イケナイ凛空ちゃん 第五十話「凛空とご主人様の義務だよ」その15

 
〇同時刻イタリア・ヴェネチア

エステル:
この街は移動に手間がかかってかないませんわね。メルシー信久

フランソア:
フランソアはこの街好きだよ

紅葉:
風流ですわよね

雪音:
レストランの方の警護は現地のグリーンサーヴァントに移譲しますので私は船を移動させ回収場所の方の安全確保を行い待機します。

栗田源蔵(以後源蔵):
なにか変化があったらすぐに連絡を。少佐よろしく頼むぞ。

雪音:
了解であります、いってらしゃいませ。

鹿苑寺信久(以後信久)
コイツと学生時代に通ってた店がまだ残ってまして、高級な店ではないのですが海鮮料理のが絶品でしてね。おい奥様のメイドの為にあんだけがんばって下さったんだ当然お前のおごりだよな剛史

エステル:
本場のイタリア家庭料理楽しみです、そういう現地の味が一番のご馳走ですわ

紅葉:
パパとお食事なんていつぶりでしょう♪ 嬉しいですわ!

フランソア:
ご主人様、その顔、フランソアのエスコートをするのがそんなに不満なわけ?

瑠莉:
いや前にここに来たときはもうちょっと可愛げがあったなと・・・(注)

フランソア:
それは今のフランソアが可愛げが無いってこと?


注:

瑠莉:
いやだって議長真っ青になってたじゃない…

フランソア:
解らずや屋な議長が悪い! ご主人様と紅葉のパパ、剛史お兄ちゃんが保証するっていってるのだからすみれの事は黙って任せばいいのに、一国で保有できる戦力がどうのこうのとか、安全保障への懸念がどうのこうのとか! そんな事よりメイドの意思が大事!

瑠莉:
だからって、フィッツジェラルド家とヌベール家の双方が所有しているイタリアの国家債権を市場に捨て値で売り払うと脅すとか…それは経済危機になってイタリア国家破綻させるぞって意味でしょ。

フランソア:
そうなったらそうした議長が責任をとればいいだけ! とれればね! フランソアとエステルにとっては一国の存亡より、凛空お姉ちゃんのメイドのすみれの方が大事! 本気でするもん。脅しではない。

凛空:
悠美メイド秘書、それって戦闘機で朝からみんなで飛んで、イタリアのエンパイアクラブ国際会議に乗り込んで、すみれの所有を認めないエンパイアクラブ国際会議議長と評議会を説得…というか脅して…認めさせたって言うこと?

悠美:
そう。経済攻撃は核攻撃以上の被害をもたらしその国を亡ぼすの力があるから、今さら核兵器と同等のすみれさんの所有を認める認めないと文句を言うなら、実力行使で今すぐ滅ぼすけどいいか?って黙らせたわけ。 各国政府はオーバーメイドの所有管理については今の評議会が決定した事に反対はできないしね。国際条約があるし。

優香:
栗田閣下と瑠莉ちゃんは穏便に話をまとめるって言ってたのに…これだからフィッツジェラルド家とヌヴェール家は…というよりフランソアさんとエステル嬢は…あぁ…(頭を抱える)、これでForestの評判がまた…いやフランスと極東の…日本の評判が…


凛空:
お兄ちゃんが行ったのはグリーンウッドのオーナーだからだろうけど、もしかして、紅葉のお父様や鹿苑寺お兄ちゃんが英国と米国から駆け付けたのって…

悠美:
フランソアさんとエステル様がやりすぎて本当の世界的な安全存立危機事態にならないように調整する為でしょうね。下手したらイタリアの経済危機から欧州全体に経済危機が波及し米国、アジア圏も・・・

凛空:
ひぃぃいぃい!

萌香:
経済危機から連鎖的に欧州の混乱、治安悪化、経済難民、武装勢力の台頭、政情不安定化とそれによる紛争が大規模戦闘に発展、そして本格的な欧州大戦に…そっか最終戦争ってこんなにも身近なんだ

ヴェル:
その原因がこのとなりの悠里のブースにいるくらいに身近だね。

悠美:
表向きにはエンパイアクラブミリタリア本部極東支部に所属してもらってそれをForestの調査部でつねに管理するという事なんだけど、そうではなくてこれは私からの頼みなんだけど、調査部は知っての通りすみれさんみたいなメイドを救出したり、メイドが絡む犯罪を阻止し、それに使われているメイドを保護したりする部署。いま悠里がすみれさんにすみれさんのチカラを貸してほしいとスカウトしているの、うちに所属して任務を手伝うという事にすれば自然に管理していることにもなるでしょ? それならグリーンウッドに所属しながら、凛空さんの補佐をしながら、すみれさんが関わる任務だけの間だけ任務に従事すればいいし、フランソアさんや紅葉さんと同じね。 まあ軍籍にはついてもらう事にはなるけど・・・さすがにダブルSランクのオーバーメイドをただの民間人にしとくわけには…

凛空:
そこまで考えてくださっているなら、すみれにとっても抵抗は少ないだろうし、わかりました凛空からもすみれを説得してみます。

その15へつづく