イケナイ凛空ちゃん 第五十五話「Scarlet Ballet」その12

 
〇射撃戦闘演習場

唯愛:
それ何のサインだっけ? 習ったような習わなかったような…えっと…

ドロシー:
しずる何をしてるですか?

しずる:
この鏡で向こう側を見てるの、昔ながらのやり方。本当は専用の鏡とかあるだけど用意してなくて。

ドロシー:
その鏡、コンパクトでもないし、手鏡でもないし、化粧用でもなさそうだし。 また随分地味な…何に使う鏡なんです?

しずる:
これは床に事前おいといて、しずるが、そのちょっと手前に立って、鈴奈お姉さまをそこに呼ぶ。 するとこの鏡にお姉さまのスカート中が…お姉さまのパンツの色が今日は何色でどんな形なのかを確認するための専用の鏡。 踏まれても割れないし

ドロシー:
そんなことしてるですか?

しずる:
やっぱり毎日確認しないとね!

(無線)
由奈:
(唯愛ですから、先ほどのが動くなで、これが止まれで、これが先へ進めで)

唯愛
(ちょっと早すぎだよ! もっとゆっくり教えて!)

ルフィナ:
由奈、今からハンドサイン教えてたら無理だから! 声で伝える!

鈴奈:
しずるぅぅぅ 何てことを! 毎朝、宿舎の廊下で同じ場所で話しかけるのはそれが理由だったわけ? あとドロシーは銃口はしずるに向けちゃだめ! 上か、もしくは地面に向け普段はもつ! 

しずる:
(ひぃっぃいお姉さま! そうだった無線開いてるんだった!)

ドロシー:
(はぃっ!そうでした!)

鈴奈:
(でも模擬弾だからしずるの頭に何発かぶちこんでいいわ!)

しずる:
(お姉さま、模擬弾だって至近で頭うたれたら死ぬほど痛いですよ!)

優香:
くすす♪ がんばれ~♪

SE:
ぎぃ~♪(鉄の扉が開く音)

優香:
アリシア、こっちおいで

アリシア:
お仕事中すいません。 失礼します。 あれ?

アリシア:
嘘…なんで…

優香:
もう終わると思うからちょっとだけまってね

鈴奈:
しずるっ! 何やってるの! ドロシーを視界から外さない! 

ルフィナ:
今よ二人とも! 制圧射撃!

ドロシー(無線)
(SE:パパパパパっン!)
(はうぅぅうつつ!)

しずる:
(ドロシーー!)

鈴奈:
しずる飛びだしちゃだめ!

ルフィナ:
撃て撃て!!

しずる:
(SE:パパパパパっン!)
(ぎゃあああっですぅ!)

唯愛:
(当たった!)

由奈:
(やりましたわね唯愛! 立派なForestのメイドですわよ)

唯愛:
(由奈ありがとう! 唯愛出来ました!)

鈴奈:
なんで待ち伏せに考え無しに突っ込むかな…あぁ…

ルフィナ:
おっしゃ勝利! 昼食後のカフェのケーキオゴリね!

優香:
それと敗因、ちゃんとレポートでまとめて二人に教えること!

鈴奈:
うっ…まとめるもなにも、しずるだけじゃなくてドロシーも突っ込むとか…

優香:
二人ともこっち来て。

優香:
紹介するわこの子はアリシア・スカリジェといって、エリシアちゃんのお姉さん。

鈴奈:
エリシアのお姉さん?

ルフィナ:(小声)
ねえ鈴奈にどことなく似てない?

鈴奈:(小声)
そうかな?

エリシア:
鈴音お姉さん! なんでForestにいるんですか!

鈴奈:
すずね、お姉さん? えっ?

その13へつづく