えんぱいな日々(本編) 第五百六十五話 Bull's Eye 後半 その1

 
イリーシャ:
水菜、重要な事なので正直に答えて欲しい

水菜:
何かな?

イリーシャ:
もしかしなくても…迷った?

水菜:
ひぃぐぅぅぅ! えっとその…はい‥‥

イリーシャ:
すぐクルマを止める!

SE:
ガチャ♪(イセッタは前面にドアがあってこう開きます、前二輪、後ろ一輪のとっても小さくて可愛い車です♪)

イリーシャ:
なんで水菜はすぐに言わないの! あと迷ったらすぐにクルマ止めるって毎回イリーシャ言ってるよね?

水菜:
だってそうやって水菜が道に迷うとイリーシャ怒るし…

イリーシャ:
水菜が道に迷うからイリーシャが怒るんじゃない!
迷ってもそのまま進んでもっと何処にいるか解らなくさせるから怒るの!

イリーシャ:
なんでAURORAと衛星誘導のナビゲートがあって水菜は道に迷うかな…

水菜:
ここはAURORAの地図では見てももう道がないの。 表示されている地図ではただの山の中になっている。 経度と緯度はちゃんと確認したけど…

イリーシャ:
先生か小梅かうさ子と連絡はつかないの?

水菜:
小梅とうさ子はいまは他のAURORAネットワークに切り替えたみたいで連絡つかない。先生もいまは電脳通信を遮断している。 万事休すだよ~どうしよう…燃料も余り残ってないし…この子小さいくせに大食いだから…

水菜:
やっぱり先生に無理言ってForestじゃなくて厚木に下ろしてもらって二人だけネズミーランド行ったのがいけなかったんだよ…先生のお世話しないで楽しんだ罰が下ったんだよ・・・うわぁ~ん!(涙)

イリーシャ:
泣くことないでしょ。 ネズミーランド楽しかったし。 イリーシャがどうにかするから水菜はちょっとまってて。

あまり使いたくない手だけど、テミスから…エンパイアクラブミリタリアの欧州本部、南アフリカ新司令部、そして極東司令部へと、そこのForest駐屯地、そしてその保安本部ってのがあるのか、そこから、先生が来てるんだから周辺警備とかしてる部隊があるはず、あった! それにつないで…座標と連絡のメッセージを…送信っと!

〇3分後…

SE:
うわぁああああんん! 
ぎゅわぁあああああああああああああああああああ!

里穂:
いた!

イリーシャ・水菜:
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

SE:
ぎゅわぁあああああああああああああああああああ!

里穂の操る86(新)がくるっと半回転スピンしてそのまま後方へイリーシャの目の前ぎりぎりを抜けて行く。 右後輪は側道の外側の縁石の上を通しています。

SE:
きゅぅ!
(そしてたちのぼったタイアスモークが消えていくまえに)
ガチャっ!

ロッテ:
イリーシャ、水菜! ドクターから話は聞いてる!
エンパイアクラブForestへようこそ! 二人を弊クラブは歓迎するよ! 

イリシャー・水菜:
……………………

水菜:
走馬灯で先生と小梅の笑顔が…

イリーシャ:
イリーシャも同じモノが見えた…

里穂:
秘書課の里穂とロッテにもついに後輩が入るからって嬉しくてはしゃぎ過ぎちゃったかな? これは先輩としてドンビキされた?

ロッテ:
恐怖で固まって動けないみたい…。ドンビキ以前の問題だね


その2へつづく