えんぱいな日々(本編) 第五百六十四話 Bull's Eye 前半 その7


SE:
ぶろぉぉん♪

梨音:
いくら瑠莉先生とヴェルさんの許可でたからって、車椅子でいいから梨音も会議に参加しろとかお兄ちゃんは梨音に肉まんを与えればどんな無茶も聞くと思ってるよね!

向日葵:
ドレスにこぼさないでください! このハンカチを前掛けに!

美里:
でも肉まんにつられて参加決めたよね梨音。


梨音:
だって会議参加できるくらいに回復しているなら肉まん食べていいって言われたし。ここで根性みせないと昨晩みたいな地獄はみたくないし。

郁恵:
だからといって梨音ちゃん、4つは食べすきだと…郁恵思うよ? 残りは後でね…

梨音:
イヤ、今食べます!

愛里栖:
リムジン内に漂う肉まんの香り。 というより梨音ちゃんって食は贅沢じゃないよね。お茶もコンビニのペットボトルを普通に飲むし。

美里:
今回の手術の為の入院の前にお屋敷に遊びに行ったときに梨音と向日葵が夕食にコンビニ弁当食べてた時は驚きました。入院している間は逆に朝昼晩とちゃんとした食事なので安心していたんですが…退院してから心配です。

向日葵:
ワタシが料理作れたらいいんですけど、本当はちゃんとしたシェフとか雇うべきだと思うのですが…

梨音:
お兄ちゃんと向日葵と梨音だけならコンビニがあれば生活できます!

向日葵:
とお嬢様が言ってきかないし、お嬢様が言う事は
幸喜お兄様はほぼ無条件で受け入れるので…

梨音:
まあ正確には梨音はこの中山屋の特製肉まんがあれば良いんです!

体は肉まんで出来ている
血潮は汁で 心は小麦。
幾たびの季節を越えて不敗。
ただの一度も品切れはなく、
ただの一度も理解されない。
彼の者は常に独り 蒸し機の丘で勝利に酔う。
故に、生涯に意味はなく。
その体は、きっと肉まんで出来ていた!

郁恵:
それすみれが好きだから知ってるけど…fa〇e /sn だね
ルゥナもアレばアルものをモノ食べるタイプだし食にこだわりが無いし…これ篠山家もデルポール家もまずくない?

愛里栖:
花恋にいたっては、味覚が…軍用レーションで美味しいって感じだし。学園の学食食べて美味しさで感動したしね‥これはデルポール家・篠山家・加倉家の三家の食生活の抜本的な解決をしないと大変な事になる。

マリエット:
くすすっ♪ みんな可愛いわね。

幸喜:
だろ? 来て良かったろ?

マリエット:
そうね。その分大変だろうけど、あの笑顔があればそれ見合うわ。

SE:
ガチャ♪ うぃ~ん♪ガタン♪(梨音が座っていた椅子が下部のアームで移動しクルマ椅子の高さまで下がる身体不自由者用のアレです)

里緒菜:
どうぞぉ、えっ?

フランソア:
Mon bon ami Lion!(良く来た我が友 梨音。)
ようこそ、Empire Club Forest へ 弊クラブは梨音を歓迎する。

梨音:
フランソアお姉ちゃん!

フランソア:
やっとここに来れて良かった

梨音:
うんっ!

里緒菜:
フランソアさんが日傘をさしてお出迎えとか里緒菜、Forestでメイドになってから来て初めて見た

向日葵:
只今車椅子を…

フランソア:
イラナイ。

向日葵:
えっ ?
 
Drフィッツジェラルド:
皆様ちょっと静かにしてくださいませね。

フランソア:
梨音。自分の足でここからは歩く。

梨音:
えっ‥梨音立てないし歩けないし…

フランソア:
そんな事は無い。

梨音:
フランソアお姉ちゃん! 梨音は昨日手術したばかりで歩けるわけないよ!

フランソア:
普通ならね。 でも梨音は…

里緒菜:
フランソアオーナー代理! メイド長代理として意見を具申させてください!

フランソア:
なに? 里緒菜メイド長代理。

里緒菜:
白急グループはForest最大の取引先であり、梨音様はそこの筆頭家篠山家のご令嬢であります。 その方に対し失礼な言動はお控えなさって下さい。

フランソア:
ふ~ん。里緒菜は事実が失礼だというわけ?

里緒菜:
そういうわけではないですが…

フランソア:
なら問題はない。

フランソア:
フランソアも梨音も「普通の人間じゃない」から、立って歩ける。

梨音:
えっ‥‥

里緒菜:
あぁ…言ちゃったよ…里緒菜もう知りませんからね!

フランソア:
何、普通の人間のフリをしてるの? 立って歩いてみなさい。 梨音なら立てるはず!

梨音:
…梨音が‥普通の人間じゃないって…お姉ちゃん…

その8へつづく