつけられる

悠里:
フランソアっ!

悠里:
フランソア! 

鈴音:
もう一人はネットウィーザードのオーバーメイドか‥‥

桃子:
フランソアちゃん!

エリシア:
フランソア…?

鈴音:
コレがフィッツジェラルドのコピークローンで生体外部ユニットとして完成した素体か。
どうりで戦闘力が高いわけね。丁度良いわ、ここで排除すればイーリスは今後は使えないわね。

桃子:
なんでこんなところに…来たのよ!


鈴音:
スマナイね…死んでくれ。

SE:
パンッ!

ドンっ!(悠里がフランソアを突き飛ばす)

パシュっ! ブシュ!(銃弾が防弾ベストに当たり背中から突き抜け血しぶきが上がる

悠里:
うっ!

フランソア:
悠里!! 悠里ぃいい! なんで!

悠里:
え…これでも…「貴女様」の護衛が任務ですから…

鈴音:
くそっ! なぜ庇うんだ! キサマは無傷で残すつもりだったのよ! キサマでは私を倒せないのは理解(わ)ってるでしょう! そんな事をしても数秒ソイツが死ぬのを遅らすだけなのに!

桃子:
鈴音! もういいでしょ! ほっておいて行きましょう! フランソアちゃんは見逃してあげて!

鈴音:
駄目よ! この子は「鍵の一つ」、もともと標的の一つよ! この子が生きていてはこの世界は大火事になるわ。 ここで発見したなら幸い排除するわ!

エリシア:
Le vent et le temps sont impuissants, le vent ne laisse aucune cicatrice et le temps ne se souvient pas.

L'atmosphère porte des graines et des germes dans l'histoire.
La lumière danse dans le ciel avec le gardien.
L'obscurité étend ses racines.

Des traces de vie sont libérées, le sang se dissout dans l'eau et la sueur se dissout dans le ciel.

En levant une petite flamme.

ゴゴゴゴゴッ!

鈴音:
なんだ?

どんっ! ボンっ!(手がいきなり出て床の六角形パーツを吹き飛ばす

一瞬の動きで鈴音が桃子を抱えて飛びのく

鈴音:
下のハンガーにあったイーリスが何故動き出す? 緊急脱出するわよ

桃子:
まだアリエルちゃんとエリシアちゃんを乗せて無いわ!

鈴音:
お前がここでアレに潰されて死んだら他の子達も全員死ぬ! それでもいいのか? 脱出するぞ!

SE:
ゴンゴンゴンゴン(エレベータが上がって巨大な白い機動兵器が上がってくる)

ぶぉおおおお!(オスプレイのプロペラの音)

鈴音:
自分でエレベータを操作して上がって来たというのか? しかしなぜイーリスが起動する?

桃子:
フランソアちゃんが近くに来た事で昏睡中のエリシアちゃんがその危機を感じイーリスへ起動パスコードとフランソアちゃんの脳波リンクを中継したのかもしれないわ。

鈴音:
どちらにしろアレを放置するわけにはいかない。 タンゴー2、聞こえるか? イーリスが出てきた。 強制排除の為にこちらもアーマーメイドを出す。 そうだ奈々を生体プロセッサとして乗せる

桃子:
奈々のハイパーメイドアクスレーターチップは未完成よ? 性能の半分もだせないわ!
彼女を使い捨てにする気?

鈴音:
私達とメイド達が脱出できる時間だけでも稼げれば良い。
その後、奈々はコックピットごと脱出させ回収する! 必ず助ける!

悠里:
あれは…何ですの? …うっ‥…とりあえず止血を…背筋と胸筋をニューロチップでコントロールして‥‥これで…どうにか…フランソア? どうしましたの?

フランソア:
・・・・・・・

ぐい(イーリスの顔がフランソアの方へ動く)

白い機動兵器:(以後イーリス)
・・・・・・

フランソア:
・・・・イーリス、ワカッタ脅威ノ排除ト停止キーヲモツDrフィッツジェラルドノ排除、リョウカイ

シュタっ!

悠里:
フランソア! どこに行くのですの?!

シュタっ!

ストン!
グイ(イーリスの顔がフランソアの方へ動く)

フランソア:
‥‥アケテ

悠里:
フランソアが…あの…ロボットに…飲み込まれる…

悠里:
(血を失いすぎました…もう意識が…)