えんぱいな日々 第五百六十一話 禁断のパンセ その4
穏海:
刀を置きなさい、首と胴体が離れますわよ!
すみれ:
穏海お姉さん…
鈴奈:
鈴奈が取られた?
穏海:
まず鈴奈さん、弊クラブは貴女達教導陣にすみれさん達の全て任せているのでこんな事は言いたくはありませんが気になったので意見を許してください。
鈴奈さんが後輩のすみれさんを本当に可愛く思っていて指導に熱が入るのは大変解ります。
しかし今は教導を行う正規の時間ですか? そして安全確保はできてますか? 指導方法が適正でしたか? 見直しをなさる事をご検討下さい。
鈴奈:
大変申し訳ございません。 今後このような失敗を繰り返さぬよう指導方法を改善いたします。
すみれ:
鈴奈先輩…
注:
鈴奈はハイパードライブを解いたのですぐに目が普通に戻っています。
穏海:
すぅ(息を吸っている)…すみれさん!(怒)
すみれ:
はぁいっ!
穏海:
わたくしはすみれさんとマリに新メイドの小梅さんをお任せしましたわよね? それを泣かせるとはどういうおつもりなんでしょうか?
すみれ:
はぁいい! 穏海副メイド長! 申し訳ございませんでした! 今後このような事がないようにちゃんといたします!
穏海:
寮の瑠奈さんとカチューシャさんへの三人がお世話になるご挨拶も済みましたし、今回の件の罰は久美さんに任せてわたくしはお兄様の元にもどりますわ。
久美:
はい…穏海さん…。今夜は鈴奈ちゃんとお話もしたいし鈴奈ちゃんのお部屋に泊まる事にします。
穏海:
解りましたわ。でわ朝お迎えにまいりますわ。
鈴奈:
く‥久美さん!! ひぃ!ひぃっ(引き付けを起こしている)!
穏海:
二人とも久美さんにたっぷり罰を受けると良いですわ。
小梅:
先輩達! 喧嘩はしないで下さい!
真理愛:
くま太がすみれが大変だからって、そのあとパタット動かなくちゃって! あれ? すみれ、髪と目の色が変わって? ねえすみれ!ちょっと聞いてる?
すみれ:
ひぃっひぃっ!ひぃっ!ひぃ…!(恐怖でひきつけを起こしてる)
久美:
鈴奈ちゃん、すみれちゃん…わたし…とても哀しいです…
前にも…二人に仲間のメイド同士、喧嘩はダメって…久美…注意しましたよね…?
鈴奈:
はぁ…はぁ…はぁいいぃっ…
すみれ:
久美さん! こっこれは…その…先輩と喧嘩していたのでは無くてですね!
そう! 訓練の一環でしてぇ!! それでぇちょっと熱が入りすぎちゃてですね!!
鈴奈:
ひぃひぃぃ(恐怖で過呼吸になっている)…すみれ! 諦めよう…もうだめよ…
すみれ:
先輩! 諦めたらそこで試合終了ですよ! ここは言い逃れを!
鈴奈:
すみれだって恐怖で動揺しすぎてハイパーメイド用の電脳通信じゃなくて声に出てるじゃない!
すみれ:
うわぁ! 本当だ! あぁ…その…スイマセンスイマセンスイマセン!
小梅:
こんな時になんですけど、何故すみれさんは鈴奈さんだけ先輩って呼ぶんですか? 他の先輩達は全員さん付けかお姉ちゃん、お姉さんなのに。 あー凛空さんは凛空様か…これはすみれさんのご主人様だから例外だけど。
真理愛:
たぶんすみれの事だから理由があるだろうけど、それにあのすみれがその先輩と喧嘩? 前にも? えぇぇ…それに恐れ知らずのあのすみれがあんだけの怖がるって…? 何?
久美:
そういう嘘…お姉さん嫌いだな…
ルナティックイリュージョンドライブ。
すみれ:
ぎゃあああああああああああああああああああぁぁ!!(絶叫悲鳴)
鈴奈:
うわぁああがやあぁあ! 虫はいやぁあ! ぎゃああダメ!!ぎゃああぁぐわああああああ!!!(絶叫悲鳴)
小梅:
ひぃぃぃっ! お二人が苦しんでる? なんで?
真理愛:
どうなってるの?
解説:
ルナティックイリュージョン。 特定の指向性が高い信号を生成し発信し、脳共鳴により特定のイメージを幻影体験として送り込める久美のレアスキル。
今回は虫姦されるイメージを久美の中で生成しそれをすみれと鈴奈に共有させた。
当然送り込む側もその幻影を作り出す時点でそれを「体験」することになるが…久美が耐えらるものは送り込めるともいえる。
小梅:
ひぃぃぃ! お二人が白目向いて泡ふいて…失禁して気絶???
久美:
ふぅ…二人の後始末は任せていいですか? わたし鈴奈ちゃんのお部屋で待たせてもらいます。
真理愛:
はい! 久美さん! わかりました!(やはりEmpire Clubのメイド長…怖い…)
ドロシー! 今すぐ来てお願い! 超緊急事態! 小梅! 二人の着替えいや風呂もいれないといけないから! しずると朋絵さんとルフィナさんも呼んできて! あとあと!うわー!(大混乱)
くま太だいじょうぶ? 治ったんだ! よかった! うん…でも今はすみれに近寄らない方がいいよ。
小梅:
はいっ! いま用意してきます! あれ? すみれさんの髪の色と目の色が治ってる?
その5へつづく