くみ泡 第八話「RENDEZVOUS 」(後半)その6

 
月美:
フランソアさん!

すぅ~とぉ何も無い空間から今までいなかった理沙が現れてフランソアを抱える

理沙:
奥様失礼しますよ!

幸喜:
ほぉ~フィールド型の熱光学迷彩か?  小型化に成功したのか、これは売れるな

理沙:
まだ試作版をうちでテストしてる最中なので白急の所で扱えるようになるまでにはまだ結構なお時間が…

月美:
幸喜お兄ちゃんも理沙さんも! フランソアさんが大変時に! 何お仕事のお話とかしてるんですか! 信じられない!

花恋:
ねえ月美…

月美:
何よ!

エリシア:
このマイペースさ…間違いない。これがDrフィッツジェラルドの娘さんだ…うん。

理沙:
月美ちゃん奥様は気絶というか熟睡してるだけだから大丈夫だよ?

フランソア:
くぴぃ~♪ くぷぅ~♪

月美:
えっぇ…たしかになんというか、健やかな寝顔でぇ…イビキ! イヤ! 寝息も~とても健やかで…!

フランソア:
がおぉ~♪

理沙:
月美ちゃんこれ完全にイビキだからフォローはいいから。

瑠莉:
理沙、フランソアのサンテラスにベッドを用意させてある、明日まではそこでフランソアに付き添ってあげてくれ。頼む。

理沙:
畏まりました。御護りいたします。

幸喜:
瑠莉さんフランソアちゃんは今回は記憶は失ったりはしないんだね?

瑠莉:
先ほどからの数分の時間を除いて、フランソア・デルポールとしてこれまで稼働していた時間の記憶は今後のフランソアでも全て参照できる場所にあり明日フランソアが目覚めるころには全てが統合され彼女の記憶になる。

幸喜:
そうですか…なら安心しましたが…辛い事には変わりありませんね。

花恋:
そのフランソアさんがずっとつけていたペンダントだけど。それをとってるの今まで見たことない。温泉で見かけてたときもずっとつけてたし。

月美:
まだフランソアさんの温もりが残ってて暖かい…

エリシア:
月美、それはとってもとっても大切なモノなの。これからは肌身離さずつねに着けていて。そのチェーンのロックはもう月美しか外せない。 

瑠莉:
私からも花恋にお返しするものがある。これは桃恵がうちのクラブへ来た時に見つけていたものだ(

花恋:
だったら桃恵さんのものじゃないですか!

エリシア:
桃恵に託して…なるほどここにあったのか。見つからないはずだ。

注:
のシーンで着けている設定ですが服で見えてません。

月美:
あの瑠莉オーナー、これはそもそもなんなんですか? ただのコインのペンダントでは無いですよね? そこまで大事なものなら。

花恋:
うんご主人様これは何?

瑠莉:
これは、あるシステムのマスターキーだ。

色々な機能があるのだが、全てにこれに登録されたオーバーメイドチップと遺伝情報の認証が必要になる。 

これには桃子と花恋の遺伝情報と二人のオーダーメイドIDが登録されている。

同じように今、月美くん、いやルゥナくんが着けているペンダントには…ルゥナくんとフランソアのオーダーメイドIDと遺伝子情報が登録されていた。

しかしそれはルゥナくんがそれを身に着けるまでの仮のもので、一度でも身に着けたらフランソアの遺伝子情報もオーダーメイドIDも消えたはずだ。 

そして桃恵が着けていたペンダントも同じ仕掛けがされている。

同時に世界で唯一一人しか使えない仕組みなんだよ。

エリシア:
ご主人様! 何ぐずしてるの! それは桃子先生と桃恵が命をかけてここに花恋の為に届けたもの! さっさと受け取って身に着けてぇ!

花恋:
はいぃ! 頂きます!

瑠莉:
花恋オーナーは怖いメイドをお持ちだ。 エリシアを大事にね。
怖いメイドは良いメイドだよ。

花恋:
はいわかりました。ご主人様……いや瑠莉オーナー。

瑠莉:
それはドックタグの機能も備えているから今後はそれだけでいいよ。

花恋:
はい!

花恋:
瑠莉オーナー、花恋のことご主人様として鍛えてくれないかな? 地獄の特訓。

瑠莉:
わたしより詩織さんの方が良いじゃないかな。

花恋:
お願いです勘弁してください!

その7へつづく