えんぱいな日々(本編) 第五百六十六話 Lion 前半 その1

フランソア:
ご…ご趣味は何でございましょうか?(カチンコチン♪)

萌香:
はあ~…(深い溜息)

イリーシャ・水菜:
……………

里緒菜:
フランソアさん! 最初に言っときますけど、イリーシャは良いですけど水菜はあげませんからね! ふぅ~!(威嚇)

里穂:
お姉さま、あげるあげないという話ではなくてですね…

ロッテ:
お姉さまじゃなかったご主人様、お見合いじゃないんですから…

フランソア:
面接するの…初めてなので…

美知留:
これどういう状態ですか?

紅葉:
知りませんわよ…

水菜:
水菜はお料理です。お菓子作りも好きです。

イリーシャ:
イリーシャは歴史の勉強が好きです。 趣味とまでいえる所まで到達するほど見識がまだ高くないですが

里穂:
そうなんだ~♪(二人とも何事もないように進めてるわ、適応力高い! 流石、フランソアさんのお母様の屋敷にいた子たち、これくらいじゃ動じないんだ)

フランソア:
水菜はお料理、萌香さんと同じ趣味だね。

萌香:
(お願いこっちに水菜の話を振らないで里緒菜の目が怖い)

フランソア:
そしてイリーシャは歴史の勉強と‥‥特に好きな時代とかありますか?

ロッテ:
(やば、お姉さまのツボを‥‥)

水菜:
萌香メイド秘書はお料理がご趣味なんですね、水菜はまだ料理は修行中なので色々教えていただければ嬉しいです!。

イリーシャ:
すいません「歴史」というのは、古代ギリシアの歴史書である「historiai(ヒストリアイ)」を勉強してまして、書物で書かれている範囲はBC(紀元前)640年~470年くらいですか。イリーシャは主題であるアケメネス朝ペルシアと古代ギリシア諸ポリス間の戦争が特に好きで調べているうちに自然にヒストリアイにたどりついたというか…

里穂:
歴史? 本? ヒストリアイ?

紅葉:
里緒菜に何がありましたの…

美知留:
お嬢様、実はゴニョゴニョ…

イリーシャ:
ヒストリアイとはヘロドトス  が記した歴史書、まさにこの本の名前が「ヒストリア」「ヒストリー」でhistory=歴史という語源です! 内容としては…

水菜:
また始まった…これが始まると長いよのね…難しくて意味わからないし…

フランソア:
アケメネス朝ペルシアと古代ギリシア諸ポリス間の戦争を記述するためにリュディアからの歴史を書いてその後の流れを説明している。 歴史とは事象の「点」ではなく繋がった
線」であることが示されたのがこのヘロドトスの「ヒストリアイ」からなの! 当然うちの図書室に日本語版もあるし! ヒストリーチャンネルで特集したときの動画もあるから是非、里穂にも興味をもってほしい!

里穂:
はい…(ドンビキしている)

イリーシャ:
周辺資料とかございますか?ご主人様

フランソア:
うん、けっこうそろって来たんだけど古書や実際の石板とか手に入らないのが多くて、グループの総裁になったから、運営費を使って美術オークションに参加して競り落とそうかと…

紅葉・里緒菜:
ダメです(わ)! 

萌香:
紀元前の石板、それって本なの? 文字が書いてあれば本? ついに博物館レベルのものまで手出す気なのね…

里緒菜:
そういうのはご自分のお小遣いから買ってください。でも石板や古文書などは管理がもう博物館だからダメです! うちはエンパイアクラブであって博物館ではありません! 美術館だけだって管理があんだけメンドクサイのに!

フランソア:
おなじmuseum(ミュージアム)だからいいとおもうけど。 日本語だと単語が別れてるからって厳しい…

萌香:
あの二人ともミリタリアの軍籍あるから小梅がお世話になっている部隊の隊長さんに紹介するから私と一緒に行こう

水菜:
お願します。

その2へつづく