くみ泡 第八話「RENDEZVOUS 」その1

 

久美:
まろんさんの分だから誰も取上げ無いからゆっくり飲んで大丈夫よ

まろん:
うん…(ずぅ~ゴクゴク)

クリス:
本日移籍してきたので、面接でご主人様の執務室に連れていったら、男性であるご主人様を見て、恐怖でパニックに…そうですか。 
まろんさんの元のクラブは摘発されて解散、うちに引き取ったんですよね。 
前のクラブで余程酷い目にあわされていたんでしょう。

絵美香:
……………

注:
AR(拡張現実)の表示はAURORAなので絵美香だけに見えています。
以下()はAURORAでの緊急会議で電脳通信で絵美香にしか聞こえていません 

悠里:
(まろんさんが所属していたクラブの摘発というのは調査部でも捜査協力をおこなったあの事件ですわよね?)

麗奈:
まろん、それはストロベリーミルクっていう飲み物なんだよ美味しい?

まろん:
うん…(ずぅ~ずぅ~ゴクゴク)

悠里:
(メイドの業務中の不慮の死が多発し、不信に思った保全機関極東本部が捜査部に捜査を依頼するもクラブのオーナーは捜査を断固拒否。)

悠里:
(こちらへ捜査部から協力依頼が来て、クラブの防犯カメラをわたくしとヴェルでハッキング、日常的なメイドへのプレイ以外での暴行。プレイ中の改正アポリロイド保護法違反にあたる致死性が高い暴行や違法薬物を使った調教行為や凌辱行為。食事もまともに与えられて無い状態で、さらに一般スタッフへの暴行も確認できたのでそれを元に捜査部は強制捜査に乗り出しクラブを摘発、オーナーを逮捕しクラブオーナーとしての権限を剥奪。財産を没収の上、モザンビーク(アフリカ南部の国)の収容施設へ収容。 メイドは保全機関により保護され治療のちにエンパイアクラブへの復帰を望むメイドは移籍と報告がきておりますが。)

優香:
(そうね…報告はそうなっているわ)

ヴェル:
(じゃあなんでWhityGardenに移籍になったまろんちゃんは男性恐怖症なの? それってココロに傷をもったまま治療もされてないってことだよね! 悠美お姉ちゃん極東本部はどうなってるの!)

悠美:
(いや…その…う~ん…永遠報告を。)

ヴェル・悠里・萌香のアバターを映していたモニタが永遠の方へよる

永遠:
(はい、情報局の方で調べてみましたが、どうやら極東保全機関でこの事件のメイドの処理になった担当官が全てのメイドを問題無して現在新メイドを募集しているエンパイアクラブへ移籍手続きを行ったらしく…)

ヴェル:
(はぁっ~! 何それ! 全然チェックしてなかったっていうの? メイドを保護するべき保全機関が?)

萌香:
(末期だわ…)

悠里:
(わたくしでも少し殺意を覚えましたわ! フランソアにも知られたらその担当者はブレードで切り刻まること決定ですわよ。)

永遠:
(現在まろんさん以外のメイドの所在を確認しておりますので全員全て Forest のメディカルセンターで診断していただきたく…)

ヴェル:
(当然だよ! ヴェルとクレア、夏帆、そして勉強にもなるからドロシーと新人のエミリーにも手伝わせる。 それなら短期間で大人数でも対処できるから、すぐに永遠お姉ちゃん手配して!)

永遠:
(承知いたしました。)

永遠:
(絵美香、今回はEmpireClub WhityGardenには大変ご迷惑をかけてしまい申し訳ございまいせんでした。この度の不祥事は改めて極東本部長より謝罪と御クラブへの何等かの優遇処置をご連絡いたします。 それで申し訳ないですがまろんさんは一度極東保全機関本部で預かり、ヴェルさん達が検査を行います。 ですので今回の配属は無かった事に…)

クリス:
久美さん! まろんさんはわたしが責任をもって面倒見ます! いや面倒を見させてください。 うちのクラブで引き取りましょう。 久美さんや麗奈さん絵美香はご主人様とどうしても仕事を一緒にやることも多いと思うでわたしならクラブを回っていてもご主人様への報告や会議以外は会うのはメイド達だけですから、連れて回って慣れさせる事もできると思います。
その様子だとお部屋も一人部屋だと心配です。ある程度回復するまではわたしの部屋で面倒みます。

絵美香:
(うわー。このタイミングだしね。 カメリアコンプレックスでアリコンのクリスが食いつかないわけないか…それにまろんちゃんってクリスの好みだよね容姿とか雰囲気とか)

優香:
(えっ! クリス? いまの本当なの絵美香? どうしよう? この電脳通信の会話クリスは聞いてないの?)

絵美香:
(何度もAURORAで呼び出してるんだけど、久美さんの話を聞いてからもう、その時点でココロここにあらずで…たぶん頭の中がまろんちゃんの事で一杯になちゃってて耳に入って無いんだと思う…脳内で…)

悠美:
(それってクリスのいつものヤバイモードが発動したこと? 花恋はこっち来ちゃってるから? 寂しさに耐えられなくて)

絵美香:
(さっきまで「私は花恋に捨てられる」って昼間からヤケ酒を全開で飲んでたんです…)

ヴェル:
(ちょっとまろんちゃんのココロのケアはどうするの?)

萌香:
(幼くて可愛そうな女の子に弱いって聞いてたけど…本当に弱いんだ…ダメダメなんだクリスメイド秘書。詩織さんよりあるいみヤバイ?)

悠美:
(ねえ! 花恋いないのに食事どうするのよ? クリスは料理なんか‥それはおろか家事全滅でしょ? 全部外食にする気?)

絵美香:
食事は今、花恋ちゃんがForestへ行っている間は私がクリスの面倒みているし大丈夫だと思うわよ。

悠里:
(ちょっと絵美香さん、どうなってるんですお宅のメイド秘書は)

絵美香:
(ゴメンナサイ…どうなってるも何も…うぅ…永遠ぁ~~どうにかして!)

永遠:
(…わかりました。こちらの方でどうにか手続きは今まで通りでします)

クリス:
絵美香はね、とっても料理が上手いのよ! 私も毎日楽しみにしてるくらい、きっとマロンさんも気に入ると思うわよ。

優香:
(ねえこれ花恋ちゃん毎度の「お姉さま! 風穴開けますよ!」バンバンバンバンっ!になるってこと?)

永久
(あの絵美香、WhityGardenは軍施設では無いのでそういう事にはならないように)

絵美香:
(だったら鈴奈ちゃんだけでも戻して! 私だけじゃバーサークモードになった花恋ちゃんを止めるなんか無理だって!)

優香:
(それは良二くんから「ダメ」て言われてるから無理。現地戦力でどうにかして)

ヴェル:
(何かまろんちゃんに変化があったらすぐにヴェルに連絡下さい。最優先事項で処理するから、優香お姉さんからの通信は最重要でとるように指定する!)

優香:
(うんわかった…よろしく頼むわねヴェルちゃん)

まろん:
お姉さん達やさしい。

久美:
うん、怖くないでしょ? クリスお姉さんと絵美香お姉さんにまろんさんの事はまかせるけど大丈夫かな?

まろん:
うん、クリスお姉さん、絵美香お姉さん、お願いします…。

麗奈:
よかったね…まろん。
(別の問題で心配だ。 これ花恋がいないうちにクリスメイド秘書がまろんに溺れるパターン? あとで連絡しとくか…)

クリス:
はいっ! まろんさんよろしくね♪

絵美香:
よろしく…
(このクリス前にしてどうやって花恋ちゃんの銃乱射を防げっていうのよ…無茶いいすぎよ…とほほっ…)

その2へつづく