えんぱいな日々(本編) 第五百六十六話 Lion 前半 その16
梨音:
うぅっ…緊張で吐きそう…
アリエル:
ちょっと大丈夫ですの?
ルゥナ:
やっぱり…
愛里栖:
まあ回数かさねればなれるよ梨音ちゃん。
郁恵:
そうそう。
ルゥナ:
アンタ達けっこうスパルタよね。
郁恵:
まあエスコメイドだし。
愛里栖:
それでガチで花恋とエリシアがダウンさせられると夜の会食会?困るから止めてくる。もうそろそろ、夜までは持つくらいに摂取してるだろうし。また夜再開させればいいし。
郁恵:
行こう愛里栖。 あとそれわったら隣の執務室へ行くから。
ルゥナ:
本当にスパルタ式よね…こちらはアテナイ式でいくしかないかでないと梨音ちゃんがもたない。
マリエット:
梨音さん何か飲む?
梨音:
うん、なんか冷たいの…ジュースとか
マリエット:
解った、自販機でかってくる。
梨音:
先輩達がいってたのはその通りで回数を重ねてなれるしかないと思います。
ルゥナ:
まあね。それで梨音ちゃん、あのね一つ質問があるんだけど、もしもだよ? 彼女達や今後入って来るメイド達が、自発的に「ご主人様」って言うようになったらどうするの? うちの美里とかはわたしが強制してないけどご主人様って呼ぶし
梨音:
それは…もう仕方ないとおもう。 実際にそのときは本当にご主人様だと思ってくれて言ってくれてるのだから強制じゃなくて。 今日ねフランソアお姉ちゃんが瑠莉先生のことを話す時に、瑠莉さんと言おうとして、もう何十回もご主人様って言ってて、そのたびに一生懸命治してて。お姉ちゃんは瑠莉先生に強制されたことは当然ないとおもうし、条件づけもない無いはず。だけど…フランソアお姉ちゃんにとっては瑠莉先生がご主人様なんだとおもう。
ルゥナ:
うん、フランソアさんは、瑠莉さんことを「ココロのご主人様」っていってた。
梨音:
そんなご主人様に梨音がなれたときは…呼んでもらいます。
アリエル:
わかりましたわ、頑張ってくださいね梨音さん。
梨音:
うん。梨音がんばる。 あのね、一つお願いがあるんですアリエルさん
アリエル:
なんでしょざいましょう。
梨音:
えっと…そのアリエルさんは梨音こと、面倒みてもらえるわけで…その梨音にとってはフランソアお姉ちゃんと同じだとおもうんです‥それでですね…アリエルさんのことも、アリエルお姉ちゃんって呼んではダメですか? よければ梨音のことを妹分にしてほしいです
アリエル:
うぇはぁぁああ…はぁぁい! どうしましょう! はぁい! じぇぃひぃおねぇがいいたしぃましゅ! いいでしゅよぉ! 梨音さぁん! この世のすべての国々とその栄華を梨音さんに与えますわぁ!
アリエル:
今すぐ義兄弟の盃をいえナイフで親指をきって…いや魂のノートに署名をさせて(注1)
ルゥナ:
この堕天使に自ら妹分になりたいなんて子が…お姉ちゃんって呼ぶのは止めないけど、妹分はやめた方がいいよ? あと義兄弟って義姉妹じゃないんですか?
すみれ:
下がれ、サタン! 悪魔よ立ち去れ!(注2)
動揺しすぎて変な声あげて、コトバにさえなってなかったじゃないですか情けない! それよりデルポール家の面接をすみれと真理愛に任せきりにするとか、何考えてるんですかアリエルお姉ちゃんは! ルゥナも!
アエリル:
すみれさん…あのサタンはルシフェルなので…わたくしはアリエルですから、違いますから(注3)
すみれ:
堕ちたのには変わらんわい!長か手下かの違いでしょ!それにアリエルは直下の幹部だし
梨音:
あの…デルポール家の面接? それってもしかしてメイドの配属の挨拶面接?!
注1:
義兄弟の杯は日本のヤクザ 血を混ぜるのはイタリアマフィア 魂のノートは悪魔の契約書。
注2:
新約聖書 マタイ伝:
前のコマのアリエルのセリフは
4:8 悪魔は~この世のすべての国々とその栄華とを見せて
4:9 こう言った。「もしひれ伏して私を拝むなら、これをすべてあなたにあげよう。」
すみれのセリフは以下から
4:10 そこでイエスは言われた。「下がれ、サタン。」
注3:ルシファー(Lucifer、ルキフェル、ルシフェルとも)
ルシファーは堕天使の長であり、サタン、悪魔と同一視される
その17へつづく