えんぱいな日々(本編) 第五百六十七話 Lion 後半 その18

 
梨音:
苺とバナナどっちがいい?

梨花:
えっ? えっと…だったら苺で。

お姉さん:
デラックス苺ホイップクレープとこちらがデラックスチョコバナナクレープになります♪

梨音:
ありがとうございます。

梨花:
(なんで買い食い? まさかこれが最後の晩餐?)

お姉さん:
ありがとうございましたぁ!

梨音:
梨音が歩いた通りについてきて。 逃げようなんて思わないでね、力の上限の制御できないだけでオーバードライブは使えるから。

梨花:
逃げないです…梨花はアサルトメイドじゃないのでアルティメイド相手にそんなことしません。 ついていけばいいですね。

梨音:
よし。 もうセットしたから、こっちへ

梨花:
ショッピングモールのけっこうはずれですね…まあ中ではありますが…

梨音:
ここ。

梨花:
ポムグラネイト? ってお店?

梨音:
果物のザクロという意味ね。

梨音:
おじゃましまーす!

梨花:
失礼いたします。(お綺麗な双子の姉妹、私達と同じアルビノ)

奥の女性:
いらっしゃいませ♪

律子:
ちゃんとスキャナはごまかせてますわよ。

梨花:
楽器? ここはどんなお店何ですかオーナー様、あと飲食物持ち込みとか…まずいんではわ?

優樹子:
ここは音楽クラブ、まあBARみたいなお店。飲食物の持ち込みは本来は禁止なのですが…

律子:
それが先ほど娘にお昼ご飯を作らせて持ち込ませたオーナーの言うことですか?

優樹子:
いいじゃない、娘の手料理食べたかったのよ!

梨花:
娘さん? えっ!

優樹子:
うふっ♪ 自己紹介は座ってから、カウンターでいいかしら?

梨音:
うん!

優樹子:
梨音ちゃん、一応ここお店なんで注文は何がいい?

梨音:
ママさんの特製ブレンドコーヒーをお願いします!

優樹子:
畏まりました! 梨花ちゃんは?

梨花:
えっ? 何で梨花の名前を…あっ同じもので

優樹子:
はい、ブレンドコーヒー二つね

梨花:
あのオーナー様とお二人は…この場合は梨音オーナー様とはどんなご関係で?

梨音:
ムシャムシャ…ママさんは説明が長くなるから、まず梨花の隣に座ってるお姉さんが、律子お姉さん。鹿苑寺律子博士。 梨音がリハビリでお世話になっている国立人工生命科学研究所の副所長で梨音の主治医の一人です。

梨花:
はぁ…そんな偉い方

律子:
偉くはありませんけれど、鹿苑寺律子とお申します。実は梨音ちゃんはとても長い付き合いになりますのよ

梨花:
鹿苑寺って…もしかして

梨音:
旧姓、保坂律子、梨花が研修でお世話になっていた保坂良二お兄ちゃんのお姉さん。 そして鹿苑寺グループの次期当主の鹿苑寺葵さんの奥様。

梨花:
はぁ…

梨花:
それで梨音オーナー様、こちらのオーナー様は?

優樹子:
特製ブレンドコーヒーおまちどうさま♪ 私のことはオーナー様じゃなくてママさんでお願いできるかな?

梨花:
はい…ママさん。

梨音:
ありがとうございます。
こちらの方は、櫻糀優樹子博士

優樹子:
櫻糀優樹子と申します♪ よろしくね橋本梨花ちゃん

梨花:
櫻糀優樹子…って…えっ…いやそんな…梨花のデータバンクには…死んで…

梨音:
うんその優樹子博士で間違いない

優樹子:
この律子の母で、Club Forestの前オーナーの瑠莉の母親で、梨音ちゃんの最初の主治医で、
今はこの音楽クラブ Pomegranate(ポムグラネイト)のママで。
それで! 電子の幽霊を半分くらいしておりま~す!

梨花:
電子の…幽霊…?

律子:
やはりそれ言いますのね

梨音:
ずいぶん元気そうな幽霊だよね。 足あるし。 まあ嘘じゃないんだけど…

優樹子:
フランソアと違って…この場合は一世の方ね、私はこれでも英国に正式なお墓はありますのよ、中身はなにも入ってませんが。

その19へつづく