えんぱいな日々(本編) 第五百六十七話 Lion 後半 その10
梨音:
ふぅ~疲れたぁ~♪
向日葵:
お嬢様、何やってるですかハシタナイですよ♪
梨音:
身体動くようになったら、自分のベッドでやってみたかっただもん♪
後、今日は梨音いっぱい、がんばったと思うから! ご褒美ちょうだい!
向日葵:
はいはい♪ お嬢様は良くがんばりました♪ よしよし♪
梨音:
うっふふっ♪
向日葵:
お風呂溜めてまいりますね。
梨音:
ちょっとまって…
梨音:
えいっ! えへへっ♪ 身体が動くってステキ! こうやって二人の時は梨音から向日葵に甘えられる!
向日葵:
それは違います。「向日葵が良いと思った時にはお嬢様は甘えられる」です。 この制限をつけないとずっとお嬢様が向日葵に甘えつづけられて向日葵は何も出来なくなってしまいます。
梨音:
それでいいよね?
向日葵:
良くありません。 あくまで向日葵に甘えらるのは、お嬢様ががんばったときのご褒美のとかです。
梨音:
向日葵きびしいぃ~♪
向日葵:
ねえお嬢様、このままでいいので向日葵の話を聞いて下さい。
梨音:
うん…真剣な話? ならベッドの上で正座でもしようか?
向日葵:
いえ、このままがいいです。
梨音:
うん。
向日葵:
えっと…お嬢様が最初に「ご主人様と呼ばずに対等なトモダチや姉妹みたいに接してほしい、これ梨音の命令」って言ったから、それを守って今までお嬢様のことはご主人様とは呼ばず、ずっとお嬢様と呼んでますが、向日葵はお嬢様の最初の専属メイドで…ご主人様とメイドという関係なのは理解されてますよね? これはマスターとメイドの契約です。
梨音:
それは当然解ってる。 だから篠山家の梨音の筆頭メイドは向日葵でご主人様は梨音。
向日葵:
そうです。
日葵:
向日葵がお嬢様にメイドとしてとても依存しているのは…理解されてますよね?
梨音:
うん…それいったら梨音も向日葵に依存しているし…
向日葵:
う~んそれはとても嬉しいのですが、向日葵の依存はヒトとして梨音さんを好きというダケじゃなくて、メイドとして、アポリロイドとしてマスターに依存しているんです。
向日葵:
条件付けというはお嬢様も習いましたよね?
梨音:
うん。習ったというか調べたし。勉強した。
向日葵:
メイドは…その条件付けでマスターに従うようにできてます。 そしてそのマスターと結ばれること…身体的‥エッチですね、夜伽をすることで普通の人よりもとても大きな多幸感(注)を得る事ができます。 これは何ものにも代えがたい衝動を精神に刻み込みます。それくらい強い幸福感です。
梨音:
それは説明では読んだけど、さすがに感覚だから理解してるとはいえない。
向日葵:
はい。
注:多幸感
多幸感、ユーフォリアとは、非常に強い幸福感、ウェルビーイングのことである。 特定の自然報酬、有酸素運動、笑い、音楽の聴取、作曲、ダンスなどの社会的活動は、多幸感を引き起こしうる。愛情による至福感や、競技で勝利したときの陶酔感。オーガズムは、多幸感の例である。 また、多幸感は宗教的儀式や瞑想によっても生じうる。
向日葵:
エンパイアクラブのオーナーになるとことは多くのメイドを抱えます。 その中には梨音様を…いまだけ許して下さい。梨音ご主人様を愛し欲するメイドが当然でてきます。
梨音:
それは梨音は向日葵がいるから、心配しないで向日葵一筋だから!
向日葵:
違います。
梨音:
えっ?
向日葵:
そういうメイドが出てきたら、迷わずそのメイドと夜伽をしてあげてください。
梨音:
えっ…向日葵としか付き合うなじゃなくて? 逆? 夜伽‥エッチをしろ? 浮気しろってこと?
向日葵:
そうですご主人様。
向日葵:
理由は、メイドにとってご主人様、マスターとの夜伽をして多幸感を得ることが救いになる場合が多いからです…。 例えそれが…嘘・偽りの愛で抱かれていたとしてもメイドは幸せを得てそれにより救われます。
そしてそれを与えるのが、エンパイアクラブのオーナー、ご主人様の義務です。
梨音:
救い…? 義務…?
その11へつづく