えんぱいな日々(本編) 第五百六十一話 ALIVE その7

 

SE:
ひゅ~…(風の音)

〇窓はミラーガラスになっており中庭からはただの壁に見える設定

詩織:
本当に一言も交わさずに行ってしまうの?

エリシア:
本当はこうやって姿を見るのも止めようと何度も思った。
でもせめてお姿だけは確認しときたくて。

お姉ちゃんや瑠莉先生が言ったとおり本当に髪の色も目の色も変わったんだね。

お姉ちゃんとのニューラルリンクデバイスが無くなったから、エリシアの目の色だけに…髪もその影響で…お姉ちゃんごめん…

詩織:
エリシアさん…

エリシア:
クリスさん…ご主人様の事、よろしくお願いします。

クリス:
はい。御守りするとメイドの名誉に懸けて誓うわ。

クリス:
ごめんね…貴女の立場を私が奪ってしまって…。花恋の事をエリシアさんが帰ってくるまでお借りします。 でも覚えておいて、花恋の生涯のパートナーはエリシアさんだからね。 花恋の隣に立てるのはエリシアさんしかいないから。 わたしは二人のお姉さまになるから。


エリシア:
クリス…お姉さま…はい…わかりました。

詩織:
クリスさんそんなに泣いてたら…エリシアさんが不安になってしまいますよ…

クリス:
えぐっ…そんな貴女だって泣いてるじゃない…里緒菜さんが見たら、お姉さましっかりして下さいって怒られる…わよ

優香:
あ…エリシアちゃんごめんね、あれじゃご主人様のこと本当に任せていいのか心配になるよね。

エリシア:
いえ逆に安心です…花恋は人を支えるようとすることで強くなるご主人様なので。

フランソア:
良かったまだエリシアここにいた! すみれほら!

エリシア:
すみれ…って、貴女…それに…

すみれ:
これをこの子のマスターに渡して。あとはこの子が全部どうにかするって言ってる。お願い。

フランソア:
瑠莉先生から頼まれたと、さっと渡すくらいなら大丈夫とご主人様も言ってる。 さっとわたしてたらこの子が気を引いてくれるからその間にもどってくればいい。 エリシアは印象にほとんど残らないはず。

エリシア:
ありがとう…行ってくる。

花恋:
クリスお姉さま遅いな…会議長引いてるのかな…。

エリシア:
あの…花恋…

花恋:
お姉さま?

花恋:
ごめんね、待ち合わせしてて間違えちゃった!

エリシア:
これ瑠莉先生から渡してほしいって頼まれた

花恋:
ぬいぐるみ? 瑠莉先生から?

ぴよ吉:
ピヨッ!

花恋:
えっしゃべった?! こんにちわ?

ぴよ吉:
ピヨヨっ!

花恋:
えっ驚くなって驚くよ! えぇぇ! なんで!意味が解るの花恋!

エリシア:
じゃあ行くね。
(小声)またね…エリシアのご主人様…エリシア待ってるから。

その8へ