くみ泡 第七話「久美と良二の温泉旅行 」その5

 
このみ:
こちらのお部屋になります

久美:
うわ~♪ 露天風呂が付いてる!

良二:
すばらしいお部屋ですね。

久美:
あの! コレを…

このみ:
久美メイド長、お心付けは辞退させていただきます。

久美:
えぇ…なんでですか?

このみ:
良二オーナー様は米国暮らしが長かったとお聞きしておりますので和洋間のお部屋を準備させていただきました。食事は一階の料亭で19:00に、ご用意いたします。寝室はベッドですので。 よってわたしくは御用でお呼びにならない限りはお二人のお邪魔をいたしせんので、若いお二人はごゆっくりしてください♪ 邪魔者は退散いたしますので、では失礼いたします♪

久美:
お気遣いありがとうございます...ご...ご苦労さまです。

久美:
うわ~ん! 女中としての格の差を見せつけられた…。 全然久美はダメだぁ~…精進しないと…。

良二:
ここの女将のこのみさんって、グリーンウッドの穏海さんと剛史お兄さんの幼馴染みでヤリ手で有名なんだよ。 穏海さんのライバルらしいよ?

良二:
あの~久美さんお茶でも淹れてあげようか? 気分転換しよう?

久美:
お茶くらい久美でも淹れられます! これでもメイドですので! 良くんは座ってて下さい! ふんっ!

良二:
はい、お願いします…

久美:
良くん、どうぞ!

良二:
ありがとう。

久美:
あのねえっ! 茶請けに桜餅が用意してあったんだよ! 

久美:
う~ん! 口の中にふわ~っと桜の香りが広がって、そして酸味があんこの甘さと絶妙! 美味しい!

良二:
良かったね…
(機嫌治ったよ…ここまで計算して接待しているのか…すごいなこのみさん。さすが老舗旅館の女将の接待)

良二:
お茶も飲み終わったし、桜餅も食べ終わったし。 まだ夕食までにはかなり時間あるし…どうしようか? 地下にカラオケとか卓球とかゲームコーナーとかあるし、近くに滝が見えるスポットとか…あるけど…どこか…行こうか?

久美:
じぃ~!

にじりより♪

久美:
じぃ~!

良二:
久美さん?

久美:
良くんは、どこかこの部屋以外に行きたいわけ? 

良二:
部屋にいると…ねえ?

久美:
その為にこんなに早く宿に来たじゃないの?

ぴとっ! 頭を良二の肩へ乗っける久美

良二:
まだお外明るいですよ?

久美:
だから~? 久美とシたくないわけ?

良二:
そんなことはないけど、まだ早いかなって? だって今からしたら? 夜もするんでしょ?

久美:
それはスルでしょ?

良二:
はぁ…わかったから…まず温泉入ろう? せっかく部屋に露天風呂がついているんだし

久美:
うんっ! それは賛成! お風呂~♪


その6へつづく