えんぱいな日々 第五百六十一話 禁断のパンセ その19

 
夢結:
さてどうするか、まともなクラブじゃ無理だよね…まあそこら中メイド部隊で持て余されてるアタシが言うのも何だけど…それ以前にアタシらにクラブ選択権ないでしょ。

夢結:
だいたいエミリーだってマトモじゃないよねアレ。各国のメイド部隊でも無理なはぐれ者、三人まとめてどっかで引き取ってもらえるようなクラブが…あるわけないか…。

夢結:
あれ?ここさっき通ったような? どこ?ここ? あれ?見取り図がAURORAで出ない…。 

あっ通信使えないんだった!

この方向音痴のアタシが見取り図もなしに…こんな迷路みたいな所で…どうしよう…地上に出れば電波が! まてその階段やエレベータにどうやって行けばいいの?

夢結:
詰んだ…完全に詰んだ…

しずる:
二人とも大丈夫ですって! あのすみれだよ?

夢結:
しずる姐(ねえ)の幻聴が聞こえる‥

しずる:
もう! 普段の元気はどこ行ったの?

夢結:
えっ…幻聴じゃない?

しずる:
しずる達は待つしかないし、ドロシーもがんばってるだろうし! ここは気を張って仲間の帰りを待つ! そうお姉さまも言ってましたし。
警護任務についてる他のメンバーの代表で来てるですから…ねっ!

夢結:
あのお取込み中すいません。 ここはオペ室の前でしょうか?

しずる:
そうだけど、なに?

夢結:
しずる姐、夢結を救っていただきありがとうございます(号泣)

しずる:
ぇっ?

めぐ:
何?あれ?

真理愛:
わからない…

真理愛:
部屋をでたらロックされて締め出されて、仕方ないからその今回、ドロシーと一緒にすみれのオペの助手をしてくれてるエミリーさんをオペ室の前で待とうと思ったら迷ったと

しずる:
それでも飲んで落ち着け

夢結:
姐さんカフェオレありがとうざいます。
まさかしずる姐と鈴奈姉さんが所属されている部隊の方の緊急手術とは思ってませんでした。 それなのこんな事でお騒がしてしまってすいません。

しずる:
この仕事してたらこういうことはあることだから気にしない。

めぐ:
そうそうマストから調子こいて落ちたり、消化バブルまちがえて盛大に海に吹き飛ばされ溺れかけて意識不明で救助されたり、訓練場破壊して屋根の下敷きになって意識不明になったり。色々あるよね。 そういう親友がいるから、処置を待つ方はなれてるから気にしないで。

真理愛:
大変申し訳ないです…はい。

めぐ:
そんなめぐでも、部隊結成初日に隊長がこうなるのは初めてかな。
花恋としずるが今日、夢結ちゃんが部隊に挨拶に来るいってたからいっとくね。
あとすみれの容態などは軍機指定になる可能性があるので内密にね。

夢結:
諒解です。えっすみれ隊長が手術なんですか?

しずる:
ということでオペが終わっても今日は挨拶は無理そうかな…。
まあドロシーとその夢結のトモダチのエミリーさんが手伝っているんだし、ちゃんと挨拶できるようになるよ。エミリーさんってトモダチでいいんだよね?

夢結:
トモダチ…なのかな…仲間ではあるし…でもなんか…たぶんこれから相棒になる予感がする。

しずる:
あなたが相棒? 花恋以外で? そんなスゴイ子なの?

夢結:
うんそれは間違いない。エミリーはスゴイ子です。そしてもう一人‥たぶんすごい子が…

めぐ:
それってトルコの時の花恋なみ? もしかして花恋とペア組んでたレッドバレッドの夢結? ちゃん? 

夢結:
はい…お恥ずしい‥あの時は地元新聞取材で調子コイテて…すいません

めぐ:
いやそれより花恋なみが三人か…

真理愛:
これはすみれにがんばって治ってもらって、是非会いたいわ、うちに欲しい! 
今の研修先がしずるの所のクラブなら…剛史お兄ちゃんとお姉さまに頼めばクラブの配属先はどうにかなるかもだし。

しずる:
ほう~副隊長ぽい事言うようになったじゃない? 副隊長の真理愛少尉さん

真理愛:
すみれがいない間はマリが隊長代行なので

夢結:
真理愛副隊長さん!? いいんですか? 隊長不在なのにここにいて? あっスイマセン出しゃばりました。

めぐ:
いや、夢結ちゃんの言うのが普通は正しいんだけど、ほらうちの部隊は今日正式結成だから本当はこのあと結成式があったはずだけど、まあ…この状態だしね。 あと当然部隊への出動命令とかそういうのはもっと後だし。
それでわたしは真理愛の士官学校からの腐れ縁の親友でこのForest調査部の執行官をやってますめぐ少尉ですよろしくね

夢結:
執行官!? よろしくお願いいたします。 わたしも執行候補なんで…後輩となります。
それで、部隊の件ですが、そうですよね…今日の今日ですものね…。明日からすみれ隊長が復帰なさるまで大変ですよね…。

真理愛:
そうね…すみれの事は今は先生とドロシーさんとエミリーさんに託すしかない。明日からの事、考えないとダメね。

めぐ:
それで隊長代理、今日は鈴奈さん達に会議会場の警護任務の増援として着けさせたけど、明日は?

真理愛:
何もなければ通常訓練かな。ただドロシーがこちらだと、クレアさんも今日明日でしょ?都合つかないことも考えると演習訓練などは危険だから、基礎教練と机上教練と射撃訓練を中心に組み立てて

めぐ:
うん…その線でレイラに相談したあと鈴奈さんと詰めよう

しずる:
(小声)夢結、ありがと

夢結:
なんですか気持ち悪いな…まあそのこのカフェオレでチャラで。


その20へつづく