えんぱいな日々(本編) 第五百六十三話 禁断のパンセ 後編 その6
SE:
うぃ~ん!うぃ~ん! ズッドドドオドッドっ! パンパンっ! ドカーン!
ソフィー:
おいそこの猫! 砲身に近づきするぎると焦げるぞ! 下がっとけ!
都:
しかし機動甲冑でてきませんわね? せっかく今回はロケット砲と対戦車ミサイルまで用意いたしましたのに! 残念です
ソフィー:
お前はこれを病院内で撃ちたいのか?
にゃん太:
にゃん…
ソフィー:
彩香、永遠さん手投弾だけは怖い、確実に撃ち落としてくれ!
彩香:
諒解です!
永遠:
今ジャンヌ大佐とアリエル達が2-Cの敵を殲滅したわ。2-Aへ移動を開始。よって前方の敵は退路を失ったわ。
ソフィー:
良し、ヤツラはもう袋のネズミだ! 都! 撃って撃って撃ちまくって相手に頭を出させるな! ネズミの袋さらにを締めるぞ! 殲滅は大佐達にお任せする! こっちはアイツラの足止めに集中! 火力で圧倒しろ!
都:
わかりましたわ!
彩香:
こちらは手術中なんで、ソチラを気遣ってあげる余裕がないんだ。ゴメンネ。
にゃん太:
にゃ~ん
SE:
パパパパン!
月美:
なんで…戦うの? 襲ってくるの? 仲良くできないの?
小梅:
はい、ルゥナ様、お茶です。 その質問は頭が悪い小梅でも答えられます。
小梅:
なんで戦うのか? についてはお互い「譲れないモノ」があるから争っても戦ってもそれを譲れない時に人は命をかけて戦います。 それが名誉だったり忠誠心だったり愛だったり、お金だったり。色々です。 これを「正しさ」と言ってこれは人それぞれ分だけあります。
月美:
譲れないモノ。正しさは人それぞれの分だけある…
小梅:
二つ目の「なぜ襲ってくるのか?」は置いといて、三つ目の「仲良くできないか?」これは無理です。 相手は銃持って、いきなり突っ込んできてメイド服も着ていない美見を銃で撃とうするってことはここの病院にいる無関係な人を含めてコロスように命令されそれに従うような人たち。 こんな人たちと仲良くできますか? もし事前に無関係な人たちをこの病院から追い出してなければその人たちも無差別に殺されていたでしょう。
美見:
もし文字通り…身を挺してジャンヌさんが庇ってくれなければ、美見は死んでました。
今でも身体の震えが止まりません。 怖いです…でもお姉ちゃんが後ろで護ってくれてるから…どうにか耐えられてます。 後、うさ子もいるし
月美:
そうだよね…無理だよね。
小梅:
それで二つ目にもどって「なぜ襲ってくるか」は、先生の受け入りです。
小梅:
小梅の先生はDrフィッツジェルドといって有名な先生で、まあフランソアさんのお母さんっていえばわかるかな
月美:
えっフランソアさんのお母さん? って…
小梅:
まあ殺されたことになってます。死んでなかったんですけど。 先生はそこら中から命を狙われています。 今日も殺されかけました。 まあ小梅も先生にお世話になって生活してたので慣れました。 それで昔、聞いてみたんですなんで相手は先生を襲うのか? そして教えてくれました。 その理由とルゥナ様や梨音様を襲う人の理由は同じだと思います。
小梅:
ルゥナ様のことを小梅はあまり知りません。梨音様についても全く知りません。でも力がお有りなんだと思います。 何かを変える力。 力を持ってる人は、色々な感情を引き寄せます。それは善意だったり忠誠だったり願いだったり、悪意だったり、嫉妬だったり、恨みだったり…そういうものを一切合切(いっさいがっさい)まとめて引き寄せます。
さらにやっかいなのは、世の中を変える力というのは、世の中が変わって困る人達にとっては死活問題です。 排除しなければ、その人たちは排除されます。
小梅:
もし戦いを終わらせる事が正しい思うなら、戦わなくて良い世界をどうにかして作ればいいです。 しかしこの正しいには力が必要です。
うさ子、なんだっけ? それの先生がいった言葉と本だっけ?教えて
うさ子:
ぴょん!ぴょよよよよよ!ぴょん!
小梅:
そうだ! えっとですね…読み上げますね。
小梅:
力のない正義は無力であり、正義のない力は圧制的である。
力のない正義は反対される。
なぜなら、悪いやつがいつもいるからである。
正義のない力は非難される。
したがって、正義と力とをいっしょにおかなければならない。
そのためには、正しいものが強いか、強いものが正しくなければならない。
正義は論議の種になる。
力は非常にはっきりしていて、論議無用である。
そのために、人は正義に力を与えることができなかった。
なぜなら、力が正義に反対して、それは正しくなく、正しいのは自分だと言ったからである。
このようにして人は、正しいものを強くできなかったので、強いものを正しいとしたのである。
ブレーズ・パスカル、パンセより。
小梅はこう解釈?してます。 「正しいものが 正しいのではなく 強いものが正しいと定めたものが正しい事で よって力を持っている人は 正しい事をお互い戦わせて、「どれが正しいか」を決めている」のだと。
ルゥナ様はその「正しい事」を主張できる力をもっている人だから襲われるんだと小梅は思います。
その7へつづく