イケナイ凛空ちゃん 第五十五話「Scarlet Ballet」後半 その11
エリシア:
花恋この世界で一番強力な兵器って何だと思う?
花恋:
熱核反応兵器かな? 熱核融合(水爆)戦略弾道ミサイル?
エリシア:
そうその熱核反応兵器をアーマーメイドに搭載されている偏向電離リフレクターリアクターが発生する空間湾曲断層、簡単にいうとバリアと呼んでいるけどが無効化することができる。
現在世界各地の都市に整備されつつある偏向電離リフレクターリアクターはこの新型都市防御システムを発生させるさせるためなの。
花恋:
じゃあ人類が一世紀も待ち望んでいた核兵器が無い世界が実現できるんですね! 人類が破滅に怯えずにすむ世界!
悠里:
そんな風になるわけ無いじゃありませんの。
萌香:
たしかにこのリアクターの発電所がある都市ではね。しかしそのようなリアクター発電所を設置できない国や都市はいままで通りに熱核反応兵器は有功よ。 そのリアクターでさえ中和できる兵器も存在する。
萌香:
空間湾曲バリアを同じ空間湾曲させるリアクターで干渉すればそれを無効化できる。それを機動兵器として運用する。 それがこのアーマーメイドよ。
悠里:
まあ、対抗手段の無い兵器を開発したら無制限に軍拡が進むという熱核反応兵器と同じ事になりますからね。 制御するのは当然ですわ。
花恋:
でも! それを言ったらこのアーマーメイドを大量に量産したら核兵器と同じ事にりません?
詩織:
空間湾曲断層を作り出せるほどの偏向電離リフクターリアクターの制御演算を行うにはとても巨大な施設をつくるか、アーマーメイドのレベルに小型化する場合は…
エリシア:
今までの量子プロセッサの演算能力を遥かに超える生体演算ユニット、ハイパーオーバーメイドによる演算が必要なの。さらに動かす為にはハイパーオーダーメイドがパイロットとして乗り込むことでやっと動かせる。 その数は…現在は4組、8人しか存在しない。
そのハイパーオーバーメイドとハイパーオーダーメイドの実現のための前段階としてアポリロイド、オーバーメイドやオーダーメイドがあったの。
花恋:
だったらそのハイパーオーバーメイドとハイパーオーダーメイドの8人を作るために数千万人の女の子や企業のオーナーの子どもたちが実験台にされたわけ?
エリシア:
そうとも言えるけど櫻糀博士、加倉博士、フィッツジェラルド博士が目指したのはその先、究極の次世代の人類の可能性。
アルティメイドの実現。
アルティメイドなら一人だってこのアーマーメイドでさえ操れる。それだけで演算処理能力と人を遥かに超える身体能力を兼ね備えた存在。
花恋:
加倉博士、Drフィッツジェラルドはわかるのですが、櫻糀博士ってご主人様が?
詩織:
違うわ。エリシアがいった櫻糀博士は、ご主人様のお父様、櫻糀哲也博士。 瑠莉ご主人様と私、そして優香お姉さまを育てて下さったお父様。
そして、アヴァロンの現在の総帥。 すべてのアルティメイドのマスター。
花恋:
そのアルティメイドをつくる計画を立てて研究して実行したのが花恋のお父様とフランソアのお姉様とそして瑠莉ご主人様のお父様・・・。 そしてForestや保全機関が戦っているアヴァロンの総帥。
エリシア:
そのハイパーオーダーメイドは各博士の子供の受精卵が使われていて、加倉家のハイパーオーダーメイドが花恋。それに仕えるべく設計製造されたハイパーオーバーメイドがこのエリシア。
花恋:
いくらなんでも頭がついていかないよ! ちょっとまって!
詩織:
花恋さん、いきなりこんな事を言われても受け入れられないわよね。
エリシア:
でも詩織、セレーネが覚醒したのはウリエルは気づいている。 悠長にしている時間はないよ
ぴよ吉:
ピヨぉっ!
詩織:
解ってるけど…。
その12 へつづく