えんぱいな日々(本編) 第五百六十一話 ALIVE
愛里栖:
こんにちわ
郁恵:
起きてた
月美(ルゥナ・デルポール以下、月美):
あっ! 今日も来てくれたんだ。
月美:
ゴメンいま宿題アップするからまってね。 はいこれで宿題は終了!
郁恵:
えっ宿題! 郁恵まだやってない…というか手つけてさえない!
愛里栖:
アンタ…やった方がいいよ? ヴェルさんは普段は優しいけど、怒ると怖いよ…?
郁恵:
わかってるけどこのスマホっていうの? まだ使い方が…良くわからなくて
郁恵:
ねえ月美ぃ~郁恵にスマホの使い方教えてぇ♪
月美:
うんいいよ、私は時間はいっぱいあるから使い方はマスターしたから教えてあげる
郁恵:
ついでに…その宿題もね教えてくれると…
愛里栖:
郁恵! なに月美に依存してるのよ! ちっとは自立しなさいよ! 月美も郁恵を甘やかしたらダメ! 郁恵、勉強は自分でしないと身につかないの!
郁恵:
郁恵は月美に依存して生きていくことにしたの! だから問題ない! わからないことは月美にまかせるから! 月美一生面倒みて! 親友だよね! 郁恵を養って!
愛里栖:
ちょっとアンタ! なに情けないことをどうどうドヤ顔で宣言してるんじゃないわよ!
月美:
あははっ!
愛里栖:
月美もそこで笑ってるじゃないわよ!
ちゃんと拒否しないとこの子マジで依存する気よ!
月美:
そもそも養うってどうやって?(笑)
でもそしたら一生一緒にいられるのは嬉しいな(笑)
郁恵:
そうでしょ! 一生一緒にいよう!
愛里栖:
ただの親友だって依存しなくても一緒にいられるわよ!
月美:
あははははっ! 楽しい!
クレア:
月美ちゃん午後のリハビリの時間だよ。 おっ今日も御(お)トモダチいるね! クレア助かる!
愛里栖:
クレアさんお疲れ様でーす! すぐ用意します! 郁恵!
月美:
えーもうそんな時間ですか…リハビリ嫌い…今日は休みでも…
郁恵がさっとテーブルを動かしてバっとかけ布団をずらす
郁恵:
そういうのはダメで~す! さあ抱えるから郁恵につかまる!
月美:
二人とも容赦なさすぎだよ…
月美:
二人に依存してるのは私の方だよ…
郁恵:
だと思うなら郁恵の分の宿題をやることで相互依存に…
クレア:
あーヴェルさ~ん? 郁恵ちゃんが自分の分の宿題を月美ちゃんにやらせようとしてますがどうします?
郁恵:
うそっ!冗談ですから! 郁恵は自分でちゃんとやります!
愛里栖:
あははははっ!
アリエル:
先生はコーヒーのホットで…よろしい…ですわね!
ぴょんぴょん♪
瑠莉:
うん…お願いするわ…
アリエル:
皆様はどうしますか!
ぴょんぴょん♪
郁恵:
あの…手が届くので…えっとお茶を…アイスで…
愛里栖:
わたしも!
エリシア:
トモダチの優しさが心に染みるエリシアだった。 お姉ちゃん、エリシアもお茶アイス。
アリエル:
先生どうぞですわ!
瑠莉:
ありがとう。 ゴメンネ呼び出して。 みんなも座って。
郁恵・愛里栖・エリシア:
失礼します。
エリシア:
うわ~お姉ちゃん満面のドヤ顔。
郁恵:
アリエルさんのドヤ顔って貴重かも?
愛里栖:
コーヒー一杯にメッチャ苦労してたしね。
瑠莉:
ふむ…さて、キミ達を呼んだのは…ルゥナくんが今朝がた意識を取り戻した。
郁恵:
!? 本当ですか! 先生! 本当にありがとうございます!
愛里栖:
良かった…本当に…良かった…
アリエル・エリシア:
…………
瑠莉:
それでやはり、周囲の人々の記憶がごっそりなくなっている…
郁恵:
はいでも! 前に先生に伝えたとおり
愛里栖:
ルゥナの記憶がなくなっていたら最初からやり直せばいいだけです!だって私達はルゥナのこと覚えてるんだし
瑠莉:
…実は記憶が無いだけではないんだ。 これは花恋くんも同じなんだが…
郁恵:
それだけじゃない…?
愛里栖:
カラダに障害がとか?
瑠莉:
花恋くんのアルティメイドシステムの中核になっている専用演算衛星群アルテミスの格子、そしてルゥナくんの専用演算衛星のヘスティアーと二人とも通信ができなくなっているんだ。
それにより二人とも身体への神経信号の生成に重大な障害を発生することに‥‥
郁恵:
あるてぃめいどしすてむ???
愛里栖:
演算衛星???
エリシア:
あぁ…えっと…エリシアこういうを説明するの苦手! お姉ちゃん!二人にわかるように説明して頂戴、瑠莉先生いいですか?
瑠莉:
そうだね。私も簡単に説明するの苦手でアリエルお願いする。
アリエル:
はい。 郁恵さん愛里栖さん、お二人はアサルトハイパーメイドですわよね、そしてわたしくはネットワークウィーザードハイパーメイド。エリシアはアーマメイド・セレーネの専属ナビゲーターハイパーメイドですわよね?
愛里栖:
はい。
郁恵:
そうです。
エリシア:
そこから説明するんだ…なるほど
アリエル:
桃子先生の授業で習ったと思うけどもう一度説明しますわね。ハイパーメイドはアポリロイドプロセッサとそれぞれに特化されたハイパーニューロアクスレーターチップを脳に接続しさらにそれぞれの特性に合わせた強化デバイス…わたくしならこの超電導素子インターフェイス。これをつけられたりするし、お二人ならハイパーメイド専用の装備などの外部デバイスを使うことができますわよね?
郁恵:
名前とかは難しいから忘れちゃたけどそれぞれの「とくせい?」役目にあわせて使えるものが違う。
愛里栖:
あと普通のオーバーメイドの子たちとちがってチップが一つ多いんだよね。それは覚えてる。 それが性能を上げてるってたしかに教わった。
アリエル:
その理解でいいですわよ。
アリエル:
そしてオーバーメイドはその強さの基本は脳の演算量の多さによって変わるとも教わりましたよね? だから一つを積んだオーバーメイドよりそれを拡張するチップを余計につんだハイパーメイドの方が強い。
そしてハイパーメイドの正式なマスターになれるアルティメイド。わたくし達のご主人様である花恋さんとルゥナさんは特殊なオーダーメイド、ご主人様の強化された存在で、それはハイパーメイドの二つのニューロプロセッサにさらに先ほどのわたくしたちの外部デバイスと同じように、アルティメイド専用人工衛星群を使う為のそれを制御するサテライトデバイスチップを積んでおります。
花恋さんは地球を回る人工衛星群。ルゥナさんは月と地球の間にある人工衛星と月の本体の大きな施設を接続しているの。 それがこれですわ。
左下がルゥナさんのヘスティアーと呼ばれる人工衛星、そしてそのうえが月面にある付属施設。右下の衛星が花恋さんのアルテミスの格子を構成する衛星の一つですわ実際64個ある
のですが、その一つですわ。
郁恵:
人工衛星? 月面の施設…
愛里栖:
それが外部デバイスってことなの?
アリエル:
そうですわよ。ご主人様達はとても特殊なの。 花恋さんはこれにより地球のどこでも衛星観測を使った正確な射撃を、ルゥナさんは…あなた達もみたわよね? 地上に降そそいだ光の柱を・・
郁恵:
あれをルゥナが…
アリエル:
そしてご主人様達が複雑な演算…たとえばアルティメットドライブやルゥナさんのパルスアタックなど強い力を使う時にはこの衛星に通信して演算してもらって脳にもどしています。簡単に言いますとご主人様達の宇宙に浮くもう一つの脳とでも呼びましょうか。
愛里栖:
でもそれおかしくないですか? 花恋の衛星は沢山あるから地球を覆ってるとして、ルゥナの衛星は月が見えてるときしか脳と接続できないじゃ・・・?
郁恵:
そうだよね?
エリシア:
あのね、こないだのサテライトキャノンみたいな直接砲撃でもしないがぎりは演算結果を得るだけでしょ? それなら地球の軌道上をくまなく覆ってるアースネット…まあ2万を超える小型衛星群なんだけどを中継させることで地球のどこにいても通信をつなげられるの。衛星アンテナは私達もふくめてハイパーメイドもアルティメイドも背骨に搭載されているから
愛里栖:
なるほど…中継か…
アリエル:
問題は、花恋さんもルゥナさんもそれぞれの衛星と通信する為のサテライトデバイスチップが電子的に破壊されてしまいまして…チップ自体の修復はできたのですが、再起動する為にはこの衛星の上位衛星…まあ管理をしているマスターみたいなものですわねから命令をこの衛星にしてもらい、チップにデバイスシステム…まあプログラムの中身ですわね、を転送し直してもらう必要があるのですわ。 しかしその肝心の上位衛星は当分の間通信ができないのです。
アリエル:
花恋さんは、ディアルバンドをシングルバンドに変えることでどうにかオーバーメイド能力まで失わずに済んだのですが…ルゥナさんはそういう処理もできず、現在普通のアポリロイドと同じ状態になってしまっているのですわ
エリシア:
身体の運動に使う筋肉への信号が普通の人なみになちゃったってこと。 よってもともと強い信号に反応するように慣れているいまの身体だと…今はほとんど身体をうごかせない。当然、弱い信号に筋肉がなれるようにすれば…普通の人なみには身体を動かせるようになるんだけど…。
郁恵:
オーバーメイド能力はおろか‥今は身体が動かせない…? 治っても戦闘は無理?
愛里栖:
それってとてもマズイんじゃ…?
郁恵:
たしか瑠莉先生が言ってましたけど、ご主人様達をクロトの子の残党? 残りの人たちが探してるって
愛里栖:
その人達が襲ってきた時にルゥナが戦えないって事ですよね?
エリシア:
そして郁恵も愛里栖も戦えない。だってマスターが保留中で少しのハイパードライブは使用できても戦闘に本当に必要なフルドライブはマスターが命令しないと稼働できないでしょ?さらに普通のハイパーメイドの能力だって使用したら法律上の問題もある。つかったら犯罪だよ?
愛里栖:
それはマスター契約をルゥナと結びなおせばいいだけじゃ?
エリシア:
それができないの。ルゥナと花恋のアルティメイドマスターとしての認証システムはお空の上!
郁恵:
もしかしてさっきアリエルさんが説明していた接続出来なくなっている人工衛星?
郁恵:
瑠莉先生どうにかならないですか? このままじゃ郁恵達、敵がご主人様を狙ってきても戦うこともできないし…
愛里栖:
ずっとここにいるわけにもいかないし。マスターがいないじゃ普通の所にも出ていけないから…
瑠莉:
手は無くはない。
瑠莉:
花恋くんとルゥナくんの衛星を管理している上位衛星、アテーナーと呼ぶのだがこれにはある理由で起動する時期を予め決められていて現在は休眠状態に入ってる。これを外部より起動させることはできないが、その時期が来たら必ず起動するともいえなくはない。
この時期は私達の計算では今から4年弱後だと予想している。 その時期になればルゥナくんも花恋くんもアルティメイドとしての機能を取り戻しマスター認証も可能になるということだ。
瑠莉:
幸いクロトの子残党がつかんでいる情報は、花恋くんとルゥナくんだけであり、ここにいるメンバーの存在は気付かれてない。 その4年弱の間、ルゥナくんと花恋くんには別人になってもらう。 クロトの子には二人はこないだのアーマーメイド同士の衝突とサテライトキャノンの発射の衝撃で負傷を受け死んだという欺瞞…嘘の情報を流す。
二人とも今は自分自分が誰なのかもわからないからね。 ここにいるメンバーがそう思わせることも可能だ。
これはわたしの予想だが、今はなくなってしまった記憶も副脳にあたる二人の衛星には記憶のバックアップがあり、再稼働すれば…もどるとおもうし…
郁恵:
私達が二人を騙して…そんな…
愛里栖:
でもうまくいくのかな? そんなこと。
瑠莉:
私とヴェルは以前に何もかも忘れてしまった娘に疑似記憶を植え込むことで騙して他の人間にしたことがあるんだ。 新しい名前と嘘の過去。 仕方ないとはいえ到底許さる行為ではない(注) しかし今回は4年たったら…二人は本当の記憶を…自分を思い出すと信じている。
あと君たちの仮のマスターだが私が引き受ける。あくまで仮でありフルドライブなどの能力はつかえないが、一般のエンパイアクラブのメイドとしてなら不自由は無いはずだ。本当のマスターである二人を待つ間だけの仮、当然わたしの命令に従う必要はないし強制もない。 心のご主人様は花恋くんとルゥナくんの二人なのだから。
どうするかは君たち4人に判断を任せる。
注:
郁恵:
ねえエリシアとアリエルさんはどうするつもりなの?
エリシア:
うん…お姉ちゃんはともかくエリシアはそんなに機用じゃないから花恋を騙せると思えない。 だからねその花恋がご主人様としてチカラをとり戻すまでの間、遠くに離れていようと思ってる。 まあほらルゥナと違って身体は大丈夫だし、花恋をめんどうみてくれる人も見つかったから。
愛里栖:
花恋と離れてエリシアは大丈夫なの? だってエリシアはあんなに花恋の事を…
エリシア:
大丈夫だよ! それが一番花恋の為だと思うならエリシアは花恋の為に生まれたんだから4年くらい我慢できる! それにエリシアが好きなのはご主人様の花恋だし! ご主人様になれない花恋には興味なんか…無いし…(涙) それに離れている間はイギリスのエディンバラで勉強することにしたの! 花恋と再会したときにもっと頼もしいパートナーとしてのエリシアになってたいし
愛里栖:
エリシア…
郁恵:
郁恵は…ダメだそんなに強くないよ。 ルゥナと離れて暮らすとか無理…無理だけど…ルゥナを…ご主人さまを騙すのは…
瑠莉:
自分のご主人様を騙して暮らすのは辛いとは思う。もしキミたちがそれをしなくても仕方ないと私は思っている。 ルゥナくんには此方から適切な保護人員を付ける事は約束するわ。
アリエル:
これはトモダチとして、二人のお姉さん役として申し上げますが、ルゥナさんは動けるようになっても今までのような強いご主人様ではなく、ただの弱い普通の娘になってしまいます。 そんな彼女をお二人にはルゥナさんが良く言っていた「トモダチ」として支えてもらえないかという気持ちがわたくしにはあります。
郁恵:
トモダチ…
愛里栖:
郁恵、ご主人様としてあんな命令だして勝手にご主人様の能力失ってメイドをほっぽり出したんだからさ! ルゥナがまた私達のご主人様になったときに顔が真っ赤になって怒るくらいに盛大に騙してやろうよ! それくらいトモダチとしてやる権利はあるとおもわない?
郁恵:
そうだね…顔が真っ赤になって怒るくらいに騙そう! そして「ご主人様ぁ ごめーん! てへへ!」って郁恵言うんだ! やろう!
真理愛:
めぐさん…お待たせしました‥‥
めぐ:
………………
真理愛:
何をお読みになってるのでしょうか?
めぐ:
もともと指揮官用の演算チップ詰んでて上原家のご令嬢でAURORAを使えるどっかの優秀な友人とちがって、紙の本で勉強するしかないめぐは、今度の戦略史のレポートで提出する英国海軍史の本を読んでます。
真理愛:
‥‥そうですか…
めぐ:
そのめぐより何でも優秀なはずの友人が! 調子こいてマストの上ではしゃいで姿勢崩してみごとに墜落! 足を骨折するとか! 日本に寄港するから、一緒にねずみーランドとか遊びに行けると思ってたのに! なんで折角の休日を軍病院で過ごす事になるのかなぁ!
真理愛:
スイマセンスイマセンスイマセン!
解説:
ちなみにめぐが読んでいるのは
The Rise and Fall of British Naval Mastery, (A. Lane, 1976).
『イギリス海上覇権の盛衰』 の日本語版 の上巻
マハン(海上派)対マッキンダー(大陸派)によりランドパワーを重んじる大陸派が優勢に。二度の世界大戦の前後で軍事費増大、経済的逼迫により衰退の道へ。
イギリス海軍の興亡を政治・経済の推移と併せて詳細な史料から描き出す戦略論の名著。オランダ、フランス、スペインとの戦争と植民地拡大・産業革命を経て絶頂期を迎える。
筆者:ポール・マイケル・ケネディ
ポール・マイケル・ケネディ(英語: Paul Michael Kennedy 1945年6月17日 - )は、英国の歴史学者。イェール大学歴史学部教授・同大学国際安全保障研究所所長。専門は軍事史、外交史。
イングランドのタイン・アンド・ウィアに生まれる。ニューカッスル大学卒業後、1970年にオックスフォード大学で博士号を取得する。オックスフォード大学での指導教官はA・J・P・テイラーとジョン・ギャラガーだった。1970年から1983年までイースト・アングリア大学歴史学部に所属し、1983年からイェール大学で教鞭をとる。
王立歴史協会のフェローであり、プリンストン高等研究所の客員研究員やロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの教授を務めたこともある。
瑠花解説
地政学でいうと「大陸国家」と「海洋国家」にわかれて世界は二分しており、その国の特性によって行動がある、この海洋(大規模な内海、地中海なども含む)と大陸の交易路がぶつかる所に戦争が発生する。 これは帝国主義が終わった現在でも経済戦争という部分では同じだし、現代戦の発生地点も同じである。 まあ変わってないってこと。
よってポール・マイケル・ケネディのこの書は現在でもとても有効であり現代人なら一度は読んどくべき本であると瑠花はおもっております!
めぐ:
それでどれくらいでくっつくって?
真理愛:
いくらマリの身体でも5日はかかるって…
めぐ:
訓練艦が横須賀にいる間にすむならよかったじゃない。
真理愛:
でも休日が丸つぶれ…
めぐ:
いいわよアンタの事めんどうみながら勉強に充てるから
真理愛:
ゴメン…
めぐ:
ほら顔をあげる! 剛史お兄ちゃんだっけ? 今ちょうどこの軍港でお仕事してるでしょ? 穏海お姉さまもあとですぐに来てくれるって言ってたじゃない? 元気出す!
真理愛:
こんなんじゃ穏海お姉さまに合わせる顔が無いよ…
めぐ:
辛気臭いな、この消毒液の匂いとかがいけないんだよ!外行こう外! なんかおごってあげるから食べに行こう、近くなら外行っても大丈夫なんでしょ?
真理愛:
担当の看護師さんに言えばいいらしい。入院する病室はもうわかってるし。
めぐ:
じゃあ行こう!
真理愛:
剛史お兄ちゃんお見舞いの品くれるのはいいんだけど、くまのぬいぐるみとか…マリが乗ってるのが訓練艦とはいえ軍艦だって解ってないよね。持って帰れるわけないじゃない。でも捨てるわけにはいかないしどうしようかな…英国のお姉さまの家に送るとか…めんどくさい。
すみれ:
‥‥‥‥う~ん…
真理愛:
あれあの子、空中で指動かして…AURORA使ってるの? 軍人にしては若いけどネットウィーザード系の訓練生かな?
真理愛:
おおぉ~!すっごい! これって小型人型ドローンってやつ?
すみれ:
ひゃぁぎゃあっ!
どすんっ!(すみれがそのまま後ろにひっくりかえってベンチから落ちる)
ガシャガシャ♪(小型ドローン達がテーブルの端まで移動する)
真理愛:
ちょっと貴女大丈夫?!
すみれ:
痛い…(涙)
真理愛:
本当にブラックのコーヒーで良かったの?
すみれ:
はい…すみれの先生がこれ好きだし…飲ませてもらったら美味しかったから。それより‥
すみれ:
今すみれはどうやってこの代金を支払おうか悩んでいます。 すみれは電子でしかお金をもっていません。 その口座からどうやったらお金を貴女の所に転送できるか…
真理愛:
いやいや! それはさっき驚かしちゃった謝罪の意味だから! 缶コーヒーで悪いけど!おごりだから!
すみれ:
知らない人から対価無しにもらうわけには…謝罪は先ほどコトバでもらいました。
真理愛:
うぅっ…!
くいくい♪
左の小型ドローンがくまのぬいぐるみの耳をひっぱってる
すみれ:
アイン! 勝手に人様のモノをさわったらダメ! ちゃんとこの人に謝って
ドローンがガチャチャ、頭を下げて左手をあげる
真理愛:
おぉ~! 言う事きいた!
すみれ:
アイン…それが謝罪?
真理愛:
いや! 十分謝罪の意思は通じたよ!大丈夫!
真理愛:
ねえこれって講習で習ったけど自己学習型人工知能が入ってるってやつ?
すみれ:
本体はここには入っていないんですがそれが動かしてます。 ツヴァイは真面目なんですが、このアインは何でも興味深々で困っている
真理愛:
あっそうだ作業邪魔しちゃってるけど…すっごいこれ興味あるし、貴女とお話したいし…その邪魔しちゃってる対価っていうことで、そのコーヒーでどう?
すみれ:
うむ、すみれの作業を中断している事と超長距離遠隔操作ドローンの説明の対価ということなら。 頂きます。
SE:
カチっ♪(プルトップを開ける)
真理愛:
うん! 召し上がれ!
それでさ…ちょっとだけこのアインちゃんだっけ? 触っていい?
すみれ:
いいじゃないですか? アインも勝手に貴女のぬいぐるみ触ってたし。良いよねアイン?
シュタっ! アインが手を挙げる
すみれ:
良いらしいです
真理愛:
やった!
真理愛:
おいで♪ よしよしぃ! 頭良いねぇ~! すごいね~! 偉いよ♪
ガシャ♪ ガシャ♪
真理愛:
おおっ! 喜んでる!
すみれ:
うむ…すみれ以外の命令を素直に聞くとは‥さらにセンサーが集中している胴体上部を警戒も無しに差し出すとは…ふむ…すみれでもそこ触らせくれないのに…むぅ…
真理愛:
そうだ名前! アタシ真理愛! まことのことわりのあいと書いて真理愛。自分ではマリって言ってるだけど、それでこの子達、すみれが作ったの? あっ呼び捨てにしちゃった…ごめん!
すみれ:
呼び捨てで構いません。日本だと親しくないとさんとかちゃんとかつけると聞きましたけど、すみれまだ良くわからないし。
えっと、それでこの子達の人工知能、AIはすみれが作ったのではありません。 この身体はすみれの先生からつかっていいよって言われた余り部品倉庫の中の部品から適当につくりました。制御系のプログラムはすみれが書きました。
すみれ:
この子達の本当の身体はかなり壊れてしまっているらしく、動かせないけどAIは無事だったそうです。このツヴァイのマスターが今度ここから遠くに行ってしまうことになってしまって、でもどうしても、このツヴァイは一緒に行きたいそうで。 すみれは機械とお話ができるから、ツヴァイがすみれのアインに相談して、すみれにどうにかできないかと頼まれました。
真理愛:
本当の身体が壊れちゃったからそれでこの身体を作ってあげたと。 すみれは優しいんだ。
すみれ:
優しいかは判らないけど、困ってる機械をみたらすみれで出来ることなら助けたいですし。
真理愛:
そっか…
すりすり♪
真理愛:
大きさは丁度良いんだけど、肌触りが…ちょっとゴツゴツしてるわね…
すみれ:
えっ! アインが大人しく抱かれてる! すみれには絶対に抱かしてくれないのに!
そしてさらに喜んでる!
すみれ:
それはあくまで中身で、表面はこのトリのぬいぐるみ、これも西園寺先生にお願いして買ってきてもらったんですが、これに入れて表面を色々コーティングして目の部分にもセンサー部品いれたりして完成させるつもりです。
一緒につねに居たいっていうツヴァイの希望があったので考えました…これなら一緒に寝ても大丈夫かと。
真理愛:
なるほど、そのぬいぐるみなら肌触りよさそうね! 動くぬいぐるみだ!
すみれ:
そうなります。
(小声)すみれがアインのマスターなのに…そのボディーの創造主なのに…うぅ…
真理愛:
ねえ今、西園寺って聞こえたけど、もしかしてすみれの先生って西園寺剛史?
すみれ:
そう西園寺剛史先生。真理愛、先生の事知ってるの?
真理愛:
うん知ってるといえば、知ってる?かなぁ…あははっ。 ねえすみれ、言いづらかったからスルーしてもらっていいんだけど、ここに入院しているのはとても重病で特殊なお薬がいるとか? そういうの?
すみれ:
いえ、すみれは今は身体は健康です。お薬とかも飲んでないです。
真理愛:
じゃあなんでその剛史お兄…いや西園寺先生がすみれのことを診てるの?
すみれ:
すみれ、じつは…保護される前の記憶がほとんどなくて、最初何もわからなくてすごい困っていたんです。 西園寺先生はそんなすみれに生活の事やこの社会のことや、法律とか、普通の人が知ってるべき事、本当に全ての事を毎日教えてくれているんです。
だからすみれの新しい人生の全ての先生です! それに…とっても優しい。
真理愛:
(うわーさっきまでと違って何、目キラキラさせてるのこの子)
すみれ:
毎日午前中2時間、授業があって本当に色々な事を教わってます。あと先生がついていると町にお散歩とかもいけるので町での過ごし方とか色々なお店とか説明してくれたり、実際に体験させてくれたり…こないだ初めて映画ってものも見たし! あと水族館にも連れていってもらいました。 沢山お魚いました! ペンギンもいました! 楽しかったです。
真理愛:
ほう…お店に映画館に水族館ね…それも毎日午前中ね…。
(白富から横須賀まで…朝一番で白富をでて午後までに白富に帰ってからクラブと西園寺製薬の執務と‥それも毎日…ほぉ~がんばるねお兄ちゃん)
真理愛:
ねえすみれ…変な事、先生にされたりしてない?大丈夫?
すみれ:
変なこと? ってどんなことです?
真理愛:
いや今の質問、忘れて!
すみれ:
??????
真理愛:
あっそうだ! ツヴァイちゃんはそのトリのぬいぐるみになるんだよね? それでこのアインちゃんはどうする気なの?
すみれ:
アインはすみれのなんで、そのままで良いかと…
真理愛:
えぇ! それは可哀そうじゃない? あとちょっと気になってたけど 名前…アインとツヴァイってもしかして、ドイツ語の1と2のことだよね?
すみれ:
そうです。 本当のAIの名前はあるらしいんだけど、理由があって教えてくれないんです。それですみれに決めてほしいって言われたのでドイツ語の1と2でいいかなっと…
真理愛:
いやいや、それも可哀そうだよ!
真理愛:
すみれ、このアインちゃんとツヴァイちゃんって高性能なエージェントドローンってやつじゃない? 警察とか軍隊とかでパートナーとしてマスターを手助けする仲間! ちがう?
すみれ:
そうとも言えますね
真理愛:
だったらちゃんと個性が必要だと思うの! AIだって仲間なんだし
すみれ:
そうだね…仲間…うん。
真理愛:
個性の最初は名前だと思うのよ!
すみれ:
はぁ…そうかな? うーん。
真理愛:
ちょっと電脳通信するからまってね
すみれ:
真理愛電脳通信使えるの?
真理愛:
マリはちょっと特殊で使えるんだ。 ねえ剛史お兄ちゃん~♪ 今ねぇ~すみれと話をしてるのぉ~! 何そこで盛大に混乱してるの? 今コーヒーかなんか吹いたでしょ?
なに? あーうん大丈夫だよ穏海お姉さまには話してないから。 内緒にするって! 「お仕事」なんでしょ? ちがうぅ~? そうだよねそのほうが良いよね~? それでねお兄ちゃんからもらったお見舞いのくまあるじゃない? それをすみれちゃんにあげていい? あのね、すみれがつくってるドローンってしってる。 知ってる。それのボディーにできればなーと、できなければすみれのぬいぐるみとしてもらうだけでもいいし。 そうわかった好きにする!
すみれ:
今のって西園寺先生? お兄ちゃんって言ってたけど真理愛って先生の妹さんなの?
真理愛:
血はつながって無いんだけどお兄ちゃんとしてお姉さまと実家ではずっと一緒にいたから、まあ事実上の妹ってやつかな。
すみれ:
そうなんだ…妹…いいな…
真理愛:
それでね! このくまのぬいぐるみにアインちゃんをいれることできない?
すみれ:
できるとおもう。
真理愛:
真理愛これでも士官候補生だから横須賀基地の精密作業場と借りれるんだ、そこで作業したら効率いいだろうし…コーティングって防水とか強化とかの事でしょ? あと裁縫とかならマリ得意だから手伝うしそしたら一日二日くらいで二匹とも完成できない?
すみれ:
裁縫はすみれ苦手だから助かる。 うんと明日一日あれば午後からでもできると思う。でもいいの? それは真理愛が西園寺先生にもらったくまなんでしょ?
真理愛:
うん! だって動くくまのぬいぐるみ見てみたいし、それにこのクマわたし持って帰れないんだ。 だからすみれにあげる! お兄ちゃんにも許可とったしその代わり、二匹の名前をマリにつけさせて
すみれ:
名前を付けるってこと? それはいいけど…本当に‥いいの?
真理愛:
うん! マリすみれのこと手伝いたい! といっても明後日マリ退院しちゃうから明日しかないけど…
真理愛:
ここであったのもなんかの縁だし、このくま太(仮)・・アインちゃん…の今後のこともあるから…すみれAURORAを使えるんだよね? 真理愛とfriend(フレンド)になってくれない? トモダチになって!
すみれ:
friend…トモダチ…いいの?
真理愛:
うん! そしたらどこにいてもAURORAでお話できるじゃない?
すみれ:
うん…お願いする…初めのトモダチ…よろしくお願いします真理愛
真理愛:
こちらこそよろしくね、すみれ!
ひゅ~…(風の音)
詩織:
本当に一言も交わさずに行ってしまうの?
エリシア:
本当はこうやって姿を見るのも止めようと何度も思った。
でもせめてお姿だけは確認しときたくて。
お姉ちゃんや瑠莉先生が言ったとおり本当に髪の色も目の色も変わったんだね。
お姉ちゃんとのニューラルリンクデバイスが無くなったから、エリシアの目の色だけに…髪もその影響で…お姉ちゃんごめん…
詩織:
エリシアさん…
クリスさん…ご主人様の事、よろしくお願いします。
クリス:
はい。御守りするとメイドの名誉に懸けて誓うわ。
ごめんね…貴女の立場を私が奪ってしまって…。花恋の事をエリシアさんが帰ってくるまでお借りします。 でも覚えておいて、花恋の生涯のパートナーはエリシアさんだからね。 花恋の隣に立てるのはエリシアさんしかいないから。 わたしは二人のお姉さまになるから。
エリシア:
クリス…お姉さま…はい…わかりました。
詩織:
クリスさんそんなに泣いてたら…エリシアさんが不安になってしまいますよ…
クリス:
えぐっ…そんな貴女だって泣いてるじゃない…里緒菜さんが見たら、お姉さましっかりして下さいって怒られる…わよ
優香:
あ…エリシアちゃんごめんね、あれじゃご主人様のこと本当に任せていいのか心配になるよね。
エリシア:
いえ逆に安心です…花恋は人を支えようとすることで強くなるご主人様だから。
フランソア:
良かったまだエリシアここにいた! すみれほら!
エリシア:
すみれ…って、貴女…それに…
すみれ:
これをこの子のマスターに渡して。あとはこの子が全部どうにかするって言ってる。お願い。
フランソア:
瑠莉先生から頼まれたと、さっと渡すくらいなら大丈夫とご主人様も言ってる。 さっとわたしてたらこの子が気を引いてくれるからその間にもどってくればいい。 エリシアは印象にほとんど残らないはず。
エリシア:
ありがとう…行ってくる。
花恋:
クリスお姉さま遅いな…会議長引いてるのかな…。
エリシア:
あの…花恋…
花恋:
お姉さま?
花恋:
ごめんね、待ち合わせしてて間違えちゃった!
エリシア:
これ瑠莉先生から渡してほしいって頼まれた
花恋:
ぬいぐるみ? 瑠莉先生から?
ぴよ吉:
ピヨッ!
花恋:
えっしゃべった?! こんにちわ?
ぴよ吉:
ピヨヨっ!
花恋:
えっ驚くなって驚くよ! えぇぇ! なんで!意味が解るの花恋!
エリシア:
じゃあ行くね。
(小声)またね…エリシアのご主人様…エリシア待ってるから。
真理愛:
剛史お兄ちゃん!すみれ!
めぐ:
うわフェラーリ! さすがエンパイアクラブのご主人様
真理愛:
ちゃんと渡せた?
すみれ:
ちゃんとぴよ吉が言った子からマスターの所に渡してもらったよ。
二人のおかけで間に合ったよ。 ありがとう、真理愛、めぐ。
めぐ:
めぐがコーティング作業の順番間違えなければもっと余裕があったはずなのに!
真理愛:
いいじゃない間に合ったんだから!
すみれ:
うん間に合ったし、だからいい!
真理愛:
そして! マリも出航までに完治!
すみれ:
間に合ってよかった!
めぐ:
また調子こいて骨折しないでね!
真理愛:
あうぅ…気を付けます!
すみれ:
あのお船で、真理愛とめぐは行くんだね。
真理愛:
そう私達の訓練艦
すみれ:
次はどこの港?
めぐ:
次はねオーストラリアのシドニーだよ
すみれ:
シドニー - オーストラリア
緯度:33.95°S 経度:151.17°E
ケッペンの気候区分では温暖湿潤気候(Cfa)に属し、年間平均気温18.2 ℃、降雨は一年を通じてある。トロピカル・サイクロンを受けることはない。旱魃と森林火災が発生した場合や、反対に嵐や洪水が発生した場合、エルニーニョ・南方振動の影響を受ける。
めぐ:
あのね! これから船乗る人にサイクロンとかの単語を縁起でもないから!
すみれ:
影響を受けることはないから…問題じゃないじゃ
めぐ:
オーストラリアに行く途中があぶないでしょ
すみれ:
通常航路上だと三角波の被害とか…
めぐ:
だから縁起が悪いこと言わない!
真理愛:
すみれ、あんた、めぐをカラかって遊んでるでしょ?
すみれ:
うん。
めぐ:
あのね!
穏海:
マリ、そろそろ船へ戻る時間じゃないかしら?
真理愛:
あっ! お姉さまそうですね
穏海:
ちょっとまって帽子のカタチが崩れていますわ。 はいこれで良ろしいですよ
めぐ:
うぅ‥時間か…
すみれ:
うぅ…
真理愛:
はいすみれ、くま太と仲良くね
すみれ:
うぅ…うん…
めぐ:
そんな顔しないの! 生きてれば同じメイド同士、またすぐに会えるって!
すみれ:
メイド同士…生きていれば…
真理愛:
そう。この世界広くて、そしてとても狭いの!
真理愛:
すみれ手を出して!
すみれ:
手? こう?
めぐ:
うん!
SE:
パンっ!(手を合わせて叩く!)
真理愛:
たとえ地の果てにいても!
海の果てでも!
めぐ:
同じ時間(とき)同じ空の下で!
一人じゃない!
私達は繋がってる!
真理愛・めぐ
トモダチだから!
すみれ:
うわぁ! うん! うん!
同じ空の下で KOTOKO
月美(ルゥナ以後月美)
歩けもしないのにプールとか無理だと思う
郁恵:
やる前から無理とか言わないの
愛里栖:
はぁ~(溜息)
月美:
どうせ何やっても私の足は動かないんだよ…
だって歩いてた事さえ…思い出せないし
郁恵:
月美…
愛里栖:
クレアさん、さっきからずっとこんな感じなんですよ‥
クレア:
月美ちゃんその言葉覚えておく! 郁恵ちゃんそのままゆっくりプールに入ろう! 愛里栖ちゃんもね!
郁恵・愛里栖:
はい!諒解!
クレア:
ここから先は高身長用で深いから行かないように! 気を付けて
郁恵:
はいっ!
愛里栖:
ひゃっほぉ!
郁恵:
愛里栖~遊びに来たんじゃないんだから
愛里栖:
解ってる!
月美:
郁恵! 絶対に離さないでね!
クレア:
愛里栖ちゃん、郁恵ちゃんそろそろ始めようか。 打ち合わせの通りにやちゃってぇ!
郁恵・愛里栖:
諒解しました! むふぅ♪
月美:
ちょっと郁恵! 何、私の腕をひっぺがそうとしてるの!
クレア:
月美ちゃん、愛里栖ちゃんの方に左手をそう!
月美:
ちょっと何をみんなする気なの!
クレア:
そろそろ行こうか! せーの!
月美:
ヤメテぇえぇ!
月美:
あれっ?!! えっ! 私、立ってる? 自分の足で…
愛里栖:
ほとんど支えてない
郁恵:
うんチカラかかってないよ
月美:
えっと…おおぉお! 郁恵! 愛里栖! わたし立ってる!
クレア:
そうだね月美ちゃんは今立ってるよ! でわ調子いいとこで、次レッスン2いってみようか、そこで 足をゆっくりでいいから…
クレア:
クレアと同じように左足のチカラをゆっくりぬきながら左足のふとももを意識してこうあげてみる‥‥あくまでチカラ抜く方がメインね。 でも上げようと意識して、ふととももの筋肉を意識して…
月美:
えっと…こう…おおぉお! うごいた! 郁恵! 愛里栖! 動いた! わたしの足が
郁恵:
月美すごい!
愛里栖:
ちゃんと動くじゃない月美! 何が動かないのよ?
月美:
動くんだ…筋肉がうごいてるの…月美の意思で…わかる!
クレア:
次は左をこれくらい、さっきのイメージよりこう抑え気味で…
月美:
うぅ~! こうぅ!
クレア:
愛里栖ちゃん! 郁恵ちゃん! 今だよ!
愛里栖:
郁恵いくよ!
郁恵:
おう!
ぐいっ!っと郁恵と愛里栖が一歩だけ前に動く
月美:
ぁぁあああ! 歩るけたぁ!
郁恵:
おっしゃっ!
愛里栖:
やった!
クレア:
月美ちゃんの身体、筋肉や神経はちゃんと動く。 だけどね身体が歩く方法や動かす方法を忘れちゃってるの
月美:
忘れている…
クレア:
だから、こうやって歩く方法をくりかえし覚えさせてあげれば、また歩けるようになるよ。 スマホでいえば、これやってこれやてこれやるってあるとしても最初は一個一個おしてたけど、なれていくと、パンパンパンっておせるでしょ?
月美:
はい…
クレア:
それと同じで最初は一個一個、水の中なら抵抗はあるけど浮く力、浮力ねがあるからもちあげるのは楽、ちからをぬけばゆっくりさがる、だから意識しやすい。
これを繰り返すことで、流れを身体で覚える! すると!
月美:
スマホと同じようにパンパンと無意識でできるようになって…あーなんとなくわかる!
クレア:
イメージできたかな? がんばれば、また郁恵ちゃんや愛里栖ちゃんと一緒の生活ができるようになるよ。 がんばってみない?
月美:
わたしがんばります! だから郁恵!愛里栖! そしてクレアさん 月美に力を貸して下さい!
郁恵:
力を貸すのは当然! だって
愛里栖:
大切なトモダチだからね!
クレア:
クレアはメイドを助ける為に生まれたから。
なんでも力になるからがんばろう月美ちゃん
月美:
みんなありがとう! はいっ! わたしは必ずまた歩けるように絶対なります!
???:
お姉さま何楽しそうに読んでるですか?
花恋:
週刊Forest! あははっ♪
夢結:
あーお姉さまが名ばかりで所属している
日本のエンパイアクラブのWEBマガジンでしたっけ?
花恋:
そう! わたしがメイドとして所属しているクラブ! まあ研修しかしたこと無いんだけどね。
夢結:
それ本当好きですよね~毎週読んでる
花恋:
ぎゃあははっ!
夢結&ぴよ吉:
じぃ~~♪
夢結:
しかしなんでお姉さまは肩出しルックのスカートにガーターホルスター着けてセクシーカッコイイ路線だとおもえば…中ドロワースは無いと思わないぴよ吉、普通はセクシー系の下着でしょ? 赤いレース下着とか!
スカートをひらっとさせて下着が見えて! それに油断した敵をガーターホルスターから
早打ちでパパパンっ! とか!
ぴよ吉:
ぴよぉ~!
夢結:
だよね~♪ ぴよ吉だってそう思うでしょ
ヒュン!
バココン!
ピヨォおおおおお!(蹴り飛ばされるぴよ吉)
ひらり♪
停止からの直のバク転で回避する夢結
夢結:
えへっ♪
SE:
パパパパパンっ!
花恋:
避けるな夢結ぅ! 風穴開けるわよ!
夢結:
ひょひょひょひょ♪!
SE:
ぶぅろろろろろろ~♪(バスが去っていく)
すみれ:
…………(呆然)
すみれ:
なんでしょうかくま太さん…どうするんだって言われましても…
解説:
ふだんくま太とすみれが移動するときはこのように肩や腕に乗りくま太がすみれの頭をもって移動するのが普通です。 例外として真理愛は抱かせるので抱っこして移動します。
すみれ:
これどうみてもただの登山道だよね? くま太もそう見える…
そして時間は影がながーくのびて、もうすぐ空が赤くなっていくであろう夕方…もうすぐ暗くなる…
すみれ:
オマエなんでバッシュに短パンで水ももってないんだと…そりゃあ…観光地の中にあるロッジみたいなものかと思ってたし?
オマエはバカかと…?
すみれ:
すみれの肩にどかっと乗って文句ばっかり! おりなさいよ! 土で汚れるからイヤだって! 離れろくま太! 何しがみついてるのよ!
すみれ:
ハ・ナ・セ!
SE:
プープー!(パッシング&クラクション)
クレア:
クマと道の真ん中で喧嘩してる…ぬいぐるみだけど
真理愛:
すみれ?!
すみれ:
真理愛~!
真理愛:
くま太抱きたかったよ! そう! くま太もマリに抱かれたかったと! 嬉しい
すみれ:
えっ‥‥?
郁恵:
うあぁ惨いわ…
愛里栖:
毎日飽きもせずあんだけ電脳通信でずっとしゃべっりぱなしだからね新鮮味無いだろうし
月美:
すみれはつねに会ってるのと同じだけどくま太は物理じゃないと抱けないと
めぐ:
めぐは直接話せるから嬉しいよ、文字とやっぱり違うし!
真理愛:
くま太~♪ くま太~♪ すりすり~♪ お日様とすみれの匂いがする♪
郁恵:
グルチャに駅にみんなで迎えに行くって書いたの
すみれ既読になってたよ?
すみれ:
既読に‥えっ?
めぐ:
行って居ないからみんなビックりした!
愛里栖:
そのあと、書き込んでも既読にもならないし、音声コールも取らない。
さらに真理愛から電脳通信かけても受けてくれないって…
すみれ:
…
月美:
とりあえずいったん学校へもどってForestの調査部へ連絡して本格的な捜索調査を依頼しようとなってね…そしたら…帰りにくま太と格闘しているすみれを…
すみれ:
…あー既読になってるね…たしかに…
(小声)あっ…これ…AURORAでエロゲやりながら…横目で見流してて無意識で既読が‥?
えぇえっ! 未読のメッセージとコールがこんなに! さらに電脳通信のコールもこんなに! これくま太と喧嘩しててぇ‥‥
めぐ:
すみれ…あんたさヴェルさんに頼んで通知を受信すると脳に電流流してもらうように改造してもらったら?
すみれ:
めぐ! それどこの孫悟空!
月美:
とりあえず罰当番何にしようか?
愛里栖:
寮定番のトイレ掃除。
郁恵:
あと大浴場の掃除も足そう!
すみれ:
ひぎぃぃぃ! メイド学校入学初日から?!
すみれ:
クレア先生! こ…これは新入生イビリだと思います!
クレア:
正当な理由があるペナルティーはイビリではない! 課題出さずに散々そういう憂き目にあってる子がいるしねえ~!
郁恵:
すみれ! クレア先生にはそういうの効かないから! 滅茶苦茶厳しいから!
真理愛:
マリ、声援は送る。 当番は手伝わないけどぉ!
めぐ:
まあ、がんばれすみれ!
すみれ:
二人とも「我ら生まれた日は違えども 死す時は同じ日同じ時を願わん!」と桃園の誓いをした仲じゃなかったの! あの日の誓いは嘘だったの?
真理愛:
イヤ、そんなのしてないし!
めぐ:
アレはアレ、コレはコレ! 三国志とか…まあすみれらしいけどちょっとわかりづらいかな?
月美・愛里栖:
あはははっ!
エリシア:
うふっ!
アリエル:
何か楽しい事があったの?
エリシア:
今、すみれと郁恵の双方バラバラから同時に、
「すみれが初日から大ポカやって寮のトイレと大浴場の掃除当番が決まった」って片方が悲鳴で片方が笑いつきでメッセージが来たの。
アリエル:
すみれさんはあちらの時間で本日からメイド学校の寮にお入りになるのでしたわね
エリシア:
うんそう。
エリシア:
また…すぐに会えるよね…だってエリシア達は生きているから。
アリエル:
そうですわ。 また会えます。
エリシア:
en même temps(同じ時間(とき))
Sous le même ciel(同じ空の下)
Même si je suis de l'autre côté de la mer(海の彼方に居ても)
même au bout du mond(地の果てに居ても)
nous sommes connectés(私達は繋がっている)
Vivons ensemble à nouveau ! cher ami(また生きて合おう! 親愛なる友達よ)
えんぱいな日々(本編) 第五百六十一話 ALIVE END