えんぱいな日々(本編) 第五百六十七話 Lion 後半 その1
英奈:
燃料は入れたぞ…
水菜:
満タンありがとうございます!
英奈:
退避完了だぞ。
水菜:
エンジン始動! かかれ!
SE:
トゥルルル! ぽぽぽぽぽっ! ぼ~ん♪
萌香:
これクルマなの? ドコのメーカー?
英奈:
BMWだ。 イセッタというバブルカーというものでな、エンジンは250cc、まあオートバイを三輪にして屋根を付けたようなものだな。
萌香:
ビー・エム・ダブリュ…ベンベー…ドイツ社…高級車…だよね?
里緒菜:
これで千葉から来たの? うそ…
スリエル:
壊れないの?
水菜:
大丈夫! 整備はしてるから燃料さえあれば行って帰って来れるから!
水菜:
お姉さま、でわ行ってまいります!
里緒菜:
気を付けてね、よろしくお願いします。
SE:
ぱぱぱぱぱっ! うわぁ~ん!うわぁ~ん!
英奈:
ちゃんとBMWの音はするんだよね。
SE:
うわぁ~ん!うわぁ~ん!
三人:
…………………
里緒菜:
滅茶苦茶、水菜がとても大切にしてて、気に入って乗っているのは理解(わか)るんですが…アレってぶつかったら…やっぱり
英奈:
まあボディーはなんというか紙というか…バブルカーだからな、まさにシャボン玉…パンっ?
萌香:
さすがにアレは…どうにかなりませんか? うちのプリちゃんの時みたいに。
里緒菜:
里緒菜、貯金全部はたきますのでどうか! 英奈博士! お願いします!
英奈:
じつは詩織さんからすでに前執行部の時点で予算が付き執行づみで、研究開発部の総力を挙げて取り掛かってはいるだが、かなり難航していて特にボディー設計が…現在特殊素材のプレス成型で試行錯誤してるんだが‥‥予定の強度がまだでてないんだ。
里緒菜:
うちの研究開発部でも難航って…とにかくできるだけ急いでお願いします!
英奈:
最善を尽くすことを約束しよう。
向日葵:
美紗季達来ませんね…
マリエット:
時間にルーズな子達なの?
向日葵:
三人とも時間はしっかり守るタイプです。友人としてそれは保証します。 研修していただいていたクラブシェルムーンのオーナー様からもとても真面目で良い子だったと言われました。是非そのまま欲しいとまで言われたくらいで、お断りしましたけど。 おかしいですね…住所とかも伝えてるし…荷物も先に届いてますし。
里穂:
車だよね? 事故とか?
マリエット:
そういう情報はAURORAで今の所確認できません
向日葵:
ここ白山でいちばん目立つ建物だと思うんだけど
里穂:
あっ…それが問題なのかも?
向日葵:
えっ?
裕子:
ちょっと時間すぎてるって遅刻だって!
美紗季:
ここ4周目だけど? 国際会議場の施設だけでとても広くて大きいんだけど‥
アニッタ:
そうですね~…国際会議場の目の前ですぐにわかるって言われたんだけど、う~んナビみても‥ここなんですよね…住所は
美紗季:
だから住所なんかこんなに広かったら意味ないでしょ!
裕子:
でもお屋敷なんかないよ! 大きなビルばっかりだよ!
アニッタ:
どうしよう…
SE:
たたたんたったん♪(着音)
アニッタ:
あっ向日葵? はいっ! 下でマリエットメイド秘書とforestの里穂副メイド長とまっているけどこないからどうしたのかと?!
美紗季:
メイド秘書と「あの」Forestの副メイド長をお待たせしてるとは…
裕子:
これって初日から地下室とかで、ご主人様になった梨音がボンテージ着て鞭を持って「お仕置きです!」とか言って…あっ意外と似合うかも?
美紗季:
あのね…梨音は手術したばかりで面接だって無理に無理を重ねてするんだと思うよ? それなのに、アナタのそんな趣味に付き合わせるわけにいかないでしょ…。
アニッタ:
はい。 お屋敷がどうしてもみつからなくて…えっ?
白急ホテルのそれは見えてる、その前くらいにいるけど?
バス停? うんあるね見えてる。 向かえにコンビニ。
うんあるね。その横? 大きなビル?
えっ? 80階建て? えっ? ツインタワー?
その下に目を‥
うん…いたっ! メイド服着てる三人!
向日葵:
そこ右折禁止なんで、そう回ってきて、この誘導路にお願い!
里穂:
さっきから古いミラターボのチューンドが何回も向かえの道を通り過ぎてたから気になってたんです。
マリエット:
目の前にあるお屋敷を探して迷っていたと。見えていても認識されてなかった。
固定概念って怖いわよね…
その2へつづく