えんぱいな日々(本編) 第五百六十四話 Bull's Eye 前半 その10
美奈:
袖はこれくらいかしら
紅葉:
晩餐会のレセプションには間に合いますの?
陽菜乃:
全員分必ず間に合わせます!
フランソア:
里緒菜に丸め込まれた!
萌香:
なんで新しいメイド服が用意されてるわけ? 里緒菜に嵌められたわ
里緒菜:
ちょっと待ってくださいよお二人とも! 里緒菜は何も知りませんでした! 里緒菜だってメイド長代理とか受けたくなかったですし!
悠里:
萌香もなんでメイド秘書をお受けになるですか!
おかけでわたくしまで保安本部長を受けざる得ませんでしたわよ!お断りしようと思っておりましたのに!
瑠美:
萌香さん…なんで私が副メイド秘書で調査部執務官なんですか?
私が抜けたら万年人手不足の総務部はどうするんですか?
久遠さんが調査部から総務部に戻ってきてくれたとはいえ、フランソアさんのお母様付きなのでこちらの仕事までは無理ですし
萌香:
瑠美くらいしかアタシの換わりなんか出来ないでしょ? 副メイド秘書の任命権限は行使させてもらうわ! それにもともと瑠美は私の補佐で引き抜く予定で調整すんでたし!
亜美:
萌香メイド秘書が瑠美を差し出せばメイド学校から補充される新人4人を総務部へ優先的に配置してくれるって! だから安心してがんばって瑠美!
悠里:
この女がやりそうな事ですわ!
瑠美:
新人4人と引き換えに私はこの白氷の悪魔に売り渡されたのか、それも自分のパートナーに…
永遠:
私も支援を惜しまないから頑張ってね瑠美副メイド秘書、まずは執務官補佐にはとびっきり優秀な人材を付けてあげる!
彩香:
執務官補佐を拝命した彩香です。 瑠美執務官一緒にがんばりましょう!
瑠美:
彩香さんよろしくご指導ご鞭撻ほどお願いいたします。
彩香:
執務官、私は貴女の部下であり戦友ですよ。さん付けは無しでお願いします。
瑠美:
彩香よろしく。
萌香:
私の推理が正しければ、この体制にするために全ての事が仕組まれていたとしたら7年をかけた企みなんだけど。
フランソアさんがForestのオーナーに、里緒菜がメイド長に、私がメイド秘書でこの駐屯地の事実上の司令官に、元の営業部は全て楓さんに、たぶんForestの土地はすでに紅葉さんのモノになっているか、なるはず。
里緒菜:
7年? 7年前ってたしか…あっ! 里緒菜達がまだプレオープンのエンパイアアイランドリゾートに視察旅行に行っている間に萌香さんが副メイド秘書に就任したのがちょうど今から7年前?(注) あの時もForestの大規模組織改変があって…えぇ~そんな前から?
フランソア:
何それ?
悠里:
それはオモシロイ推理ですわね。 紅葉さんどうですの?
注:以下の 第四百話 「西村悠美 その2」での優香・悠美・あすか・千穂の話のこと。
「萌香の長い長い一日」と萌鈴のアイランドリゾートのお話の時期
紅葉:
美奈さん今進めている譲渡手続きはいつ終わりますの?
美奈:
税金などの処理はもう済んでおりますので、いま国からの最終の通知待ちです明日か明後日、遅くても今週末には月城の別邸を除くForestの全ての土地権利の紅葉さんへの譲渡はすべて完了すると思います。
紅葉:
だそうですわ。
陽菜乃:
七年前って…まだ陽菜乃メイド学校にも入学してない…保護施設にいた時期…そんな前からのお話ですか?
フランソア:
ちょっとまって!
里緒菜:
そんな事さすがの「Forest=うち」だって…嘘だよね?
萌香:
悠里はいつから気付いていたの?
悠里:
萌香と同じだと思いますわよ。萌香が中佐、わたくしが特務少佐に昇進したあたりかしらね。
瑠美:
(それでも五年前だよね? …私、こんな二人の直部下のなるのか)
里緒菜:
どういう事か説明してください! 萌香さん!悠里さん!
フランソア:
良くわからないけど、フランソア達のことを思うように動かすとか許せない!
誰! そんな事したの! 悠里教えて!
萌香:
今回の首謀者の森崎優香前保安本部長はどこにいるの? 必要性は理解は出来る。 でもやり方が気に食わない! 文句言いに行く権利はあるはず!
悠里:
皆様、お気持ちは解りますが、現在、優香さんは久遠立ち合いもと宿敵と真昼の、いえ朝の決闘中ですわ。
里緒菜:
えっ?
萌香:
宿敵と?
フランソア:
決闘?
悠里:
フランソアと里緒菜にも優香さんの企みというのを説明いたしますわ。
紅葉:
美奈部長のコーヒーをいただきたいですのが、よろしいでしょうか?
美奈:
はい皆様にお出しします。
瑠美、総務部での最後の仕事よ、皆様にお茶を出すので手伝ってくれる?
瑠美:
はい美奈部長! 喜んでお手伝いします!
その11へつづく