えんぱいな日々(本編) 第五百六十七話 Lion 後半 その3

 
SE:
ポポポポッ

スリエル:
MP3プレイヤーとかカーラジオとか?

水菜:
そんなモノはイセッタちゃんにはついてません。

水菜:
ちなみに、クーラーなどもないですから。

スリエル:
けっこうスピードはでるんだね、法定速度プラスちょとはでてるね70km/hくらい

水菜:
はい、元に乗ってたイタリアのライセンス生産品をBMW R25のエンジンの載せ替えてミッションは魔改造して5MTにしました。 ただ圧倒的にオルタネーター(発電機)が弱いので電装品は最低限です

スリエル:
私も機械とかは詳しいほうだけど、水菜も見かけによらず詳しいね。好きなの?

水菜:
好きというか…水菜、人間不信だったんです。 先生と詩織さん…詩織さんは知ってます?

スリエル:
うん知ってるよ、英国のお屋敷にも数か月に一度は来てくれていた。たぶんフランスへ行ったついでに英国にも寄っていたから会ってる頻度は水菜と同じだとおもうよ。

水菜:
そうですか。 先生と詩織さん以外とは水菜話せなかった時期もあるんです。 いまも実は小梅とイリーシャ…まだあってませんねと、里緒菜お姉さま以外は実は話してて緊張します。

水菜:
機械は…誰とも話さなくても遊べるんで…。 幸い先生のフランスのお屋敷の倉庫には古い機械が沢山あって、その中にこのイセッタとかBMWのバイクとか、あと飛行機の部品とか古いコンピュータとか沢山あって…その関係する本も沢山あって。 工具や工作機械もあって。

スリエル:
うん…イギリスのエディンバラのお屋敷もそうだったからわかる。 昔の倉庫に見せかける為だよね? 

水菜:
そうです。 それで色々弄ってる間に覚えて…その中でもこのイセッタはとても可愛くて…どうしても動かしたくて。 動いたときに先生から水菜にくれるって言われて。 うさ子以外だと水菜はじつはこのイセッタちゃんしか何も持ってなくて。 うさ子というのは…

スリエル:
うさぎ型のサポートエージェントドローン。 水菜の髪飾り型の外部デバイスによりキミの全てとフルリンクすることが可能。 水菜がうさ子を「持っている」「所有している」と言うのなら、この私もキミの財産だね橋本水菜。 マスターとでもお呼びしましょうか?

水菜:
!! ちょっと何いってるのスリエル! 意味解らないよ!

イリーシャ:
本当にいいんですか~?

フランソア:
この時間を待っていた。 午後のメイド長会議の時間! この時間は紅葉も萌香さんも、悠里も、そして里緒菜もいない! 今しかない。 ちゅんぴ二号、執務室内のダミー画像は走ってるね?

ちゅんぴ二号:
ちゅん!

フランソア:
イリーシャだってヒストリアイについてギリシャの資料みながら語り合いたいって言ってたでしょ

イリーシャ:
そうですが…

フランソア:
いくよ!

SE:
ウィン! ズバっ! チャキンっ! 

フランソア:
フランソアのブレードが! 都!

イリーシャ:
何も見えなかった、速すぎて。

都:
遅い! 遅すぎますよ! フランソアご主人様!

SE:
ザクッ! (壁にフランソアのコンバットロングブレードが刺さる)

イリーシャ:
ひぃぃぃい!

都:
対フランソア主人様用 XM134 「ミニちゃん2(ツー)」
7.62x51mm 強化テクタイト合金製徹鋼弾 栗田化学薬筒KNA9 全長900mm 装填重量100kg 発射速度 毎分2,000発! パーフェクトだ英奈!

フランソア:
フランソア用に新調したの?

都:
紅葉お嬢様からフランソアご主人様が執務室より逃亡した場合、都の火力を持って阻止せよと仰せつかっております!

まあわたくしとしては、フランソアさんとは一度、本気で戦ってみたいと思っていましたので全然逃げてもらっても構わないのですが。

今のは警告です!

イリーシャ:
警告でも徹鋼弾をミニガンで掃射しましたよね?! それも狙って! ご主人様もブレードをスカートの下から抜きましたけど!

都:
ちなみに、わたくしは栗田家のメイドなので「ご主人様命令」など効きませんわよ? さあどうします? ヤります?

イリーシャ:
ご主人様! やめましょう! 後で勤務時間外に!

フランソア:
そうだね! あとから行こう!

都:
そうですか残念です

フランソア:
だって都の事だから、屋敷中のいたるところに色々重火器隠しているんでしょ!

都:
色々まだ撃ってみたい新装備もありましたのに。

フランソア:
やっぱり!


その4へつづく