えんぱいな日々(本編) 第五百六十三話 禁断のパンセ 後編 その3
エリシア:
鈴佳さんの胸に甘えてないで説明に参加しろこのエロくま
くま太:
ピガぁ~
鈴佳:
ヤダって
花恋:
あれ?
くま太:
ピガァ……
鈴佳:
そっかすみれが心配で不安か、よしよしダイジョウブダイジョウブ
エリシア:
くま太! ぴよ吉を見習え! 外の監視を一手に引き受けてるんだぞ! オノレというAIは!
花恋:
真理愛以外、抱かしてくれないじゃないの? 真理愛にだってあんだけ甘えないのにそれ以前になんで鈴佳さんくま太とお話できるの?
鈴佳:
省略の美。判断の美。 くま太、ブレーズ・パスカル、パンセより。
エリシア:
!! それはぴよ吉がやってるから遠距離スキャン特性が劣るくま太がやるだけ無駄いうこと?
あのエロクマはすみれが学園に行った後、部屋から抜け出しエスコ部の鈴佳さんの所へ通いああやって鈴佳さんが仕事する以外はずっと本を一緒に読んでり甘えてるんだそうだ。それをすみれは知らない
鈴佳:
くま太は鈴佳の読書トモダチ。休憩室で香澄やいくみ達と遊んでる時も多いし、エスコ部のみんなとは仲いいよ。特に優音はみんなとは距離あるけどくま太には普通に接するからとても助かってる。 出勤シフトとかもくま太が組んでくれてるし、まあグリーンウッドのエスコ部のマスコットでマネージャーでもある。シフトやお客様のリスト化、好みとかこちらにいるときはエスコの管理は遠隔でしてもらってるし。エスコ部のライムチャットでくま太用あるし。仕事とてもできるから給料を支払いたいんだけど、頑なに拒否されてて。
花恋:
はぁ…すみれが知らないすみれが学園に行ってる間のくま太の顔…グリーンウッド・エスコート部のマネージャー
花恋:
もしかしてタレコミってくま太本人から?
エリシア:
そう、まさにそのウーラノス本体であるくま太と、すみれのエージェントAIであるVIORETから共同で情報が寄せらた。
問題はもともとアヴァロン側のAIであるくま太とVIORETを信頼していいのか? それに足りるのか? それを確かめる方法がなかった。 だからギャンブル要素が大きいっていうことだった。
花恋:
でも…情報通りだったんだよね? すみれがDrフィッツジェラルドを襲ったことは、それで解除はされたんだよね? でもなんですみれはそれで倒れたの?
エリシア:
AVARON側のプログラムは正常に解除され、向こうにもすみれがこちら側に完全に落ちたとメッセージにはなったと思う。
問題はあの天才櫻糀哲也でさえミスを犯した。 クロトの子のウィルスが監視介入プログラムに入っていたこと。 もともとクロトの子が使っていたマスターを解除するとメイドの脳を破壊するプログラム。それが仕込まれていた。
花恋:
あっ花恋も聞いたことがある。 ご主人様と引き離すといきなりメイドが昏睡してそのまま亡くなる事があるとか。 他人にとられるくらいなら…メイドをコロシテも…もしくは脱走できないように
エリシア:
そう花恋が今いったまさにそれがすみれで発動し今ドクターが緊急対処をしている。ドクターなら対処できる。 問題がそのプログラムがすみれが死亡したことをクロトの子に送信した場合。
花恋:
Forestにはもうアーマーメイドがないとクロトの子が知ることになる? それをAVARONに情報提供したら…ここが襲われると…
エリシア:
まあ保険はかけてあるけどね。いま行われているオーナー会議の出席者の中にはAVARONへの出資者もふくまれているし‥今ここを襲ったら…
花恋:
人質…ですか…
エリシア:
正直、アーマーメイドが動かないにしてもここを今直接襲ってくるのはそれほど心配してない。心配なのはクロトの子の残党の動きかな…
花恋:
手術をしている病院? でも萌香さんが率いて調査部があそこは警護についているし、増援で久遠さんも行ったし。
エリシア:
クロトの子の残党がもし捨て身で攻撃してくるなら、ここか病院か。 ここで手術できればよかっただんだけど梨音もフランソアなみに作りが特殊でねフランソアが干渉する恐れがあって場所をわけるしかなかった。
花恋:
だからあっちで手術になったんだ
エリシア:
タイムラグをできるだけ無くすにはこの方法しかなかったからね。
エリシア:
そろそろ梨音の手術が始まる時間。
梨音もすみれも何事もなく手術が済んでくれたらいいんだけど。
その4へつづく