えんぱいな日々(本編) 第五百六十四話 Bull's Eye 前半 その14

 
鈴奈:
閣下持ってまいりました!

優香:
鈴奈ちゃんゴメンワガママ言って!

鈴奈:
准将閣下鍵ですどうぞ。

優香:
ありがとう、どうしても久々に乗りたくて!

悠美:
警備任務前の貴重な朝の時間なのにごめんね、車は帰ったらいつもの駐車場にいれて警備課に鍵をもっていくから

鈴奈:
いえいえ、鈴奈も今から警備課で本日の警備の打ち合わせをするところだったのでお気になさらずに。

美亜:
優香お姉さんのフェラーリ、久しぶりに見た懐かしい! あっ! 今は鈴奈ちゃんのフェラーリだね!

鈴奈:
社用車です♪ でわ鈴奈は打ち合わせに行ってきます!

優香:
鈴奈ちゃん!

扉に向かっていた鈴奈が振り返る

鈴奈:
はい!

優香:
すみれちゃん達の新部隊、そしてWhityGarden だけじゃなく、よかったらForestとGreenWoods そして今度できる EHDENという新クラブも 護ってくれたら嬉しい。

鈴奈:
はい! この鈴奈、微力ながら全力を尽くさせていただきます。 准尉閣下、任務がんばって下さい。お気をつけて。 
敬礼は無しにします。 優香お姉さん。 いってらしゃいませ。

優香:
うん行ってくるわ鈴奈ちゃん。 貴女もがんばって。

鈴奈:
はい!

美亜:
新居に届いている荷物の荷ほどきは適当にしちゃいますけど、細かいのは帰ってからご自分でお願いします。 あと引っ越し祝いはお帰りになってから一緒にするのでまってますから、今度は一緒のお家だし!

優香:
はいはい♪ 美亜ちゃん頼んだ! お願いね。

久遠:
うん美亜の料理が毎日食べ放題、楽しみ♪

美亜:
それは任してください久遠お姉ちゃん♪ 美亜もそろそろ料理の仕込みに戻らないといけないので、Forestでの最後の仕事なのでしっかりやります!

悠美:
美亜できるだけ早く帰ってくるけどお願いね。

美亜:
皆さんお気をつけていってらしゃいませ!

優香:
行ってくるわ。

久遠:
行ってきます!

悠美:
優香、本当にあの子たちに何も言わずに行く気なの?

優香:
だってさ保安本部長を受けた時の悠里の目とか怖かったし…絶対に悠里も萌香も気づいて無いわけない。紅葉さんはとうに知ってるだろうけど、フランソアちゃんが知らないから黙ってるだけだし。 
でもさすがに今回は萌香と悠里がフランソアちゃんと、里緒菜ちゃんには説明するはず。

首謀者である私は絶対にコロサレル‥それだけのことをした自覚はあるし…

Drフィッツジェラルドの依頼は欧州本部から正式に命令を発令させたし、その特別任務を口実にこのまま逃るしか…

久遠:
逃げるって、お姉さまどこに? 悠里と紅葉にフランソアの命令があればヴェル、さらにその三人の弟子のすみれ。フランソアの頼みで凛空さんまで動員すれば超超広域精細スキャンで追跡される。 
標的が発見されたその後はフランソアやForestの戦力のみならず、すみれのトモダチでフランソアの信奉者の花恋と親友のルゥナちゃん。 
単体戦力の点での突破戦から、部隊での面での制圧戦、電脳誘導と衛星を組み合わせた巡行ミサイルや衛星砲などの戦術・戦略兵器での殲滅戦の攻撃が待っている。 
まあ熱核反応兵器やアーマーメイドの投入はしてこないだろうけど、それでも地球上はおろか地球圏に安全な場所は無い! 今のForestを敵に回すというのはそういう事! 

優香:
‥‥火星とか、地下のマントル付近とかならワンチャン生存ルートが?

悠美:
あのね…そこにどうやって行くの?

SE:
バンっ!
エントランスのドアが開く

里緒奈:
優香さん!

フランソア:
まだここに居た!

萌香:
保安本部長、メイド秘書権限で発令していた警戒態勢を解除、門の衛兵と滑走路管制塔を通常シフトへもどして

悠里:
もう連絡しましたわ。

瑠美:
楓さん大丈夫ですか?

楓:
ダメ…わたしは運動が苦手なんだ…走ったのなんか何カ月ぶりだろう

紅葉:
お姉ちゃんも少しは運動した方がよろしいですわよ。

悠里:
ご自分がお作りなったこのForestの保安体制で、どうやったらこのお屋敷の敷地から黙って出られるとお思いになったのか今度ゆっくりと聴取したいですわ。

優香:
と…投降します! あのジュネーブ条約を…

悠美:
そんな建前を守る必要は無いわよ!

久遠:
激しく同意!

優香:
で…でしたら、できれば苦しまない方法で処刑を‥‥

久遠:
久遠が介錯する! お姉さま! 腹を切れ!

優香:
お腹痛いのはちょっと‥‥

フランソア:
今まで本当にありがとうございました。

里緒奈:
いってらしゃいませ。お帰りをお待ちしております。

優香:
あ…貴女たち‥‥はい…行ってきます…。

久遠:
お姉さま、そろそろ出ないと厚木の英国行きの軍の輸送機に間に合わなくなるよ

悠美:
優香、運転代わるわね、帰国するときに鈴奈さんからまた借りるから帰りに貴女が運転すればいいでしょ?

優香:
うん‥‥ゴメンお願い今運転できそうにない。 お使い終わって帰国したときに…運転する

その15へつづく