イケナイ凛空ちゃん 第五十三話「DAYBREAKERS」その6

 
SE:
うわぁん♪ しゃぁあああ! しゅ♪

めぐ:
あっご主人様だぁ!

すみれ:
里緒奈さんの車ってNISMO GTR !?

真理愛:
すみれって意外とクルマ詳しいよね

SE:
ガチャ♪ ガチャ♪

フランソア:
これ後部座席じゃなくてただのラゲッジスペースだよ。 狭すぎ

瑠莉:
もともとの設計に無かったからね、無理やり感があるのは否めないかな

雪音:
酷い事に巻き込まれた…。

瑠莉:
訓練生諸君、休日なのに勢ぞろいとは精が出るが、でも休む時は休む事にしないとダメだよ? 

訓練生全員:
はいっ!

瑠莉:
それで今日はすみれと里緒奈と勝負するそうじゃないか。 
なので見学と助っ人ににきた。さすがに里緒奈のR35は1000馬力オーバーのモンスターだから私のクルマをすみれに貸そうと思ってね

フランソア:
ようはご主人様じゃ乗り越せなくてデータがとれないから、すみれなら限界性能出せるから改良型のデータ取りしようという腹

瑠莉:
フランソアさんバラさないで!

里緒奈:
すみれちゃん! 負けないわよ

すみれ:
勝負ってなんですか?

愛理:
この里緒奈のR34GTRにはニューロリンクがついているからすみれは乗れて当たり前。だからFORESTの敷地を周回するコースで里緒奈と私が乗ったR35と勝負しようと思ったんだけどR34は800馬力だから逆ハンディがありすぎるので、ご主人さまがMP4-Xを提供してくれるそうだ。 それで勝てばR34はご主人様が買い取りMP4-Xを合わせてすみれと真理愛に商品としてわたす。

雪音:
勝っても負けても免許は発行するから。 簡単に言うと金持ちの道楽だから二人とも悪いけど付き合ってあげてと

真理愛:
ちょっとマリがなぜ?

愛理:
キミもナビゲータとして一緒に載るんだよ? すみれを助けてあげてね。

真理愛:
やっぱり…


フランソア:
後部座席にすわる真理愛の仕事はコースデータを処理して適切なタイミングでパイロットのすみれに提示したり、タイヤマネージメントやエアロダイナミックスの制御をリアルタイムで行ってサポートすること。 まあ戦闘機のレーダー員と同じ。ナビゲータ。ちょっと後ろ狭いけど、フランソアでも無理すれば座れるから真理愛なら余裕があるとおもう。

真理愛:
はいがんばります。

すみれ:
いま計算したんですけど、これ車重とパワーがオカシクないですか?

瑠莉:
主パワーソースは新型多脚知能戦車と同じ電離リフレクターリアクター。 そこで発生する電力を4輪のホイール内のリニアモーターに伝えて駆動する4WD4WSだ。 操作はニューロリンクと視神経に直接投影される疑似映像で行い、ステアリングとペダルでも使う。これは知能戦車と同じというか、あの新型多脚知能戦車はこのMP4Xを開発中に操作系に応用できないかと?という発想のもと開発されたものなんだ。だからコイツがあの戦車のプロトタイプといっても過言ではない。 すみれが言っている「重量」と「パワー」だが、電離リフレクターの効果だね。車重はリククターが稼働すると700kgに「軽くなる」、パワーは2000psオーバー、最大トルクは150kgm 通常最大速度は550km/h 出力の最大値が二つあるのは、電離リフレクターリアクターの出力をリニアモーターにオーバーロードする「リニアホイールブースト」を使用した時の値。 これで計算上は600km/h を超えるはずだが…わたしではまだ出したことはないけどね。
真理愛:
最大速度 600km/hオーバー ! それもあるけど 最大トルク150kgm ! ガソリン車でいうと自然吸気エンジン15リッターエンジン相当を700kg、軽自動車に積んでるのと同じということですか? パワーウェイトレシオとか考えたくない。

フランソア:
まさに英国面全開の狂気のマシン。ご主人様の趣味の産物。とても扱いきれない。ご主人様でもね! だからってすみれでデータ取るとか…酷い。

瑠莉:
すみれと真理愛なら扱えるわたしは信じている! そのデータをつかって次のVERをね開発するためにどうかお願いします!

フランソア:
これだから科学者は…

レイラ:
すみれ、どうにかなりそうか?

すみれ:
これ午前中にすみれが書き換えたヒュロちゃんのOSすみれVERとほとんど同じ。 なるほどこれがプロトタイプのOSで、そのあと汎用性を高めたるためにヴェルさん達があのOSにアップデートした感じなんだ。 逆にこれならすみれとVIORETが直接全部を制御できるからどうにかなるかも。

めぐ:
真理愛すみれのサポート頼むわよ! 勝ってこい!

由奈:
わたくしも乗らせていただきたいので是非先輩達に勝って下さいませ!

真理愛:
そんな無茶な…だいたい、仰向けなって運転するバイク? それもタンダムで? そんな感じで…変な感じ。

愛理:
めぐ・真理愛・すみれはメイド学校同期生なので心配してなかったけど、レイラや由奈もしっかり馴染んで一つのチームとして機能してる

里緒奈:
めぐが接着剤でオイルの役目になってる。 ポジションとしてはすみれちゃんがリーダーでレイラが参謀。 真理愛ちゃんが副官かな? ムードメーカーが由奈ちゃん。 良いチームだけど、推進剤がほしいかな? めぐや由奈ちゃんもムードメーカーだけどどちらかというと気を回すタイプだから、ドカーンといくタイプが欲しいね。

愛理:
それについては明日もうひとり合流するから。 それを楽しみにしよう

SE:
うわぁーん! ぼぉぉぉお!
うぃーーーん!(電離リフレクターのフライホイールが回転して唸っている音)

雪音
すみれ訓練生、特別免許修了検定 Club Forest敷地周回道路レース! カウント行くよ!
スリー!
トゥー!
ワン!

雪音:
GO!(ばさっと手が降ろされる!)

SE:
うわぁああああああああああんん! パシュっ!

しゅうぃーーーーん!

真理愛:
ひぃぎぃぃいっぃぃ!

その7へつづく