くみ泡 第八話「RENDEZVOUS 」その2
絵美香:
お店の中回る前に昼食だね
クリス:
何か好きな食べ物ある?
まろん:
好きな食べ物? …わからない
クリス:
だったら嫌いな食べ物は無い?
まろん:
酸っぱかったり、食べたらお腹が痛くなるもの‥はイヤ…
絵美香:
まろんちゃん、普段はどういうものを食べてたの?
まろん:
う~ん、名前は知らない。ゴハンって言われてた。白いドロドロした味のしないヤツ。それにしょっぱいお塩のクスリ? だからそれを舐めながら、どろどろしたのを食べると味がする? あとお水が出た。 でも時々酸っぱいゴハンが出るときがあって…それを食べるとお腹がいたくなったり、吐いたりするからそのときは…食べないようにしてた。
クリス:
絵美香それって…まさか…
絵美香:
たぶん人工オートミール食。 それと塩の錠剤。 たしかに栄養は取れるけど味も何もしない…そんなの食事じゃないわ。 それをまとめてお湯でといて作っておいて放置してたものも与える。 酸っぱいっていうのはたぶんたって数日で腐ったモノを…
クリス
酷い…
絵美香:
他にゴハンは食べた事ないの?
まろん:
う~ん。…ゴハンって…他にあるの? まろんは…それしか知らない
クリス:
…うっ…
クリス:
まろん…辛かったね…(涙)
まろん:
!? …もう痛いこと…する時間…?
絵美香:
クリス気持ちはわかるけど怯えてるから。 まろんちゃん、違うわよ。 クリスお姉さんはまろんさんが心配で抱きしめたの
まろん:
心配?
クリス:
驚かしてごめんね。
まろん:
痛い事する時間じゃないならいい。
絵美香:
とりあえすファミレスでもつれって料理が色々あって食べられそうなのを選んで味ってものを覚えさせましょう。クルマとってくるわ。
クリス:
そうね。そういうところが良いわね。 お願い。
絵美香:
はいどうぞ!
まろん:
絵美香お姉さん…車運転できるんだ…どこにまろんは次は連れて行かれる?
クリス:
ファミレスって場所。 ご飯を食べる場所。ほら絵美香座席倒してあげて
絵美香:
そうだね。 まろんちゃん、ほら後ろの座席にのって
注:
アポリロイドにはドラックスラビライザーというものが埋め込まれており、そこでアルコール脱水酵素とアルデヒド脱水素酵素2を生成しています。それを任意で体内へ放出させることで瞬時にアルコールを無害化します。さっきまでお酒を飲んでいた絵美香やクリスがすぐに正気になったのはこの機能をくみ達との打ち合わせの前に作動させたからです。 よってクルマをすぐに運転しております。
SE:
ぴぽーん♪
まろん:
うわっ! 音がしたぁっ!
ウェートレス:
ピュア・パンプキンへようこそ♪
何名様でしょうか?
まろん:
はうっ!
クリス:
大丈夫怖くないわよ
まろん:
うん…
絵美香:
三名で~す!
ウェートレス:
はい三名様ですね。ご案内いたします♪
まろん:
おぉ~絵がいっぱい…
クリス:
これはメニューっていうの。 この絵と同じものが出てくるの
ウェートレス:
ご注文がお決まりになりましたらそこのボタンでお呼びくださいませ♪
絵美香:
はい、ご苦労様です。
まろん:
お…お姉さん、お仕事…お疲れ様です…
ウェートレス:
うんありがとう♪ ゆっくり決めてねぇ。
まろん:
…うんっ
その3へつづく