CLUB FORESTのえんぱいな日々(本編) 第五百六十話 GiantStep

郁恵:
むにゅ~♪ くぅ~♪

(囁き声):
いくえっ…おきて…おきてよ…

郁恵:
うぅ…くぅ~♪


愛里栖:
郁恵マジ? 夜はいつ作戦を決行するか判らないから
すぐに起きれるようしてて言ったのに…何で寝てるのよ

ルゥナ:
どう開けれそう?

エリシア:
構造は二階の牢と同じ。旧式の電子ロックこれなら開けられる。
ルゥナ、お姉ちゃんの端末でジャミングはかけてるけど一応、ドローン看守が来たら

ルゥナ:
ルゥナがパルスを撃ち込んで愛里栖が対処ね。

エリシア:
お願い。旧式だけどけっこうこれかかるから。

郁恵:
!! 愛里栖! ゴメン完全に寝てた…もしかしなくても今夜? 本当にやるんだ。

愛里栖:
しぃ~静かに…脱出するよ。ここにいたらみんな…どちらにしても未来が無い。

郁恵:
そうだね…あんな機械に取り込まれちゃうのは…郁恵…イヤ

エリシア:
さ~て大脱走の開始だよ

愛里栖:
アンタ余裕あるわね…

エリシア:
だってあとはご主人様とお姉ちゃんを救出して、セレーネを起動させるまではエリシアの役目ほとんど無いし。肉体労働は愛里栖と郁恵。頭脳労働はルゥナに任せる

郁恵:
ねえルゥナ、これからどうするの?

月美:
下層階へ階段までには看守戦闘ドローンが二体のみでいける

ルゥナ:
郁恵、愛里栖、簡単に状況とすることを説明するね。

郁恵:
うん

ルゥナ:
桃子先生がいうにはクロトの子の東アジアの拠点にしていた船がD国特殊部隊に偽装した、エンパイアクラブの保全機関により強襲破壊されたらしいの。それで慌てたクロトの子らはアヴァロンとの協定を無視してエリシアのお姉さんのアリエルさんと、アリエルのご主人様を無理やりマスターのフュージョン(融合化)を行うつもりらしいの。

郁恵:
それってアリエルのお姉ちゃんとアリエルのご主人様が無理やりあの変な機械にとりこまれて死んじゃうってこと? 他のメイドのみんなみたいに…

ルゥナ:
正確には死ぬわけではないけど、今はそういう理解でいいわ。 大人同士で今だから揉めているらしい。 でもこのままだと二人とも助からないので…

エリシア:
データ転送開始! 

郁恵:
制御用の首輪になにを? あれハイパードライブが使える!

ルゥナ:
桃子先生は秘密でエリシアにアリエルさんの端末と制御チョーカーの改ざんプログラムをわたして…

エリシア:
エリシア達のチカラでお姉ちゃんとご主人様を救出するのと施設のジャミング装置を破壊!

すると先日拠点の船を破壊したエンパイアクラブの軍艦が近くに来ているそうなので、それがこの研究所をみつけてくれるはず。その部隊にセレーネをつかって合流する!

愛里栖:
えぇ…なんていうかおおざっぱというか、すべてチカラ技と運任せような? まあ勢いはあるね…

ルゥナ:
大人達の交渉が決裂すればアリエルさんとエリシアのご主人様の次は確実にルゥナ達よ

エリシア:
ヤルしかないのです! エリシア達に桃子は全てをかけた! 桃子は最後までクロトの子の上の偉い人達を鈴音と足止めするっていってた!

郁恵:
やろう! 桃子先生がそこまで郁恵たちにかけたんだもん

ルゥナ:
地下研究施設まではなるべく「敵」に気づかれたくない。 ドローンを月美のパルスアタックで一時的に麻痺させ、その間に愛里栖と郁恵が物理的に破壊。

エリシア:
そしてそのドローンのチップをお姉ちゃんのこの端末を使って正常に動いてるように信号を偽装して発信せる。これで気づかれない作戦

愛里栖:
チームワークが勝負の決めてだね!

郁恵:
仲良しなら誰も負けない! アリエルさんとエリシアのご主人様を助けに行こう! 

エリシア:
後はこの看守ドローンを破壊して奥の下層への階段に行くだけなのに
何で看守の前に鉄格子があるの!

ルゥナ:
ここの収容施設の鉄格子は強化テクタイト合金製。愛里栖と郁恵でも素手では破壊できない。
エリシア、あそこに見えるドアの制御パネルらしいやつにその端末を接続できれば開けられそう?

エリシア:
それはたぶん出来るけど…まさか…

ルゥナ:
ルゥナがパルスアタックをエリシアがあの鉄格子を解除するまで浴びせかける。その間に解除して。 解除されたら愛里栖と郁恵で衛兵ドローンを破壊、エリシアが疑似信号を出すようにして

エリシア:
もしルゥナが気絶してパルスが消えたら、二人ともハチの巣だよ? というよりあの銃30mmだからミンチだよぉ?

愛里栖:
いくらルゥナでもそれ無茶すぎじゃ? 一瞬でもパルスアタックは脳に不可がかかるのにそれを持続して発信しつづけるって…

郁恵:
でもルゥナが決めた事を私達は拒否できない。 エリシアがんばって

エリシア:
ひぃ…がんばらないと肉片になるからがんばる(涙)

ルゥナ:
3.2.1でエリシアは飛び出して。 行くよ?

エリシア:
ひぃぃ…りょうかい!

ルゥナ:
3!

ルゥナ:
2っ! アルティメットドライブ! 

SE:
シュン! 

(飛び出したルゥナは超高速で弓を描くように機動する)

SE:
ガシャン! 人型攻撃看守ドローンが振り向いて移動物を射撃しようとするが弓移動する物体に一瞬だけ予測機動の演算が間に合わず射撃を行えない

ルゥナ:
パルスアタック!

SE:
グゥオォン!

解説:
アルティメイドであるルゥナのレアスキルの一つ。ルゥナはあらゆる信号を生成、超強力な電子エネルギーにそれを載せて発信できる。これは本来はある施設を制御するためのものであるがその能力を応用して、電子機器に固有の電気信号を送射することでそのクロックを遅くさせたりすることができる指向性電子戦兵器を人体で発射できるという感じ

ルゥナ:
1! エリシア!

エリシア:
はぁっいぃ!!

ルゥナ:
うっ…

SE:
ギギっ(人型攻撃ドローンが少しだけ動く)

エリシア:
ひぃぃ!

郁恵:
エリシアまだなの?! マスタールゥナがもうモタナイよぉ!

エリシア:
解ってる! もうちょっと! これを書き換えれば…

エリシア:
開くよ!

SE:
ガンっ! うぃ~ん♪

愛里栖:
郁恵!

郁恵:
おう!

愛里栖・郁恵:
ハイパードライブ!

愛里栖:
どりゃあぁあ!

SE:
ゲシンッ! ボキっ!

郁恵:
その首! もらった!

SE
ぐいっ!バキンっ!(首をむしりとっている)

エリシア:
ルゥナ! 大丈夫?

ルゥナ:
ルゥナより早く偽装信号を…

郁恵:
エリシアこれ!

エリシア:
うんっ! データ転送開始! よし偽装信号完了!

愛里栖:
マスター大丈夫ですか!

ルゥナ:
大丈夫。それより、マスター…ご主人様…敬語…丁寧語も禁止って言ったよね…ルゥナ達は…トモダチ…ダカラ…

愛里栖:
申し訳ございません…

ルゥナ:
だから敬語禁止…

愛里栖:
うん…ごめん。

ルゥナ:
解ればよろしい…えへっ…
早くエリシアのご主人様とアリエルさんを助けなくちゃ…

 
エリシア:
はっ…もう無理、走れない…

ルゥナ:
貴女が一分しか通路のダミー画像を表示できないから急げって言ったんでしょ

郁恵:
抱えて走った方が早いかも

愛里栖:
そうだね

ルゥナ:
あの扉で間違いない?

エリシア:
うん...アレ

郁恵:
エリシア大丈夫?

エリシア:
ダメ…

愛里栖:
どう?

ルゥナ:
あの角にあるカメラだけみたい。情報通り。
エリシアが回復したら、さっきみたいにカメラをエリシアとの合わせ技でダミー画像を上書きするから、急いであのドアの前まで走って、あの制御パネルにアリエルさんが用意してくれていたデータを上書きすれば…

愛里栖:
ドアを開けれるようになって、中の部屋の監視カメラは昨日の記録された風景がうつる動画があっちには映し出さるわけね。

郁恵:
二人共お願い!

エリシア:
お待たせしました。一秒前のカメラのコマを連続で一分間表示させるようした。 ルゥナと接続おーけー。変換と送射まかした!

ルゥナ:
パルスアタック!

SE:
グウォン!

ルゥナ:
みんな走って!

エリシア:
なんでこんなに高い所にあるの!

ルゥナ:
メンテナンス用だからじゃない? 大人ならちょとした脚立で届くだろうし

愛里栖:
愚痴ってないで早くやる!

郁恵:
重くはないけどねぇ

エリシア:
今転送中!

エリシア:
お姉ちゃん! ご主人様! 無事?!

月美:
うん…無事みたいよ…

愛里栖:
これが格差社会ってやつ?

郁恵:
同じ監禁部屋なのに随分、郁恵達が囚われてたお部屋と違うね

アリエル:
まあ皆様、来てくださったんですわね! ようこそ私達の監禁部屋へ♪

花恋:
待ってた

アリエル:
まずはコーヒー飲む? インスタントしかないけど

エリシア:
ちょっとお姉ちゃん! 何言ってるの!

花恋:
(苦笑)

愛里栖:
うわ、トイレがをウォシュレット付き! それも遮蔽物あるし!

郁恵:
トイレは大事、プライベートが無かった。汚かったし…

ルゥナ:
テーブルと椅子もあるしね。なんかコーヒーとかも飲めるみたいだし…

エリシア:
お姉ちゃん、能力抑制を解除するからさっさと首を出して! 桃子から渡してもらったデバイスと制御端末返すから、ご主人様はお姉ちゃんが解除して、エリシアより早いから

アリエル:
「急いては事を仕損じる」と申しますわよ。

エリシア:
お姉ちゃんはゆっくりしすぎなの!

花恋:
花恋もエリシアの言う通りだと思います

アリエル:
花恋さんまでそういうならエリシアに従いましょう

アリエル:
はい花恋さん、能力制限解除とチップの再調整終わりですわ

花恋:
ありがとう。ルゥナ、愛里栖、郁恵、ここまで大丈夫だったの?

愛里栖:
それがルゥナが無理無茶で大変だった。

郁恵:
ルゥナは能力使い過ぎでけっこう無理行ってると思う。
郁恵と愛里栖はまだ余裕あるよ

ルゥナ:
ごめん脳の回復が間に合ってない…

花恋:
これからの行動だけど、郁恵と愛里栖は花恋の指揮下に入って。ルゥナと無理やりアリエルの端末を使っていたエリシアも負担がかかってるはずだから後方で回復を優先で。バックスはアリエルが、センターは花恋、フロントアタッカーは郁恵と愛里栖。

アリエル:
了解ですわ

エリシア:
うんセレーネの所までは後ろにいる

ルゥナ:
ゴメンそうさせてもらう

愛里栖・郁恵
諒解です!

花恋:
ジャミングを制御しているCIC(セントラル・インフォメーション・コントロール)にはかなりの数の兵士がいるはず。 素手というのは無理がある。よってそこへ行くまえに警備室に寄り道して武器を調達しよう。その方が派手にやれるし

アリエル:
お祭りですわ!

エリシア:
お姉ちゃん…祭りは祭りでもこれ血祭だからね…

花恋:
でわ花恋小隊出撃! 総員撃鉄を起こせ!

愛里栖・郁恵
おうっ!

エリシア:
まだ武器もってないけどね…


アリエル:
お邪魔いたしますわっ!

SE:
パパパアパパン!! ザクっ!

愛里栖:
たっぁ!

郁恵:
傭兵さん達ゴメンネ…!

ルゥナ:
終わったみたいね…

エリシア:
…惨い…まあ相手が銃持ってるから仕方ないんだけど…

ルゥナ:
さすがに気の毒だね…そんな事言ってる場合じゃ無いのは解っているんだけど…

愛里栖:
本当にゴメンネ…(涙)

花恋:
みんな! しっかりして! もしこれ以上殺生したくなければさっさとここを脱出するしかない! アリエルはジャミングの解除と救援信号をエンパイアクラブミリタリアの帯域で発信お願い!

アリエル:
わかりましたわ!

花恋:
エリシアはセレーネのハンガーの場所を端末で探して

エリシア:
解った!

花恋:
他の者は他の制圧部隊がこちらへ向かってこないとも限らないから警戒を!

愛里栖・月美・郁恵:
諒解!

アリエル:
よし、熱光学音響迷彩解除、対レーダー拡散解除、通信妨害電波解除ですわ!

こちら加倉家メイド、アリエル・スカリジェですわ! これからわたくしと他メイド五名とアーマーメイドセレーネは、クロトの子、アヴァロン洋上研究所より脱出いたします! 私達はエンパイアクラブへ、オーバーメイド国際倫理規定第一条の第三項による保護をお願いいたしますので部隊を寄越してくださいませ! ここの座標は‥‥

SE:
ぐおぉ~ん

ただの海面に見えてた場所が歪んでそこに洋上プラント基地が現れる。

エリシア:
ご主人様、セレーネのハンガー確認できた! ここから3階上の第六ハンガー

アリエル:
救援通信と座標を繰り返し発信するようにセット完了ですわ!

花恋:
二人とも良くやった! みんな! 脱出するよ!

アリエル:
こっち!

花恋:
愛里栖! 郁恵! もし敵と遭遇しても牽制だけでいい! ハンガーまで全員つっぱしれ!

愛里栖・郁恵:
諒解!

ルゥナ:
解った!

玄徳:
こっこれはどういう事だ説明しろ!

哲也:
説明と言われましても、御覧の通りは無いのですかね?

鈴音:
ほうこれは大変だな♪

桃子:
あらあら~まあどうしましょう♪

玄徳:
ここは洋上だ!ヤツラはどうする気なのだ? それになぜこんなやすやすと…

哲也:
セレーネを使って脱出するつもりなのでしょう。 彼女達は別にアナタ方に捕らえれていたのではありません。 我々アヴァロンと貴方たちクロトの子の協定により留まっていただけです。 それなのに我々との協定を無視し自らが保護されぬと解ったのなら、私達にも貴方たちにも裏切られたと感じ他に保護を求めるのは必然ではありませんか?

玄徳:
どこからヤツラはその情報を仕入れたというのだ!

哲也:
それは知りませんが…。とりあえず私達は立ち去らせてもらいます。

玄徳:
なんだと?

哲也:
彼女達の処遇をどうするのか? その為に私達は話し合っていたのではないですか?
その彼女達に貴方達は逃げられた。 もう交渉する必要がありませんので。

玄徳:
…………

玄徳:
キサマ達! 裏切ったな!

SE:
ガチャ!(銃を哲也に向ける)
シュンっ!一瞬ですみれが銃を抜き玄徳の懐で構える

すみれ:
オジサン、お腹撃たれていっぱい血を出して苦しんで死ぬのと一瞬で死ねるけど死体に頭が無くなるのどっちにする?

哲也:
すみれ撃つな!少しだけ待ってやれ

すみれ:
はいご主人様

哲也:
裏切った? 裏切ったのはアナタ達が先では?
でわ私達は立ち去らせていただく。
いいですね?

玄徳:
‥‥好きにしろ!

フランソア:
くぅ~♪

紅葉:
わたくしは枕が変わると眠れませんのよ…マイ枕を持ってくるべきでしたわ。

SE:
ごろん♪ ガツン!(フランソアが足を壁にブツケル音)

フランソア:
くぴぃ~♪

紅葉:
二段ベットが珍しいから上で寝たいとか言ってらしゃいましたけれど…この寝相だとこちら側だと一瞬で落ちますわよね。 あれだけ思いっきり足をぶつけても起きる気配もないので、落ちてもそのまま寝てそうですが…

以下()は電脳通信
(こちら加倉家メイド、アリエル・スカリジェですわ! これからわたくしと他メイド五名とアーマーメイドセレーネは、クロトの子、アヴァロン洋上研究所より脱出いたします! 私達はエンパイアクラブへ、オーバーメイド国際倫理規定第一条の第三項による保護をお願いいたしますので部隊を寄越してくださいませ! ここの座標は…)

紅葉:
これは? なんですの?! 電脳通信?

フランソア:
!? オーバーメイド用非常救難全方位発信! でも信号の強さから衛星経由じゃない
フランソア行かなくちゃ!

紅葉:
ちょっと貴女、今飛び起きたら!

SE:
どすんっ!

フランソア:
痛いぃ~!

紅葉:
ここ二段ベッドの上ですから落ちますわよって言う前に落ちましたわね。ほら服きてとりあえずパパの執務室へ行きますわよ

フランソア:
紅葉冷たい…フランソアのことちょっとは心配して…

紅葉:
100mの高さから落ちたわけじゃありませんし、これくらいじゃ心配などしませんわよ。

フランソア:
紅葉酷すぎる…

紅葉:
パパ! ノック無しで失礼しますわよ! …って…

フランソア:
紅葉パパ! フランソア許可が貰いたい! ・・?

源三:
そうだ、今回の作戦ヴェルザンディの第一次作戦は
まずは最小限度の戦力による保護要請をしてきたメイド達の保護ならびに
現地の偵察による現状把握。

その間に瑠莉少将は萌香中佐と本格攻撃の為の追加軍の要請と編成、並びに保護メイドの治療の準備をイージス艦Forestで指揮してくれ。 それと萌香中佐、悠里特務少佐と共に二次作戦の具体的な立案も頼む!

その間の第一次作戦の指揮は現地で私が取る! そうだ命令だ少将わかったな!

ヴェル:
それはエステルにどうしたらいいかヴェルは頼んだけど…

エステル:
まずは経験ですわ! 訓練も大事ですが実戦とは違います。 衛生メイドとして第一線にたつと決めたのなら、数をこなすしかないと思いますわよ!

フランソア:
エステル! マモン()を害したのはエステルではなく、逆に助けようとお屋敷に駆け付けアヴァロンに見つからないように保護と治療をしてくれたのは理解した。 感謝している! しかし! フランソアの専属メイドのヴェルと気軽に話すのは別!

紅葉:
フランソア! その話は関係者以外は秘密なのですよ? 何言ってるんですか!

ヴェル:
フランソアこれは違うの! ヴェルがね戦場でうまくうごけなくて‥だから‥

エステル:
ほほほっ! ヴェルさんがあまりにも優秀なのでわたくし、フォーシスターズにスカウトをしてたところなんですわよ!

ヴェル:
ちょっと! エステルお姉ちゃんそんな話してないよ!

瑠奈:
(わたし大変居づらいんだけど何これ?)

注:
マモン(フランス語)=日本語でママのこと。この場合はDrフィッツジェラルドを指す

エステル:
これからわたくし、先ほどの救援要請をしてきたメイド達を救出に参る作戦に参加いたしますの、フランソアも参加してくださいな、そうしたらどちらがより活躍したほうがヴェルのご主人様としてふさわしいという証明になるのではありませんか? 勝負ですわ。

フランソア:
フランソアも! 紅葉のパパに今すぐ救援にいきたいからここに許可もらいにきた! その勝負受けてたつ!

ヴェル:
ちょっとフランソア! エステルお姉ちゃん!

源三:
紅葉、Forestでは毎日がこういう感じなのか?

紅葉:
そうですわね…こんな感じですわ

源三:
瑠莉くんも大変だな

フランソア:
それでアンタは?

瑠奈:
はいっ! わたくしは欧州エンパイアクラブミリタリア所属!
花山院瑠奈特務少佐であります! このたびこのクラブcoralで
研修中でありまして、今回の作戦に参加させていただきますので
どうぞよろしくお願いいたします!

フランソア:
瑠奈ねよろしく。フランソアっていう。戦友になるからフランソアで
呼び捨てでお願い。

瑠奈:
はいフランソアよろしくお願いします!

エステル:
瑠奈はわたくしと萌香の部隊の後輩でしてね。優秀ですのよ

フランソア:
「萌香さん」の後輩ね。 それは優秀かも

瑠奈:
そんな優秀なんて…

源三:
…オレいらないじゃないか? まあパイロット役だな…。

紅葉:
パパも歳をとりましたわね。
 
春海:
旦那様、皆様、すいません!

紅葉:
晴海がこんなに遅くなるなんて珍しいですわね

源三:
慌てて転ぶなよ

春海:
ご無理を言って見送りをさせていただきありがとうございます。
でもどうしてもお見送りだけはしたくて…なのにこんなにお待たせしてしまって…

源三:
先行する船と時間を合わせる必要もあってな丁度時間があったのだ、だから気にするな

春海:
栗田家のメイド長として旦那様に戦場に行くなとは言えませんが、必ず私達の元に無事にもどってきてくださいませ。 

源三:
心配するなすぐ帰ってくる。

春海さんのデザインを私の今風のデザインに超エディトし直しました!
カスメ2時代のかなり初期からいるキャラなのでどうしても古く感じたので。

紅葉:
いつもしている手袋もしていないほどよほど急いでおりましたのね。春海、その手もとても素敵ですわよ

春海:
紅葉お嬢様、ありがとうございます。生身の手も少しは慣れてきました。 瑠莉様を初め皆さまには感謝してもしきれないです。


春海の腕や特殊なオーバーメイドとしての能力については

紅葉:
まあそれで、急いでいたのは解るのですが、首筋のキスマークくらいは隠してもらわないとメイド長として他のメイド達に示しがつかないのではございませんか?

春海:
!? キスマーク?! どっちの側の首にですかぁ?

源三:
おい春海、オマエのメイド服は襟付きで首筋など見えないぞ。

春海:
あっ! あぁああああああああああああ!

紅葉:
パパへの呼び方も「ご主人様」から「旦那様」に変わっておりますし…その結婚指輪についても、やっと再婚したのに、それを実の娘にも内緒にしているパパの代わりにcoralの戦闘艦橋でゆっくり聞かせていただきましょうか?

春海:
紅葉お嬢様! 戦闘艦橋には他の方もいます! 許して下さいませ! 

紅葉:
許すわけございませんでしょ!春海とはわたくしが物心ついたときからの付き合いなのです!春海はずっとパパのことが好きだったのを知っております! そしてやっと再婚したのですわよ! わたくしは聞く権利がございます! どうせ他のメイドやスタッフにも内緒なんでございましょう? 栗田家の使用人全員等しく聞く権利がございます! さあ洗いざらいみんなの前で吐いてもらいますわよ!

春海:
ご勘弁を! 旦那様助けてくださいませ!

源三:
オレはこれから任務があってな…まあ春海、がんばれ。
でわ紅葉、春海、船の事は任したぞ!

春海:
旦那様の薄情もの!

紅葉:
まあパパもお気をつけていってらっしゃいませ、メイドの保護と偵察くらいなら、あの戦力なら十分すぎますでしょうし。

瑠奈:
フランソアも銃持って行かないんですか?

フランソア:
いらない。

エステル:
瑠奈、わたくしとフランソアは戦闘スタイル、速度、威力など、ほぼ同一と思ってくださいな、中距離までは二人ともストラトブレード(真空刃)もございます。

瑠奈:
ほぼ同一ですか…(エステル様と同じ戦闘力が二人いるとかどんだけなのよ……これ救援ならびに偵察任務よね? 殲滅戦じゃないよね?!)

フランソア:
ヴェルの護衛防御と援護射撃は瑠奈にまかして、エステルとフラソアは前衛に徹する。

瑠奈:
はぁ…援護射撃、任されました。

SE:
きゅぃぃぃぃぃん♪

紅葉:
全員無事で戻ってくるのですわよ

春海:
旦那様、お帰りお待ちしております…。

兵士A:
対空ミサイル、戦闘ドローンも全部起動しろ、そうだ総力戦だよ!

鈴音:
エンジンをかけておけ。すぐに離脱する。(電脳通信で無線に割り込みをかけている)

哲也:
私達を待たずに今すぐその海域から全力で離脱しろ。 私達はインドネシア経由で後からそちらへ合流する。
ぐずぐずしていると、瑠莉の事だ各国のメイド連合部隊を揃えての物量戦で踏み潰しにくるぞ。巻き込まれたらやっかいだ。

鈴音:
何? イージス艦隊から飛行物体が飛び立った?

哲也:
それは戦闘機か?

鈴音:
いえ、輸送機型のVTOL機だそうです

哲也:
栗田源三自らが起こしだ。やつめ本格占領殲滅作戦は瑠莉に全部任せて自分は、大規模部隊の侵攻前に人質に取られぬように囚われているメイド達を強引に救出する気だな。

哲也:
源三がVTOL機一機で乗り込んでくるなら、フランソア君も来ているのだろう。セレーネの試作型のバスターキャノンは花恋くんならまだ使用できないが、フランソアくんの場合は…これはそれだけでも潰しておかなければ我々の脱出もままらないか。

すみれ。

すみれ:
うん、なに? ご主人様。 

哲也:
すみれとウーラノス()にやってもらいたい事がある。

解説:ウーラノス
ウーラノス(古代ギリシア語: Οὐρανός、Ouranos)は、ギリシア神話に登場する天空神である。 全宇宙を最初に統べた原初の神々の王とされる。 ウーラノスとはギリシア語で 「天」 の意味で、天そのものの神格化である。 日本語では長母音を省略してウラノスとも表記する。
ローマ神話にも取り入れられカイルス(Caelus)と呼ばれる。
 
エリシア:
やっとついた

愛里栖:
こちらもOK、敵いないよ

アリエル:
ロック完了ですわ

花恋:
どうやら無事みたいね

ルゥナ:
これが…

郁恵:
セレーネ…

花恋:
今から花恋はエリシアとこのセレーネの起動に入るけど、いくらアリエルがあのゲートをロックしてくれたとはいえ、対戦車ミサイルでもぶち込まれたら突破される、だからみんな警戒は怠らないで!

アリエル:
ねえ皆様聞いておりますの!

ルゥナ:
話には聞いていたけど…こんな大きいとは

郁恵:
すごいね~…これが動くの?

愛里栖:
みんな乗れるの?って手とかに乗ればいいのかな? 水の上を走れるっていってたし。ホバーボートみたいなものかな?

エリシア:
ご主人様ちょっと来て!

花恋:
なにエリシア? 早くセットアップしないと!

エリシア:
このデッカイ大砲、エリシアのデータバンクにも無いんだけど…ナニかな? こないだの起動テストのときには無かったよね?

花恋:
そんなの起動してからデータみればわかるじゃない。

エシリア:
おぉ~そうだね! ご主人様頭良い!

花恋:
エリシアって頭良いのに時々抜けてる時あるよね‥

エリシア:
なんか言った?

花恋:
なんでもない! 乗り込むわよ!

花恋:
よいしょ…乗るのは狭いのにシートは大きいのよね。 どうせ花恋しか乗れないのだからシートのサイズを交換してくれっていったのに結局してくれなかった

エリシア:
そんな事言っても、これ以上小さくすると、たとえ動かせなくても大人もここに座って整備とかはするんだし無理だと思うよ。


解説:
アーマーメイドのコックピットの位置。

前席のパイロット席は胸の出っ張ってる部分の中。 後部のナビゲータ席はパイロット席の後ろ斜め上方向にあり、アーマーメイドの首の下あたりに位置します。

エリシア:
偏向電離リアクターリアクター始動! 各電装ラインに電力供給開始、メインモニタ点灯! 外部スピーカーにマイク接続完了だよ! あと外部収音マイクも稼働開始!

花恋:
みんな!聞こえる? いまから立ち上がるのでこれが聞こえてたら下がって!

郁恵:
おおー花恋の声だ!

アリエル:
ちょっと貴女たちそんな所にいたら踏みつぶされますわよ!

愛里栖:
下がるってどこに?

ルゥナ:
とりあえずこっち!

アリエル:
ここで大丈夫でございますかぁ~!(銃を振ってる)

花恋:
うん大丈夫よ!

エリシア:
全起動シーケンスOK オールグリーン! いくよご主人様!

花恋:
おねがい!

エリシア:
おっしゃ! フルリンクスタート! アーマーメイド・セレーネ 起動!


SE:
ぶおぉぉぉん♪(目が光る)

SE:
ぎぃぃぎぃぃぃ! うぃ~ん! 

ゴーンゴーンゴーン!

全員:
‥‥(呆然)
 
花恋:
一人づつ手の平に乗せて胸の上に移動させるから

ルゥナ:
えっ? ルゥナから?

アリエル:
武器もってまいませんし

郁恵・愛里栖
そうだね

エリシア:
あのデッカイ大砲置いていちゃうんだ。

花恋:
ただでさえ胸部装甲の上に4人を乗せるんだ、風よけと防御の為のリフレクターベイル(盾=ベール(被い))はともかくあんなデカイもの持ってたらバランス悪いでしょう。

エリシア:
そうだね。

SE:
ビィービィー(警告音)

エリシア:
セレーネ、何? アラームメッセージ? 危険? もっと具体的に教える!

SE:
ギャキューーーーン!
(ハンガーの出口の扉が切断される音)
ドカーン!

SE:
ブホオオォオオオオ! ホバリング音

郁恵:
何あれぇ!!

愛里栖:
花恋とエリシアのセレーネが二体?

ルゥナ:
カタチが違う! アリエルさん なんですか? あれわぁ!

アリエル:
わたくしも解りません! この洋上基地で製作されたアーマーメイドはセレーネだけだと聞いております!

すみれ:
ご主人様、対象を発見しました。


解説:
この時点でのウーラノスのパイロット席は単座であり完全な密閉型のシェルになっていてモニタなどはありません。すみれはハーフダイブを行っており直接視覚神経に投影しています。 物語内で解りやすいようにイメージ的に「こういう風にすみれには見えている」という表現で描写します。

すみれ:
脱走したアルティメイド二体、ハイパーメイド四体も発見。

哲也:(無線から電脳通信へ割り込みをかけている)
すみれ、破壊対象はバスターキャノンのみ、速やかに破壊しウーラノスと脱出しろ。わかったな?

すみれ:
諒解。 これから破壊に入ります。

SE:
ぐわぁあああああああ!
(一気にすみれが駆るウーラノスが迫る)

全員:
‥‥‥‥‥!!

その余りにもの恐怖に呆然自失状態になりまったく動けない四人

花恋:
させるかぁ! アルティメットドライブ!

エリシア:
リフレクターベイル展開! 間に合えぇ!

ギィギィギィギィギィギィギィギィ!

うぃ~ん!!!!!

すみれ:
リフレクターシールド! すみれを邪魔するわけ?
すみれは早くそれを壊して、ご主人様の所に戻りたいの!

花恋:
ここじゃ不利だ、近接武器はないの!?

エリシア:
プログレシッブナイフであのブレードと戦う?

花恋:
その前にまずは押しもどしてその間にみんなが外にでるまで時間をかせごうこんな所で格闘戦などしたら、みんなふき飛んじゃう!

エリシア:
賛成! いまシュミレートしたけど、パワーではこっちが上! リアクターに余裕がうちにアレやっちゃう?

花恋:
しよう!

花恋:
リアクター最大出力!
リニアシリンダーオーバーロード!

どりゃあああ!

グイっ! セレーネがウーラノスを横に吹き飛ばす!

すみれ:
すみれをウーラノスを吹き飛ばそうとしたなぁ! もう怒った!

花恋:
みんな! 今のうちにハイパーアクセルでいったん外へ! アリエルを抱えていって!

アリエル:
うわぁ!

ルゥナ:
アリエルさん失礼します! 郁恵! 愛里栖! ルゥナ達がここいるから、花恋たちが自由に戦えないのよ! 外に出るわよ!
 
郁恵:
うん!

愛里栖:
行こう!

SE:
ぶぅ~ん♪

愛里栖:
飛行機?

SE:
がんっ!

SE:
ギィギギギギギ!

すみれ:
ナイフ? すみれの事をナメてるわけ?! そんな小さいナイフで! 

花恋:
たしかにこれはナイフではあるけど…これで戦えと?

エリシア:
…なんいうか切断作業用だね…これ。
そもそもさセレーネって中長距離火砲支援の機体だし…近接戦闘なんか想定外だし

花恋:
実際いまその想定外の戦闘してますが! それも初陣で!

エリシア:
これは大変マズイね

愛里栖:
ねえなんか花恋達、明らかに押されているよ!

郁恵:
どうにか加勢できないかな? あのままじゃ…やられちゃう

ルゥナ:
月が…月が出ている。

アリエル:
はい? 月がなんですの?

ルゥナ:
月が出ていると言ったの!

ルゥナ:
月が出ていると言ったの!

ルゥナ:
愛里栖! 郁恵! アリエルさんを抱えて、ハイパーアクセルでこの人工地盤の海ぎりぎりまで行って。できるだけこの建物本体から離れて

愛里栖:
アンタはどうするのよ?

ルゥナ:
ルゥナは…私は花恋とエリシアを援護してくる。

アリエル:
そんなお一人で無茶です!

ルゥナ:
ご主人様命令」よ! さっさとアリエルさんを抱えて行って!

郁恵:
ルゥナ…いやご主人様。命令には従いますけど、マスターが死んで他のワケワカラナイご主人様なんかに仕えたくないからね。生きて帰ってきなさいよ。 絶対だからね。

アリエル:
ちょっと郁恵さん離して下さいませ! わたくしはルゥナさんと一緒に!

愛里栖:
お願い」じゃなくてこんな時だけ「命令」ですか?
私達はトモダチじゃなかったの? ああ従いますよ!  
何をする気なのか知らない… だ・け・どっ!

愛里栖:
トモダチとして、ちゃんと後で謝ってもらうからね。わかった?

アリエル:
離して下さい!!

愛里栖:
行こう郁恵。

郁恵:
うん…。


ルゥナ:
……………

SE:
カンっ! ゴンっ!
(アーマーメイド同士の戦闘音)

すみれ:
諦めて! その武器じゃすみれに勝てない!

花恋:
外部スピーカー? これはあっちのパイロットのメイドなの?

エシリア:
諦められるわけない! 
エリシアはね!
ここにいるご主人様とお姉ちゃんとトモダチの未来をかけて戦ってるんだから! 

どこの馬の骨だかわからない
ご主人様の命令に従ってるだけのアンタとは違うのよ!

すみれ:
すみれのご主人様をバカにするな!

SE:
カンッ!

花恋:
マズイ! ナイフが!?

SE:
ガツン! 

ウーラノスはブレードでセレーネのベイルを強打するが同時にエリシアはリフレクターシールドを展開、それを受け流す! しかしすみれは同時にウーラノスの右手のレールライフルを強引にリフレクターシールドの裏側から突っ込む

すみれ:
これでどうだぁ!

エリシア:
マズイ!!!!

花恋:
この子強い! ダメか…

すみれ:
チェックメイト! 
えっ! なんで動かないの! ウーラノス!

月美:
パルスアタック! 
ルゥナのトモダチを討たせるかぁ!


花恋:
ルゥナのパルスアタック?無茶よ!

ルゥナ:
そのデカブツを外へ押し出して!

エリシア:
このままだとどっちにしろ負け! ルゥナが何か考えてるならそれに賭けてみよう!

花恋:
わかった! リアクタープール()は?

エリシア:
後1回オーバーロードを使ってオワリ!

花恋:
やるわよ!

解説:リアクタープール
アーマーメイドを動かすには膨大なエネルギーが必要であり、さらにリフレクターシールドや武装などを使用すると偏向電離リフレクターリアクターから得られるエネルギーより多くのエネルギーを使用することになります。 その問題を解決するためにアーマーメイドの各部分には量子エネルギープールが存在し、つねに発電されたエネルギーを貯蔵しています。

すみれ:
システム再起動! えっ?!

エリシア:
リニアシリンダーオーバーロード!

花恋:
いけぇええええ!


SE:
ガガガガガガガガァ!

SE:
ガシャーン! ギギギギギィギッ!

ルゥナ:
Xシステム作動確認! 目標座標ロックオン!
マイクロウェーブ発射シーケンス開始! 作動!

SE:
ブゥウゥゥウゥウンン!!
ウォン!ウォン!ウォン!

SE:
ブゥウゥゥウゥウンン!!
ウォン!ウォン!ウォン!

SE:
ウィーーーーーーーーン

ピカッ!

グオォオオオオオオオオオオオオオオオオ!


玄徳:
くそ! アヴァロンめ! あのメイド達め! だからメイドは一人のマスターに集中させ自我を封印し、ただの命令にしたがうだけの機械にするのが正解なのだ! クソ!クソ!クソ!

玄徳:
なん‥‥

SE:
ジュゥウウウウウウウウウウウウウ!
(玄徳の乗ったオスプレイが蒸発する音)

ルゥナ:
サテライトキャノン!

SE:
ゴガアァアアアアアアアアアアアア!
 
SE:
ビシビシビシビシビシビシ! パシュン!

SE:
ボォォオオオオン!

ルゥナ:
愛里栖…郁恵…ゴメンネ…ルゥナはご主人様としては失格だ…
今度生まれ変わったら、ご主人様とメイドじゃなくて… 本当にただのトモダチとして…できれば同じメイド同士、仲間として会いたいな…

すみれ:
どうなってるの!  ウーラノス! 

ウーラノス:
背面ジョイント部分に高エネルギーによる攻撃を受けました。各人工神経回路に重大な欠陥が発生。 偏向電離リフレクターリアクターの制御に重大な障害が発生。

SE:
ピーーーー! (アラーム音)

哲也(無線)
ザーー(雑音)、すみれ! 無事か?

すみれ:
ご主人様!

哲也:
今すぐウーラノスから脱出しろ

すみれ:
まだご主人様から頼まれた任務が…

哲也:
そんなのはういいウーラノス! すみれを射出しろ!

ウーラノス:
ピー! 脱出システムに重大なエラー発生。 起動しません。 ピー偏向電離リフレクターリアクターの暴走爆発の可能性45%以上

哲也:
‥‥ウーラノス、パイロットの保護を最優先、偏向電離リフクターを強制停止、暴走を食い止めろ。

ウーラノス:
リョウカイ

すみれ:
えっ?

哲也:
すみれ、そこにいれば瑠莉達なら無抵抗なメイドを処分などせずエンパイアクラブに保護するはずだ。

すみれ:
ご主人様! イヤだよ! 置いていかないで!

哲也:
…すみれ、今からマスター権限を解除する、よく聞いて欲しい。 新しいご主人様を探せ。仕掛けをしておく。あとすみれの中にある私達の記憶を全て消す。 

すみれ:
いやだよ! すみを…すみを置いていかないで! ご主人様! すみを捨てないで!

哲也:
‥‥‥スマン。 コード66 アデプト…マスタ―解除シーケンス…

すみれ:
ご主人様ぁああああああああああああ!

SE:
ぶぅ~ん(全てのモニタが消えて非常灯だけになる)

すみれ:
ご主人様………………

エリシア:
さっきの上空からの高エネルギー送射にセレーネの偏向電離リフレクターが反応! リアクターに過剰な量子振動が発生! 防ぐためには逆位相振動をあたえて…停止させるしかないけどエリシアの脳じゃ演算容量が…

花恋:
花恋にその逆位相演算をすべて渡して! フルリンクして演算しリアクターを止める。 エリシアはポットで脱出、ポットの救援信号発信ならもし救援にエンパイアクラブの部隊が近くに来ているなら拾ってもらえるはず。それで状況を伝えて、アリエル達ともし生きていたらあのアーマーメイドのパイロットのメイド、そして現在地下のフュージョンユニットにとりこまれているメイド達の保護を頼んで!

エリシア:
ご主人様!バカ言わないで! そんなことしたら、ご主人様のニューロチップぶっこわれちゃうよ!

花恋:
私と小さい時に良く遊んでくれたお姉さんの口癖があってね。 「ワタシが隊長の部隊では一番カッコイイ役はワタシがヤルの!」 みんなを頼んだよエリシア!

カチっ!
グイ!
ボタンをおしてレバーを引いて後部座席のボットを起動させる

エリシア:
ご主人様!!

SE:
ガシャン! エリシアのシートが少し引き寄せられ、周囲をおおっていたシールドがよりまるまり、前にカバーがせりあがる

ボンっ!
(脱出ポッドが発射される)

〇サテライトキャノン着弾直後

アリエル:
なんですの‥‥あれは…ご主人様…ルゥナさん…エリシア!

愛里栖:
マズイ!

郁恵:
アリエルさん伏せて!

SE:
どんっ! 
(ビームが着弾した部分の周囲にあったリフレクターに反射し発生した熱衝撃波が押し寄せる)

アリエル:
貴女たち何をしてるんですか!

郁恵:
大丈夫…ちょっとだけ熱いだけです…

愛里栖:
最初から…海の中に…飛びこんでおけば…よかった…

SE:
しゅばぁあああああああああああああ!

悠美:
さっきの光の柱。Xシステムだと思う?

優香:
たぶんね。

悠美:
ならやはり「Dの遺産」があそこに居るって事になる。

優香:
そんなメイドと戦う可能性があるからこそ、栗田閣下、エステル総裁、諜報部の現在のエースの瑠奈。 ヴェルちゃんに、そしてフランソアちゃんだけで最初は乗り込んで確かめる。 他の人間がいても足手まといになるだけっていう閣下の判断でしょ。

悠美:
わかったわ、そう、命中確認ね。

優香:
これで対空ミサイルも、戦闘ボートも全部潰したことだし。お姉さん達の任務はひと段落ね。

さてお姉さん達は海底でコーヒーでも飲みながら閣下たちからの報告を待ちましょうか

悠美:
あんたさ…本当に昔から変わらないわね

悠美:
えっ救難信号? 

優香:
悠美! 艦首一時30分! パラシュートに緊急脱出ポッドらしいもの発見。

悠美:
総員海上救助準備! ねえ海上ソーナーで捉えてる? そこへ艦を回して!

優香:
おっカバーが開いて発煙筒振ってる! よかった無事みたいよ。

〇数日後

郁恵:
うぅ…ん…あれ?

エリシア:
郁恵!

アリエル:
郁恵さん!

郁恵:
エリシア、良かった無事だったんだ。 アリエルさんも…良かった。 ここは…どこですか?

アリエル:
ここは日本の横須賀にあるエンパイアクラブミリタリアの軍病院よ

郁恵:
エンパイアクラブミリタリア…そっか郁恵達ちゃんとエンパイアクラブに保護されたんだ…。

郁恵:
そうだ…愛里栖は?

エリシア:
隣で寝てるよ。ほら。

アリエル:
郁恵さんより少し早く目を覚まされたのですが、少しお話をしたら眠ってしまって。

郁恵:
良かった…。

瑠莉:
そろそろいいかな?

エリシア:
はい先生!

郁恵:
先生? お医者さん?

瑠莉:
そうだキミ達を担当している医師団の一人で櫻糀瑠莉だ。よろしくね。

郁恵:
櫻糀瑠莉…櫻糀先生。

瑠莉:
できれば下の名前で呼んでほしいかな、郁恵くん

郁恵:
でわ瑠莉先生。 あの郁恵はどうしたんですか?

瑠莉:
君と隣で寝ている愛里栖くんはこのアリエルくんを…熱を多分に含んだ衝撃波からかばって代わりに受け、火傷と全身打撲を受けたんだ。

しかし大部分の熱は着ていた特殊なファイバースーツとハイパーアサルトメイドとしての身体の強靭さから致命傷にはならなかった。
髪も君が着けていた特殊コーティング剤のおかげで焦げなどはなかったよ。 

ただそれでも大きなショックは受けて意識を喪失。 火傷は軽度であったのでもう自己リジェネートで回復している。 現在は全身打撲の症状の回復とニューロチップに若干の障害があるのでこちらで治療を行っている。

郁恵:
そうですか…

瑠莉:
今日の所は一つだけ質問して終わりにするから後はゆっくり休んでくれ。 

郁恵くん。 キミのマスター、ご主人様は誰?

郁恵:
郁恵のマスター、ご主人様は…あれ…? えっ…?!
 
郁恵:
ご主人様は…マスターは!…ルゥナ・デルポール様です! なんで郁恵の頭の中から消えてたんだろう…

エリシア:
起き上がらないで!

郁恵:
あと花恋! ルゥナと花恋は無事なんですか? 先生! 二人は郁恵の大切な親友なんです!

瑠莉:
やはりマスター契約に関する部分が切断されても郁恵くんの中からも記憶は消えてないか。

アリエル:
あくまで封印という事なんでしょうか?もしくはどこかへ転送?

郁恵:
教えてください!

瑠莉:
スマン。まず二人共重症であったがどうにか峠は越えた。命は助かった。

郁恵:
重症…でも助かったんですよね?

瑠莉:
…郁恵くん落ち着いて聞いてくれ。 ルゥナくんと花恋くんは、身体はどうにか治るんだが…ニューロチップの管轄下にある脳の一部に重大な問題が発生していてな、現在医師団の総力をもって治療中だ。

郁恵:
ニューロチップに…

瑠莉:
特に記憶をつかさどる部分に障害が集中しており、ルゥナくん、花恋くん二人とも意識が回復しても…郁恵くん達の事を覚えていないかもしれない…。

郁恵:
ご主人様がメイドの私達を…覚えてない?

瑠莉:
そのメイドとご主人様。この場合はアポリロイドと管理者であるマスターの関係なんだが、ルゥナくん、花恋くん共に現在「保留」という中途半端な状態に何故かなっている。

郁恵:
保留? 保留ってなんですか?

アリエル:
郁恵さんにとってルゥナさんはご主人様であってご主人様ではない。 わたくしやエリシアにとっても花恋さんはご主人様であってそうではない。 そういう状態なの。

エリシア:
自分のニューロチップの領域みれるよね? マスター契約の時に使うところ。見てごらん。

郁恵:
!!! なにこれ…新規マスター登録 許可?

エリシア:
通常ではあまりありえないないんだけど、二人とも自分の死を覚悟して、私達が自由に自分の意思でマスター=ご主人様を選べるように設定した。 すごい特殊なオーナー権限ならこういうことができる。 

郁恵:
そんな‥‥

エリシア:
死を覚悟しても最後の最後まで自分のメイドのことを考えて…処理をしたんだよ。 自分が死んでご主人様でなくなっても…私達が新しい人生を自分で決められるように…

郁恵:
う…うわぁぁぁぁん!(泣) 
ルゥナ…ルゥナ…マスター…ご主人様ぁ(号泣)

エリシア:
今は泣けるなら泣いた方がいい…

瑠莉:
私はルゥナくんと花恋くんの治療に戻る。もしなにかあったらAURORAで呼んでくれ、使い方はもうわかるよね?

アリエル:
はいもう習得づみです。 二人の事をよろしくお願いいたします。

瑠莉:
医師として研究者として全力を尽くす事を約束するわ。

ヴェル:
食事の時間だよ~♪

夏帆:
どうぞ

愛里栖:
どうも…

アリエル:
まあ変わったお食事ですわね♪

エリシア:
これは伝説のディストピア食!

郁恵:
(小声)…クロトの子の収容所の方が食事はマシか…帰ろうかな…

エリシア:
郁恵…クロトの子、話聞いたけど壊滅したらしいよ?

郁恵:
そうか…だったらご主人様達が回復したらアヴァロンに亡命する…桃子先生優しかったし

エリシア:
えぇ…食事で決めるの?! たしかに食事は良かったし桃子先生はいい人だけど…

クレア:
見た目はちょっと「アレ」だけど味は美味しいよ?

ヴェル:
クレアも見た目「アレ」って言わないの! その形は輸送効率をできるだけ取れるように計算されつくした形になっているの。 それはヴェルコヴァー製薬、西園寺製薬、花路製薬、手塚人工フードの4社が共同開発した人工完全食! 歯ごたえも計算されていてそれだけ食べていても顎の筋肉減少もしないし栄養も問題ない、さらに消化吸収による内臓負荷を最小限度に抑えているすぐれもの。食欲も完全にみたされ、胃もたれもしない。

郁恵:
はぁ…これだけずっと食べていても問題はないと…。 これがエンパイアクラブのメイドの食事…。

そうか…エンパイアクラブのメイドはこれを毎日食べているんですね…(アヴァロンへの亡命作戦を早急に計画しなくちゃ。郁恵は無理!絶対に無理!)

クレア:
あははっ!

ヴェル:
えっ? どういうこと?

夏帆:
郁恵さんは、エンパイアクラブのメイドになったらメイドはずっとこの食事が提供されると心配なさっているのですわ

ヴェル:
別に今日は意識が戻ったばかりで内臓の負担が心配だからお粥とかよりは味がこっちの方がまだ食事ぽいかなっておもったから、これにしたけど明日の朝からは通常食だけど? 
えっ?

愛里栖:
とりあえずお腹はすいているのでイタダキマス! うわっ何コレ!! この暖かい丸いゼリーみたいなの魚かな?をじっくり煮詰めたスープを固めたような…この私の貧しい語彙力が悲しい! 美味しいとしかいえない! 

郁恵:
愛里栖がなんかグルメ漫画のキャラになりそこなって壊れてる。そういえばエリシア達の食事は?

アリエル:
わたくし達は郁恵さんが寝ている間に、この病院の中にあるレストランで夕食はすませましたわ。 ちなみにわたくしはエビフライを頂きました。

エリシア:
エリシアは日本のカニ釜めしっていう海鮮ピラフを食べた! 美味しかった! 味噌スープも美味しかったよ!

郁恵:
釜めしがピラフ…似たようものか。 食事は自由にレストランで取るとか普通の一般の人達みたいだね…メイドなのに不思議。

注:
ピラフは具材をお米を炒めてから炊き上げるに対し日本の炊き込みご飯は炒めません。双方だし汁で炊き上げるのは共通してます。

クレア:
えっと二人につけてもらったこの首輪みたいなもの、ちょっとうっとうしいかもしれないけど、これは二人のニューロチップから直接健康状態をモニタリングできる機能があるものなの。 
これをつけているとつねにこっちから体調の変化などをみれるので24時間この病院にいる間は外さないでね。
あとこれに指で触れて話しかけるとつねに二人の看護担当であるわたしクレアとそこの夏帆につながります。ナースコールにもなってます。 

あとハイパーメイドとしての能力制限はしてないけど能力はこの国の法律でマスターが意識が現在はないので使用禁止です。
使用するとこの首輪が検知して報告されるので内緒でってのもダメだからね。

それで明日からの予定なんだけど…

愛里栖:
メッチャ!美味しい!メッチャって死語だっけ? まあいっか! このビーフジャーキー、これビーフジャーキーじゃないよ! 口の中いれるとすぐに膨らんでローストビーフの味! それも絶妙なソースが絡まった状態で口の中で肉汁が再現される! これってどういう仕組みなの?! とにかくおいしい! なんていうかこのプレートだけで豪華なフルコースを食べてる感じ!

郁恵:
うわぁああ本当だ! この固いパンみたいなやつ、口入れた瞬間ふわっとやわらかくなってバターがしみ込んだ高級なパンみたいになる! 何これ! それにこの飲み物! なんだかわからないけどとってもおいしい! 今まで飲んだことないジュースぽい、しいて言うとフルーツジュースぽいけどのど越しがどろってしてない!さわやかでフルーティーでなおかつミルクぽくてもうわけわからいけど美味しい!

アリエル:
二人には後からわたしから伝えますので…(苦笑)

クレア:
お願いします。 よく考えると寝てたとはいえ数日ぶりの食事だものね、仕方ないか(笑)

ヴェル:
思ったより落ち込んで無くてよかった。

郁恵:
ひとしきり泣いて、いっかい寝ましたので。今ルゥナと花恋はまだ戦ってます! 今度は私達と一緒に生きる為の闘いの最中です。それに今度は私達ではなく瑠莉先生やヴェル先生達医師団の皆さまという強い援軍と一緒です。 私達はここで祈るくらいしかできません。 なのに郁恵がメソメソしてたらみんなに悪いです!

愛里栖:
カラ元気ですが、でもカラ元気も元気ですヴェル先生!

ヴェル:
そうかまあ前向きになれたなら良い。それでね…あのっ! 敬称の先生はやめて!

郁恵:
でしたら…ヴェルお姉さん?

愛里栖:
どちからというとヴェルお姉ちゃん?

エリシア:
ここはやっぱりヴェルお姉様ぁ♪ がご希望ですか?

ヴェル:
ひぃぃぃ! ヴェルのことは「ヴェルさん」で! 固定で!

三人:
はいっヴェルさん!

ヴェル:
ゴホンっ! えっとぉ…今回、アリエルちゃんの救援通信を発端に開始されたメイド解放組織「クロトの子」、まあ実際はメイドのマスター権限を一元化し全てのメイドを思いのまま支配しようという組織だったんだけど、その壊滅作戦と、保全機関最大のメイド救出数となった今件についてこの4人は当事者でもあるからヴェルから、4人があの洋上プラントから救出されたあとどうなったかを説明することになった。 

この件についてはエンパイアクラブ国際評議会として各国情報機関、軍組織などと共に「ある時まで」情報規制を引く事を現在協議中です。よって4人のご主人様の意識が回復してもご主人様にも当然、他の人にもここで聞いた内容はある時期までしないように。  

時期はこちらから知らせるから…それまでまってください。 

でわ説明するよ…

瑠奈:
上部プラットフォームに対空人型攻撃ドローン4!

源三:
ハンガーへの強行着陸を待ち伏せしていたか!

エステル:
今回の勝負の基準となるどのようなご主人様がよりヴェルさんにとってカッコよいご主人様なのか?をどう決めますの?

フランソア:
ヴェルはフランソアと同じで無駄な殺生は好まない! よって敵兵であっても銃をもっていてもすべて非殺傷での鎮圧を遂行しどちらがより活躍できたか決める事にする。

エステル:
わたくしも当然、無駄な殺生はいたさないことにしております。 機械はどうします?

フランソア:
ドローンなどは残っていると萌香さん達があとが大変。なので壊して良し!

瑠奈:
閣下! わたしがここから狙撃しますのでいちど機体を横にして安定を…

源三:
ダメだ! 機体の機動が変わり狙いやすくなるのをアレは狙っている! ロケット弾の集中砲火がくる

ヴェル:
ちょっと二人とも! 敵がもういるの! このままじゃ着陸できないの!

フランソア:
そんなの

エステル:
すぐに片づけますので、機体はハンガーではなく先ほどの光がした裏側へつけてくださいませ、すぐにむかいますで

瑠奈:
えっ?

SE:
ひゅん!

瑠奈:
まだ距離が!
えぇええええええええええええええええええ!

フランソア:
勝負開始!

エステル:
ですわぁ!

SE:
しゅばああああああああああああああああ!

瑠奈:
この高さからコンバットスーツの太もものアタッチメントポイントにジェットユニットつけてそれを生身で制御して超高速空挺降下強襲とか絶対に私は無理! 
どうしよう…ついていかないと援護できないけど…あんなの普通のメイドじゃ無理! 
いや普通のメイドじゃなくても無理無理!! 
私どうしたらいいの!? 萌香せんぱーーーい!

ヴェル:
瑠奈お姉ちゃんが恐慌状態になってる…まあ初めてみたら普通はそうなるよね…

太もものアタッチメントからジェットユニットを切り離しそのまま急降下

SE:
ヒュン!

SE:
シャキン!
ザクっ!

フランソア:
エステル腕を上げた

エステル:
ふふ貴女もねフランソア。 ヴェルさん! プラットフォーム制圧完了ですわよ。


解説:
VTOLからの降下からここまで僅か3秒!

SE:
キュゥゥゥゥン!

シュタッ!

瑠奈:
えぇええぇぇ!

瑠奈:
この洋上プラットホームの地上部、10階建て以上の高さあるのに、今はジェットユニットも廃棄してるのにそのまま飛び降りるの!?

ヴェル:
それはフランソアとエステルお姉ちゃんだし…

瑠奈:
それにさっきの攻撃とか「まったく」見えなかったよ!

ヴェル:
それはトリプルアクセルでの攻撃だし、あの速度を超えるのは穏海お姉ちゃんクラスだけし?

瑠奈:
無理無理! アレについていくのなんて絶対に無理!

ヴェル:
まあ瑠奈お姉ちゃんはヴェルの護衛に集中ってことで

瑠奈:
はい…役立たずでスイマセン…グス(涙)

源三:
おい瑠奈、それいったらオレなんか運転手しかデキン! ヴェルちゃんの護衛の方が役にたつ自信をもて! ちなみにバックミラーでパンツ見えてるけどいいのか? 可愛いおしりが丸出しでけっこうエロイぞ?

瑠奈:
コンバットスーツなので下にちゃんとパンツはいてますし透明な部分も透明に見えるだけでちゃんとスーツは覆ってますから素肌じゃないですから! しかしエロイ目で見ないで下さい!

ヴェル:
大将閣下が運転手…そしてそういうところはちゃんと見てる紅葉お姉ちゃんのパパさん。

源三:
あはははっ! エロはオレの人生のエネルギー源だからな! さあ着陸するぞ!

フランソア:
こんな子供が…どこの子か解る?

エステル:
駄目ですわ。わたくしでもニューロチップIDにアクセスができません。

ヴェル:
エステルお姉ちゃんどいて!

エステル:
はい、譲りますわよドクターヴェル。

ヴェル:
瑠奈お姉ちゃん後部ハッチを開けて番兵君を連れてきて

瑠奈:
はい解りました!

フランソア:
フランソアはあのアーマーメイドに生存者がいる可能性があるから行ってくる

ヴェル:
フレンダーを連れっていって生命探知ができる

フランソア:
解った

エステル:
でしたらわたくしは逆方向に退避したこの子のお仲間さんがいないか捜索ですわね

ヴェル:
誰か発見しても意識がなかったら振れずにヴェルにすぐに電脳通信で連絡!

エステル:
解っておりますわよ専門家にお任せしますわ

SE:
うぃ~ん♪(リアハッチ開閉音)

ヴェル:
ひどい…アルティメイドの身体だからまだ持っているようなもの…どうしようForestの船の設備やたとえお屋敷の設備でも…

源三:
おいヴェルちゃん、オジサンにも手伝えることはあるか? オジサンにできることならなんでもしちゃうぞ!

ヴェル:
なんでも! だったら紅葉パパさん、ここへの追加のVTOL機の手配、そして本格的な輸送機を近くの空港へ複数機、手配。
そして搬送先になる高度なアポリロイド施術などが可能なレベルのForestのメディアカルセンターより上で軍事機密が保持できる所、大至急用意できる?

源三:
大病院への重症患者の輸送経路を構築しろですな!

ヴェル:
そう!

源三:
その追加のVTOLはイージス艦Forestにもう一機あるから愛理くんと里緒菜くんに頼めば問題ないがForestのメディカルセンターを超える施設となると、アジア圏では横須賀軍港にある海上自衛軍内のアポリロイド研究センターと東京にある国立生命科学研究所くらいだ、そして軍の管理下にあるのは横須賀しかない。 これは連絡すればどうにかなる。

問題は、ここはインド洋のど真ん中で、東京から直線距離で7000kmだということだ。

長距離輸送機ね…クリスマス島()の豪州海軍基地にC17()の輸送部隊があったかな? それを拝借するか。 解った可愛いヴェルちゃんの頼みだ! 大至急どうにかしてやるよ! 

ヴェル:
紅葉パパ大好き! 

源三:
あはは、嬉しいね!(苦笑)

解説:クリスマス島
クリスマス島 はインド洋にあるオーストラリア連邦領の島である。西オーストラリア州のパースの北西2360km、インドネシアのジャカルタの南500kmの南緯10度30分、東経105度40分に位置する。面積は 136km²で、その63パーセントが国立公園になっており、熱帯雨林で覆われている

解説:C17
C-17は、マクドネル・ダグラス(現ボーイング)社が製造し、アメリカ空軍が保有・運用する、主力の軍用長距離輸送機である。愛称はグローブマスターIII(Globemaster III)で、旧ダグラス・エアクラフト社の開発した輸送機C-74 グローブマスター・C-124 グローブマスターIIに由来している。

源三:
しかし…こんな光景をまた見ることになるとはな…この世界はまだオレを引退させてはくれなさそうだ。

フランソア:
イーリス以外のアーマーメイドがそれも二体

フレンダー:
ぐるぅぅぅ!

フランソア:
フレンダー何か見つけた?

フレンダー:
ワン!

フランソア:
Je te commande en tant que successeur de l'arc-en-ciel.
(虹の継承者として命じる)

SE:
ウィーン♪

フランソア:
!! キミしっかりする! 

フランソア:
ヴェル! 生存者発見、白い方のアーマーメイドのコックピット内。 息はあるけど呆然自失で…どうしたらいい?

ヴェル:
今すぐそちらへ行く! そのままにして触れないで!

フランソア:
うん解った。

フレンダー
ワン!ワン!:

フランソア:
!! 今フレンダーが青い方のアーマーメイドにも生存者がいそうって言われた、そっちへフランソア確認しに行く

ヴェル:
お願い!

SE:
ウィーン!

フランソア:
!! D'accord?(フランス語)All right?(英語) 大丈夫?(日本語)

すみれ:
お姉さん…すみれ…すみれっていう事以外…全部無くしちゃた…何もわからないの…、自分が誰なのか…すみれって名前以外…いままで何してきたのか…ここはどこで…なんでここにいるのか…そして…誰がご主人様なのか…ぜんぶ…ぜんぶ…わからない…

すみれ…ぜんぶ…無くしちゃった…


すみれ:
すみれ…怖いよ…

フランソア:
すみれ! フランソアが助けてあげる! さあ手を握って! ここから救い出してあげるから!

すみれ:
うん…(手を握る)

うぅ~ん!(すみれと手を握った瞬間に、二人のペンダントが重力を無視して浮かびあがりハム音を出しながら発光する)

フランソア:
カッ!(目を見開く)

すみれ:
…? お姉さん? どうしたの?

Drフィッツジェラルド(銀髪):
Même si le professeur n'y va pas... je ne suis pas convaincue !
(先生が行かなくても…私は納得していません!)

男:
Ma vie est en échange de l'avenir de nombreux disciples, c'est bon marché
(私の命は多くの弟子達の未来と引き換えだ安いものさ)

Ma femme bien-aimée, François.  Pourriez-vous me montrer votre sourire à la fin au lieu de votre visage qui pleure ?
(最愛なる妻、フランソアよ。 最後は泣き顔では無く、君の笑顔を見せてくれないか?)

Et ma fille est inquiète
(それに娘が不安がっている)

幼いフランソア:
Hé papa, où vas-tu ?
(ねえパパどこかいっちゃうの?)

男:
ma fille bien-aimée. Papa doit aller travailler un peu loin
(最愛なる娘よ。パパは少し遠い所にお仕事に行ってこなければならない)

Drフィッツジェラルド:
うっ…(嗚咽)

幼いフランソア:
Souvenir…
(お土産…)

男:
Il est impossible d'acheter des souvenirs.
(お土産は買ってくるのは無理だな。)

Mais à la place maintenant je vais te donner ça
(しかし替わりに今、これを差し上げよう)

幼いフランソア:
C'est le même pendentif pièce que Mammon !
(マモンと同じコイントペンダントだ!)

Drフィッツジェラルド:
ous êtes le principal dispositif d'authentification de la famille DelPaul
(あなたそれはデルポール家のマスター認証デバイス)

男:
François, laisse le pendentif et le nom de Del Paul jusqu'à ce que Luna grandisse. Donnez-le à Luna quand elle sera grande.
François Jusque-là, vous êtes François Fitzgerald Delpol. « Tu es content de voir plus de noms, n'est-ce pas ?

(フランソア、そのペンダントとデルポールの名前をルゥナが大人になるまで預けておく。ルゥナが大人になったときに君から渡してくれ
フランソアそれまでキミはフランソア・フィツジェラルド・デルポールだ。 名前が増えて嬉しいだろ?)

幼いフランソア:
Je suis content de pouvoir prendre le nom de famille de mon père
Tu veux dire que ce pendentif n'est pas à François ?
(パパの苗字を名乗れるのは嬉しいけど
このペンダントはフランソアのモノじゃないってこと?)

男:
Le pendentif de François lui sera offert par sa mère lorsqu'elle sera grande.
(フランソアの分のペンダントはお母さんに大人になった時にもらえるよ。)

Alors François l'empruntera. François le donnera à Luna quand elle sera grande.
(だったらフランソアが預かっとく。ルゥナが大人になったらフランソアから渡す。)

男:
je promets
(約束だぞ)

幼いフランソア:
je promets
(約束する)

男2:
Il est temps, Dr Delpol.
(デルポール博士お時間です)

Drフィッツジェラルド:
!!

幼いフランソア:
bon travail papa!
(パパお仕事頑張って)

Drデルポール
oh!
(ああ行ってくる)

フランソア:
はっ!…
今の何? あれ? とても大切なモノ見たような気がする
なのに内容が思い出せない…

すみれ:
あ…あっ…あっ

フランソア:
?! すみれ? ねえすみれどうしたの? すみれ!! 
ヴェル! 応答して! 大変なの!

ヴェル:
もっとそっと! なんでフランソアはそんなに大雑把なの!

フランソア:
はいっ!

SE:
パンっ!

源三:
スナイパーくらいしか牽制してこないだろうが、対戦車ミサイルでも撃ち込まれらやっかいだ! 確実に仕留めろ。
援護を頼む。オレはこの子をVTOLに運んでくる

瑠奈:
閣下みずから?!

源三:
ここは戦場で戦闘中は大将閣下だろうが一兵卒だろうが同じ兵士だ気にするな。覚えておけ。

瑠奈:
はいわかりました!

エステル:(電脳通信)
ヴェルさん、要救助者3名を発見しましたわ。 うち一名は外傷無しで意識がごいますが、二人は負傷し意識不明。座標はここですわ。

ヴェル:
すぐ行く! フランソアその子をVTOLに運んで! 瑠奈お姉ちゃんはフランソアがVTOLにたどりつくまで援護射撃! その後はその座標まで援護にきて!

瑠奈:
はい! えっ? ヴェルちゃんは?

ヴェル:
番兵くんトランスフォーム!

SE:
ぐぃん! ガシャン!

瑠奈:
えぇええ!

ヴェル:
瑠奈お姉ちゃん! 追いつて来てね! 
番兵くんリフレクターフィールド展開! キュロちゃん行くよ!

キュロちゃん:
きゅろぉ!

SE:
キュルゥゥゥゥゥウゥ!

瑠奈:
はい…

SE:
きゅぅいぃぃぃぃぃイン!

あかり:(無線を電脳通信へ割りこみかけている)
そこの地上で交戦しているメイド! こちらEmpireClubForest 所属航空隊だ、只今より支援攻撃を行う。 突入口以外で優先排除目標を指示されたし! 

瑠奈:
こちら花山院瑠奈特務少佐! 突入口は地上部最下部のこの大型ハンガーは確保づみ! 上部プラットフォーム並びに中部のヘリ用ハンガー内の敵歩兵と交戦中! それを攻撃されたし

あかり:(無線)
諒解した! 愛花やるぞ!

愛花:(無線)
りょうかい! ミサイル撃ち込んじゃうもんね!

花恋:
わたし研修終わったらForestに配属になるのよね
あの中に混ざって本当に馴染めるの? とっても不安だ…


SE:
うぃ~ん♪

都:
わたくしのミニちゃんが効きませんの!

ジャンヌ:
都! 一回引け!無駄弾を撃つな!

SE:
ウィ~ン! パパパパッパッ!

都:
屈辱ですわ! わたくしが10発撃つ間にあっちは100発撃ってきます! きぃいいぃ!

七号:
都ガ撃チ負ケルトハ珍シイ事モアルモンダ(笑)

久遠:
七号さん笑ってる場合じゃない。 あの機動甲冑どうにかしないと奥へ進めない

悠里:
セクションF1~F3まで制圧完了ですわ。 地下監獄に囚われていたメイド達も救出、地上プラットフォームのVTOL部隊でクリスマス島へのピストン輸送開始しましたわよ。

萌香:
負傷者は?

悠里:
こちら側の死者はゼロ。 負傷者も階段で足を挫いて離脱した一名のみですわね。

萌香:
さすが英独仏米のオーバーメイド連合部隊ね。 

悠里:
しかし救助したエリシアさんとアリエルさんがおしゃっていた、一番多くのメイドが囚われているというフュージョン装置はこの先です。 どうしますの? 萌香。

萌香:
もうそろそろのはずなんだけど。

SE:
キャラキャラキャラ♪

絵里奈:
萌香! 後輩の助っ人に来てあげたわよ! 間に合った?

萌香:
はい! タイミングぴったりです! お願いいたします! ババーンっとヤちゃってください!

絵里奈:
任して!

悠里:
絵里奈さんのM5改空挺軽戦車‥‥

他:
‥‥(呆然)

絵里奈:
ファイヤー!

SE:
ヒューン! どかぁーーーーん!

萌香:
みんな! 絵里奈さんと詩織さんが打ち崩したら一気に突破するわよ! 準備して!


絵里奈:
詩織! 後はまかした! 一気に打ち崩してぇ!

詩織:
わかった! オーバードライブ!

SE:
ウゥ~ん♪

萌香:
こ…これは何なの? 悠里!

悠里:
この空間自体が巨大な電波暗室になっているようですわね。
電脳通信はおろか、スキャンイングデバイスも使えませんわ

萌香:
そんな事を聞いているんじゃないわよ! 「コレはナニか?」と聞いてるの!

悠里:
知りませんわよ! 調べてもいないのに解るわけございませんでしょ!

詩織:
ジオメトリックニューロンシンセサイザー。 それも巨大で複数メイドの脳を同期させる…

悠里:
そういわれて見れば、そうとも見えますわね。

萌香:
まさか、あの埋まっている一本一本にメイドが入ってるって言うんですか?

詩織:
だと思うわ。 昔、ここまで大きいものではないけど、とある組織を壊滅させたときに
似たような実験施設があって…それを後からご主人様が調べたらそう言ってたの覚えてるから。 それは複数のメイドの科学的な洗脳施設だったんだけどね…。

ジャンヌ:
もしこのシリンダー一本一本にメイドが収納されているなら、ここから搬出し上のプラットフォームまで運ぶには大規模な運搬と安全確保が必要だ。 グリーンサーヴァント及び、オーバーメイド連合部隊にも協力を仰いで急ぎ搬出ルートを確保する事を進言するわ。

都:
わたくしはここにいても役にたちそうがございませんので絵里奈さんの援護にまいります。

久遠:
都と同じ!

七号:
ワタシモソウスル

詩織:
ここのはあの人…あっご主人様とヴェルじゃないと無理かも。安全にメイドをシリンダーから出すにしてもね。 私はその手配の為にいっかい地上に上がって相談するわ。
ご主人様の代わりに萌香が部隊全体の指揮をとるべきだとおもうわよ。

萌香:
そうですね! 皆さんいま言った通りにお願いします。 私もいったん艦にもどりご主人様に指示を仰ごうと思います! 悠里は‥

悠里:
わたくしはここに残ります。 ジャンヌさん、このファイバーケーブルを外部まで引いてください。外部までは有線でその先でアンテナを設置できるので。

ジャンヌ:
承知した。

萌香:
必ず全員救い出してあげるから…もうちょっとだけ待っててね。 すぐ戻るわ!

えんぱいな日々(本編) 第五百六十話 GIANTSTEP 終わり