くみ泡 第八話「RENDEZVOUS 」その19

SE:
バババババッ‼

里緒菜:
お兄ちゃんさん!穏海さん!お迎えに上がりました!

凛空:
映画でこういうシーンあるよね。大統領とかが緊急事態で避難するとか

穏海:
あのドレスのスカートが風に煽られて…えっ? オレにつかまれって…その人前でそんな…危ないらってもっと抱き着けって…うっ(真っ赤)

里緒菜:
こういう所、お兄ちゃんさんカッコイイですよね~♪

凛空:
うん!カッコイイ!

穏海~お兄ちゃんの事よろしく! じゃあ行ってらっしゃい♪ 明日は夜遅くまでゆっくりで帰ってきていいから~♪

穏海:
はぁいいぃ! わかりましたぁ! 行ってまいります…!

穏海:
凛空が手を振ってるから穏海も振れって…何お兄様そんなに楽しそうなんですか?

里緒菜:
こほんっ!  皆さま本日もForest UH-60ブラックホークをご利用くださいましてありがとうございます。この便の機長は愛理、私は副操縦士を担当いたします里緒菜でございます。当機はこれよりEmpireClub Forest駐屯地中央滑走路ヘリポートへ向かいます

飛行時間は10分を予定しております。 駐屯地からはお車でお屋敷にご案内いたします!それでは、ごゆっくりおくつろぎください。

あと本来は英語のアナウンスがあるんですが里緒菜は英語苦手なので、省略でお願いします!

愛理:
里緒菜とそちらへお迎えに向かう寸前で緊急事態が発生しまして二人でブラックホークで出ることなりまして。緊急事態は何事もなく終了したんですが、どうせお迎えにあがるなら車よりこの方がお兄ちゃんには良いかと思い許可をもらいました。

ナイス判断だと! お兄ちゃんありがとうございます!

穏海:
もう愛理さんはすぐこういうことでお兄様を甘やかすので困っているんです。

里緒菜:
まあ愛理とお兄ちゃんさんって同好の士てやつ? ですからねぇ

沙織:
やっと出してもらえた。とんでもない目にあったわ。 勝手に出ていけないし、メイドの時とちがって自由度がないし! 

千秋:
皆様ご無事だそうで良かったじゃないですか。 沙織さん、メイドの時より自由がないのは仕方が無いじゃありませんか? もう沙織さんは正式な栗田の奥様でForestでは賓客なのですから。

沙織:
それが堅苦しいっていうのよ。

フランソア:
むぅ~フンラソアにお呼びかからなかった! 活躍出来なかった!

楓:
オマエは何かあった方が良いのか? 無くて幸いじゃないか。

マリエット:
こちらへ来る前に栗田ホールディングスへご挨拶をしに行ったのですが
そこで楓様達も千秋さんを学園で拾ってからForestへ向かうのとの事で
乗せていただいたんです。 到着したとたんにアレでびっくりしちゃいま
したけどね。

幸喜:
そうなのか。

月美:
……むぅ…(くいくいと握ってる手を引く)

幸喜:
月美、ごめんね紹介するよ、彼女はマリエット・ルシャンドルといって私とは学生時代は同期だったんだ、ドイツにいたんだが今度新しいクラブのメイド秘書として着任する為に久々に来日したんだ。

月美:
幸喜お兄ちゃんと同期?! だってこんな幼くて可愛い美少女…あっ!すいません! お若くて美しい…それもメイド秘書!

マリエット:
あははっ♪ まあそれは普通は驚くよね。ちょっと身体が特殊で成長が止まってるのよ。幸喜と梨音からはいつも話は聞いてるわ月美さん、よろしくね。

月美:
よ…よろしくお願いいたします!

フランソア:
幸喜お兄ちゃん、さっきは明らかに月美が怯えてたから黙認してたけど、他のメイドの目もある、そろそろ手握るの遠慮して? 

幸喜:
…そうだねスマン

月美:
あっ! ひぎぃぃぃ!

マリエット:
あの妹の梨音しか興味が無かった幸喜がね…変われば変わるものね

律子:
皆様、ようこそいらっしゃいましたわお待ちしておりました

紅葉:
律子先輩、ここはForestでそれはわたくしの務め…まあいいですわ。

フランソア:
ちゃろ~!律子! 久しぶりってほどでもない?

律子:
ちゃろですわ! 直接会うのは1か月ぶりくらいですわね

SE:
パシン!

楓:
紅葉少しいいか?

紅葉:
はい、なんでございましょう

楓:
実はなオフィスを出る前にヤツから「電話」があってな…

紅葉:
お姉ちゃんに電話? 電脳通信では無くて? それでヤツ? って‥誰ですの?

楓:
ヤツといえば…父上に決まってるだろ。わたしはヤツからの電脳通信もスマホなどの通信機器なども全部着信拒否にしているからな。社に直接電話してきやがったのだ。 それでだ明日、こっちへ来るから時間を開けとくようにと…

紅葉:
はいっ? あのパパの船ってたしか今は喜望峰(1)を回った所にいるのではありません?

楓:
Coral注2は先日喜望峰沖を通過した所だ。どういう手段で来るかは知らんが久々に家族で夕食を一緒にとりたいそうだ、時間を空けておけ。伝えぞ

注1:
南アフリカ共和国、西ケープ州の南西端、南緯34度21分、東経18度29分にある岬。 アフリカ大陸最南端のアガラス(アグラス)岬の北西約160キロメートル、ケープ半島の南端、フォルス湾の西の出口に位置する。 大西洋とインド洋の二つの交わる岬であり重要な航路
の要所の一つである。

注2:
Club Coral
栗田家のミサイルイージス艦型エンパイアクラブ。つねに世界中を移動している。

千秋:
なんでわたしが出る時には学園に残ってた陽菜乃がメイド服姿でまってるのよ…忍者か

陽菜乃:
先輩達と一緒にいたからそこに迎えにきた愛理先輩と里緒菜さんのヘリに乗せて来てもらったの。 
それでお二人と楓様ですが美奈総務部長がコーヒーを用意しておりますので総務部で前の会議をお待ちしていただく感じで

沙織:
久しぶりの美奈部長のコーヒー!

幸喜:
律子さん月美を連れてきたよ。来る途中にあの事の梨音の分の話はした。

月美:
えっ? 梨音の分?
律子:
幸喜さんありがとうございます。

幸喜:
ここに月美を呼ぶように頼んだのは律子さんなんだよ

月美:
律子様が?

月美:
あのっ! えっと! 今日は梨音ちゃんの手術の話を先生である瑠莉オーナーと剛史お兄ちゃんと、ヴェルさんに聴くだけですよね? でもこんな偉い人ばっかり! 月美がここにいるのは場違いというか・・・あの・・・ごめんなさい緊張し過ぎてて混乱してて

律子:
梨音さんが手術の関係はしているけど、ここにいる人たちや今むかってる剛史さんと穏海さん、そしてまっている瑠莉さんやヴェルさんは今日は梨音さんの為ではなく月美さんの為にあつまったのよ?

月美:
どういうことですか? えっ! 月美?

幸喜:
大丈夫。何があってもオレが一緒にいるから

月美:
幸喜お兄ちゃん‥‥

その20へつづく