イケナイ凛空ちゃん 第五十四話「Sacred World」その3

 

すみれ:
そうか通信が遮断されているから電子決済は無理か

解説:
すみれは両手の指と手のひらにアクセスファイバー(電子機器との接続端子、現在のICチップみたいなもの)が神経として内臓されているので、電子機器のリーダーに触れることでスマホなどの決済などを行うことが生身だけでできます。この場合は自販機のリーダー部分に触れて支払おうとしたが、メディカルラボは外部との通信が電子的に遮断されているために通信ができず、決済できなかったという事。

すみれ:
なんか小銭で買うのも久々かも、これはこれで味があるよね♪ アイスにしようポチっ!
SE:
ガシャン♪

ドロシー:
それ飲み物が出る機械だったんだ…

すみれ:
あっ、貴女さっき検査の時にいた子?

ドロシー:
あっ! ゴメンなさい邪魔しちゃって。

すみれ:
全然邪魔じゃないよ? あなたも買う?

ドロシー:
わたし…そのお金だっけ? 持ってない。

すみれ:
いいよいいよ! これくらいならすみれが奢ってあげる! 何がいいかな? 何なら飲めそう?

ドロシー:
えっ! いいの? でも悪いし…

すみれ:
すみれ暇なの! もしよかったら貴女。時間あるならお話とか付き合って! ねっ! 一緒にのもう? それとも忙しい?(この子たぶん保全機関に保護されたメイドだよね…頭のアクセサリーはレーザースキャニング分析デバイスそれもかなり高性能、目もヘテロクロミア。左右で光彩が違う。それも色が特殊な濃い赤眼と碧眼…ということはかなり特殊なオーバーメイドかハイパーメイド?)

ドロシー:
時間はある。 お散歩してた。 お話なら付き合う

すみれ:
交渉成立! どういうのなら飲めそう?

ドロシー:
苦いのはイヤ。 あと熱いのも苦手…

すみれ:
そっかオレンジジュースならいけるかな。

すみれ:
はいどうぞ♪

ドロシー:
うわっ! ありがとう!

すみれ:
座って飲もうか

ドロシー:
うんっ!

ドロシー
これどうやって開けるの?

すみれ:
これはね、このプルトップっていうこの部分をカチって上にすると缶に穴が開くの、やってみて

ドロシー:
うんやってみる!

すみれ:
どう飲めそう?

ドロシー:
うんっ! とても甘くて美味しい! ありがとう!

すみれ:
それだけ喜んでくれるならすみれも奢ったかいがある! ねえねえ、自己紹介がまだだった。私はすみれ、古都埼すみれ。貴女のお名前は? 名前わかるかな?

ドロシー:
わたしはドロシー、ドロシー・バートン

すみれ:
バートン…もしかして、クレア先輩の関係者さんかな? 間違えてたらごめんね

ドロシー:
クレアはわたしのお姉ちゃんです! おねえちゃんを知ってるんですか?

すみれ:
ドロシーちゃんはクレア先輩の妹さんなんだ! うん、すみれは学園での一つ後輩で先輩には仲良くしてもらってるの。

ドロシー:
クレアお姉ちゃんの一つ下の学年ということは、すみれさんはわたしと同じ歳ですね

すみれ:
同じ歳なんだ!

すみれ:
同じ学年か…ねえドロシーちゃんはメディカルラボにいるけど、どっかの悪いの?

ドロシー:
わたしの身体はちょっと特殊で調整に時間がかかってるそうです。 でもヴェルさん曰くそれも最終調整だそうなのでもうすぐ外に出られるそうです!

すみれ:
出られるなら良かったね。

ドロシー:
はいっ…でも…ちょっと心配ごとが

すみれ:
なに?

その4へつづく