イケナイ凛空ちゃん 第五十二話「Edel Lilie」その5

 
〇保安本部地下射撃訓練場

SE:
パシュっ!

真理愛:
嘘でしょ…

めぐ:
えぇぇぇぇ!

優香:
悠里とヴェルちゃんからすみれちゃんのサイバースペースでの戦闘スタイルは射撃中心系だと聞いてたから上手いとは思ってたけど中心に百発百中はすごいわね! たしかに電脳空間で超ロングレンジ射撃を命中させるよりは何倍も25m程度の射撃なら簡単よね~!

めぐ:
現実空間での射撃ならすみれに勝てると高を括っていた私の立場は…文字通りの百発百中とか勝つの無理!

SE:
パシュっ!

真理愛:
すみれ、さすがに少し休んだほうが…

すみれ:
まだ後100くらいは撃つ。リアルスペースの肉体で撃ってるけどこれレールガンで反動もほとんどないし。銃もものすごく軽い。 身体の負担はちゃんとつねにニューロチップでモニタニングしてる。 まあさすがに普段のサイバースペースでの射撃訓練みたいにはいかないけど。

真理愛:
普段の電脳空間での訓練って何発くらい撃ってるの?

すみれ:
毎日ルーチンの訓練で5000発撃って、そしたら少しは一回休み入れてもう5000発って感じかな? 本当はもっと撃ちたいだけど、他の訓練もあるし。

真理愛:
続けて5000発?! それだけ集中力もつの? それで毎日10000発撃ってるわけ?

すみれ:
うん、結局戦闘は日々の練習量の積み上げだから。電脳空間内は時間が500倍になるから時間は取れるからね。電脳空間で凛空様をすみれは御護りすると決めたの。そのためには…人一倍練習しないとすみれはダメだし。

SE:
パシュっ!

真理愛:
というより私と話ながら撃っても当たるの?

SE:
パシュっ!

すみれ:
電脳空間内ではコマンドワードを唱え、自分の機動を制御、シールドやバリアも制御、ビットも同時に制御してシューティングもするから。

SE:
パシュっ!

すみれ:
それにインテリジェントデバイスと会話しながら撃つのだから当然出来ないと困る。

真理愛:
まさにマルチタクスなわけね…

SE:
パシュっ!

真理愛:
(電脳空間だからって精神は強化されないだから、5000発x2とか機械じゃないだから! 他の訓練もあるって…どんだけの訓練量を毎日こないしてるのよこの子! なんかすみれが怖いんだけど…私、すみれを知ってるつもりになってただけなのかもしれない)

レイラ:
おい由奈、お前まだそれつかうのか?

由奈:
わたくしの得物はこの子しかありませんわよ? 50m以内なら投擲でもはずしませんし。 それにわたくしは前衛ガードがメインポジションですから。 この子でないと皆様を銃弾からまもれませんわ。

レイラ:
接敵された場合や狭い室内はどうするんだ?

由奈:
サブウェポンで一応拳銃とナイフもありますし、最悪はこの拳と蹴りで! このグローブとメイド靴は特別製ですし!

レイラ:
まあたしかにお前の場合は拳でも蹴りでもコンクリート破壊するからな…十分か。

ルフィナ:
みんな準備できたから一度射撃訓練は休止してわたしについてきて!

他:
はーい!

すみれ:
何ですかこれぇぇえええ!

真理愛:
これにすみれが乗るの? 本当に?

めぐ:
おおおっ! カッコイイ!

レイラ:
迷彩指定の注文聞いてくれたんだな!

由奈:
なぜ森林迷彩なのです? Forestだから?

ルフィナ:
みんな! これが我がForestが誇る22式知能戦車チェンタウロよ

優香:
けっこう高いのよ~♪

すみれ:
それは高いでしょうね…

真理愛:
チェンタウロって8輪装甲戦車にあったような…

優香:
それもうちにあるけど♪ ややこしいわよね。

真理愛:
あるんですか…

ルフィナ:
そちらから見て左がわたしのチョロくん、真ん中がレイラの二号機、右がすみれの三号機になるわ。 二号機、三号機と呼ぶのは可哀そうなのでそれぞれ明日までに名前考えてきてオーナー登録などは明日するから!

優香:
可愛い名前つけてあげてね♪

すみれ:
はぁ~…考えときます。

その6へつづく