イケナイ凛空ちゃん 第五十四話「Sacred World」その4

 
ドロシー:
わたし、目覚めてからまだ三ヵ月でその前もほとんど記憶がなくて、だからこのラボだけでが世界の全てで…お外に出て大丈夫なのかなとか不安で

すみれ:
ドロシーちゃんは世界がまだ解らないんだよね? だったらすみれが教えてあげる! ここで会ったのも何かの縁だよ! 同じ歳のメイド同士、トモダチになろう! 

ドロシー:
トモダチ…

すみれ:
うんっ! その不安な気持ちすみれ解るの!

すみれ:
すみれも保全機関に救出される前の記憶が無いの。でもメイド学校でメイド仲間のトモダチができてそこで色々な事を学んだり、助けられたり、あと掛け替え無いのお兄ちゃんやご主人様の凛空様や…そういう人々に会えて今、すみれは生きてる! だからまずは一緒に対等に人生を歩んでいくトモダチって大事だと思うの! だからドロシーちゃん、すみれとトモダチになろう!

ドロシー:
お願します。 それにすみれさんの手…暖かいです。

すみれ:
すみれの手が温かいのはココロが冷たいから? っていうわけじゃないのよ? まだそういう解らないよね。

ドロシー:
解らないです…

すみれ:
まあ、他の友人達にもすみれのそういう言い回しって解りづらいって言われているんだけどね。 でね、いま手で触れたらドロシーちゃんもAURORA使えるよね? たぶん

ドロシー:
はい、私は衛生メイドでしてだからAURORAでアポリロイドのデーターベースにアクセスする権限があるので…ってすみれさんなんで私に触れるだけでわかるですか?

すみれ:
トモダチだから呼び捨てにしよう。 ドロシーはクレア先輩と同じで衛生メイドなんだ。なるほど、すみれはポンコツだけどネットワークウィーザードメイドなんだよ。 だからわかるの。

ドロシー:
すぐに解るレベルってオーバーSランクじゃないとアネラアイズできないじゃ‥ポンコツじゃなくて…

すみれ:
すみれは本当にポンコツだから。 ビット以下のダイバーなんで、今はそれいいや。 それでいまそっちにすみれのアカウントからフレンド登録のDM送ったから。 ここ通信が遮断されていてもこうやって直に触れ合ってれば通信できるから今しよう

ドロシー:
はい、フレ登録しました!

すみれ:
ここでは通信ができないけど、ここを出れば何時でも何処でもすみれと電脳通信でお話できるからすぐに力になってあげられるし! おしゃべりだけでもほら心強いと思うし! 勉強も教えられるよ! これなら少しは不安じゃないでしょ?

ドロシー:
うんっ! すごいすごいです 全然さっきまでと違います! 逆にお外に出てすみれさんと色々な所行ってみたいです!

すみれ:
す・み・れ! 「さん」付け禁止!

ドロシー:
すみれ…

すみれ:
よろしい! ドロシー!

ドロシー:
すみれ…えへっ!

すみれ:
早くここを出て、メイド学校へ行って正式なメイドになれるといいね!

ドロシー:
はい! 私が正式なメイドさん…なれるかな?

すみれ:
なれるじゃない、なるのよ! クレア先輩の妹だよ? お姉ちゃんみたいな立派なメイドにならないと! すみれも精一杯! 力になるから!

ドロシー:
!? そうだね! すみれの言う通りだ! 私はお姉ちゃんみたいな立派なメイドになる!

その5へつづく