イケナイ凛空ちゃん 第五十四話「Sacred World」その5

 
〇第四十九話と第五十話の間 Club Green Wood's 中庭

すみれ:(以後AURORAでの電脳通信)
じゃあ結構早く戻ってこれるんだ。短期講習って本当に短期なんだね

〇同時刻のエンパイアクラブ日本支部 メイド学校・長野校・宿舎ドロシー部屋

ドロシー:(以後電脳通信)
うん、私の場合はもうForestに配属扱いになっててメイドの講習も最低限のものだけだから。
それに所属は衛生メイドだし、メイド学校で教わるのは最低限の礼儀作法とエンパイアクラブそのもの組織や規則などとかだけだから。 そうだ、私はもう宿舎に戻ってるけど、すみれはまだお仕事の時間だよね?

すみれ:
すみれ? すみれは今は休憩時間で中庭で缶コーヒー飲んでる。

ドロシー:
いつもの? 缶コーヒーは胃に良く無いよ?

すみれ:
でもこれスキなの。 一応一日三缶までにしてる!

ドロシー:
いや三缶でも多すぎだよ…

すいれ:
良いじゃない~♪ 健康にウルサイんだから衛生メイドだから仕方ないけどね。 それでね、ドロシーに頼まれてた件調べたよ。それで連絡したの。
軍の防壁がけっこうメンドクさかったけど、どうにかなったよ。

ドロシー:
軍の防壁ってハッキングしたの?

すみれ:
だってドロシーを助けたメイドを調べるには、作戦自体の詳細報告資料がいるでしょ? それって軍の最高級軍事機密だよ?

ドロシー:
そういえば…そうだね。 ご主人様に聞いてもヴェルさんに聞いても誤魔化されちゃって、あとドロシーが自分で知らべても何も出てこないどころか、作戦自体の記録も無くて‥困ってたんだけど。 そうか、そういうのって最高級軍事機密なんだ。

すみれ:
そうだよ。 まあ調べられたけどね。

ドロシー:
ドイツ連邦軍の防壁を突破しての最高軍事機密を盗み見たって…それって立派な犯罪だよ…犯罪をトモダチに私は頼んでしまった…ああ…どうしよう…

すみれ:
ふっ! 安心してハッキングした痕跡は残してないから! 
バレなきゃ犯罪じゃないんですよ!

ドロシー:
バレなくても罪は罪なの! もう~! でも頼んだドロシーも同罪…うぅ…(涙)

すみれ:
これで共犯、トモダチとしての絆が増えたね

ドロシー:
全然嬉しくないよ…(涙)

すみれ:
細かな作戦内容などは省くけど、ドイツのケルンのアヴァロンの秘密研究施設の情報を掴んだドイツ連邦国境警備隊第9国境警備群・GSG-9の対メイド犯罪部隊がそこを強襲。しかし強襲の情報が洩れていたらしく先行部隊が待ち伏せにあって壊滅的打撃をうけ危機的状態に。

たまたま合同演習していた米国の第1特殊部隊作戦分遣隊(デルタフォース)の対メイド作戦部隊とその共同訓練中の隊員も含めて特殊救援任務として投入。 この中の一部隊に民間軍事コンサルターとして鹿苑寺グループが参加してて、居合わせた当時のサブマネージャ、その後、Empire Club  Whity Garndenのオーナーになる保坂良二様も参加してた

ドロシー:
Empire Club WhityGarnden ってすみれが以前所属してた白森町の中にあるクラブだよね? Forestの隣のクラブ。 というより保坂良二さんってうちのご主人様のお母様のご実家が保坂で、その次期当主の保坂良二さん?

すみれ:
そう、すみれの元ご主人様の保坂良二様。 その危機に陥った部隊に実はそのWhityGardenに所属するメイドの高飛騨鈴奈、鈴奈先輩とうちのEmpire Club Green Wood'sの朋絵お姉ちゃんがいて、この時、朋絵お姉ちゃんはアヴァロンに拉致されてしまう。

すみれ:
まあ朋絵お姉ちゃんはその後、別の事件で奪還されて今、うちのクラブの警備課にいるから! それは置いといて、その強襲部隊の中の鈴奈先輩を救援するときにドロシーも同時にその部隊に救出されている。 この時の報告書を読むと鈴奈先輩の所へ最初にたどりついたのが、先ほど言った保坂良二オーナーと、米国との共同訓練に参加していたドイツ連邦軍の小枝しずる准尉。現在ではこの時の功績で少尉になっているね。

ドロシー:
あの女の子が小枝しずるさん、そしてあの男の子が保坂良二さん、そしてわたしを助ける為に庇って撃たれたのが、しずるさんがお姉さまって呼んでいた高飛騨鈴奈さん

すみれ:
お姉さま? まあともかく、その良二オーナーと鈴奈先輩はWhityGardenにいるから、メイド学校の講習が終わればすぐにでも会えるよ。 問題は小枝しずるさんだけど当然現在でもドイツにいるから…これは瑠莉オーナーにドロシーがどうしてもお礼を直接会って言う為にドイツに一度行きたいってお願いするしかないかな? うちのお兄ちゃんと凛空様にもすみれから頼んでみるし。 ドロシーの最初の記憶だし、その気持ちはちゃんと話せばわかってもらえると思う! ごめんそろそろ休憩時間終わりで凛空様の所にもどらないとならないんだ。

ドロシー:
ごめんね色々本当にありがとう。お仕事がんばって!

すみれ:
うんっがんばる!

その5へつづく