イケナイ凛空ちゃん 第五十五話「Scarlet Ballet」後半 その9
SE:
ぽ~ん♪ カシャン
詩織:
遅れました! 待たしたわよね? みんなゴメンナサイ
詩織:
どうしても稟議書類のサインをしなくちゃいけないって里緒奈に言われて…
悠里:
詩織さんあのですね、その稟議書類は昨月の末が締め切りなのですわよ。メイド長の稟議許可がおりないと美奈総務部長も処理ができないと困っておりましたの。終わりましたの?
詩織:
はい、全部サイン終わらせて、今里緒奈の最終チェクも終わって総務部に持って行ってもらっています。
悠里:
詩織さんが忙しいのは理解しておりますが締め切りは守ってもらわないと困りますわ。
萌香:
先月は詩織さんは保全機関の極東本部の総会とかあと飛び込みの任務とかあって忙しかったし悠里そんなに言わなくても
詩織:
萌香、これは私が事務が苦手だからいけないの、里緒奈にあんなに手伝ってもらってるに
花恋:
詩織メイド長が怒られてる…
エリシア:
悠里は容赦ない…怖い…
ヴェル:
アリエルとヴェルで花恋ちゃんのAURORAのエージェントの設定は終わった。詳しい使い方は夜にでもエリシアとピヨ吉に説明受けて。 ヴェルそろそろ学会の発表でヴェルの番だから
アリエル:
わたくしもちょっと所要ができてしまって、花恋さんあとは詩織さん達にお話しをきいて下さい。エリシアをどうするかは良く考えてくださいね
エリシア:
えっ! お姉ちゃん達行ちゃうの?
花恋:
はい…お疲れ様でした…AURORAを花恋も使えるようになるんだ…。
悠里:
里緒奈と相談して詩織さんのタスクリストをもっと小まめにチェックできるように
萌香:
そもそも詩織さんは仕事の分量が多いんだから…ねっ?
詩織:
それでどこまでお話をしたの?
悠里:
花恋さんの本当の姓が加倉ということと、亡くなったお父様の功績、そして桃子さんという姉がいる所までですわ。
詩織:
そう…。花恋さん…まず貴女に本当の事を今まで話さなかったことを心より謝罪するわ。ごめんね。
花恋:
いえ詩織メイド長! 頭なんか下げないでください! 詩織さん達が今まで言わなかったという事は、何が必ず理由があって隠していただけだと理解しておりますので。
花恋:
詩織さん、あの花恋にお姉さんがいるって! そのお姉さんってどこに?
詩織:
加倉桃子博士は…行方不明…いや。 本当の事を言うわ。 花恋さんはアヴァロンという組織は知ってるわよね?
花恋:
はい。知っています。 全人類へのニューロチップの埋め込み強制とアヴァロングリッドという巨大な電脳ネットワークへの接続の強制。 それによる一元統治。 全人類のアポリロイド化による人類の人工進化革命を起こそうとする集団。 エンパイアクラブグループや保全の機関の敵…。いやたぶん全人類の敵…。 そのアヴァロンに多くのメイド達が拉致されたり、新型のチップをいまでも多くの女児に埋め込みをしている組織。 その組織とForestは良く戦ってますよね? 詩織さんやフランソアさん、ここにいる悠里さんや萌香さん…
詩織:
そのアヴァロンの幹部の中に加倉桃子博士がいるのよ。 Drフィッツジェラルドを裏切り彼女はメイド全ての解放の為にその道を選んだの。 そしてエンパイアクラブグループから追放された。
花恋:
花恋のお姉さんが? 何かの間違えじゃ…
詩織:
本当の事よ…
悠里:
その桃子博士が裏切る現場にわたくしとフランソアは居合わせたのですわ。 その時にわたくしは銃で撃たれて重傷を負い、フランソアはそん後、記憶を完全に失う事になりました。
その事件の時に、エリシアとアリエルさんだけは救うことができたのです。
しかし多くの特殊なメイド達はフィッツジェラルド研究所から拉致され、いまだに全ては奪還しきれておりませんの。
花恋:
ちょっと話についていけないですが!
詩織:
花恋さんそれはゆっくり理解していくといいわ。 重要なのはその時に桃子博士は長女だけど加倉家の当主としての地位を剥奪。次女である花恋さん貴女に当主兼が移っていること。 そして桃子博士から優香お姉様に託され送られてきた二人のメイドが存在すること。 加倉桃子博士の電脳空間での存在を維持するために制作された二体の生体ユニット、クローン。 加倉桃恵さんと桃美さんがいることよ。
花恋:
加倉桃恵さんて、エンパイアクラブエメンタールのチーズオーナーの奥様、そして桃美さんてForestの総務部の桃美先輩? そういえば苗字が加倉。 お姉さんの生体ユニット? クローン? えっ…余計に花恋の頭がついていけないよ!
その10 へつづく