えんぱいな日々(本編) 第五百六十五話 Bull's Eye 後半 その13

 
マリエット:
第一回 EmpireClub EHDEN

アリエル:
メイド長会議を開催いたしますわ!

梨音:
EHDENってルゥナお姉ちゃんのクラブだよね? なんで梨音が…?

向日葵:
お聴きになっていれば解るかと(私は言いたくない…)

まろん:
えっとなんでまろんたちが…

夢結:
いや…アタシもわからないエミリーわかる?

エミリー:
すっごいイヤな予感がするけど…言ったら本当になりそうだから…黙ってる


美里:
(空いている座布団が二つ。そしてお姉さま達のドヤ顔…これは…)

ルゥナ:
(だよね…そのまま許すわけないか…)

アリエル:
会議の前に済ませなければならない事がございます。 
エリシア連れてらっしゃい。

エリシア:
はい姉上!

エリシア:
ご主人様を連れて参りました。

アリエル:
ご苦労様ですわ。

美里:
(死に装束に日本刀!)

ルゥナ:
(さすが花恋、散り際は潔いわ)

梨音:
(こ…これがエンパイアクラブの世界…)

向日葵:
(指詰めなどという優しい世界ではない…)

すすっと桐の台に乗った短刀が置かれる。

アリエル:
花恋さん、申し開きは御座いますか?

花恋:
ありません。 ただ一つお願いが御座います。

アリエル:
何でしょう?

花恋:
エリシアとそして昨日、わたくしめのメイドになった三人を宜しくお願いいたします。

ルゥナ:
(花恋…)

梨音:
ちょっと待って下さい! 

梨音:
花恋さんとアリエルさんの間に何があったかは知りませんが死んでなんとかなるものなどありません! 花恋さんに挽回のチャンスをお願いできないでしょうか?

アリエル:
梨音様が花恋さんの助命を嘆願すると?

梨音:
はいそうです! どうにかできませんか?

アリエル:
ご主人様のご意見は?

ルゥナ:
アリエルさんは篠山家のメイド長の依頼を無下にしています。よって梨音ちゃんには一つ貸しがあると思いますが?

アリエル:
その通りですわね。

アリエル:
先日のメイド長打診に対してのわたくしのお断りの件を考慮し梨音様の加倉花恋助命の嘆願を受入れましょう。 花恋さんのわたくしに対しての不義について不問といたします。

花恋:
篠山梨音様、並びにルゥナ・デルポール様、この御恩、加倉家当主、加倉花恋、一生忘れません。

梨音:
良かった…。

アリエル:
花恋さん、ご盟友お二人のおかげで首の皮一枚で命が繋がりましたわね。その命、盟友の為にも大切にするんですわよ。わたくしの元ご主人様。

花恋:
はい肝に銘じます。

アリエル:
エリシア、ご当主のお召し替えをお願いしますわ。

エリシア:
畏まりました姉上!

ルゥナ:
(命がけの様式美? これで篠山家が第一位、デルポール家が第二位、対して加倉家は第三位になると…順列づけね…)

梨音:
(アリエルメイド長…怖い…)

その14へつづく