えんぱいな日々(本編) 第五百六十話 GIANTSTEP その17
フランソア:
こんな子供が…どこの子か解る?
エステル:
駄目ですわ。わたくしでもニューロチップIDにアクセスができません。
ヴェル:
エステルお姉ちゃんどいて!
エステル:
はい、譲りますわよドクターヴェル。
ヴェル:
瑠奈お姉ちゃん後部ハッチを開けて番兵君を連れてきて
瑠奈:
はい解りました!
フランソア:
フランソアはあのアーマーメイドに生存者がいる可能性があるから行ってくる
ヴェル:
フレンダーを連れっていって生命探知ができる
フランソア:
解った
エステル:
でしたらわたくしは逆方向に退避したこの子のお仲間さんがいないか捜索ですわね
ヴェル:
誰か発見しても意識がなかったら振れずにヴェルにすぐに電脳通信で連絡!
エステル:
解っておりますわよ専門家にお任せしますわ
SE:
うぃ~ん♪(リアハッチ開閉音)
ヴェル:
ひどい…アルティメイドの身体だからまだ持っているようなもの…どうしようForestの船の設備やたとえお屋敷の設備でも…
源三:
おいヴェルちゃん、オジサンにも手伝えることはあるか? オジサンにできることならなんでもしちゃうぞ!
ヴェル:
なんでも! だったら紅葉パパさん、ここへの追加のVTOL機の手配、そして本格的な輸送機を近くの空港へ複数機、手配。
そして搬送先になる高度なアポリロイド施術などが可能なレベルのForestのメディアカルセンターより上で軍事機密が保持できる所、大至急用意できる?
源三:
大病院への重症患者の輸送経路を構築しろですな!
ヴェル:
そう!
源三:
その追加のVTOLはイージス艦Forestにもう一機あるから愛理くんと里緒菜くんに頼めば問題ないがForestのメディカルセンターを超える施設となると、アジア圏では横須賀軍港にある海上自衛軍内のアポリロイド研究センターと東京にある国立生命科学研究所くらいだ、そして軍の管理下にあるのは横須賀しかない。 これは連絡すればどうにかなる。
問題は、ここはインド洋のど真ん中で、東京から直線距離で7000kmだということだ。
長距離輸送機ね…クリスマス島(注)の豪州海軍基地にC17(注)の輸送部隊があったかな? それを拝借するか。 解った可愛いヴェルちゃんの頼みだ! 大至急どうにかしてやるよ!
ヴェル:
紅葉パパ大好き!
源三:
あはは、嬉しいね!(苦笑)
解説:クリスマス島
クリスマス島 はインド洋にあるオーストラリア連邦領の島である。西オーストラリア州のパースの北西2360km、インドネシアのジャカルタの南500kmの南緯10度30分、東経105度40分に位置する。面積は 136km²で、その63パーセントが国立公園になっており、熱帯雨林で覆われている
解説:C17
C-17は、マクドネル・ダグラス(現ボーイング)社が製造し、アメリカ空軍が保有・運用する、主力の軍用長距離輸送機である。愛称はグローブマスターIII(Globemaster III)で、旧ダグラス・エアクラフト社の開発した輸送機C-74 グローブマスター・C-124 グローブマスターIIに由来している。
源三:
しかし…こんな光景をまた見ることになるとはな…この世界はまだオレを引退させてはくれなさそうだ。
フランソア:
イーリス以外のアーマーメイドがそれも二体
フレンダー:
ぐるぅぅぅ!
フランソア:
フレンダー何か見つけた?
フレンダー:
ワン!
フランソア:
Je te commande en tant que successeur de l'arc-en-ciel.
(虹の継承者として命じる)
SE:
ウィーン♪
フランソア:
!! キミしっかりする!
フランソア:
ヴェル! 生存者発見、白い方のアーマーメイドのコックピット内。 息はあるけど呆然自失で…どうしたらいい?
ヴェル:
今すぐそちらへ行く! そのままにして触れないで!
フランソア:
うん解った。
フレンダー
ワン!ワン!:
フランソア:
!! 今フレンダーが青い方のオーダーメイドにも生存者がいそうって言われた、そっちへフランソア確認しに行く
ヴェル:
お願い!
SE:
ウィーン!
フランソア:
!! D'accord?(フランス語)All right?(英語) 大丈夫?(日本語)
すみれ:
お姉さん…すみれ…すみれっていう事以外…全部無くしちゃた…何もわからないの…、自分が誰なのか…すみれって名前以外…いままで何してきたのか…ここはどこで…なんでここにいるのか…そして…誰がご主人様なのか…ぜんぶ…ぜんぶ…わからない…
すみれ…ぜんぶ…無くしちゃった…
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