イケナイ凛空ちゃん 第五十五話「Scarlet Ballet」後半 その13

 
〇同時刻格闘訓練場

鈴奈:
はっ!

SE:
ひゅん!ボコッ!

めぐ&しずる
はぐぅぁあっ!

SE:
カランっ(しずるのコンバットブレードが床に落ちる音)

鈴奈:
二人とも何度言ったらわかるの! 一番大事なのは相手の攻撃ポイントの予測! ポイントが予測できれば、それを避けることもカウンターを狙って攻撃することもできる!
特にめぐ! 貴女は鈴奈に最初の日に当ててるよね? あれはすみれとレイラがその攻撃ポイントを完全に予測し鈴奈と朋絵の運動量が完全に無くなったタイミングで貴女が攻撃するようにしたからよ! その感覚を思い出して!

めぐ:
YESマム!

鈴奈:
しずる! 返事は? 

ドロシー:
しずる! しずる! しっかりしてぇ! 意識が無い!

鈴奈:
頭を揺らし過ぎた? ドロシーどう訓練に支障なさそう?

ドロシー:
鈴奈さん! いくらなんでも酷すぎます! これじゃしずるもめぐももちません!

鈴奈:
訓練で殺しはしないわよ。 気をつけてやっている。

ドロシー:
そういう問題じゃありません!

レイラ:
おいドロシー! ちょっと待て!

ルフィナ:
はいはい~レイラは少し黙ってようね。

鈴奈:
ねえドロシー。 ドロシーと鈴奈が初めて会った時を思い出してみて。

ドロシー:
あっ…

鈴奈:
しずるやめぐ、そしていま朋絵と訓練している由奈はフロントアタッカーと言って前面で敵と直接渡り合うポジションなの。 もししずるが相手の攻撃を避けられずただ倒れたなら、救うべき救助者も味方も護ることはできないの。

鈴奈:
あの時、前衛が総崩れになって鈴奈と朋絵以外は全員戦死。朋絵は重症をおって相手に拉致され、残った鈴奈も深手をおって、どうにかドロシーがいる部屋にたどりついた、退却する敵を庇護対象のドロシーを庇いながら排除するのが精いっぱいだった。 しずるやご主人様が駆け付けてくれなかったら、すぐに絵美香お姉さんが救援の部隊を差し向けてくれなかったら…鈴奈もドロシーも助かってなかった。 そんな任務をする部隊にしずるもめぐも志願してるのよ。

ドロシー:

しずる:
うぅ~まだクラクラする。 少し気を失ってました。 お姉さまの攻撃をブレードで受け流すつもりが…ワンテンポ遅れた…蹴りも避けられたし! 悔しい…

ドロシー:
しずる大丈夫?

しずる:
大丈夫だよ! しずるはアサルトメイド! カラダは頑丈だから! 
お姉さま!もう一回お願いします! 今度は当てます! めぐとの連携もわかってきました! ただお願いがあります!

鈴奈:
いいわよ♪ なに?

しずる:
お姉さまを倒す為に作戦会議をめぐとできればレイラも入れてしたいので5分間、時間をいただけないでしょうか?

鈴奈:
うん5分ね、がんばって作戦を立ててみなさい。 でもレイラの演算での直接支援はダメだからね

しずる:
ありがとうございます!
それは解ってますレイラに作戦のアドバイスをもらいたいだけなので!
めぐ! レイラ! ちょっとお願い! 作戦タイム!

ドロシー:
コテンパンにやられて…なんであんなに楽しそうなのよ…こっちはこんなに心配してるのに…

ルフィナ:
それは単純に楽しいからじゃない?

ルフィナ:
愛しのしずるがあんだけボロボロにされてたら心穏やかでは無いのは~わかるどね~♪
しずるの恋人になりたいのならそれくらいはしずるの事、見守ってあげないと♪

ドロシー:
ルフィナさん!愛しい…恋人って… ひぃぃぃ! 

その14 へつづく