えんぱいな日々(本編) 第五百六十四話 Bull's Eye 前半 その9

 
フランソア:
断固拒否する

里緒菜:
何フザケタ事言ってるですか?

萌香:
軍令拒否し今すぐ軍とメイド辞めます!

瑠莉:
大将に就任することになって、アジア全域なんで司令部と行き来とか多くになるし、Forestのオーナーの方はフランソアさんに…

詩織:
里緒菜、フザケテなんて無いのよ? ずっと考えてたことで‥色々みんなで話し合って里緒菜にメイド長をやってもらって詩織は瑠莉さんについて身の回りの世話とかに集中したほうが‥これから大変になるだろうし

悠美:
准将に昇進して特殊作戦群の前線司令官なることになって、メイド秘書まではちょっと無理が…萌香お願いできないかな…あと駐屯地司令官としても‥‥萌香有能だしね?

詩織:
萌香さんも、フランソアさんも、そして里緒菜まで…詩織達の話を即答で断るとか…酷い…酷すぎるわ。 詩織達って里緒菜達にとって一考の価値も無いことなの?

里緒菜:
いやお姉さまそういう訳では決して無くてですね…

萌香:
うわ…詩織さんの泣き落とし…里緒菜には効果絶大

フランソア:
まあ普段は里緒菜に対してしかしないけどね。

里緒菜:
萌香さん、フランソアさん、ここは里緒菜の顔を立てて一考だけでもして下さいませんか?

萌香:
一考も何もないと思うけど。

フランソア:
なんでフランソアがForestのオーナーになるの? ご主人様は気楽に軍の仕事だけ? 許せないし。

里緒菜:
まず萌香さん、現在Forestの内部のメイド秘書業務は全て萌香さんが取り仕切っておりますよね? さらに調査部のは捜査が一段落し悠里さんがやってくれているとはいえ、保安本部のほうは萌香さんが指揮されておりますし、さらにすみれちゃんを中心とした新人の後輩達の新部隊とかそれを見捨てるのは可哀そうじゃないかと‥

萌香:
うっ‥見捨てる…

フランソア:
萌香さんの情と責任感の強さを突いてきたか。

里緒菜:
こういうのどうでしょうか? 悠美さんには准将の業務をしていただきながら今まで通り対外的なForestグループの調整をしてもらい、さらに駐屯地司令官は瑠莉閣下が行う。あくまで駐屯地副指令という立場でメイド秘書なら? どうでしょうか? こないだメイド秘書の資格もお取りになった事ですし、この当たりが妥協点ではないかと‥

萌香:
少し考えさせて‥‥

里緒菜:
ありがとうございます萌香先輩!

フランソア:
さすが里緒菜…情と論理と実現性を兼ね添えた提案を添えるか

里緒菜:
それでフランソアさん、今まで里緒菜もそうですけどフランソアさんもオーナー代行は良くやってるじゃないですか? 里緒菜も副メイド長だけどお姉さまが保全機関の会合や任務とかでいない時はメイド長代行だし。

フランソア:
うん代行。

里緒菜:
たぶんご主人様と詩織お姉さまが忙しいのは今回の軍を含めたエンパイアクラブ全体の大規模改変に対し積極的に動くからForestに集中できないからお任せしたいと言う事だと思うのです。 ですから今回の色々もろもろな件が終わるまで、「代行」ではなくて「代理」として役職を預かるってことであればどうですか?

フランソア:
あくまで今回の件が落ち着くまで…預かる。代理…。

里緒菜:
そうでないと前みたいにご主人様が負荷で倒れたり、お姉さまが大変だったりするとおもうし、ここは里緒菜達が一時的にでも仕事を預かって、ご主人様とそれを支えるお姉さまにはエンパイアクラブ全体のお仕事に集中してもらった方が良いと思うんです。 里緒菜もフランソアさんも昔のアタシ達ではないと思うので出来ると思うんです。

フランソア:
ちょっと考える。

里緒菜:
ありがとうございます!

悠美:
ちょっと里緒菜さん、萌香とフランソアさん説得しそうだよ? 何時の間にあんなに逞しく…

詩織:
ちょっと詩織も引いてる…

瑠莉:
とりあえず私達は黙ってよういいね?

その10へつづく