イケナイ凛空ちゃん 第五十話「凛空とご主人様の義務だよ」その13

 
〇ClubForest

英奈:
おい凛空、私は忙しいんぞ

凛空:
てへっ遅れたゴメンンサイ

すみれ:
皆様っ、ごきげんようですっ!(照)

悠里:
くすっ♪ ごきげんようですわ

ヴェル:
凛空お姉ちゃん、すみれちゃん、ちゃろぉ~♪

凛空:
くすっ! すみれ無理しなくてもいいと思うよ? 悠里ちゃん、ヴェルちゃんちゃろ~♪

すみれ:
ですが悠里さんはとてもご丁寧な口調でお話になるので、すみれもそうした方が良ろしいかと思いまして…うぅ…。

英奈:
例のヤツはそっちの用事が済むまえまでに用意しとくが、Γ(ガンマ)は定期メンテもするからこのまま預かるぞいいな? 

凛空:
宜しくお願いいたしますメカニック様! あと英奈さんメンテのついでにドライブのスプロケを一個下げてほしい!

英奈:
おいまだ加速に振るのか? 怪我しても知らんぞ。 あとソレは瑠莉ご主人様の真似か?ご主人様といい桃恵も凛空も私を便利に使い過ぎだぞ。

凛空:
英奈さん感謝してる♪

すみれ:
あの用事って?

悠里:
今日はわたくしが凛空さんに頼んですみれさんを呼んでもらったのですわ。少しお時間をいただきたいのです。

すみれ:
すみれですか?

ヴェル:
ヴェルはついでに、すみれちゃんの健康診断もね~、大丈夫だろうけど検査もしたいし。

解説:
スプロケ=スプロケット・ギア
ドライブ(フロント)スプロケを上げる事で最高速重視、下げる事で加速性重視

〇Forest内 駐屯地憲兵隊調査部分室

悠里:
どうぞわたくしの職場にようこそ。ここですわ

凛空:
おお~ここが調査部!

すみれ:
スゴイ所ですね…

悠里:
そうですわよね凛空さんは調査部が出来る前にグリーンウッドへ移籍されたから初めてでしたわよね。

すみれ:
優香調査本部長様、めぐがいつもお世話になっております! めぐの友人をさせていただいております、すみれです! 萌香副メイド秘書さんこないだは大変ご迷惑をおかけし…

萌香:
すみれちゃんそういうのはいいから! めぐから学園でのことは良く聴いてるわ、いつも仲良くしてくれてありがとうね♪ そうだ体育のバレーで二年に勝ったんだって? さっき電脳通信で聞いたわよ! おめでとう!あの鈴奈ちゃんのアタックを受けてめぐにつないんだって? すごいわね!

すみれ:
そっ!そんなすみれなんか全然戦力にならなくて!

悠里:
くすすすすっ! そんなに緊張しなくてもよろしいのですわよ♪ 電脳空間でのようにどうどうしてらしゃったらよろしいのに♪

優香:
この子が言ってたすみれちゃんね、可愛いわ♪

すみれ:
可愛いなんて…うっ‥(真っ赤)

優香:
凛空さん、コーヒーをいれますので悠里の用事を待つ間にお茶しましょう。用事終わったらすみれちゃんにも淹れるわね

凛空:
やったっ! 優香さんのコーヒーが飲めるなんて感激!

優香:
これは良い豆にしなくちゃいけないわね♪ 期待していいわよ♪

悠里:
でわ凛空さんすみれさんをお借りするわね。

〇悠里の机というかブース

悠里:
どうぞお座りになって。

すみれ:
すごいぃ! これってラグランジュ点(注)にある非公開の大規模サーバー人工衛星ネットワークのリアルタイムモニタですよね?! それと大規模なインテリジェントデバイスの設計構造体制作デッキ! なんて複雑な構造! すごすぎです!(大興奮)

悠里:
流石すみれさんですわ一目見ただけで理解できますのね。

解説:
ラグランジュ点=ラグランジュポイント。月と地球の重力が釣り合ってる場所でえんぱいあな日々にはそこに無数の非公開のサーバー衛星が浮いておりそれを称して「スプロール」と呼称している。

すみれ:
それで悠里さん、すみれに用事というのは?

悠里:
二つございますが一つは凛空さんのRISAから連絡をいただきまして、すみれさんのVIOLET(バイオレット)の正式な覚醒が完了したそうなので、わたくしが設計したすみれさんのイメージファイト(注)用のインテリジェントデバイスをお渡しようと思って。

すみれ:
わたしのデバイスを設計して下さったんですか? それよりすみれのバイオレットの覚醒?って何です?

解説:
イメージファイト=電脳空間(サイバースペース)での戦闘のこと。対論理防壁突破(アイスブレイク)、対アバター戦(プログラムシステムやネットダイバー同士での戦闘)、コアストライク(システム掌握)などがある。

悠里:
その説明の前にもう一つの用事を先に言いますわ。 単刀直入に申しますと当エンパイアクラブミリタリア、Forest駐屯地、調査部としてすみれさんをスカウトしたいのですわ。有り体言いますとヘッドハティングですわね。

すみれ:
えっ?! すみれを調査部にスカウトですかぁ?! 

すみれ:
すみれは凛空様の専属メイドですし…

悠里:
そんな事は解っておりますわよ、ですからグリーンウッドに所属したまま、凛空さんのメイドのままでよろしいので、エンパイアクラブミリタリアに所属、うちの任務も行うという条件で

すみれ:
えぇぇ…エンパイアクラブミリタリアってめぐが入っているエンパイアクラブの軍隊みたいなものですよね?

悠里:
軍隊「みたいなもの」ではなくて、軍隊そのもですわね

すみれ:
そのお話を聞かないで帰るという選択は?

悠里:
このわたくしのブースのドアはわたくしのゴーストキーでしか開けれない仕掛けになっておりますの♪ さらにドアもパーテーションも重火器をつかってもやぶれません。まあ高ランクのアサルトオーバーメイドでもなければ突破するのは無理ですわね♪

すみれ:
悠里さんはもっとまともな方だとすみれは思っていました。

悠里:
わたくし目的の為には手段は選ばない事にしておりますの♪


その14へつづく