イケナイ凛空ちゃん 第五十話「凛空とご主人様の義務だよ」その14

 
〇調査部会議室

凛空:
SS(ダブルシグマ)ランク? のネットウィーザードオーバーメイド? なの? すみれが?

ヴェル:
覚醒したすみれちゃんを先ほども計測しなおして確認した結果だから間違いない。 ネットウィーザードは特性が細かく分かれているから厳密に一緒とは言えないけど、ヴェルとランクは同じ。破壊力も強さも同等の思ってくれて構わない。

萌香:
サイバー空間でのあるいみ戦略核兵器と言っていいわね。

凛空:
核兵器って酷い! すみれはただの女の子で凛空の専属メイドさんだよ…

優香:
凛空さん、萌香が今言ったことは誇張でもなんでもないのよ。貴女もこのForestにいたから解ってるだろうけどメイドはただの女性であるけど同様に兵器でもあるのよ? その兵器には強さがある。 ダブルSランクのネットウィーザードはやろうとすれば、軌道上の大型衛星を都市に落下させることさえ可能なのよ?

凛空:
そんな事すみれはしないもん!

優香:
マスターである貴女が命令しなければね。しかし、逆にマスターである貴女が命令すれば、メイドであるすみれさんは拒否はできない。

凛空:
凛空もそんな事を命令なんかしない!

優香:
そういう意味ではなくてね…

萌香:
凛空「先輩」、誰もそんな事を思ってませんから。 使う使わないではなく、一個人が核兵器のスイッチを持っている事が赦されるかどうか? 危険性は? という問題でして

ヴェル:
そもそも高ランクのネットウィーザードの発生確率というのは他のオーバーメイドに比べてもの凄く低くて、ヴェル以外の最高ランクのロッテがA+で、悠里でさえAランク。だからこそいままでこのような問題は発生しなかった。 ヴェルはスプロール全体の総意となったDrフランソア・フィッツジェラルドの管理下にあるし存在自体が治外法権、例外処理の産物。ヴェルそのものも実際に脳の処理の80パーセントはスプロール上にあるし。でもすみれちゃんは違う。 単体で成立している現在確認されている世界初のオーバーSランクのオーバーメイド。

凛空:
そんな難しい事わからないよ! すみれをどうする気なの? 凛空から取り上げて閉じ込めるとか言わないよね!

優香:
凛空さん落ち着いてそんな事はしないから。 ここは瑠莉ちゃんがオーナーのClub Forestで凛空さんの実家でもあるのよ? 二人に対して悪いようにする気はないから。

SE:
ゴンコン!(壁を叩いている)

悠美:
あー討議中悪いわね、たった今しがた栗田閣下とご主人様、フランソアさん、エステル総裁が議長をどうにか「説得」したと連絡があったわよ。

悠美:
優香、コーヒー頂戴、ミルクと砂糖たっぷりで…

優香:
アンタ執務室にもどらなくていいの? オーナー代行でしょ?

悠美:
コーヒーくらい飲む時間くらいは休ませて頂戴…お願い

凛空:
えっ? オーナー代行って? 瑠莉オーナーやフランソアちゃんは?

悠美:
凛空さん何言ってるの? エンパイアクラブ議会の議長にすみれさんの事を認めさせる為に直談判に栗田閣下と乗り込んでるんだからイタリアのヴェネチアにいるに決まっているじゃない。

凛空:
イタリア?! ヴェネチア?! 栗田閣下って紅葉ちゃんのお父様も? たしか今は英国に戻ってたじゃなかたっけ?

優香:
その紅葉お嬢もすみれさんのチップの解説の為に一緒に行ってるわよ(苦笑)

その15へつづく