イケナイ凛空ちゃん 第五十四話「Sacred World」その12

 
良二:
ドロシーさん良く来たね。 そしてすみれ付き添いありがとう。
座ろうか。

すみれ:
落ち着いてゆっくりでいいから、焦らないで…

花恋:
ラズベリーケーキと里緒奈さん特製焙煎ブレンドです。私はクレアさんと真理愛達のところに行ってくるから、ドロシーがんばって、

ドロシー:
花恋、すみれ、ありがとう。

ドロシー:
すぅ…ふぅ…
えっと、皆さん、本日は忙しい中、わたくしの為に時間を割いていただきありがとうございます…

皆さんがわたしの事を…助けてくれて…そして他にも沢山の方が、私の事を支えてくれて今、わたしは正規メイドとしてここにいます。

ドロシー:
わたしの最初の記憶は、わたしに覆いかぶさって銃弾を受けてでも、笑って「大丈夫だよ」って言った鈴奈さんの記憶です。 わたしは何も動けなくて、ただ目だけが開いていて…その瞬間を見ている事しかできませんでした。

ドロシー:
次の記憶は、大きな音がして、お姉さまという声がして。 
それにわたしは自働返答でその声の主を確認した時、笑顔で「ドイツ連邦国境警備隊です。助けにきました。」と言って「あなたを助けることを、このお姉さまに託されました。 ですから必ず助けます。 だからすこし待ってて!」と言ってくれたしずるさんの声です。

この時、わたしは「タスケル」という強い意思を感じて、わたしの使命である「人を助ける為に生まれた」ということを強く自覚する事ができました。

しずるさんは、そのまま部屋を出て行ったですが、それは私や私が救うべき鈴奈さん、そして残ってくださっている男の子を「助ける」為だと理解できました。

ドロシー:
私の最初の最後の記憶は、鈴奈さんを治療する途中に初期の不具合を起こし倒れ込む私を抱えてくれた暖かい手でした。 それは良二オーナーの手でした。

ドロシー:
本当はいけない事なんだけど、どうしても私の事を助けてくれた人たちの事を知りたくてこの、すみれに頼んで、記録を調べてもらいました。 
私を助けてくれた作戦全部を立てて指揮をとってくれ、その後、Forestまで輸送しクレアお姉ちゃんやヴェルさん、瑠莉ご主人様に託してくれたのは絵美香さんであることを知りました。

ドロシー:
ここにいるみんなが居てくれて命をかけて、救ってくれたから、わたしはここに生きています。

本当に…

ドロシー:
私を救って下さって。ありがとうございました。 救ってくれたこの命を大切にします。 
その大切な命を使ってこれから衛生メイドとして多くの命を救えるよう尽力したいと思います。

鈴奈:
もうドロシーさんは鈴奈というメイドの命を救ってるのよ。鈴奈の命を救ってくれてありがとう。

ドロシー:
うっ…ドロシーさん、鈴奈お姉さまの命を救ってくれてありがとう。 ずっとお礼を言いたかった! やっと言えた! これで戻ってくるっていう約束が果たせたよありがとう。

絵美香:
あの作戦では救えなかった命も多いの。 でもドロシーさんは救えた。 だからその命大切にしてね。

良二:
うん。 新しい正規メイドよ、ようこそエンパイアクラブの世界へ。 キミの力をボクたちに貸してくれ。

ドロシー:
はい! 精一杯このメイドドロシー! エンパイアクラブグループに仕えさせていただきます!

イケナイ凛空ちゃん 第五十四話「Sacred World」 終わり