えんぱいな日々(本編) 第五百六十ニ話 禁断のパンセ 前編

 


 


すみれ:
命令ですから隊長は引き受けますが、昼間の説明ではすみれは納得できません!
鈴奈先輩はすみれがWhityGardenにいる時から何かとすみれの事を気にかけてくれましたし、GreenWood'sにすみれが移籍した後も学園では可愛がってくれているのは解っています。 それでも今回の隊長への推挙はオカシすぎです!

すみれ:
今回の部隊、すみれとドロシー以外は全員軍経験者で全員が士官学校出であり成績も特に優秀なメイド達が集まっています。 そんな中、なぜすみれなんですか? すみれはネットダイブがちょっとできるだけのポンコツなネットウィーザードメイドでネットの実戦経験だってほとんど無いです。

すみれ:
それに今回の部隊はネットでの電子戦はあくまで前段階! その活動の中心は物理空間での強襲制圧作戦を行う機動部隊です! すみれは物理戦闘のオーバーメイド能力はありません! 前線で指揮する隊長が物理戦闘をできないんて無理があります!

鈴奈:
すみれもちゃんと自分の意見、言えるじゃない。

すみれ:
先輩! 何笑っているんですか! すみれは真剣なんです! 隊長になるってことは先輩が昼間おしゃっていた通り隊員全員の命を預かるってことです! だからすみれがみんなへの指揮が向いているとかそういう曖昧な理由ではなくて! ちゃんとした納得できる理由を

鈴奈:
はいはいわかったわかった! 説明するから。 とても単純な理由よ。

すみれは部隊指揮能力や作戦立案能力だけではなく電子空間、サイバースペースでの戦闘、機動兵器による戦闘、物理の肉体での射撃戦闘、肉体を使っての物理格闘戦闘の全てにおいて抜きに出て他の隊員より優れている。 単純に他の隊員の誰よりも強いからよ。

メイドは味方ならその味方の中の強いメイドに従うように作られている。
だからこそ他のみんなはすみれに自然に従っている。 そうじゃない?

すみれ:
はっぁああああああああ? 
先輩何いってるんですか? すみれなんか戦闘はおろか運動苦手なんですよ? まあ射撃についてはちょっとは他の子より上手いかもだけど、それでもあくまでシューティングレンジでの練習だけの話だし!

鈴奈:
ふぅ~ん…ねえすみれ…でわ聞くけど。

すみれ:
はい? 何ですか?

鈴奈:
貴女この基地で訓練に入ってからたった一度もアポリロイドドライブ()を使った事無いわよね? 

すみれ:
それは…その…

鈴奈:
すみれはサイバースペースにダイブするのでさえドライブを使用する必要がないとヴェルさんから聞いている。
訓練中の戦闘指揮中のシュミレーション演算でさえレイラはドライブを使用して行うのにすみれは使用していない。


注:アポリロイドドライブ
アポリロイドチップを利用して人間に普段備わっているリミッターを解除し一時的に神経速度、脳処理能力、筋力などを飛躍に強化する事。オーバーメイドならオーバードライブ、ハイパーメイドならハイパードライブやハイパーアクセルなどと呼ばれる。 これがオーバメイドやハイパーメイドと人間との能力の差の根源になっている。

鈴奈:
すみれ…貴女はここに来てから一度として本気を出していない。 いつまで「出来ないフリ」をしてみんなを馬鹿にし続けるつもりなの?

ガシャ…もっている鞘に入ってるブレードあげる。

すみれ:
すみれは…みんなを馬鹿にしているつもりなんかないです! すみれだって…その訓練はしっかり…やっているつもりで…すみれなりに…

鈴奈:
それはすみれの実力の数百分の一? それとも数千? いや数万分の一?


すみれ:
…………そんな事ないです‥‥

鈴奈:
なら証明してみせましょうか?

SE:
カラン♪ 鞘が地面に転がる音

ザクっ! アスファルトに難なくコンバットブレードの片方が刺さる

鈴奈:
鈴奈とこれで闘いなさいすみれ。
 
鈴奈:
ブレードを取りなさいすみれ! でないと死ぬわよ!

すみれ:
…イヤです。

鈴奈:
この頑固ものぉ!

SE:
グワっ! 

鈴奈:
紫電一閃!

ピタっとすみれの首の寸前で止まる

鈴奈:
いくら鈴奈が本気で貴女の首を刎ねないと解っていたとしても眉一つ動かさないとは!
可愛げが無さすぎるわよ!

鈴奈:
自分の為には絶対に戦わない争わない。それが貴女の矜持()? 

メイドとしては立派のようだけど、貴女を失って悲しむご主人様の凛空さんや剛史お兄ちゃん、そして大切な仲間達がどう思うか?を無視しているのはどうなのかしらね。

ロッテさんや悠里さんからの説明通りね。
まあすみれにとっては電脳空間だろうがこの物理空間だろうが現実としては変わらないんだから。行動が変わるわけないか…


注:矜持(この鈴奈が言ってる場合での意味)
メイドとして行うべき義務や自らの決め事としそれを守ることでプライドにしていることという意味として使ってます。 

鈴奈:
なら…悠里さんと同じ事をするしかないわね。

ジーンズの腰の隠しから小型のナイフを出す鈴奈

すみれ:
小梅!

小梅:
えっ!? 小梅?!

解説:
アイスを食べている時に遠くで話す鈴奈とすみれを見かけたので声をかけようと行こうとしたが、雰囲気がちょっと真面目な感じだったんでハンガーに隠れて様子を伺うことにしたが、あまりに深刻な話にそのまま動けなくなり隠れて聞いていた。

すみれも鈴奈も当然、小梅の存在に気づいていたが、あえて無視していた。


 
すみれ:
先輩ヤメテぇ!

SE:
ドンっ!(衝撃波を放ってナイフが飛ぶ)

すみれ:
!?(振り向きざまに刺さったブレードを抜く)

すみれ:
ブラスターワン! ドライブ!

注:
目と髪が一瞬で水色から紫に変わっています

SE:
ドンっ! 
衝撃波を放って飛ぶナイフを追って飛ぶすみれ

すみれ:
破っ!

SE:
バンっ!
(ナイフに追いつき空中で身体を捻ってそのままブレードを振り落とし真空衝撃波をつかってナイフを「叩き割る」)

小梅:
ひぃぃいっ!!

すみれ:
よくもうちのクラブで預かっている大切なメイドを!!

小梅:
すみれ…さん…?

すみれ:
本気で怒った!

SE:
ドンっ!

小梅:
ひゃぁっ!

すみれ:
先輩っ!

鈴奈:
これはちょっとマズイかな?

鈴奈:
ハイパードライブ! ダブルアクセル!

SE:
ひゅん! 鈴奈が居た場所を正確にすみれのブレードが横殴りされるが宙を切る

すみれ:
逃げるな!

SE:
シュン! 
一瞬で何かがすみれと鈴奈の間に入ったと思うとそこに穏海が立っている

SE:
カシンっ!

すみれ・鈴奈:
!!!

穏海:
両者そこまで! でないと二人とも斬り伏せますわよ!
 
穏海:
刀を置きなさい、首と胴体が離れますわよ!

すみれ:
穏海お姉さん…

鈴奈:
鈴奈が取られた?

穏海:
まず鈴奈さん、弊クラブは貴女達教導陣にすみれさん達の全て任せているのでこんな事は言いたくはありませんが気になったので意見を許してください。

鈴奈さんが後輩のすみれさんを本当に可愛く思っていて指導に熱が入るのは大変解ります。
しかし今は教導を行う正規の時間ですか? そして安全確保はできてますか? 指導方法が適正でしたか? 見直しをなさる事をご検討下さい。

鈴奈:
大変申し訳ございません。 今後このような失敗を繰り返さぬよう指導方法を改善いたします。

すみれ:
鈴奈先輩…

注:
鈴奈はハイパードライブを解いたのですぐに目が普通に戻っています。

穏海:
すぅ(息を吸っている)…すみれさん!(怒)

すみれ:
はぁいっ!

穏海:
わたくしはすみれさんとマリに新メイドの小梅さんをお任せしましたわよね? それを泣かせるとはどういうおつもりなんでしょうか?

すみれ:
はぁいい! 穏海副メイド長! 申し訳ございませんでした! 今後このような事がないようにちゃんといたします!

穏海:
寮の瑠奈さんとカチューシャさんへの三人がお世話になるご挨拶も済みましたし、今回の件の罰は久美さんに任せてわたくしはお兄様の元にもどりますわ。

久美:
はい…穏海さん…。今夜は鈴奈ちゃんとお話もしたいし鈴奈ちゃんのお部屋に泊まる事にします。

穏海:
解りましたわ。でわ朝お迎えにまいりますわ。

鈴奈:
く‥久美さん!! ひぃ!ひぃっ(引き付けを起こしている)! 

穏海:
二人とも久美さんにたっぷり罰を受けると良いですわ。

小梅:
先輩達! 喧嘩はしないで下さい!

真理愛:
くま太がすみれが大変だからって、そのあとパタット動かなくなくちゃって! あれ? すみれ、髪と目の色が変わって? ねえすみれ!ちょっと聞いてる?

すみれ:
ひぃっひぃっ!ひぃっ!ひぃ…!(恐怖でひきつけを起こしてる)

久美:
鈴奈ちゃん、すみれちゃん…わたし…とても哀しいです…
前にも…二人に仲間のメイド同士、喧嘩はダメって…久美…注意しましたよね…?

鈴奈:
はぁ…はぁ…はぁいいぃっ…

すみれ:
久美さん! こっこれは…その…先輩と喧嘩していたのでは無くてですね! 
そう! 訓練の一環でしてぇ!! それでぇちょっと熱が入りすぎちゃてですね!!

鈴奈:
ひぃひぃぃ(恐怖で過呼吸になっている)…すみれ! 諦めよう…もうだめよ…

すみれ:
先輩! 諦めたらそこで試合終了ですよ! ここは言い逃れを!

鈴奈:
すみれだって恐怖で動揺しすぎてハイパーメイド用の電脳通信じゃなくて声に出てるじゃない! 

すみれ:
うわぁ! 本当だ! あぁ…その…スイマセンスイマセンスイマセン!

小梅:
こんな時になんですけど、何故すみれさんは鈴奈さんだけ先輩って呼ぶんですか? 他の先輩達は全員さん付けかお姉ちゃん、お姉さんなのに。 あー凛空さんは凛空様か…これはすみれさんのご主人様だから例外だけど。

真理愛:
たぶんすみれの事だから理由があるだろうけど、それにあのすみれがその先輩と喧嘩? 前にも? えぇぇ…それに恐れ知らずのあのすみれがあんだけの怖がるって…? 何?

久美:
そういう嘘…お姉さん嫌いだな…
ルナティックイリュージョンドライブ

すみれ:
ぎゃあああああああああああああああああああぁぁ!!(絶叫悲鳴)

鈴奈:
うわぁああがやあぁあ! 虫はいやぁあ! ぎゃああダメ!!ぎゃああぁぐわああああああ!!!(絶叫悲鳴)

小梅:
ひぃぃぃっ! お二人が苦しんでる? なんで?

真理愛:
どうなってるの?

解説:
ルナティックイリュージョン。 特定の指向性が高い信号を生成し発信し、脳共鳴により特定のイメージを幻影体験として送り込める久美のレアスキル。 

今回は虫姦されるイメージを久美の中で生成しそれをすみれと鈴奈に共有させた。
当然送り込む側もその幻影を作り出す時点でそれを「体験」することになるが…久美が耐えらるものは送り込めるともいえる。

小梅:
ひぃぃぃ! お二人が白目向いて泡ふいて…失禁して気絶???

久美:
ふぅ…二人の後始末は任せていいですか? わたし鈴奈ちゃんのお部屋で待たせてもらいます。

真理愛:
はい! 久美さん! わかりました!(やはりEmpire Clubのメイド長…怖い…)
ドロシー! 今すぐ来てお願い! 超緊急事態! 小梅! 二人の着替えいや風呂もいれないといけないから! しずると朋絵さんとルフィナさんも呼んできて! あとあと!うわー!(大混乱)

くま太だいじょうぶ? 治ったんだ! よかった! うん…でも今はすみれに近寄らない方がいいよ。

小梅:
はいっ! いま用意してきます! あれ? すみれさんの髪の色と目の色が治ってる? 
 
春海:
旦那様、ハンガーの前!

源三:
楓達じゃないか出迎えか嬉しいな!

里穂:
日本観光くるのに戦闘機と軍用輸送機ですか…スケールが違うわね栗田家って

千秋:
それが普通に思えてる私がいて自分でドンビキしてる。

紅葉:
手振ってますが…春海、随分と明かるくなったというかハッチャケていると申しますか…楽しいそうですわね…

楓:
まさにバカップルだな!


里緒菜:
ねえお姉ちゃんのお義父(とうさま)様、お義母(かあさま)様ってことは、里緒菜にとっても親戚になるわけだよね…

沙織:
そうだけど。

里緒菜:
‥‥ちょっと…いやかなり引くだけど…

沙織:
それいったら紅葉さんは瑠莉さんの戸籍上は養子扱いだし、詩織さんと貴女は正式な妾になってるだから、ダブルの意味で親戚でしょ? どっぷり家族よ。

里緒菜:
えぇ…勘弁してほしい。

悠里:
元帥閣下が自らが戦闘機を夫婦で操縦して南アフリカから飛んでくるとか…何かあったらどうするんですか‥輸送機の護衛機が元帥閣下ご夫婦…眩暈がしますわ…

SE:
うぃ~ん!(輸送機のハッチが開く音)

源三:
ミリタリアの中央本部がケープタウンにうつるだろ? それに合わせて別荘を買ってな。少しの間、本部が落ち着くまで陸で暮らすことになった。

春海:
沙織さん、そこで一緒に暮らしません? 千秋さんも是非一緒に!

沙織:
えぇ…。一緒にですか?

源三:
楓、オマエは仕事あるから来なくていいぞ。

楓:
行くか! あと沙織に気安く触るな!

源三:
紅葉も今忙しい時だしな、無理強いもできないか。 そうだ里緒菜くん、詩織と一緒に遊び来てほしい、大きいプールもあるし観光にも便利な場所だ案内するぞ! 一か月くらいゆっくり滞在して過ごせばいい!

千秋:
あのわたしまだ学園もありますし

里緒菜:
ケープタウンって南アフリカですよね…? どれくらい距離あったけ?

紅葉:
直線距離で1万5千kmはございます。

里緒菜:
地球半分弱の距離か…戦闘機の免許がいるかな…

源三:
里穂くんどうだ良い機体だろ形はF18だが中身は最新式だF18X8という。

里穂:
はいっ! とても良さそうな機体だと思って拝見しておりました。

源三:
里穂特務中尉、この機体はキミとロッテ中尉へのオレからの昇進祝だ

里穂:
はぁっ? 昇進で…ありますか?

源三:
こないだの海上部隊への支援攻撃任務見事だったぞ。 あとでちゃんとした辞令を渡すからロッテくんと執務室へきてくれ。

里穂:
諒解いたしましました! 里穂特務少尉、ロッテ少尉共に後ほど執務室へ出頭いたします! 

Drフィッツジェラルド:
ふぅ…生身で来るのは初めてですわね。 まぶしいですわ!

悠里:
ドクター! タラップを降りるときは下をちゃんと見て下さいませ!
踏み外したら怪我いたしますわよ!

それにお付きはどうしたのです?

Drフィッツジェラルド:
あら悠里、出迎えありがとう。 それでお付きって? この飛行機の操縦は栗田の軍人さんがしてくれましたが…

悠里:
そうではなくて!身の回りの世話をする! もう! あのですね!

沙織:
あれ? フランソア? えっなんで…あれ?

春海:
フランソア一世。 沙織さんの親友のフランソアさん、フランソア二世のお母さんよ

楓:
なるほど、厚木に下りずここへ直接来た理由はアレか。 どうりで親父が直接護衛してくるわけだな。

千秋:
フランソアさんのお母様…

里緒菜:
フランソアさんにそっくり…

紅葉:
たしかに今のフランソアも成長してお母様にずいぶんと似てきましたわね。

幸喜:
月美さん、お疲れなのは解ってるがそろそろ起きた方が…

月美:
うぅ~んもう退出時間…?

幸喜:
まだ時間はあるが、シャワーとか浴びた方がいいかと思って…起こしたんだ

月美:
はい、月美さんはとてもとても疲れてますし寝不足です。 寝る前に二度もしたはずなのに、朝の4時になんか襲われて、ゴムもなくて月美の身体にかけれてベトベトのまま寝ました。ですからシャワー浴びないといけませんね。 たしかに

幸喜:
…スマン…

月美:
お兄ちゃんなんで早朝になると突然エッチになるの?

幸喜:
うぅ~んなんていうか生理的なリズムと…ふいに目が覚めて月美さんが寝ている姿を見るととても愛おしく見えまして…その…

月美:
熟睡してるところを突然、起こさて激しくされる女の子の気持ちわかるかな?

幸喜:
…あの月美さんコーヒーでも飲みますか?

月美:
ミルクと砂糖たっぷりいれて…

幸喜:
今ご用意いたします。

月美:
なんでラブホテル出た後の太陽の眩しさって後ろめたい気持ちになるの…
それで朝ごはんはいつもの喫茶店でモーニングだよね?

幸喜:
そのつもりだけど?

月美:
ご飯食べてもお昼までには時間あるよね? 制服着替えてきたいんだ。さすがにこのまま病院にいくと…お泊りしましたって感じになるから恥ずかしいし…あと郁恵達にもその空いてたらだけど一緒に‥梨音ちゃんの所に

幸喜:
それなんだが、郁恵さんと愛里栖さん美里さんは直接病院に向かってもらっていて、月美の着替えの服をもっていってもらってる。

月美:
だから! 郁恵達に見られるのがそもそも恥ずかしいから…まあもうシテるって解ってはいるだろうだけど…その…あう。 美里ちゃんまで…

幸喜:
郁恵さん達はそんなこと気にしないと思うぞ?

月美:
わたしが気にするの! それに絶対に冷やかされるだから!

幸喜:
お連れしたよ。

郁恵:
幸喜様、ありがとうございます。

愛里栖:
歓談室は個室をご用意してあります。

月美:
ちょっとなんでメイド服なの? それにいつものメイド服じゃないし…えっ?
美里ちゃんもなんでメイド服?

幸喜:
美里さん瑠莉さんから話は聞いている。彼女の事どうか支えてやってくれ

美里:
はい…でもまさかメイド服まで用意されていて…サイズとかもぴったりだし…最初からそのつもりで…Forestって怖すぎです…。

幸喜:
それでメイド長は?

郁恵:
メイド長~♪

月美:
えっ? 久美さんも来るですか?

愛里栖:
うふ♪

美里:
うわ…本当に何も聞いてないんだ…先輩可哀そう…

アリエル:
お久しぶりでございます♪

月美:
本当にお久しぶりですアリエルさん…あれ? 

郁恵:
本当だアリエルさんは覚えてるんだ

愛里栖:
エリシアも覚えてたっていってたし

幸喜:
アリエルメイド長、後は任していいかな? 梨音の所に行ってくる。

アリエル:
わかりましたわ。なにかありましたら電脳通信でお願いいたします。

幸喜:
解った。

美里:
丸投げですか‥‥このメンバーだと美里が突っ込み役…

幸喜:
後はキミのメイド達から話を聞いて。 そしてどうするか相談をして決めるんだいいね?どんな風に決めてもオレはキミの事を支えるから。

月美:
私のメイド達…?

幸喜:
そうだキミのメイドだ。 梨音の所に行ってくる。

月美:
はい…

鈴奈:
そのまろんちゃんって子も後で来るんですね、大人しい子なら鈴奈も仲良くなれそうです!

久美:
そうねー鈴奈ちゃんとなら確かに波長があうかも!

鈴奈:
楽しみです♪

しずる:
何ですかあのお姉さまは!

花恋:
何ですかと言われてもクラブでの普通の鈴奈さんじゃない? まあ花恋達の前より「ちょっと」は猫かぶってるけど…可愛いと思うけど?

ドロシー:
変わりすぎです! さすがのわたしでも引くんですが…

花恋:
そうかな…?

エリシア:
花恋も猫かぶりは大概だしね…

くま太:
ピガーピピピっ!

ぴよ吉:
ピヨヨ。

にゃん太:
ニャンニャニャニャ!

うさ子:
ぴょんぴょよ!

くま太:
ピガァアアアア!

めぐ:
ねえエリシア、くま太達何やってるの? 話し合ってるみたいだけど…

エリシア:
電脳通信のIDの交換会とくま太の議題に対してみんなが意見を言ってる感じ。会議だね。あと4匹用のグループチャット作って、チームスケジューラーやタスクリスト、アドレス帳の共有化とか…それでチームリーダーはくま太、副リーダーがにゃん太になったみたい。

めぐ:
うわしっかりしてるぅ! 組織化完璧!

エリシア:
そういうが大事なのはメイドでもAIでも同じ

真理愛:
すみれそろそろ時間だからシッカリしなさいよ

すみれ:
失禁した服と下着を後輩に脱がしてもらって洗ってもらったとか…すみれもう生きていけない‥(ブツブツ)…お願い…コロシテ…

レイラ:
すみれ何かあったのか?

由奈:
昨晩は寮の方は大変だったらしいですわよ。詳しく聞いておりませんが。

解説:
めぐ・由奈・レイラは屋敷の方のメイド宿舎に部屋がありそこから通っている
ルフィナは永遠の部屋に住んではいるが、永遠が外出しがちなので寮に自分の
部屋を用意してもらって永遠が居ないときは寮で生活している感じ)

小梅:
失礼いたします! 

ビシっ!(敬礼)

先輩方お迎えの車が来ております! 

お外へお願いします!

すみれ:
こ…古都崎すみれ特別訓練生!

真理愛:
並びに 上原真理愛少尉 出頭いたしました。

すみれ:
うわぁあ! あの時の兵隊のオジサン!

源三:
久振りだな! 大きくなったな! 元気か?

すみれ:
はいっ! 元気になりました! 大丈夫です! そうだ! あのときの
飴のお礼ちゃんと言ってなかったんで…あの! ありがとうございました!

源三:
どうしたしまして。 すみれちゃんもミリタリアに入ったんだってな!これからは戦友だな!

すみえ:
はい! オジサン! 力あるものが弱き人を救うそれが力ある者の務めだと、オジサンに言われたことを忘れてません! ですからすみれみたいな小さい力でもメイドが一人でも救いだせたらと思って、あと今のすみれのご主人様や西園寺先生、今はお兄ちゃんっていってるですけど、すみれが所属するお兄ちゃんのクラブ、すみれの大切な人たちを戦っても守りたいと思って!

源三:
そっか、これからも大変なことが多いかもしれんが諦めなければかならず良い結果になるがんばるんだぞ。

すみれ:
はい! がんばります!

真理愛:
すみれ…その‥オジサンって…あの‥

すみれ:
えっと真理愛! このオジサンがすみれが救助されたときにすみれが輸送機で泣いてたら飴をくれて! 元気つけてくれて! えっとね! そのあとお兄ちゃん、西園寺先生にお願いしますって頼んでくれて! えっと! とってもかっこ良くて! すみれの命のお恩人なの! あと! 横須賀の病院にも時々会いにきてくれて! あの! オジサン、この子が真理愛って言ってすみれの親友です!

源三:
おおー親友ができたんだな良かったな! 真理愛くんすみれちゃんと仲良くなってくれてありがとうな!

真理愛:
はい…恐縮であります。 あの元帥閣下、日本にお越しなられてたんですか? 軍報(軍の報道)では中央司令部の移動関係で南アフリカで指揮をお執りになっているのでは…あっすいません軍機でしたら…

源三:
先ほど日本についたんだ。 アチラで指揮を執っていることになっているが、まあそういうことだ。 一応軍機ではあるので他言は無用にな。

真理愛:
諒解いたしました!

すみれ:
元帥閣下? えっ? オジサンだって飛行機とか操縦してヴェルさんに命令されて荷物とか運んでて怒られてたり…えっ…

瑠莉:
すみれ…この人は私の上官で紅葉のお父様である栗田源三元帥閣下だ。 今回、キミが隊長に就任する新機動部隊 ロンゴミニアドの後見人になって下さる。

すみれ:
‥‥

すみれ:
オジサンが元帥閣下! えぇぇぇ

源三:
すみれちゃんを救助したときは大将だったんだが‥昇進してな! あははっ!

すみれ:
大将閣下!

真理愛:
すみれが壊れた…


源三:
中将、すみれ特別訓練生の昇進については私から言い渡していいかな?

瑠莉:
お任せいたします。

源三:
トルコ反政府武装勢力の電脳空間での情報収集による組織の全容解明、武器供給ルートの解明。そのルートの情報工作による現地部隊への支援見事であった。

すみれ:
悠里特務中佐からとロッテ教官の指示による実地教練の一つとしてやっただけなので…少しでもお役にたっていれば…

源三:
この功績により少尉に昇進となっていたが、特別訓練期間中のため保留となっていた。

すみれ:
はぁ…そうなんですか…

源三:
さらに武装勢力の資金源となっていた麻薬密売ルートを特定、国際刑事機構と協力してのルート壊滅の支援見事であった。

これについても同様で昇進となっていたが特別訓練期間中の為に保留と

真理愛:
(小声)すみれそんなこともやってたの?

すみれ:
(小声)うん、帳簿から洗って気になって、ヴェルさんと悠里さんに許可もらってやっていいって、実行部隊は悠里さんが手配してくれて…うまくいった。あくまで研修のついで

源三:
さらに密売シンジケートが使っていたマネーロンダリング口座よりそれに関わっていた多数の新興マフィアの特定とその資金の流れの情報提供。国際刑事機構より感謝状がとどいている。

真理愛:
アンタさ何その芋づる式に手出しているのよ!

すみれ:
ほら一度気になると調べたくなるっていうか…凝ってしまうというか…でも一応悠里さんとヴェルさんとロッテさんには許可もらったし…

源三:
これについても昇進案件だが…以下同文だ!

源三:
訓練期間が終了したので以上の功績により保留となっていた昇進を行い、特務中尉への昇進を言い渡す。

さらに昨日、花恋少尉、エリシア訓練生とともに、瑠莉中将が乗った機体の大破を防いだとのことで勲章の授与を中将より具申されているが…

すみれ:
勲章については謹んで辞退いたします…

源三:
そうか残念だ。次回の昇進の査定に追加することにしよう! しかし瑠莉中将鼻高々だな!

瑠莉:
はい鼻高々でございます! すばらしい活躍であります!

真理愛:
なにが昇進する理由がないから辞退を直談判するとか…何この功績。 派手すぎ。

すみれ:
うぅ……

瑠莉:
すみれ特別訓練生改め、すみれ特務中尉! 真理愛少尉! 君たちに新機動部隊ロンゴミニアドの隊長と副隊長を命じる! 

源三:
すみれちゃん、真理愛くん、活躍を期待しているぞ!

すみれ:
浅学菲才()の身ですが…

真理愛:
全力を尽くさせていただきます!


注:浅学菲才(せんがくひさい)
学識が浅く才能に乏しいこと。 学問や知識が未熟であること。 自分の才能や能力を謙遜していう場合に使われる

すみれ:
何でこんなことに…

真理愛:
心配しない! みんながついてるって!すみれ隊長さん!

すみれ:
うぅ…

美里:
先輩方!お待たせしました!
ご主人様の御召替えが完了しました!

月美:
どうかな…?

愛里栖:
40点 孫にも衣装にもなってないね

郁恵:
う~ん気品がね…足りないかな

アリエル:
とても初々しくて可愛らしいですわ♪

愛里栖:
なるほどアリエルさん解りました、着せられてる感が出まくってると!

月美:
ちょっと! あなた達がもってきた服着てなんでそこまでボロクソに言われなくちゃいけないのよ!

美里:
先輩達…メイドとご主人様になっても辛辣さは変えないんですね。

月美:
みんな何飲む?

美里:
あの美里が…

月美:
美里ちゃん座ってて!

郁恵:
コーヒーのアイス!

愛里栖:
私も郁恵と同じでいいや

アリエル:
わたくしに押させて下さいませ!

月美:
でしたらアリエルさんボタン押して下さい私が運びますので! 美里ちゃんは?

美里:
でわホットの紅茶で…
(えーご主人様が給仕するの…?)

アリエル:
でわ!第一回新デルポール家メイド長会議を開催いたしますわ。梨音さんの手術前の午後の面会許可時間の都合もございます。サクッと終わらせたいと思いますのでご協力をお願いいたしますわ。

愛里栖:
やっとここまで来た…長い道のりだったわ。

郁恵:
アンタ殆ど何もしてないでしょ! 郁恵もだけど準備はぜーんぶアリエルさんがやってくれたじゃない!

月美:
アリエルさんその前に、郁恵、愛里栖、美里ちゃん、そしてアリエルさん、梨音ちゃんの手術前のお見舞いに来てくれてありがとうね。

美里:
手術前だから梨音きっと不安でいっぱいだと思うし。

月美:
あの! アリエルさん、間違えてたらゴメンなさい。聞いていると思いますが私は昔大怪我をしましてその時に記憶の一部が無くなってしまったんです。 

私、アリエルさんと妹さんのエリシアと仲が良かったのは覚えてるんですけど、その時の記憶がわたし今はなくて…
仲良かったですよね? アリエルさんの事をお姉さんのように私、思ってたのは解るんです。

アリエル:
はい。月美さん、わたくしはルゥナさんと呼んでおりましたが貴女のことを妹のエリシアと同じように妹のように大切に思っておりました。

月美:
やっぱり…保護施設で私が大けがする前は一緒に暮らしていたんですね。

美里:
(そういう記憶処理になってるんだ…)

アリエル:
月美さん。月美さんは本当はルゥナ・デルポールという名であること、デルポール家の当主であることは説明を受けたましたわよね?

月美:
はい…実感はないですが…

アリエル:
そうだと思います。 でわこう考えてみましょう。 今、あなたは長い夢を見ています。その長い夢の中で貴女はエンパイアクラブWhityGardenで宮坂月美というただの普通のメイドとして、同じメイドで親友の郁恵さん、愛里栖さんと大変かもしれないど幸せに暮らしている。

月美:
夢…

アリエル:
ルゥナ・デルポールという女の子はとても過酷な運命を背負わされた子です。彼女はご主人様としてお付の二人のメイドと一緒に幼い時からその運命に立ち向かっていました。

アリエル:
しかしある事態が起きて…彼女は夢をみる機会ができました。 しかしその夢も目覚める時期が来てしまった。 二人のメイドは悩んでいる…だってご主人様が目覚めたらご主人様は戻ってくるがそのご主人様はまた過酷な運命に立ち向かわなければならないから。

アリエル:
でも一つ、二人のお付のメイドと夢の中で過ごし続ける方法があります。 その過酷な運命をフランソア・フィツジェラルド・櫻糀。 あなたも知るあのフランソアさんに、押し付けて、貴女はただのメイドとして、お付のメイドと共に夢の中で過ごし続ける。

月美:
フランソアさんに? 押し付ける? そんな…今だってあんだけ大変なのに…

アリエル:
でもそうすれば、貴女だけではなくお付きのメイド二人もその過酷な運命にもう立ち向かわずにすみ、夢の中で幸せに暮らせます。 夢を現実にすり替えてしまう。

月美:
私の運命だけじゃなく…メイドの運命も…私が決める?

アリエル:
そう。それがマスター、主(あるじ)、ご主人様という者です。 

アリエル:
決めるのは貴女です。

夢の中にいる。 マスター、ルゥナ・デルポール。 
 
月美:
メイドの運命をご主人様が勝手に決める? アリエルさんそれは違うと思います!(怒)

アリエル:
でわ誰が決めるのですか?

月美:
決めるのはメイドも含めて協議します! その上で責任はご主人様が取る! 私のご主人様の保坂良二様も、Forestの瑠莉オーナーもGreenWoodsの剛史お兄ちゃん…オーナーもそうですし、私の親友のすみれのご主人様の凛空さん、親友の真理愛のご主人様の穏海さんもそうしてます。 

さらにメイドとご主人様である私の運命なら、それをフランソアさんに押し付けるなど言語道断です! 

私達がやるべきはどうやったらその試練を協力して克服できるのか? 私達だけで力不足であるなら、その時はフランソアさんやエンパイアクラブのオーナーやメイドの仲間達に頭を下げ力を請うべきではないかと私は思います。

美里:
ご主人様だ…先輩カッコイイです!

月美:
と…そんな感じの事を前に久美さんと麗奈さんとクリスメイド秘書にうちの良二ご主人様がボコボコに怒られてまして…わたしも報告で執務室にいてさ、出るに出られず大変だったんだよ。 

だから受け売りなんだけど…わたしもご主人様とメイドって主従関係だけど支え会う仲間だとおもってるし、わたしはご主人様をご主人様って呼んでるけど、久美さんも麗奈さんも良くんとか良二だし、そこに鈴奈さんや絵美香お姉さん、クリスメイド秘書、夢愛部長、執行部のみんなが先頭に立って引張って! でもメイドみんなが協力して進んでいく感じだし

美里:
本当に良いクラブですね。

月美:
うん!

月美:
昨日、デルポール家の説明を少しだけ受けたの。でも紅葉さんやヴェルさんがコトバを濁すくらいの内容で大変な事だということしかわからない。 でもね過去の私が郁恵や愛里栖と挑んでいたなら今の私でもできるとは言わない。だから各オーナー達や今いる私達のトモダチに頭を下げて力をかしてもらって…みんなでなら…かならずどうにかできると思うの。 

わたしこういうご主人様じゃなかったかもしれない。 

記憶がもどっても今の宮坂月美の私が消えて無くなるわけじゃない もとのルゥナ・デルポールご主人様には絶対なれないと思う。
 
もしご主人様になれてもトモダチとして一緒にいつも歩むルゥナにしかなれないと思う。

たぶんご主人様をずっとまっていてくれていた郁恵と愛里栖には本当に申し訳ないと思う。

郁恵、愛里栖、本当にごめんなさい。

愛里栖:
黙って聞いてれば言いたい放題だよね…どう思いますか郁恵さん。

郁恵:
もともとそれができていれば、こんな事にもならなかったわけで。
どの口が言うんだか…そう思いませんアリエルさん。

アリエル:
ルゥナさんも見本になる多くの方々と接し成長されたのです。 許してあげてくださいませんか。

郁恵:
許すもなにも もとからトモダチだし

愛里栖:
これからもトモダチだしね

月美:
ねえどういうこと?

愛里栖:
まあアリエル姉さんは一緒にやってもらうとして
こんな感じのご主人様と私達だけど良かったら美里も一緒にやってくれる?

美里:
是非一緒にやらせてください!

アリエル:
わたくしには選択権はありませんの?

郁恵:
ありません。お姉さん役としてエリシアと花恋も含めて最後まで面倒みてもらいます!

郁恵:
今夜、月美が記憶が戻ってルゥナに戻った時…

愛里栖:
さっきの言葉でもんどりうってアリエル姉さんと愛里栖と郁恵に土下座をする事決定!

アリエル:
楽しみですわ~♪ 今夜はここで皆様でお泊りできるのでお布団もありますし

月美:
ええ…ぇぇ…

美里:
やっぱり美里がツッコミ役…

月美:
あのアリエルさんはもともとルゥナの時の私と親しかったからお世話になるのはわかるだけど、美里ちゃんは梨音ちゃんのトモダチで…

美里:
あの実は郁恵お姉様と愛里栖お姉さまがシスターに‥美里をして下さったんです。 ずっとお二人のこと美里憧れてて…瑠莉ご主人様にもちゃんと許可いただいてます。仮マスター登録だったんで。お姉さまたちがルゥナご主人様のメイドにもどるなら美里も一緒に本マスター登録でメイドとしてどうかお願いします! ふぅ‥ちゃんと言えた…

月美:
はぁ郁恵と愛里栖のシスター…そう…よかったね…そうシスターか。
二人の事やっぱり好きだったんだ。 瑠莉オーナーの許可がでてるなら…はい。こちらこそよろしくお願いします。

美里:
気付いてました? やっぱり

月美:
うんいつも二人のこと聞いてたし‥ なんとなくね。良かったね受けいれてもらえて

美里:
はい。。

アリエル:
ちょっと早いですが梨音さんお昼は手術前なので食事制限がありますので、わたくし達は食べてから病室にまいりましょう。 そのころには午前中の検査も終わるころだと思いますので。

月美:
そっか食事制限か

愛里栖:
梨音ちゃんの分まで食べないとね美里♪

美里:
それじゃ美里が太っちゃいますよ~♪


SE:
ガチャ♪

小梅:
ご苦労様です!

すみれ:
なんでこんな事に…

真理愛:
ほらシャキトする

すみれ:
うわあぁあ!ピヨ吉! エリシア! なんでいるの? 

エリシア:
今朝からいたけど? 先月イギリスから日本にもどったの

すみれ:
なんで言わないの…会いたかったのに

ぴよ吉:
ピヨぉぉぉ!

真理愛:
やっぱりぴよ吉だったんだ! 
すみれが反応しないから同じボディのドローンだと

ぴよ吉
ピヨぉぉん! ピヨぉ!

真理愛:
ゴメンってだってみんなと真剣な会議してたみたいで話しかけづらかったし

ぴよ吉:
ぴよぉぉ!

花恋:
なんでぴよ吉と真理愛も話せるの? すみれは防壁抜けるだろうけど…でも抜かれてないよね…

真理愛:
ということはピヨ吉のマスターがエリシアさん?

すみれ:
エリシアはぴよ吉のマスターのメイドなの

真理愛:
なるほど! ぴよ吉を渡してもらったすみれのトモダチになった子ね

すみれ:
それでぴよ吉のマスターはどこ?

ぴよ吉:
ピヨぉ!

花恋:
はい…一応ぴよ吉のマスターをやらせていただいてます花恋です

すみれ:
えっ? 花恋が?

真理愛:
really?(本当?・マジ?)

ぴよ吉:
ピヨっ~

エリシア:
マジです

花恋:
それよりなんで、エリシアを知っていてぴよ吉と話せるの? 

小梅:
これはぴよ吉さんのN・T・Rの予感!

うさ子:
ぴょん!

花恋:
小梅ちゃん、うさ子、それは絶対ないから。

すみれ:
すみれがボディーの中身の設計・製作者・制御プログラム担当です、ぬいぐるみの部分は購入は剛史お兄ちゃん

真理愛:
マリが名づけ親とぬいぐるみボディーの裁縫ならびにコーティング作業担当、ちなみにコテーティングはめぐも手伝ってるわよ

エリシア:
えっくま太がすみれに依頼を!ぴよ吉に依頼されて…はぁ。同時にボディーは作られた? くま太とぴよ吉は兄弟!

すみれ:
くま太のボディーは剛史お兄ちゃんがもともとは真理愛にあげたぬいぐるみなんだけど、すみれにくれた感じ?

ぴよ吉は完成後、ぴよ吉に頼まれてエリシアからぴよ吉のマスターである花恋に渡してもらったの。

花恋:
‥‥‥あっ! あの病院でのぴよ吉を渡してくれた女の子…エリシアだったんだ。

小梅:
子種がくま太さんとうちのお兄ちゃんで、母親がすみれさんと真理愛さん。生まれたのがぴよ吉さん! 孕ませ?

うさ子:
ぴよおおおんん!

花恋:
小梅ちゃん、うさ子、あってるようであってないからねそれ。

真理愛:
えっとマリとすみれが休みの間に昨日付けでうちの部隊に出向になっているんだ、花恋とエリシア。 それで夜はWhityGardenに戻ったんだね。外出届が出てる、朝こちらのクラブの寮へもどってきたと記録にあるね

すみれ:
まって、エリシアがここに居て花恋がぴよ吉のマスターなら…
まさかと思うけどこのForestにぴよ吉の本体があるとか?

エリシア:
うんある。 そして花恋には昨日見せた。

花恋:
なんで…すみれがアレを知ってるの?

すみれ:
ということはくま太の本体も…

エリシア:
当然あるよ。

真理愛:
それって最初にすみれに説明されたくま太とぴよ吉のAIのこと? カラダが壊れちゃったっていう。

エリシア:
今は完全に治ってるけどね…

真理愛:
そう治ったんだ良かったね

くま太:
ピガァ~!

真理愛:
くま太抱っこ? よしよし! すりすり♪

エリシア:
なるほどすみれ一人では勝てなかったからもう一人乗せることを学習したのか…

すみれ:
くま太、あなた最初から真理愛を制御ユニットにするつもりで…

小梅:
ねえ先輩、小梅、頭良くないから何すみれさんとエリシアさんが話してるのか意味わからないんですけど…

花恋:
うーん花恋も良くわからない。

うさ子:
ぴょん!

小梅:
うさ子、頭悪いなら黙ってろって、それは無いとおもうよ

花恋:
ねえ小梅ちゃん、うさ子って可愛いんだけど変な威圧感ない?

小梅:
そうですか?

すみれ:
まさかこの部隊って…

エリシア:
さあすみれ隊長、くま太の本体に案内するからこのメイド5人と4匹で行こう。許可は貰ってある。

真理愛:
くま太のAIの本体か楽しみ~♪

すみれ:
真理愛…

Drフィッツジェラルド(以後Dr):
はい♪

久遠:
げっ!

小梅:
白ですね

エリシア・花恋
白だね…

真理愛:
なに…これ…

すみれ:
アーマーメイド。 偏向電離リフレクターリアクターを搭載した機動兵器。 巨人兵器、最大の特徴はリフレクトアーマーというバリアを作動させている間は熱核反応兵器を含むあらゆる他の兵器を無効化する点。 アーマーメイドにはアーマーメイドしか対抗手段がない所。

花恋:
普通はこういう反応だよね

エリシア:
でも花恋すぐ動じなくなったね

花恋:
まあこれでもForest所属のメイドだし、順応性は高くないとここではメイドできないし。

エリシア:
それって昨日のルゥナ…月美との

花恋:
あれは差別!

久遠:
ドクターお客様ですよ!
(パッとチェス盤が消える)

Dr:
久遠酷いですわ、わたくしが勝ってましたのに!

エリシア:
ドクター連れてきたよ

小梅:
あっ!先生だ!

エリシア:
えっ?

花恋:
フランソアさんお疲れさまです!昨日はちょっとびっくりましたけど!

真理愛・すみれ:
フランソアさん?

花恋:
総務部のメイド服?

久遠:
うんドクターが居る間は総務部にもどってドクター付きのただのメイドさんに戻る事になったの! でも久々にこの服きたら身長の伸びた分…丈が短くて…
サイズ大きいの美奈部長に手配してもらってる

花恋:
その服で外行かない方がいいですよ、さっきパンツ見えてました

久遠:
やっぱり? うっ恥ずかしい…

花恋:
それでドクターって?

Dr:
エリシアご苦労さまですわ♪

エリシア:
はい…

小梅:
ねえ先生いつ日本に来たの?

Dr:
今朝よ。小梅元気そうね、うさ子も元気?

うさ子:
ぴょん!

Dr:
そう。剛史は良くしてくれてる?

小梅:
うん! お兄ちゃん優しいしお姉さん達みんな優しいよ

エリシア:
小梅…この人知ってるの?

小梅:
うん! 先生は小梅の保護者? だっけ?

Dr:
そうですわ保護者です♪

エリシア:
そういうことはドクター伝えてくれないと!

Dr:
あれ言いませんでしたっけ?

エリシア:
聞いてません!

すみれ:
…ねえエリシア。
「コレ」Drフィッツジェラルドの「本体」で間違い無いよね?

真理愛:
すみれ…?

エリシア:
そう「今の本体」 まさかすみれまでドクターに会ったことあるとか?
もう勘弁してよドクター!

すみれ:
ありがとう…じゃあ…コロスね… ブラスタースリー!ドライブ!

SE:
どんっ!
(すみれが左手を横に払うと自分より後ろとの間に空気障壁ができる)

エリシア:
えっ?

自分をクッションにしてエリシアをかばうぴよ吉

Dr:
みんな離れて!

Drは右手で小梅を庇っている。同時に空中に半分浮きながらも小梅の顔を庇ううさ子

真理愛:
すみれ!

ポタっと力なく落ちるくま太

花恋:
何よいったい!

無意識のうちにスカートの隠しスリットから太もものホルスターの銃を右手で抜く

久遠:
!!

 
小梅:
先生!

エリシア:
ドクター!

律子:
すみれさん、少し見ないうちにヤンチャになりましたわね!

小梅:
立巻ロール!?

エリシア:
白銀のコンバットスーツ?! 誰?

Drフィッツジェラルド(以下Dr):
娘の代役はこのカラダでは命が幾つあっても足りませんわね!

花恋:
律子様?

久遠:
大体フランソアじゃないだから、ご自分が餌になるとか‥

真理愛:
すみれ何で…

律子:
フランソアのお母様、わたくしの後ろへ!

Dr:
はい律子さん!

SE:
ひゅん!

エステル:
はい捕まえましたわぁ♪

すみれ:
!?!!

律子:
お見事です♪

小梅:
えっ速すぎて見えなかった!

Dr:
エステル相変わらず楽しそうですわね…。

エリシア:
エステル総裁?!

Dr:
里緒菜さん! 意識から逃げ込む前に!

エステル:
お願いいたしますわ!

里緒菜:
はいはい!任せて下さい! すみれちゃん! ちょっとお姉さんの方見てね!

里緒菜:
ブレインリンケージ!ドライブ!

里緒菜:
捕まえた!

Dr:
何処ですの!?

里緒菜:
イーリス人工電脳内、過去記憶データバンク内に繋がってます! ライン維持完了!
もって10秒! 紅葉!

Dr:
やはりイーリスの中に隠れて遠隔で侵入をしていたわね!
フランソアが最初に接触したときに枝を張られたのかしら

エリシア:
すみれの脳を経由してダイブラインを構築してるの?

紅葉:
10秒あれば十分ですわよ! SQUID(スキッド)フルドライブですの!
人工電脳障壁突破ですわ! 悠里さん!

悠里:
すみれさんばかりに活躍されては先輩としての立場がありますのよ!
ブラスターオーバードライブ遠隔操作プログラムシステム全領域掌握完了ですの!

凛空さん!

紅葉:
お願しますわ!

凛空:
演算衛星全リミッター解除…スプロール内全域サーチ開始…発信元…特定
Ἑκατόγχειρ=ヘカトンケイル ライン…


凛空:
…カット…ブロック…完了

悠里:
遠隔介入システム解除!

紅葉:
成功ですわ!
 
里緒菜:
血圧脈拍ともに低下、呼吸浅し、ドラックスタビライザー稼働兆候なし

真理愛:
すみれしっかりして!

エリシア:
何…

パット手でDrフィッツジェラルド(以下Dr)が遮る、同時に久遠がエリシアの肩を叩く。

エリシア:
はい…

Dr:
ミストレス瑠莉、貴女のオペ室をお借りするわ。そちらにはクレアと夏帆がいますのね?わかりました、ドロシーとエミリーをお借りします。 良二さんの所にエミリーはいますのね? こちらへむかっていますの? わかりましたわ。直接連絡いたしますわ

Dr:
エステル、律子さんできるだけ頭を揺らさず地下のメディカルセンターの第一処置室へ運んでくださいませ。

律子・エステル:
承知しましたわ。

Dr:
里緒菜さん詩織さんについていたいでしょうけど貴女のお力をお借りするかもしれませんついてきてくれますか。

里緒菜:
承知しました。

Dr:
真理愛さんでしたわよね。 くま太はメディカルセンターには入れませんの。エリシアに預けて里緒菜さんとオペ室の前で待機をあとからめぐさんもドロシーに連れてこさせますので。
何が起きたか、そしてこのアーマーメイド・ウーラノスが何なのかについて後から落ち着いたらわたくしが説明いたす事を約束いたしますわ。

真理愛:
はい…エリシア、くま太をおねがい。

エリシア:
くま太おいで、あなたのマスターは「天を支配する者」でしょ大丈夫!

Dr:
凛空さん専属メイドのすみれさんがこんな時ですが、オペに時間がかると予想されます。
わたくしが説明予定だった分の前半分を凛空さんと、紅葉さん、悠里の三人に頼めないかしら。

凛空:
はい。すみれをよろしくお願いします。 こちらは凛空達に任して下さい。

悠里:
諒解しましたわ。すみれさんは大丈夫です。
なんせ電脳世界の勇者ですから! ねえ紅葉さん

紅葉:
はい! それにわたくしはフランソアのお母様を信じております。

凛空:
真理愛、凛空の分まですみれについていてあげて。

真理愛:
はい、マリがついてますから…お勤めお願い…いたします。 いってらしゃいませ。

凛空:
うん行ってくる。

Dr:
小梅! 白森総合病院にいるアリエルの所へ花恋さんからにゃん太を受け取って届けてくれるかしら、そしてそのまま貴女も一緒にルゥナって娘の所にうさ子と一緒に居て頂戴。
アリエルに伝えとくから追っての指示はアリエルに従って。 久遠、以上の事を完遂できるよう小梅を送り届けたあとデルポール家と小梅の護衛任務を命じます。 よろしくたのみますわ

久遠:
Capisco mio signore!(解りました我が主!)

花恋:
にゃん太をアリエルさんへよろしく

小梅:
はい花恋さん! 先生!小梅、アリエルさんの指示のもとルゥナさんの所に連絡があるまで一緒にいます! 久遠さんお願いします!

久遠:
小梅、うさ子、にゃん太行くよ

うさ子:
ぴょん!

にゃん太:
にゃん!

Dr:
エリシアと花恋さんは…

花恋:
はい!

Dr:
ちょっとまって下さいませ! 
優樹子、貴女の眠りを邪魔してしまって申し訳ないわね。 状況は把握できます? やはりクロトの子の置き土産の可能性が高いわよね。 それでプロセルピアが管理しているメディカルセンターの部分だけ一時的にわたくしに合わせて調整してもらえないかしら?
クロトの子の置き土産ならルール的にはわたくしに手を貸しても問題ないでごさいましょう? そうすみれさんを救いたいの。 気まぐれではありませんわよ。 そうしてくれるのね。 Merci mon meilleur ami(ありがとうわたしの親友)

Dr:
花恋さん、わたしの娘のフランソアのサンルームはわかるかしら?

花恋:
はい解ります。

Dr:
そこへ行ってくま太とぴよ吉と共に娘についていてあげて。

エリシア:
一緒にいるだけでいいの?

Dr:
もし、くま太とぴよ吉から何かを頼まれたら、そこにいるフィッツジェラルド家筆頭メイドの理沙の力をかりて可能なかぎりそれをかなえてあげて

エリシア:
わかった。

Dr:
くま太、ぴよ吉、娘とイーリスを頼みます。 代わりにあなた達の友、マスターヴァイオレットを救う為にこのフィッツジェラルド家前当主、フランソア・フィツジェルド全力を尽くすことを誓うわ。

くま太:
ピガ!

ぴよ吉:
ピヨ!

Dr:
お待たせしましたマリー()行きましょう

真理愛:
はい!

注:
マリー=マリアのフランス語での愛称というか変化


美奈:
久遠さんそんなハレンチな恰好で何処行くつもりですか!(激怒)

久遠:
美奈総務部長!

ありさ・ジャンヌ:
はぁ~(溜息)

久遠:
緊急事態が発生いたしまして至急護衛任務に向かわなければならなく…

美奈:
緊急事態だか何だか知りませんが、なんですかこれ?(スカートをひらひらめくる)
パンツ丸出しじゃないですか?!
Forestのメイドがこんな姿でクラブの敷地外をうろつくなど許可できません!
これでは露出プレイです!

ありさ:
公共空間での露出プレイはただの痴漢行為で犯罪だ。このForestのSMプレイを監督する私として認められん。優香がそのようなプレイを久遠に強制しているとしてもForestでは私の監督下のもと法律の範囲内で行ってもらう決まりだ。

ジャンヌ:
優香そういうの好きなのか‥久遠に…

小梅:
露出プレイ‥久遠さんは実は好きで…こんな格好を…

うさ子:
ぴょん!

小梅:
小梅にはまだ早いってまあそう思うけど…どういう気持ちになるのかな…

久遠:
久々に総務部のメイド服着たら丈が短くて…優香に強制されてるわけじゃない。まして久遠の趣味ではない‥‥

美奈:
とにかく新しいメイド服を10分でそこの管理部屋で直しますので! ジャンヌさんも手伝って下さい。 小梅さん待って下さいね。 久遠さん! い・い・で・す・ね?

久遠:
はい…

小梅:
裁縫苦手なんで…邪魔するだけになりそうなのでスイマセン。小梅ここで待ちます

ありさ:
あの櫻糀瑠莉が現場にいるのよ? 手術中かオーバーメイド部隊でもなければ一個中隊くらいなら攻め込まれても20分くらい久遠が遅れて行っても持ちこたえるわよ

ジャンヌ:
うちのエステル様も大概だけど瑠莉閣下も単体戦力として大概だよね。

小梅:
あの…それ面白い形の煙草ですね。

ありさ:
ああ、これは煙管(キセル)という日本独特のパイプなの。パイプはわかるかな?

小梅:
えっと先生の所にあった絵本で小梅見たことあります! あれの日本ばんなんだ。
一個また小梅勉強になりました! ありがとうございます!

ありさ:
どういたしまして。

ありさ:
ねえ小梅は…エンパイアクラブって好き?

小梅:
う~ん。小梅はずっと先生の所で面倒見てもらって、その後フランスのメイド学校に行かせてもらって今は剛史お兄ちゃんのクラブのGreenWoodsで研修してます。そしてすみれさんと真理愛さんのお付のメイドとして研修の一環でこのForestの寮に昨日から来ました。
 
だからエンパイアクラブについては良くまだわからないし…好きか嫌いかってわからないですごめんなさい。

小梅:
でも! 研修でお世話になっているGreenWoodsのご主人様である剛史お兄ちゃんや、凛空さん、穏海さん、そして今お付のメイドをさせてもらっているすみれさん、真理愛さん、GreenWoodsや他の色々なクラブのメイドの先輩達やオーナーのご主人様達が作り出す
この場所」は大好きです! それは小梅自信を持って言えます!

みんな一生懸命でカッコよくて綺麗で可愛くて優しくて…みんな大好きです! 

だから小梅はこの場所に来れて今とっても幸せです!

久遠:
なんですかコレ…

小梅:
久遠さんカッコイイです! 真っ白いメイド服ステキです!

ジャンヌ:
久々に丈を直しとかメイドぽい事しちゃったわ。あっそもそも私メイドだった

美奈:
私の部長用新メイド服だったんだけど…私が戦う事は無いだろうし。
久遠さんにあげます。
詩織さんとフランソアさんのメイド服の間くらいの強度だけど軽いのが特徴。
対ショック対熱防弾特殊メイド服よ

ありさ:
フィッツジェラルド家メイド久遠よ、この新しいブレード(刀)とコンバットスーツ(鎧)を授ける!
血盟Forest血盟主、Forest館主、月城ありさの名で改めて命じる! 血盟フォーシスターズのヌベール家筆頭メイドのジャンヌと共に我が血盟家デルポール家当主ルゥナ・デルポール、並びに櫻糀家当主櫻糀瑠莉と我が血盟所属のメイド達をお守りしろ!

久遠:
はっ!この一命に代えましても! お館様!

小梅:
血盟主の月城ありさ様だったの?…ひぃ!


解説:EmpireClub Forestの オーナーと血盟主と館主
EmpireClub Forestは特殊であり、クラブオーナーと駐屯地司令官は櫻糀瑠莉であるが、血盟家の血盟主としては月城ありさです。そしてForest周囲の土地と屋敷は月城家の私有地でありその持ち主も月城ありさで館主=お館様はありさ先輩です。
ありさは瑠莉のメイドではありません(よってメイド服をきていないし、普段は自分の屋敷である月城邸にいる)。月城家のメイド長は総務部長の美奈です。

ありさ:
小梅がこの場所とやらを好きであるなら少しは協力してやろう。

小梅:
えっ?

ありさ:
Camelot()同盟締結会議とやらに参加するわよ、ドレスを用意して

美奈:
参加されないとおしゃってませんでした?

ありさ:
気が変わったの。 行くわよ!

美奈:
はいお館様。
ジャンヌさん、久遠さん、小梅さんお気をつけて。 

注:Camelot=キャメロット
1.キャメロット(中世伝説のアーサー王の宮廷があった場所)
2.魅惑的な時代[雰囲気]

美奈:
小梅さん、ありがとう。

小梅:
はぁ? はい‥。

ありさ:
だから、い・く・わ・よ!

美奈:
は~い♪

久遠:
久遠達も行こう!

小梅・ジャンヌ:
はいっ!
 
エミリー:
これで…こうして…よし。後は機械がやってくれる。
40時間後には傷は綺麗に治っているわ…ココロ以外はね。

夢結:
うん…

夢結:
こんなに酷い状態までになるって…痛めつけて、それをリジェネイト能力で再生したら繰り返し、繰り返し…それを愉しむとか…まろん…どれだけ辛かっただろう…

こんな事をしたヤツをコロシテやりたい…

エミリー:
執行官候補の夢結准尉さん、ご自分の発言には気を付けようね、もうやった人間は刑罰を受けてるんだから。

夢結:
わかってるわよ…。 エミリー、まろんの身体の治療をありがとう。 後はまろんのココロは夢結が絶対癒すから任せて。

夢結:
えっ?!

エミリー:
はっ? 夢結が癒す? 身体の治療をありがとう? 
独占欲が強すぎるヤツは長生きしないわよ? まろんはアタシの患者です。 
何自分一人でどうにかしようとしてるの?

夢結:
!!!(うそ私がむらぐらつかまれたうえに中吊りにされて動けない?! なんで? 声がだせない!)

エミリー:
私達、まろんの周りのみんながまろんのココロを癒すんだよね? あとアンタの疑問に答えてあげる、

一つ目、ヒトには死角というものがあって、そこから手をいれるとつかめるの。 ただアサルトメイドなら普段はセンサーでそれを認識して回避している。

エミリー:
でもココでは電子的なそういうアサルトメイドのセンサーとかは使えないの。
だから生身の人間としてそういうセンサーに頼らない近接格闘術をどれくらい習得したかで決まる。

二つ目、今、私の人差し指の下にはアンタのニューロネットワークの伝達回路のメインラインが走っていてそこに触れている。 ここにアタシは自由に命令を出せる。 声を奪うのもカラダを動かせなくすることもできる。

今なら、心臓停止でも脳死でも…もっと苦しい死に方をさせるのもアタシの自由。

理解したわね?

夢結:
ぜぇぜぇ…アンタ、本当に衛生メイドなのぉ! 信じらんないぃ!

エミリー:
あのね~夢結准尉さん? 衛生メイドとはナース(看護婦)じゃないのよ? 
戦場でアンタ達アポロイドが「コロシ合う時」に少しでも味方を生存させて戦力を維持し戦闘を勝利させるために存在する戦う為の道具。

間違えないでね。執行官候補さん。

エミリー:
アタシさこれから師匠のお師匠様のオペの助手をしなくちゃいけないの。 その間にコレに目を通しといて。 アタシが調べて整理したまろんの情報。

夢結:
データカード? また古典的なモノで、AURORAで渡せばいいじゃない?

エミリー:
これを貴女に渡したことを知られたくないの。このメディカルセンター内は外部との電子的な接続はできない代わりにハッキングされる恐れもない。 だからこうやって直接渡せば、貴女がこの内容を知っているということは知られない。 

このままだとまろんは私達の周りからいなくなる可能性があるから、どうにかしたいからアンタに手伝って欲しいの。 アタシの患者が治療途中でいなくなられるのは困るから。

まろん:
いなくなるって…どういう事?

エミリー:
オペが終わるまではアンタもメディカルセンターの中にいて、オペが終わったら話し合いましょう。

夢結:
うん…

エミリーが首の襟の中からドックタグを引き出す

エミリー:
さてアタシはアタシの戦場に向かうから。

夢結
ちょっと…ナニ…コレ‥

夢結:
…まろん…貴女って…
 
梨音:
待遇は三倍は保障します!

向日葵:
私達を導いて下さいアリエルさん!

アリエル:
どういたしましょう♪

月美:
えっ?

アリエル:
白急グループ筆頭家の篠山家のメイド長ですか…困ってしまいます♪

郁恵:
ルゥナ!「えっ?」じゃないでしょ!メイド長のアリエルさんが引き抜かれたら郁恵達なんか一瞬で終わりよ!どうにかしないと!

愛里栖:
うちだけじゃなくて、花恋とエリシアも終わるからね! 桃恵先輩はチーズオーナーの所に嫁いでるからいいけど、桃美先輩もあるのよ!そのときの結婚費用とかの捻出とか、学費?とか今度は花恋の所で面倒見ないといけないじゃないの? アリエル姉さんがいないと無理だって!

ルゥナ:
そんな言ったって幸喜お兄ちゃんの家だよ? 篠山家だよ? 勝てるわけないでしょ…

梨音:
郁恵さんと愛里栖さんさらには美里まで黙って着いていくと決心するようなメイド長!
有能じゃないわけないじゃないですか! ここで引き抜かないで何時引き抜けるんです! 月美お姉ちゃん改め、ルゥナお姉ちゃんの本来の力がまだ未知数な今こそが最大のチャンス!

向日葵:
さすがお嬢様です! ビジネスも戦いもタイミングが勝敗を分かつですね!

郁恵:
くっ! さすが白急グループ影のブレイン、最高経営司令官といわれる梨音ちゃん!

愛里栖:
こちらもアリエル姉さんの待遇を上げて防御するしかないわよルゥナ!

月美:
まだ私、ルゥナの記憶もどってないんだけど? 待遇…待遇決める以前にいくら出せるのかとか、財産?というの?そんなのがあるのかも全然わからないし…。

アリエル:
今のルゥナさんのデルポール家のご資産ですか?

アリエル:
紅葉さんのイングラドG&C()が戦略的M&Aで回収づみの資産の概略の合計ですが只今の日本円のレートで約64兆4800億円。当然これはすぐに現金化できるものではなくてあくまで金融資産や権利資産などの概略合計です。しかしこれはすでにルゥナ・デルポールの名前にもう変わっている分なので時間が少々かかりますが現金化は可能です。なお移譲が済んでないものやM&Aが済んでないのは計算に入れておりません、ですからこれはご資産の全部ではございません。

月美:
えっ? 64兆円? わからない数値が出た…

郁恵:   
……………えっと日本の国家予算ってどれくらいだっけ? 学園でたしか習ったよね…うっ覚えてない…

愛里栖・向日葵
‥‥(思考停止)


梨音:
それって無形資産と金融資産だけで?

アリエル:
白急グループと違って土地建物の資産はございません。倉庫なども賃貸契約なので。
実物資産はお空の上にしかございませんがこれは権利資産として計上しております。

地上に送られた物流在庫として実物として存在しているニューロチップや、鉱物などはございますがほんの一部ですね。鉱物はそのまま搬送されておりますし。一時保管のみですので。

梨音:
その空の上の権利資産ってもしかしてアステロイドベルト鉱山システムの権利とアースネットの権利と、説明されたARUORAのコアチッププラント等?

アリエル:
はいそうでございます。梨音様。 デルポール家、というより今は一名しおりませんのでルゥナ様の資産は権利資産とそれが生み出す莫大な金融資産でございます。

月美:
ねえ梨音ちゃんとアリエルさんの話、全然理解できないから説明して? 郁恵と愛里栖は記憶失ってないんでしょお願い!

郁恵:
わからない、そういうのルゥナの時でも月美はアリエルさんに全部任してたよ

愛里栖:
アタシがわかるわけない、これエリシアも花恋も絶対にわからない。断言できるわ

月美:
そこで断言されるともっと困るんだけど!

アリエル:
梨音様、先ほどの篠山家メイド長の件、とても有難いお話なのですがお断りいたします。 理由はわかりますわよね? ルゥナさん達のデルポール家、そして本日はどうしても外せない急用が出来てしまい来れなくなってしまった花恋さんと私の妹のエリシアの加倉家の経営にはわたくしがどうして必要なのです。

それに対し梨音様は経営をご自分で行うことができます。

梨音:
そうですか…とても残念です。

月美:
なんかとても申し訳ないです

郁恵:
なさけない妹で本当にスイマセン。

愛里栖:
アリエル姉さんこんな妹分でごめんなさい。

アリエル:
梨音様、しかし別のメイド長ならば体制によっては検討をすることは可能でございます。

梨音:
別のメイド長?

アリエル:
それについては手術が終わってリハビリ期間の間にでもお話させて下さいませ。
まずは本日の手術を。

梨音:
そうですね。ありがとうございます。

梨音:
それで~!
そこで存在を消しているお兄ちゃん♪ 梨音、質問があるんだ!
チャンスは一回♪ 答にはちゃんと証拠も提示してねぇ♪

ジリジリと向日葵・美里・美見が包囲を狭めている

幸喜:
何でしょうか?

梨音:
ねえお兄ちゃん! ルゥナお姉ちゃんと付き合ったのはお金の為じゃないよね?

答えが証明不十分の場合は会社の経営権と当主権は自動的に梨音にわたることになるよ♪ 
だって物理的に篠山家梨音一人になっちゃうし♪

幸喜:
バカの事いうな! そんな事あるわけ無いだろう! オレだって月美の素性について説明を受けたのはつい最近だ! とっくに付き合っていた!

梨音:
ねえ、お兄ちゃんそれどうやって証明できるの? 証拠は?

美見:
ねえお姉ちゃん…ルゥナ先輩の為ならハイパードライブ使っていいんだっけ?

美里:
うん当然許可でてるよ。武器の使用もね♪

向日葵:
私はお嬢様から許可がでればいつでも…♪

幸喜:
ちょっと待てキミ達はやまるな! 月美! 郁恵ちゃん、愛里栖ちゃん! アリエルさん!

月美:
そういえば、私は知らなかったのに幸喜お兄ちゃんは事前にルゥナとデルポール家の事を知ってた…

アリエル:
白急グループとしては資金はともかく高価な原材料の調達コストがほぼゼロになりますので膨大な利益を得ることが今後可能になると…なるほど。

郁恵:
ねえこれってルゥナの危機だよね?人生的な意味で。

愛里栖:
うんそうだね。
フルドライブはできなくても通常のアサルトオーバーメイドよりは強いしアタシ達。

後始末はめぐ経由でForestの調査部に依頼しよう。

瑠莉:
くすすっ♪ 梨音くんの様子を見に来たんだが、楽しそうだね♪

美里:
あっご主人様だ! まだご主人様でいいんですよね♪

瑠莉:
ああ、マスター認証が正式にされるまではキミのご主人様だ♪ でも呼び方なんかは自由にしてくれ。

美見:
瑠莉先生お疲れ様で~す!

幸喜:
楽しくないですよ! 瑠莉さん! 笑ってないで助けてください!

瑠莉:
わかった。幸喜くんの代わりにわたしが証明しよう、いま梨音くんのいつもの端末とアリエルのAURORAに資料を送った。

向日葵:
お嬢様どうぞ。

梨音:
国際重要軍事機密A6857FA2号、特定情報開示許可
日付は一か月前

アリエル:
わたくしも確認いたしましたわ

瑠莉:
ルゥナ・デルポールくんと加倉花恋くんの生存と素性はその書類であるように国際重要軍事機密指定であり本人・関係者へ対してもその日付でしか情報開示してはならない制限があった。
よって本人に対してでさえ情報開示は手続き上周囲の環境を整備した上で今週に行った。そしてその環境整備に幸喜くんは協力してくれたが、それでもその日付でしか開示は許されてない。

月美:
ということは、お兄ちゃんが猛烈アタックしてきたときも、その後もずっと月美はただのメイドと思っていたと…。

愛里栖:
もともと、あれだけ尻ごみしてたからこそ、郁恵と二人で作戦立てたわけだし。

郁恵:
それはそうか

梨音:
たしかにこの日付なら、とっくのとうに兄さまはルゥナお姉ちゃんとヤリまくってますね。

月美:
なんてことを言ってるの梨音ちゃん!!

梨音:
だって昨晩だってシタんでしょ兄さまと。お外でお泊りしたんだし

月美:
なんで知ってるの!

梨音:
私の女の子情報網なめないで下さい。

アリエル:
こっちの情報は濡れまくって…いや漏れまくっているとドコの部分とは申しませんが!

郁恵:
アリエルさんがアリエロな事を!

愛里栖:
アリエル姉さん、ドヤ顔で下ネタは郁恵だけにして…あと両方とも面白くも上手くも無いから。

SE:
ガチャ!

理沙:
えっ…

エリシア:
動きは悪くないけど相手が悪い。

ぴよ吉:
ピヨっ!

くま太:
ピガ~!

鈴佳:
今の花恋だとマジで頭に風穴開けられるよ。
理沙さんの負け。銃を早く下した方が良い。

理沙:
降参!降参です花恋!

エリシア:
まあガンナーx1 スポッターx3 相手だし仕方ないよ理沙さん

ぴよ吉:
ピヨっ!

理沙:
ぴよ吉にドヤ顔されたのがコトバわかなくてもワカル

SE:
カシャっと右のホルスターに銃をしまう。

花恋:
やはりこういう仕組みになってたんだ。

エリシア:
これ見て花恋は驚かないんだ。

花恋:
昨日のアリエルさんからの説明。さっきの「すみれらしきもの」がエリシアに確認した言葉。そして死んだはずのフランソアのお母様のDrフィッツジェラルドがあそこに居ること。 そして誰でもなく花恋とエリシアがここに向かわされたこと。 それでピースが埋まったの。

理沙さん、鈴佳さん特例的にこの警護小隊の指揮権を花恋に頂きたいですよろしいですか?

理沙:
はい加倉家ご当主、お願いたします。

鈴佳:
鈴奈は予備役だし現役正規士官に従うのは当然。

花恋:
ここが最重要防御目標だということは理解しました。
食事をとりながら現状把握と防御作戦を立てたいと思います。
理沙さんミリタリアのBレーション人数分お願いします。
鈴佳さんも食べますよね?

鈴佳:
うん食べる。

理沙:
食事ですか?それもレーション…諒解しました。

エリシア:
あっそう言われてみればお昼食べて無い。

SE:
カチっ! ケースが開く。

理沙:
紅葉お嬢もそうだけど…うちのお嬢様達は臨戦態勢のスイッチが入ると何故こうなるかな。

ぴよ吉:
ピヨ…

エリシア:
すいませんご主人様がこんなので…

くま吉:
ピガぁ~…

エリシア:
くま吉のマスターもそうだよね・・・。

理沙:
Bレーションとってきます。

エリシア:
お願します…。

花恋:
なるほどフランソアさんをスマホに例えると、今までのフランソアさんの中の一部の部品が今後使えなくなるから、あたらしい機種に変更するけど、スマホのアプリやデータの本体はネットの上につねにバックアップが転送されていて、スマホ内のデータ自体は一部でこのデータ転送も終わって、今は機種変した後でも今までと同じように使えるようにセットアップしているその最中ってことだね。 

フランソアさんのお母様も同じような仕組みで今は生身とネットの上の両方に居る感じだと。

この一部の部品ていうのが昨日フランソアさんが言っていたオーバーメイドとしての人格のフランソア・デルポール。 今度はハイパーアクスレーターなんとかが代わりに載っていて機能が大幅に改善強化された新しい機種が隣で寝ている最終セットアップ作業中のアトストライヤバージョンフランソアさんって新しいフランソアさんの機種本体? セットアップが終了し稼働したら昔のフランソア・デルポールバージョンの機種はその場でポッドの中で消える…破棄? 溶けちゃう? だからフランソアさんはこの世には一人しかいない仕組みと…

エリシア:
ぇぇ…その…ご主人様…えぇ…

鈴佳:
まさに適切な理解といえよう。 なあクマ太くん!

くま太:
ピガァァ!

理沙:
フランソア奥様がスマートフォンなら、ボクは付属品のストラップ、もしくは保護シールとか…

花恋:
その機能が使えなくなる条件ってのが月美がルゥナであること事が解った上でフランソアさんが会うこと。するとその機能がとまってしまう。 それが昨日のことなんだね? あの急に倒れるように寝てしまった。でも事前にわかってたから、フランソアさんのお母様が準備していたこの新しい機種本体を運んできたと。

エリシア:
うぅ…うん…そうなんだけど…えぇ…なんというか‥‥えぇ‥ご主人様の倫理観が…うぅ…

鈴奈:
見事な理解だな。なあくま太くん!

くま太:
ピガァ!

花恋:
だったらこれについては、予定通りに進んでいるよね? 他に誰もみつからければ。
だったら今なぜあれだけの緊急的な臨戦シフトを組んでるの? 

エリシア:
花恋、なぜアヴァロンはForestに大規模攻撃をかけてこないかわかる?

花恋:
もしかしてアーマーメイドがあるから?

エリシア:
そう。アーマーメイド・イーリスがあってここを守っているから。 よって全面的な攻撃はあっちもしてこれない抑止力になっている。

花恋:
あの白い真ん中の機体…最初のアーマーメイドって説明されたやつ?

エリシア:
そう。 そしてあれはフランソアさんの機体。しかし動かせるフランソアさんは今夜の遅くまではこのまま。よってイーリスは動かない。

そして、花恋のセレーネとルゥナのXシステムはあるいみ同時に稼働するものだから、それを動かすときにはルゥナが覚醒しまう、こうなるとフランソア・デルポールの身体が不安定になることは事前にわかっているからこそ、タイミングを合わせてそれを行うことにした。

花恋:
うん…でもそれだとどちらにしてもアーマーメイドが不在な期間ができちゃうんじゃない?

エリシア:
だから今まではずっと…花恋が言うこのスマホの機種変更ができなかった

理沙:
しかし奥様の機種変更‥ごほん、新しいカラダに移すのも急がなければならない理由があったんです。 今ままでの身体では奥様のカラダは実は余りモタナイんです…

花恋:
モタナイ?

エリシア:
フランソアさんのボディは特殊なところに、未完成品をさらに改造したもので、ある理由で無理やり使ってるようなものなんだって。 だから寿命が短いの。 もって後三か月が限界。

花恋:
えっ! そんなフランソアさんの命もForestの存続も後三か月だったと? もし今ここが無くなったらアヴァロンに対抗する拠点ですよね? ということは‥うわそんな事、花恋考えたくないです!

鈴佳:
よって追い詰められた事実を知ってる鈴佳達全員は話し合いの結果「博打」に出る事にした。

花恋:
博打(バクチ)? このギャンブルが大嫌いのForest(うち)が?


を参照。
 
夢結:
さてどうするか、まともなクラブじゃ無理だよね…まあそこら中メイド部隊で持て余されてるアタシが言うのも何だけど…それ以前にアタシらにクラブ選択権ないでしょ。

夢結:
だいたいエミリーだってマトモじゃないよねアレ。各国のメイド部隊でも無理なはぐれ者、三人まとめてどっかで引き取ってもらえるようなクラブが…あるわけないか…。

夢結:
あれ?ここさっき通ったような? どこ?ここ? あれ?見取り図がAURORAで出ない…。 

あっ通信使えないんだった!

この方向音痴のアタシが見取り図もなしに…こんな迷路みたいな所で…どうしよう…地上に出れば電波が! まてその階段やエレベータにどうやって行けばいいの?

夢結:
詰んだ…完全に詰んだ…

しずる:
二人とも大丈夫ですって! あのすみれだよ?

夢結:
しずる姐(ねえ)の幻聴が聞こえる‥

しずる:
もう! 普段の元気はどこ行ったの?

夢結:
えっ…幻聴じゃない?

しずる:
しずる達は待つしかないし、ドロシーもがんばってるだろうし! ここは気を張って仲間の帰りを待つ! そうお姉さまも言ってましたし。
警護任務についてる他のメンバーの代表で来てるですから…ねっ!

夢結:
あのお取込み中すいません。 ここはオペ室の前でしょうか?

しずる:
そうだけど、なに?

夢結:
しずる姐、夢結を救っていただきありがとうございます(号泣)

しずる:
ぇっ?

めぐ:
何?あれ?

真理愛:
わからない…

真理愛:
部屋をでたらロックされて締め出されて、仕方ないからその今回、ドロシーと一緒にすみれのオペの助手をしてくれてるエミリーさんをオペ室の前で待とうと思ったら迷ったと

しずる:
それでも飲んで落ち着け

夢結:
姐さんカフェオレありがとうざいます。
まさかしずる姐と鈴奈姉さんが所属されている部隊の方の緊急手術とは思ってませんでした。 それなのこんな事でお騒がしてしまってすいません。

しずる:
この仕事してたらこういうことはあることだから気にしない。

めぐ:
そうそうマストから調子こいて落ちたり、消化バブルまちがえて盛大に海に吹き飛ばされ溺れかけて意識不明で救助されたり、訓練場破壊して屋根の下敷きになって意識不明になったり。色々あるよね。 そういう親友がいるから、処置を待つ方はなれてるから気にしないで。

真理愛:
大変申し訳ないです…はい。

めぐ:
そんなめぐでも、部隊結成初日に隊長がこうなるのは初めてかな。
花恋としずるが今日、夢結ちゃんが部隊に挨拶に来るいってたからいっとくね。
あとすみれの容態などは軍機指定になる可能性があるので内密にね。

夢結:
諒解です。えっすみれ隊長が手術なんですか?

しずる:
ということでオペが終わっても今日は挨拶は無理そうかな…。
まあドロシーとその夢結のトモダチのエミリーさんが手伝っているんだし、ちゃんと挨拶できるようになるよ。エミリーさんってトモダチでいいんだよね?

夢結:
トモダチ…なのかな…仲間ではあるし…でもなんか…たぶんこれから相棒になる予感がする。

しずる:
あなたが相棒? 花恋以外で? そんなスゴイ子なの?

夢結:
うんそれは間違いない。エミリーはスゴイ子です。そしてもう一人‥たぶんすごい子が…

めぐ:
それってトルコの時の花恋なみ? もしかして花恋とペア組んでたレッドバレッドの夢結? ちゃん? 

夢結:
はい…お恥ずしい‥あの時は地元新聞取材で調子コイテて…すいません

めぐ:
いやそれより花恋なみが三人か…

真理愛:
これはすみれにがんばって治ってもらって、是非会いたいわ、うちに欲しい! 
今の研修先がしずるの所のクラブなら…剛史お兄ちゃんとお姉さまに頼めばクラブの配属先はどうにかなるかもだし。

しずる:
ほう~副隊長ぽい事言うようになったじゃない? 副隊長の真理愛少尉さん

真理愛:
すみれがいない間はマリが隊長代行なので

夢結:
真理愛副隊長さん!? いいんですか? 隊長不在なのにここにいて? あっスイマセン出しゃばりました。

めぐ:
いや、夢結ちゃんの言うのが普通は正しいんだけど、ほらうちの部隊は今日正式結成だから本当はこのあと結成式があったはずだけど、まあ…この状態だしね。 あと当然部隊への出動命令とかそういうのはもっと後だし。
それでわたしは真理愛の士官学校からの腐れ縁の親友でこのForest調査部の執行官をやってますめぐ少尉ですよろしくね

夢結:
執行官!? よろしくお願いいたします。 わたしも執行候補なんで…後輩となります。
それで、部隊の件ですが、そうですよね…今日の今日ですものね…。明日からすみれ隊長が復帰なさるまで大変ですよね…。

真理愛:
そうね…すみれの事は今は先生とドロシーとエミリーさんに託すしかない。明日からの事、考えないとダメね。

めぐ:
それで隊長代理、今日は鈴奈さん達に会議会場の警護任務の増援として着けさせたけど、明日は?

真理愛:
何もなければ通常訓練かな。ただドロシーがこちらだと、クレアさんも今日明日でしょ?都合つかないことも考えると演習訓練などは危険だから、基礎教練と机上教練と射撃訓練を中心に組み立てて

めぐ:
うん…その線でレイラに相談したあと鈴奈さんと詰めよう

しずる:
(小声)夢結、ありがと

夢結:
なんですか気持ち悪いな…まあそのこのカフェオレでチャラで。
 
貴婦人達:
まあ~加倉家のご当主がお戻りになられましたの!

桃恵:
我が主人とともに、加倉家の新当主の方もよろしく願いいたします

春海:
栗田家としてもよろしくお願いいたします。

詩織:
姉がこちらへ戻ってまいってからやっと少し落ち着いてまいりましたし森崎家は姉がおります。現在メイド長の業務のほとんどは里緒菜に任せております。
それでわたくしは主人の家にもう入ってもよろしいかと思いまして。 

改めて櫻糀詩織をよろしくお願いいたします。

貴婦人達:
詩織様がやっと櫻糀家に、いままでフランソア様もフィッツジェラルド家と櫻糀家両方でご大変だったでしょうから、安心いたしました。 

貴婦人達:
詩織様、おめでとうございます。今後ともよろしくお願いいたしますわ!

貴婦人達:
すばらしい知らせでございます! 会議がおわったら主人に伝えてお送りするお祝い品を決めないと!

貴婦人達:
それで久美様、お子様はいつお生まれになる予定なんですか?

久美:
えっ? お子様?

貴婦人達:
お世継ぎをご懐妊なさったからご婚約されたとお聞きしておりますが?

穏海:
まぁ! 良二様とのお子さまがこの中に!

久美:
そんな事はございません! 
なんでそんな事になってるの‥それは…あの違いますわ…

穏海:
久美様、恥ずかしがらないでよろしいのですわよ!

久美:
穏海さん、本当違いますから! でございますわ!

桃美:
桃美もうダメ…

麗奈:
久美…見捨ててゴメン‥アタシにはこういうのは無理…絶対無理

有虹子:
み~つけた♪
やっぱ隠れてた!

有虹子:
すみれ達の部隊の結成レセプションが都合により中止になったぶん社交会でつながないといけないのに何隠れてさぼってるの?

桃美:
ちょっと疲れちゃって

麗奈:
有虹子‥あのそれでこの子は?

有虹子:
有虹子の幼馴染でドイツ・バッハシュタイン家のご令嬢の

クリスティーナ:
クリスティーナと申しますわ。
有虹子のご親友とのことなのでよろしくお願いいたします。

桃美:
桃美と

麗奈:
麗奈といいます。 それで本日は剛史お兄ちゃんの関係で?

有虹子:
違う。

有虹子:
クリスティーナ様は、栗田源三閣下直下の特別執行官で栗田ご夫妻の護衛でもある。

麗奈:
栗田閣下ご夫妻の護衛? それと特別執行官ってどういう仕事?

有虹子:
クリスティーナはスゴイんだよぉ~戦闘格闘は閣下と紅葉お姉ちゃんの弟子。狙撃は瑠莉さんの弟子。近接射撃は悠美お姉さんの弟子。作戦指揮諜報活動などは優香お姉さんの弟子。

麗奈:
何その、純粋培養のお嬢様型キリングマシーンみたいな説明は…

有虹子:
戦闘格闘演習だとこないだ愛理お姉ちゃんをノックダウンするのに一回1.5秒を切られてた。 理沙さんだと10秒はもったけどね!

クリスティーナ:
今度は愛理さんは一秒を切りたいですわね。

桃恵:
愛理お姉ちゃんや理沙お姉ちゃんが…

有虹子:
この二人は有虹子の親友だから遠慮はいらないからね♪ 

クリスティーナ:
わかりましわ♪ さあ皆様、社交会へ戻りましょうか♪

有虹子:
二人とも今度サボったらわかってるよね? 全身の骨、粉砕されるよ?

麗奈:
ひぃぃいぃ! その全部戦闘力で言う事きかせるのオカシイから!

桃美:
なんでうちの周りのクラブってこんなお嬢様とメイドしかいないの!


えんぱいな日々 第五百六十一話 禁断のパンセ 後半へつづく