えんぱいな日々(本編) 第五百六十八話 BLAZE UP 前半 その12

 
すみれ:
エンパイアクラブが持つ非合法の要人暗殺専門部隊。ブラックハウンド

真理愛:
非合法?

すみれ:
それを構成するのは暗殺などに特化したアサルトメイドであるアサシンメイド。まあすみれがアヴァロンに居た頃も桃子先生は良くこの部隊の襲撃を受けていてその度に鈴音先輩達の部隊が撃退していた。

小梅:
えっ! すみれ…さ…ん…ってAVARONに…いたんですか…あぁ‥‥

すみれ:
あれ? 小梅知らなかったの?

真理愛:
だれも言ってないわよ。 というかうちの部隊で知ってるのはマリとルゥナ・郁恵・愛里栖・花恋・エリシア・アリエルさん! だけだからね…? マリ以外は過去に戦った相手なんでしょ?

すみれ:
そうなんだ…

小梅:
あの…すみれさん…小梅の命はもう仕方ないので…どんな残忍で長く苦しむ方法で処刑していただいて構いませんが、妹達だけは…どうか見逃してください。 お願いいたします。 小梅はもうあの組織からは完全に抜けておりますんで…あるいみ抜け忍みたいなものなので…小梅の命だけでどうかお願いします。

すみれ:
わたしもAVARONからみれば抜忍? みたいなものなので、まあこないだ鈴音先輩が鈴奈先輩に挨拶しにきたくらいだから…追っ手とかは来て無いから穏便に抜けたみたいな?

小梅:
いや‥あのAVARONが一時的とはいえブラックハウントのアサシンに対して情などというものをかけるとは信じられないですが…? 

真理愛:
あのさ、二人の会話きいてると、現代というより戦国時代とかのTVドラマとかアニメの忍者もの? 敵対する忍者組織みたいな?

すみれ:
小梅がどう聞いてるかは知らないけど。すみれも当時、ブラックハウントの襲撃の撃退には参加してるのさ、本部が襲われたこともあるし。 敵で戦闘員、この場合は当時の小梅の仲間にあたるのかな? 当時のすみれよりも幼い子もいてね。無力化してうちでこの場合はAVARONねで保護しようとすると自爆とか、脳破壊とか、それを桃子先生が防いでも、重度の薬物中毒で脳や身体が回復不能な状態で助からないって状態だった。 それをみて当時のすみれは、とても怒りを感じて、エンパイアクラブを滅ぼさないかぎりこの子たちは救われないと強く思った。

真理愛:
我がエンパイアクラブながら鬼畜外道を通り越してて吐き気がするわ。

小梅:
たしかに小梅も先生に保護されたときはそんな感じで、先生の治療のおかげで一命はとりとめたんですが…薬物から回復するのに一年かかったそうなので、その間小梅は意識をなくして治療を行ったそうです。

すみれ:
いまはヴィクトリア女史とは内部分裂状態とはいえ…そちらには遺恨はあるよねたしかに。 鈴奈さんには言ったしヴェルさんもクレアさんも知ってたし…みんなに伝わってると思ってただんけど。
これはとアーマーメイドの件もふくめて部隊には休暇明けにちゃんと説明しよう
かくしているようは正確な情報を伝えたほうが…上に相談してみる。

小梅:
あの‥すみれさん? 小梅のことは許してくれるですか?

すみれ:
許す? 何を? そもそも許してもらうような事、小梅はしてないでしょ?

小梅:
だって薬物でほとんど意識なんかなかったとはいえAVARONと戦って…たぶん何人かは当時のすみれさんの仲間を…コロシタとおもいます。 正確には覚えてないです、ずっと悪いの夢の中のような…感じで…

すみれ:
そんなのは小梅のせいじゃないでしょ? メイドを‥小梅達の代はすでにバイオメイドだったんだけど、それを薬物中毒にして…任務に就かせ失敗しても成功しても使い捨て。 そんな事をを強制した…ヴィクトリア女史達のエンパイラブ評議会側がいけないんじゃない? 小梅には何も責任がないよ

真理愛:
あなた、こないだ同じようなことをDrフィッツジェラルドに言ってなかった?

すみれ:
あっ…そうだね。 小梅、「それが戦うってことだよ」。前にいる敵が憎いなんておもってない。戦う原因をつくってるひとには恨みはあるけど。


小梅:
はい…あ…ありがとうございますすみれお姉さま。

真理愛:
おうすみれ「さん」から「先輩」を通り越して「お姉さま」にもどったね。

小梅:
はい‥カッコイイというか…ジーンときました。 

すみれ:
ごめんなさいすみれ調子乗りました。真理愛の受け入りに近いので‥‥。でも本音ではあるから…

真理愛:
それでチカラを下さいってどういうこと?

すみれ:
すみれ達も正座したほうがいい?

小梅:
お姉さま達はそのままで。 では説明します。先生が先ほどの治療を行う時に、いったんヴィクトリア女史のマスター登録を抹消、すみれはDrフィッツジェラルドの特殊マスター登録となっており、ハイパーアサシンバイオメイドの能力やオーバーメイド能力の全てを封印されています。 しかるべき小梅が本当にお仕えしたいご主人様が現れたときに本マスター登録が可能で先生に頼むことでこの封印が解除されます。先生曰く、小梅が暗殺者の能力を買われて優しくされるのではなく一人のヒトとして接してもらえることが大事でとか言ってました。 だからこの封印が解除されないと小梅はただのポンコツメイドのままです。 とてもじゃないけどオーバーメイドより上のメイド同士が戦いを繰り広げることが予想される戦闘などでお姉さま達や先輩達のお力になれず妹達も護れません。

真理愛:
うん‥だったら剛史お兄ちゃんに頼めばいいの?

小梅:
違います!

小梅:
ここで先生からキツク注意されているのは「小梅が本当に命を懸けて御守りしたい、愛していると思えるご主人様があらわれた場合、こちらの方に小梅のマスターになれるというマークがつくといわれていて、今ついているのが、すみれお姉さまと真理愛お姉さまの二人なんです。 真理愛お姉さまは上原家の跡取りでオーダーメイドなのでメイドが取れる資格があるので理解できるですが、すみれお姉さまもついているのは小梅にはちょっと理解できないですが…とにかくついてます。 

すみれ:
もしかしてそれって…すみれがアルティメイドだから? 本マスター登録してないメイド側からはすみれのこと…マスター権限があるように感じてるってこと? 小梅の場合は視覚情報としても見えるんだけど。

小梅:
アルティメイドってフランソアオーナーの演説の中でも自分はアルティメイドだからって言ってましたけどそれって何ですか? 聞いてたことないですけど?

真理愛:
まあ小梅に解るようにいうと、ご主人様は普通の人がマスターチップを積んでいるか、そもそもがオーダーメイドというご主人様として生まれているメイド、マリみたいなモノね。アルティメイドというのは、オーダーメイドもアポリロイドもバイオメイドもハイパーメイドさえも超越した最高ランクのメイドのことなんだけど…そもそもがまだ現存する数がものすごく限られている。 よって一般には公開されていないクラス?ランク?

小梅:
それがすみれお姉さまだと?

すみれ:
もしかして…すみれに強いメイドが集まってくるのって…

真理愛:
すみれがメイドとして強いし、最強のマスター、ご主人様だから。例としてフランソアオーナーとか? エステルオーナーとかいるでしょ?

すみれ:
鈴奈先輩はそれを理解していて…アルティメイドの知識ではなく…戦士として‥だから…あんなことを…言ったんだ

真理愛:
あんなこと?

すみれ:
それはいいや…これはちょっと相談しないとって誰にこんな事を相談?

Drフッツジェラルド:
(もしもし? 日本ではコレでよろしんでしたっけ?)

すみれ:
えっ電脳通信に強制割り込み? うそ!? すみれの防壁抜かれた?

小梅:
先生?

真理愛:
Drフィッツジェラルド?

その13へつづく