くみ泡 第七話「久美と良二の温泉旅行 」その2

 
久美:
もう無理! 一歩も動けない!

良二:
もうちょっとだからがんばろう? ねっ!

久美:
無理!

〇白森高原観光スポット1 白森海岸・白森ヶ埼「心の架け橋」

久美:
なんで海の上に吊り橋なんかかけるのよ! 何考えているのよ! 下海よ? 落ちたら沈むんだよ? 考えた人頭オカシイよ! なんで良くんは平気なわけ?

良二:
ぜんぜん揺れないでしょ? ほらもうちょっとで展望台だから目つぶってていいからひっぱるから!

解説:
白森海岸の先にある白森ヶ埼という岬に突き出た岩礁に展望台があり、そこへ吊り橋がかかっている。展望台からは太平洋の大パノラマが望める人気の観光スポット

久美:
目つぶってて下の板踏み外したらどうするのよ!

良二:
だったらがんばって歩こうよ…

久美:
無理! もう無理!

久美:
うぅ…コンクリートだ…地面がこんなに有難い物だと…知らなかった。

良二:
ほらあっちの展望台にベンチがあるから、そこまでがんばって歩こう。

久美:
うん…

すみれ:
くま太、表情が硬いって…そうかな?

由奈:
ほら笑ってくださいませ。

すみれ:
にぃ~? こんな感じ?

真理愛:
すみれ、それ顔が引きつってるだけ

解説:
時間軸は、
の翌日になります。すみれと真理愛と由奈はすみれのクルマで街の案内もかねて遊びにきてます。

由奈:
これは絶景ですわね、とても神秘的で良い所ですわ。

真理愛:
くま太ありがとう! くま太がいればセルフタイマーいらず!

神秘的か…えっとガイドをAURORAで読むと…「むかし、反四郎とお菊というたいそう仲のよい夫婦がおりました…中略…あっという間に海へ落ちてしまいました。 知らせを聞いたお菊はたいそう悲しみここへ来ては立ちつくし涙を流す日々が続きました。 以来岩磯菊の花が可憐な姿を見せるようになりました。そして、いつの頃か村人達は、ここを「反四郎落し」と呼ぶようになり、夜な夜な人を惑わしこの崖から転落…」

由奈:
それは神秘的ではなくて怪談話じゃありませんか!

真理愛:
こういう場所だしね。そういう逸話の一つや二つはあるでしょ

すみれ:
あれ? あれは良二オーナーと久美さん?

良二:
げっ! すみれ? ちょっと久美ちゃん離れて!

久美:
無理…足がすくんでて今、良くんの腕離したら倒れる。

すみれ:
仕事では真面目一辺倒に見えるお二人だけど、デートの時は久美さんと良二オーナーってあんなにラブラブなんだ…うわ・・・

由奈:
あれが真理愛のお姉さんやすみれのご友人達が所属するWhityGardenのオーナー様とメイド長さんですか? 本当に仲睦まじいですわね!

真理愛:
とりあえずパシャパシャ! これは聖理愛お姉ちゃん達に報告だね!

その3へつづく