イケナイ凛空ちゃん 第五十三話「DAYBREAKERS」その1

 
キュィーーーン♪
(足底のローラーでローラーダッシュしてます)

〇知能戦車内部

すみれ:
ヒュロ、左前脚のアクチュレーター出力を接地圧に合わせてプラス5に修正! まだ踏ん張れるはず!

ヒュロ(すみれの知能戦車のAI)
リョウカイ

すみれ:
もとのオートバランサーが邪魔! オートバランスシステムをVIORETとすみれの演算野に切り替え制御をすみれに、補助をVIORETに! いいわね? 

VIORET:
YES! 直接管理に切り替えます

解説:
コックピット自体はものすごく小さく周囲を対衝撃対熱対レーザーのシェル(殻)でおおわれていて戦車の腹部に格納されています。なので実際は真っ暗な空間。しかしすみれはリアルハーフダイブを行っており、知能戦車の全面に配置されているカメラやセンサーから得た情報を処理し、疑似的に全方位モニタを表示して「見ている」て感じです。
操縦自体は両手指と手のひらのアクセスファイバーを通じで操縦球を通じて情報を双方向で行ったり両足のペダルを踏む事で行っています。

真理愛:
アレを本当にすみれが操縦してるの?

レイラ:
あんな動きできるのか? いやそれ以前にあんな事をしたら横転か、脚部が破損するだろ?どうやってるんだ?

ルフィナ:
設計上は動きをするとレイラが言った通り良くて横転、悪ければ脚部破損なんだけど…

ヴェル:
すみれちゃん、オートバランサー切ったね。全機動を自分の処理でリアルタイムで行う事にしたんだ。まあその方がすみれちゃんならいいよね。 それと強度についてだけど、光学迷彩やレーザーレーダー反射膜形用につかっているマイクロマシンのプログラムを書き換えて、表面に衝撃吸収用の分子結合膜を形成して外骨格として強化したね。 表面の色がほら変わってる! あれで衝撃を装甲面に分散吸収させている。たぶんアクチュレーター内部にもマイクロマシンを散布、衝撃吸収や反応速度を上げているね。

ルフィア:
それリアルタイムでマイクロマシンのプログラムを書き換えたって言うんですか? 理論的には可能ですが…えぇ…(ドン引き)

ヴェル:
それがすみれちゃんだよ。

すみれ:
うんっ! 最初だしこんなものかな! でわ最後にえっいっ! 

すみれ:(外部スピーカー)
真理愛! レイラ! いぇーい!

レイラ:
飛んだっ?! 戦車って飛ぶのか?

ルフィナ:
足を…手にしてるの? 手を振ってるの? ジャンプして?! えぇえぇ!

真理愛:
いぇーい!って…すみれ…(絶句)

ヴェル:
すみれちゃん! イエーーイ! 良かった気にいったみたいだねぇ!

すみれ:
ヴェルさんはハイテンションで喜んでくれてますが…他の三人はドン引きしてる? 
…操縦が楽しくてハイになりすぎたかな…

うわぁ…やちゃったぁぁああ! ひぃぃっ!

SE:
うぃ~ん♪(座席が上がる)

真理愛とレイラがタラップを上り座席に駆け寄る

すみれ:
二人とも! ドン引きしたよね! すみれが「いえーい」とか! そういうキャラじゃないのに! 調子ノリました! スイマセンスイマセンスイマセン!

真理愛:
すみれ! 無事?

レイラ:
おいすみれ…お前すごいな! 私も研修で旧式の知能戦車は乗ったんだが、最初は歩くのが精いっぱいだったぞ。なのに何だあの動きは…

すみれ:
二人とも引いてない…?

真理愛:
引く以前にすみれ! 身体は大丈夫なの? 気持ち悪くない? 乗り物であんなに激しい動きをしたら…三半規管が!

すみれ:
えっ? 激しい動きなんかしてないよ? う~ん…普段にくらべれば? 

レイラ:
それはサイバースペースでの電脳戦の事での事をいってるのか?

すみれ:
うん、すみれの戦闘スタイルは空中機動が中心だから、もの凄く簡単にいうとジェット戦闘機で空中戦をするようなもので、重力のシュミレーションもあるし、まあ軽減はさせてるけど。 そうしないと色々不具合があるからね。この戦車だって同じでしょ? アバターが実際の肉体になっただけ。

レイア:
ああ・・言われてみればそうだな。いや違うぞ? 

レイラ:
電脳空間のアバターと実際の肉体は違う! 神経から内臓や動かしている電気パルス、各種感覚器官など、アバターではデータを遮断すれば脳は影響を受けないですむがここは現実空間で現実の肉体だそうはいかん。

すみれ:
うーん…そういうのすみれはできるんだよね…じつはアバターと同じように。

真理愛:
そういえば前にそういうこと言ってたわね。

レイラ:
おいだったら現実の肉体が受けている情報量をつねにおまえは脳で処理しているということになるのか? それに介入できると? そんな状態で脳が…いや精神が何故もつ?

真理愛:
どういうこと? 

すみれ:
う~ん‥それは…それがすみれだからって…いう説明じゃ駄目かな?

その2つづく