えんぱいな日々(本編) 第五百六十一話 ALIVE その4
真理愛:
めぐさん…お待たせしました‥‥
めぐ:
………………
真理愛:
何をお読みになってるのでしょうか?
めぐ:
もともと指揮官用の演算チップ詰んでて上原家のご令嬢でAURORAを使えるどっかの優秀な友人とちがって、紙の本で勉強するしかないめぐは、今度の戦略史のレポートで提出する英国海軍史の本を読んでます。
真理愛:
‥‥そうですか…
めぐ:
そのめぐより何でも優秀なはずの友人が! 調子こいてマストの上ではしゃいで姿勢崩してみごとに墜落! 足を骨折するとか! 日本に寄港して一緒に遊びに行けると思ったのになんで折角の休日を軍病院で過ごす事になるのかなぁ!
真理愛:
スイマセンスイマセンスイマセン!
めぐ:
それでどれくらいでくっつくって?
真理愛:
いくらマリの身体でも5日はかかるって…
めぐ:
訓練艦が横須賀にいる間にすむならよかったじゃない。
真理愛:
でも休日が丸つぶれ…
めぐ:
いいわよアンタの事めんどうみながら勉強に充てるから
真理愛:
ゴメン…
めぐ:
顔をあげる! まあほら剛史お兄ちゃんだっけ? 今ちょうどこの軍港でお仕事してるでしょ? 穏海お姉さまもあとですぐに来てくれるって言ってたじゃない?
真理愛:
こんなんじゃ穏海お姉さまに合わせる顔が無いよ…
めぐ:
辛気臭いな、この消毒液の匂いとかがいけないんだよ!外行こう外! なんかおごってあげるから食べに行こう、近くなら外行っても大丈夫なんでしょ?
真理愛:
担当の看護師さんに言えばいいらしい。入院する病室はもうわかってるし。
めぐ:
じゃあ行こう!
真理愛:
剛史お兄ちゃんお見舞いの品くれるのはいいんだけど、くまのぬいぐるみとか…マリが乗ってるのが訓練艦とはいえ軍艦だって解ってないよね。持って帰れるわけないじゃない。でも捨てるわけにはいかないしどうしようかな…英国のお姉さまの家に送るとか…めんどくさい。
すみれ:
‥‥‥‥う~ん…
真理愛:
あれあの子、空中で指動かして…AURORA使ってるの? 軍人にしては若いけどネットウィーザード系の訓練生かな?
真理愛:
おおぉ~!すっごい! これって小型人型ドローンってやつ?
すみれ:
ひゃぁぎゃあっ!
どすんっ!(すみれがそのまま後ろにひっくりかえってベンチから落ちる)
ガシャガシャ♪(小型ドローン達がテーブルの端まで移動する)
真理愛:
ちょっと貴女大丈夫?!
すみれ:
痛い…(涙)
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